JPH06101815A - 予混合燃焼用バーナ及び燃焼器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭い空間内での燃料と空気との混合促進、及
び保炎性の向上を図ると共に、逆火を防止する。 【構成】 予混合室９内に流入してきた空気Ａを旋回さ
せる旋回羽根３と、予混合室９内に流入してきた空気Ａ
に燃料Ｆpを噴出する燃料噴射ノズル２ａと、旋回羽根
３よりも下流側に設けられ、バーナ軸方向に平行な面を
有する直進羽根４と、予混合気体噴出口５から噴出する
予混合気体Ｇmに対して、自身の下流側に燃焼ガスＧeの
循環流を形成する保炎器６と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、燃料と空気とを予め混
合し、これを噴出する予混合燃焼用バーナ、及びこれを
備えている燃焼器に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガスタービン燃焼器の低ＮＯx燃焼法と
しては、燃料を過剰な空気と予め混合した後に燃焼させ
る希薄予混合燃焼法が主流であり、例えば、特開平1ー1
37117号公報に記載の燃焼器のように、供給する燃料の9
8%を希薄予混合燃焼させる燃焼器が既に提案されてい
る。この希薄予混合燃焼により、ＮＯxを低減するため
の必要条件は、燃焼前に燃料と空気とを充分に混合する
ことである。しかし、実用の燃焼器では、燃料と空気と
の混合に充分な空間を確保することが難しく、狭い空間
で燃料と空気とを良く混合する技術の開発が必要であ
る。また、燃料と空気とが一部でも混合すると燃焼する
可能性があるため、燃料と空気とを混合する混合室中に
火炎を形成しない技術、即ち逆火防止技術の開発も必要
である。

【０００３】ところで、狭い空間で燃料と空気とを良く
混合する技術としては、例えば、特開昭55−134221号号
公報や図１２に示すようなものがある。前者の技術は、
予混合室内に流入する空気を旋回させ、そこに燃料を噴
射することにより、空気の流れを乱して燃料との接触機
会を多くすると共に、予混合室内における空気の滞留時
間を長くして、燃料と空気との混合を促進するというも
のである。また、この技術では、燃焼室内においても旋
回流が形成されるため、この旋回流の中心に高温の燃焼
ガスが循環して着火源となるので、保炎効果の向上も図
っている。また、後者の技術は、前者の技術と同様に、
旋回羽根４で予混合室９内に流入する空気を旋回させ、
そこに燃料を噴射して、燃料と空気との混合を促進する
一方で、予混合気体噴出口５より僅かに下流側に保炎器
６を設けて、保炎効果の向上を図ると言うものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術は、
いずれも、燃料と空気との混合の促進及び保炎性の向上
を図ることはできるものの、予混合気体噴出口近傍にお
いても、旋回流が形成され、その中心の圧力が低下する
結果、高温の燃焼ガスの逆流を招きやすく、逆火が生じ
やすいという問題点がある。そこで、本発明の目的は、
狭い空間内での燃料と空気との混合促進、及び保炎性の
向上を図ることができると共に、逆火を防止することが
できる予混合燃焼用バーナ、及びこれを備えている燃焼
器を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の予混合燃焼用バーナは、予混合室内に流入してきた空
気を旋回させる旋回手段と、前記予混合室内に流入して
きた前記空気に対して燃料を噴出する燃料噴射手段と、
旋回する前記空気と前記燃料との混合により形成される
予混合気体の旋回力を弱める旋回強度変更手段と、予混
合気体噴出口から噴出する前記予混合気体に対して、自
身の下流側に該予混合気体の燃焼により形成される燃焼
ガスの循環流を形成して保炎を図る保炎手段と、を備え
ていることを特徴とするものである。

【０００６】ここで、前記旋回手段は、具体的に、バー
ナ軸方向に対して所定角度有するように設けられている
旋回羽根で構成することができる。また、旋回強度変更
手段としては、バーナ軸方向に対して平行に設けられて
いる直進羽根や、バーナ軸方向に平行な貫通孔を有する
ハニカム構造体等で構成することが好ましい。また、保
炎手段は、予混合気体噴出口より下流側で且つバーナ中
心軸上に設けられ、この予混合気体噴出口から噴出する
予混合気体の抵抗となる抵抗体や、予混合気体噴出口か
ら急激に拡がる空間を形成する拡張空間形成部材で構成
することができる。

【０００７】ところで、保炎手段として抵抗体を用いる
場合には、旋回強度変更手段を構成する直進羽根と接続
しておくことが好ましい。また、直進羽根は、その下流
側部分に旋回する予混合気体の流れ方向に沿った面を有
していることが好ましい。

【０００８】

【作用】旋回流中で燃料と空気を混合させることで、両
者の混合が促進される。但し、旋回流の中心は圧力が低
下するので、この循環流が予混合気体噴出口においても
形成されていると、圧力が低くなっている部分に高温の
燃焼ガスが逆流し、逆火が生じる。そこで、旋回してい
る予混合気体が少なくとも予混合気体噴出口でほぼ直進
流になるよう、旋回流を直進流に変換すると、少なくと
も予混合気体噴出口では、圧力の低い部分が形成されな
いので、逆火は生じない。

【０００９】直進流に変換した後、直進流が衝突する抵
抗体（保炎器）を予混合気体噴出口の下流に設けると、
この抵抗体の下流に循環流が形成される。この循環流
は、予混合気体の燃焼により発生する高温の燃焼ガスで
形成される。したがって、予混合気体は、この高温の燃
焼ガスを着火源として燃焼し、循環流の周囲に安定した
予混合火炎が形成される。一般的に、燃焼器では、寸法
上の制約から予混合室を大きくすることが難しい等の理
由により、燃料と空気の混合が難しいが、本発明の予混
合燃焼バーナを適用すると、狭い空間内での燃料と空気
との混合を促進することができると共に、逆火を防止す
ることができる。

【００１０】予混合燃焼型のガスタービン燃焼器では、
通常、起動及び負荷の低いときに用いるパイロットバー
ナと、負荷の高いときに用いる主バーナの２系統のバー
ナが使用される。このうち、パイロットバーナは起動か
ら使用するため、燃料流量、空気流量の変化範囲が大き
い。このため、パイロットバーナとして予混合燃焼用バ
ーナを使用するときには、特に燃料と空気の混合が難し
く、また、逆火が生じやすいが、本発明のバーナを適用
すると、燃料と空気の混合が良好であり、かつ逆火が生
じない。

【００１１】

【実施例】以下、本発明に係る各種実施例について、図
１〜図１１を用いて説明する。なお、各種実施例を説明
するにつき、同一の部位については、同一の符号を付
し、重複した説明を省略する。まず、本発明に係る第１
の実施例について、図１及び図２を用いて説明する。本
実施例の予混合燃焼用バーナには、その円筒状の予混合
室９内に、空気流入口（図示されていない。）から流入
してきた燃焼用空気Ａを旋回させる旋回羽根３と、燃料
Ｆを供給する燃料供給配管２と、旋回する予混合気体Ｇ
mを直進流に変換する直進羽根４とが設けられている。
予混合気体噴出口５よりも下流側には、自身の下流側に
予混合気体Ｇmの燃焼により形成される燃焼ガスＧeの循
環流を形成して保炎を図る保炎器６が設けられている。

【００１２】燃料供給配管２は、バーナ中心軸上に配さ
れており、その空気流入口側に予混合燃料噴出ノズル２
ａが設けられている。複数の旋回羽根３は、予混合燃料
噴射ノズル２ａよりも下流側に、燃料供給配管２を中心
軸として設けられている。この旋回羽根３は、バーナ中
心軸に対して、数十度の角度を成すように設けられてい
る。また、複数の直進羽根４は、旋回羽根３よりも下流
側に、燃料供給配管２を中心軸として放射状に設けられ
ている。この直進羽根４は、バーナ中心軸と平行に設け
られている。保炎器６は、その底面を下流側に向ける円
錐状を成し、燃料供給配管２の下流端部に設けられてい
る。この保炎器６の下流端面（底面）には、拡散燃料噴
射ノズル７が形成されている。この拡散燃料噴射ノズル
７は、燃料供給配管２の流路とつながっている。各直進
羽根４は、保炎器６と接続されている。

【００１３】次に、図２を用いて、本実施例の作用につ
いて説明する。空気流入口から流入した燃焼用空気Ａ
は、旋回羽根３により旋回させられ、旋回流となる。一
方、予混合燃料Ｆpは、予混合燃料噴射ノズル２ａから
噴出され、燃焼用空気Ａと接触する。燃焼用空気Ａと予
混合燃料Ｆpとは、共に旋回して、両者の流れの乱れが
強くなるので、両者の混合が促進される。さらに、両者
は旋回しているので、直進する場合よりも、実質的な流
路長が長くなり、両者の接触時間も長くなって、混合が
より促進される。

【００１４】燃料Ｆpと空気Ａとの予混合気体Ｇmは、旋
回しつつ予混合気体噴出口５に向い、直進羽根４によ
り、直進流に変換される。直進流に変換された予混合気
体Ｇmは、保炎器６に衝突する。保炎器６の下流側に
は、高温の燃焼ガスＧeの循環流が形成されるので、こ
の循環する燃焼ガスＧeが着火源となり、予混合気体Ｇm
は安定燃焼する。このように、保炎器６は、その下流側
が着火源となり非常に高温となるが、直進羽根４と接続
されているため、保炎器６の熱を拡散させることができ
る。すなわち、本実施例の場合、直進羽根４は、保炎器
６の冷却手段としての機能も備えている。

【００１５】以上のように、本実施例では、旋回羽根３
の作用で、燃料Ｆpと空気Ａとの混合を促進することが
できる。また、予混合気体噴出口５では、予混合気体Ｇ
mが直進流として噴出するため、バーナ中心軸近傍の圧
力が低くなって、そこに高温の燃焼ガスＧeが逆流して
しまうことはなく、逆火を防止することもできる。

【００１６】さらに、保炎器６の作用により、予混合気
体Ｇmを安定燃焼させることができる。また、前述した
従来のバーナ（図１２に示す。）のように、保炎箇所と
して、燃焼室に形成される旋回流による保炎箇所と、保
炎器６による保炎箇所とが存在すると、この２ヵ所の保
炎作用により、燃焼振動を起こしてしまいがちになるの
に対して、本実施例では、予混合気体Ｇmが噴出口５よ
り直進流として噴出するので、旋回流による保炎箇所が
形成されることがなく、保炎器６による保炎箇所のみが
形成されるので、燃焼振動が起こらず、非常に安定した
予混合火炎を得ることができる。なお、拡散燃焼用燃料
噴出口７はバーナの着火時に用いる。

【００１７】次に、本発明に係る第２の実施例につい
て、図３を用いて説明する。本実施例の予混合燃焼用バ
ーナは、直進羽根４ａを保炎器６に接続させていない点
を除き、基本的には、第１の実施例と同様である。した
がって、本実施例も、基本的には、第１の実施例と同様
の効果を得ることができる。但し、直進羽根４ａには、
保炎器６の冷却手段としての機能がないため、保炎器６
を冷却されるために、燃料供給配管２及び保炎器６に沿
って、冷却水配管を設けるなどして、これで保炎器６を
冷却するようにすることが好ましい。

【００１８】次に、本発明に係る第３の実施例につい
て、図４を用いて説明する。本実施例の予混合燃焼用バ
ーナは、旋回流を直進流に変換する手段として、ハニカ
ム構造体４ｂを用いたものである。このハニカム構造体
４ｂには、バーナ中心軸と平行な複数の貫通孔が形成さ
れており、この貫通孔の壁面が直進羽根４の役割を果た
している。このように、ハニカム構造体４ｂを用いる
と、単に、数枚の直進羽根４を用いた場合よりも、予混
合気体の整流作用を高めることができ、保炎器６による
保炎箇所の位置を安定させることができ、より安定燃焼
させることができる。

【００１９】次に、本発明に係る第４の実施例につい
て、図５を用いて説明する。本実施例の予混合燃焼用バ
ーナは、第１の実施例における保炎器６及び直進羽根４
の形状を変えたものである。本実施例の保炎器６ｃは、
予混合気体噴出口５から急激に拡がる空間を形成し、予
混合気体噴出口５の外周側に燃焼ガスの循環流を形成す
るものである。また、本実施例の直進羽根４ｃは、この
羽根４ｃの上流側部分が旋回流の方向に沿った方向に平
行に形成され、次第にバーナ中心軸と平行に近くなり、
この羽根４ｃの下流側部分がバーナ中心軸と平行に形成
されているものである。このため、本実施例では、旋回
流をスムーズに直進流に変換することができる。

【００２０】次に、本発明に係る第５の実施例につい
て、図６を用いて説明する。逆火は、旋回流の中心部分
の圧力が低くなり、そこに高温の燃焼ガスが入り込むた
めに起こる。したがって、旋回流を完全に直進流に変換
しなくても、中心部分の圧力低下をある程度抑えること
ができれば、逆火を防止することができる。本実施例の
予混合燃焼用バーナは、このような観点から形成したも
ので、バーナ中心軸近傍の旋回流のみを直進流に変換す
る直進羽根４ｄを設けたものである。すなわち、本実施
例は、先に説明した他の実施例のように、予混合室９の
内径に等しい幅の直進羽根４，４ａ，４ｃを設けたので
はなく、予混合室９の内径よりも小さい幅の直進羽根４
ｄを設けたものである。

【００２１】また、本実施例では、旋回羽根４ｄを予混
合燃料噴出ノズル２ａよりも上流側に設けている。この
ように、旋回羽根４ｄを予混合燃料噴出ノズル２ａより
も上流側に設けることにより、燃料Ｆpが旋回羽根４ｄ
に付着し、それが成長してまとまっまったまま、バーナ
から噴出してしまうことを防ぐことができる。このた
め、まとまった状態のままの燃料Ｆpが燃焼してしまう
ことはなく、ＮＯｘの低減を図ることができる。なお、
先の実施例においても、旋回羽根を予混合燃料噴出ノズ
ル２ａより上流側に設けてもよいことは言うまでもな
い。

【００２２】次に、本発明に係る第６の実施例につい
て、図７及び図８を用いて説明する。本実施例は、以上
説明した予混合燃焼用バーナを備えているガスタービン
燃焼器である。

【００２３】本実施例のガスタービン燃焼器は、ケーシ
ング１２と、内部に燃焼室１９を形成する燃焼用内筒１
３と、燃焼室１９内で形成された燃焼ガスＧeをガスタ
ービン（図示されていない。）に導くトランジッション
ピース１４と、第１の実施例のものと同様の副予混合燃
焼用バーナ１０と、その回りに環状に設けられている主
予混合燃焼用バーナ２０とを備えている。

【００２４】円筒状の予混合室９を有する副予混合燃焼
用バーナ１０は、ケーシング１２の中心軸上に設けられ
ている。主予混合燃焼用バーナ２０は、図８に示すよう
に、環状の予混合室２９を有し、副予混合燃焼用バーナ
１０の回りに設けられている。このバーナ２０の空気流
入口２１近傍には、流入する燃焼用空気Ａを副予混合燃
焼用バーナ１０のバーナ中心軸を中心として旋回させる
旋回羽根２３が設けられている。バーナ２０の噴出口２
５の下流には、断面が二等辺三角形で、環状の噴出口２
５の形状に応じた環状の保炎器２６が設けられている。
また、このバーナ２０の空気流入口２１には、流入する
燃焼用空気流量を調節するスライドリング２７が設けら
れている。予混合室２９には、この中に予混合燃料を噴
出する予混合燃料噴出ノズル２２が設けられている。

【００２５】ところで、この予混合室２９は、環状に形
成されているため、この中に旋回流が形成されても、中
心部の圧力が下がって、そこに燃焼ガスＧeが逆流して
くるようなことはない。しかしながら、保炎器２６を用
いる場合には、前述したように、保炎器２６による保炎
箇所と旋回流による保炎箇所とが形成されることは、燃
焼安定性の面から好ましくない。そこで、本実施例で
は、基本的に逆火の心配のない環状の主予混合燃焼用バ
ーナ２０においても、燃焼安定性を向上させるため、噴
出口２５近傍に直進羽根２４を設けている。

【００２６】次に、本実施例のガスタービン燃焼器の作
用について説明する。燃焼用空気Ａは、図示していない
空気圧縮機により昇圧された後、燃焼器へ供給される。
燃焼用空気Ａは、ケーシング１２と燃焼用内筒１３及び
トランジッションピース１４との間を流れ、各バーナ１
０，２０の空気流入口から各バーナ１０，２０の予混合
室９，２９内に流入する。

【００２７】起動時においては、拡散燃料噴射ノズル７
から拡散燃料が燃焼室１９内に噴射され、拡散火炎を形
成する。ガスタービンの負荷が低いときには、この拡散
燃料噴射ノズル７と副予混合燃焼用バーナ１０とが用い
られる。

【００２８】ガスタービンの負荷が高くなると、主予混
合燃焼用バーナ２０にも燃料が供給され、このバーナ２
０によっても燃焼が行われる。このバーナ２０に流入す
る燃焼用空気Ａは、スライドリング２７により流量調節
される。予混合室２９内に燃焼用空気Ａが流入すると、
旋回羽根２３により旋回流とされ、予混合燃料噴射ノズ
ル２２から噴出する燃料Ｆpと混ざり合う。旋回する予
混合気体Ｇmは、直進羽根２４により直進流に変えられ
て、噴出口２５から噴出し、保炎器２６の下流側で燃焼
する。燃焼室１９内で形成された燃焼ガスは、トランジ
ションピース１４を経てタービン翼１５へ導かれ、図示
しないガスタービンを駆動する。

【００２９】本実施例では、燃焼用空気と予混合燃料と
を旋回させているので、予混合室、しいていは燃焼器自
体を大きくすることなく、両者の混合を促進することが
できる。さらに、各バーナ１０，２０からは、予混合気
体が直進流として噴出してくるので、逆火を防止するこ
ともできる。

【００３０】次に、本発明に係る第７の実施例につい
て、図９を用いて説明する。本実施例のガスタービン燃
焼器は、第６の実施例における環状の主予混合燃焼用バ
ーナ２０を副予混合燃焼用バーナ１０よりも下流側に設
けたものである。言い替えれば、この燃焼器は、主予混
合燃焼用バーナ２０からの予混合気体が燃焼する主燃焼
室１９ａに対して、副予混合燃焼用バーナ１０からの予
混合気体が燃焼する副燃焼室１９ｂを上流側に設けたも
のである。なお、その他の構成は、第６の実施例のガス
タービン燃焼器と基本的に同一である。

【００３１】このように主燃焼室１９ａと副燃焼室１９
ｂとを設けると、それぞれの燃焼室１９ａ，１９ｂで形
成する火炎が互いに干渉しにくくなる。例えば、運転中
に急速に負荷を低減する場合、主予混合燃焼用バーナ２
０への燃料供給を停止する必要があるが、バーナ１０，
２０間で火炎の干渉があると、主予混合燃焼用バーナ２
０を消火すると副予混合燃焼用バーナ１０も同時に火炎
が吹き消される恐れがある。しかし、主燃焼室１９ａと
副燃焼室１９ｂを設けた燃焼器では、それぞれの燃焼室
１９ａ，１９ｂで形成される火炎が上流側と下流側とに
離れて形成されるので、主燃焼室１９ａの火炎を消火し
ても、副燃焼室１９ｂ中の火炎はあまり影響を受けな
い。ただし、このような燃焼器では、その全長が長くこ
とは言うまでもない。

【００３２】次に、本発明に係る第８の実施例につい
て、図１０及び図１１を用いて説明する。本実施例のガ
スタービン燃焼器は、第１の実施例における予混合燃焼
用バーナ１０を複数設け、負荷変動に対応しようという
ものである。起動時又は負荷が低いときには、燃焼器の
中心軸上に設けられている予混合燃焼用バーナ１０を用
い、負荷が高まるに従って、まわりの予混合燃焼用バー
ナ１０を順次用いていゆく。

【００３３】なお、本実施例において、全てのバーナ１
０に拡散燃料噴出ノズル７を設けたが、この拡散燃料噴
出ノズル７は、基本的に起動時及び低負荷時に主として
用いるものなので、全てのバーナ１０に設ける必要はな
く、例えば、燃焼器中心軸上に配されているバーナ１０
のみに設けるようにしてもよい。また、本実施例では、
燃焼用内筒１３に、この外周から燃焼室１９内に空気を
流入させると共に、その流入量を調節するスライドリン
グ３１を設けている。一般的に、負荷が低く、噴出燃料
量が少ないときに、バーナ１０内に大量の空気が流入す
ると、安定燃焼させることができない。そこで、このよ
うな場合に対応すべく、負荷が低いときには、燃焼器内
に流入した空気の一部をバーナ１０を介さず、スライド
リング３１の部分から直接燃焼室１９内に導くようにし
ている。

【００３４】なお、第６、第７及び第８の実施例におい
て、第１の実施例で説明した予混合燃焼用バーナ１０を
用いたガスタービン燃焼器について説明したが、他の実
施例で説明した予混合燃焼用バーナを同様にガスタービ
ン燃焼器に用いてもよい。また、これらの実施例では、
ガスタービン燃焼器のみを示したが、本発明に係る予混
合燃焼用バーナは、他の燃焼器にも適用できることは言
うまでもない。

【００３５】

【発明の効果】本発明によれば、燃料及び空気を旋回さ
せているので、狭い空間内での燃料と空気との混合を促
進することができる。また、保炎器により、保炎性の向
上も図ることができる。さらに、バーナ噴出口におい
て、予混合気体はほぼ直進流として噴出するので、旋回
流として噴出する場合と異なり、その中心の圧力が低下
し、そこに高温の燃焼ガスが逆流してしまうことがない
ので、逆火を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る第１の実施例の予混合燃焼用バー
ナの展開斜視図である。

【図２】本発明に係る第１の実施例の予混合燃焼用バー
ナの作用を説明するための説明図である。

【図３】本発明に係る第２の実施例の予混合燃焼用バー
ナの展開斜視図である。

【図４】本発明に係る第３の実施例の予混合燃焼用バー
ナの展開斜視図である。

【図５】本発明に係る第４の実施例の予混合燃焼用バー
ナの展開斜視図である。

【図６】本発明に係る第５の実施例の予混合燃焼用バー
ナの展開斜視図である。

【図７】本発明に係る第６の実施例のガスタービン燃焼
器の断面図である。

【図８】本発明に係る第６の実施例のガスタービン燃焼
器の要部斜視図のである。

【図９】本発明に係る第７の実施例のガスタービン燃焼
器の断面図である。

【図１０】本発明に係る第８の実施例のガスタービン燃
焼器の断面図である。

【図１１】本発明に係る第８の実施例のガスタービン燃
焼器の要部斜視図である。

【図１２】従来の予混合燃焼用バーナの断面図である。

【符号の説明】

２…燃料供給配管、２ａ，２２…予混合燃料噴射ノズ
ル、３，３ｄ，２３…旋回羽根、４，４ａ，４ｃ，４
ｄ，２４…直進羽根、４ｂ…ハニカム構造体、５…予混
合気体噴出口、６，６ｃ，２６…保炎器、７…拡散燃料
噴出ノズル、９，２９…予混合室、１０…予混合燃焼用
バーナ、１２…ケーシング、１３…燃焼用内筒、１４…
トランジッションピース、１５…タービン翼、１９…燃
焼室、１９ａ…主燃焼室、１９ｂ…副燃焼室、２０…主
予混合燃焼用バーナ、２１…空気流入口、２７，３１…
スライドリング。

フロントページの続き (72)発明者 村上 忠孝 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 黒田 倫夫 茨城県日立市幸町三丁目１番１号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小豆畑 茂 茨城県日立市幸町三丁目１番１号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料と空気とを予め混合する予混合室を備
   えている予混合燃焼用バーナにおいて、 前記予混合室内に流入してきた前記空気を旋回させる旋
   回手段と、 前記予混合室内に流入してきた前記空気に対して前記燃
   料を噴出する燃料噴射手段と、 旋回する前記空気と前記燃料との混合により形成される
   予混合気体の旋回力を弱める旋回強度変更手段と、 予混合気体噴出口から噴出する前記予混合気体に対し
   て、自身の下流側に該予混合気体の燃焼により形成され
   る燃焼ガスの循環流を形成して保炎を図る保炎手段と、 を備えていることを特徴とする予混合燃焼用バーナ。
2. 【請求項２】燃料と空気とを予め混合する円筒状の予混
   合室を備えている予混合燃焼用バーナにおいて、 前記予混合室内に流入してきた前記空気を旋回させる旋
   回羽根と、 前記予混合室内に流入してきた前記空気に対して前記燃
   料を噴出する燃料噴射ノズルと、 前記予混合室内で且つ前記旋回羽根及び前記燃料噴射ノ
   ズルよりも下流側に設けられ、バーナ軸方向に平行な面
   を有する直進羽根と、 前記予混合室の予混合気体噴出口から噴出する前記予混
   合気体に対して、自身の下流側に該予混合気体の燃焼に
   より形成される燃焼ガスの循環流を形成する保炎器と、 を備えていることを特徴とする予混合燃焼用バーナ。
3. 【請求項３】前記直進羽根は、その下流側部分に旋回す
   る前記予混合気体の流れ方向に沿った面を有しているこ
   とを特徴とする請求項２記載の予混合燃焼用バーナ。
4. 【請求項４】燃料と空気とを予め混合する円筒状の予混
   合室を備えている予混合燃焼用バーナにおいて、 前記予混合室内に流入してきた前記空気を旋回させる旋
   回羽根と、 前記予混合室内に流入してきた前記空気に対して前記燃
   料を噴出する燃料噴射ノズルと、 前記予混合室で且つ前記旋回羽根及び前記燃料噴射ノズ
   ルよりも下流側に設けられ、バーナ軸方向に平行な方向
   に貫通孔を有するハニカム構造体と、 前記予混合室の予混合気体噴出口から噴出する前記予混
   合気体に対して、自身の下流側に該予混合気体の燃焼に
   より形成される燃焼ガスの循環流を形成する保炎器と、 を備えていることを特徴とする予混合燃焼用バーナ。
5. 【請求項５】前記保炎器は、前記予混合気体噴出口より
   下流側で且つバーナ中心軸上に設けられ、該予混合気体
   噴出口から噴出する前記予混合気体の抵抗となる抵抗体
   であることを特徴とする請求項２、３又は４記載の予混
   合燃焼用バーナ。
6. 【請求項６】前記保炎器は、前記予混合気体噴出口より
   下流側で且つバーナ中心軸上に設けられ、該予混合気体
   噴出口から噴出する前記予混合気体の抵抗となる抵抗体
   で、 前記直進羽根と前記保炎器とが接続されていることを特
   徴とする請求項２、３又は４記載の予混合燃焼用バー
   ナ。
7. 【請求項７】前記保炎器は、前記予混合気体噴出口から
   急激に拡がる空間を形成する拡張空間形成部材であるこ
   とを特徴とする請求項２、３又は４記載の予混合燃焼用
   バーナ。
8. 【請求項８】請求項１、２、３、４、５、６又は７記載
   の予混合燃焼用バーナと、 前記予混合燃焼用バーナから噴出する前記予混合気体が
   燃焼する燃焼室と、 を備えていることを特徴とする燃焼器。
9. 【請求項９】請求項２、３、４、５又は６記載の予混合
   燃焼用バーナと、 前記予混合燃焼用バーナの回りに環状に配された１又は
   複数の主予混合燃焼用バーナと、 前記予混合燃焼用バーナと前記主予混合燃焼用バーナと
   から噴出する予混合気体が燃焼する円筒状の燃焼室と、 前記燃焼室に直接燃料を噴射する拡散燃焼用ノズルと、 を備えていることを特徴とするガスタービン燃焼器。