JP2007146697A - 燃焼器及び燃焼器の燃焼空気供給方法 - Google Patents

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洋 井上
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Abstract

【課題】本発明の目的は、燃焼器の空気ノズル構造でNOx性能が評価可能な燃焼器及び燃焼器の燃焼空気供給方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、空気ノズルの流路に、空気ノズルに形成された空気流路の断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側に断面積が縮小する流路縮小部を設けたことを特徴とする。
【効果】本発明によれば、燃焼器の空気ノズル構造でNOx性能が評価可能な燃焼器及び燃焼器の燃焼空気供給方法を提供することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃焼器及び燃焼器の燃焼空気供給方法に関するものである。
産業用電力を支える発電プラントのひとつに天然ガスや石油などの化石資源を燃料とするガスタービン発電プラントがある。このガスタービン発電プラントは化石資源を燃料とし、地球温暖化物質のひとつである二酸化炭素(CO2 )を排出することから、これまで以上に発電効率の向上が求められている。発電効率を高める手段として、ガスタービン燃焼器における燃焼ガスの高温化が挙げられる。しかし、燃焼ガスの高温化に伴い、燃焼排ガス中の環境阻害物質である窒素酸化物(NOx)が指数関数的に増加するため、発電効率を高めながらNOxを低減する対策が重要な技術課題となっている。
そこで、特許文献1には、燃料ノズルと空気ノズルとを同軸に配置するとともに、クラスタと呼ばれる多数の小口径同軸ノズル(以下、同軸クラスタノズルと記載)で低NOxかつ燃焼安定性に優れたガスタービン燃焼器の技術が開示されている。
特開2003−148734号公報
特許文献1に開示された、燃料の周囲に空気を流す同軸ノズルは、クラスタ化しても基本的な流動形態が拡散方式である。そのため、燃焼時に燃料の過濃領域で高温部が形成され温度上昇に伴い指数関数的にNOxが増加することから、安定して一桁台のppm 濃度となるNOx排出値を得にくい場合がある。また、燃焼時における燃焼室内の流動はその詳細な把握が困難なことから、燃焼器設計上は燃焼させる直前までの燃料と空気の混合状態、つまり空気ノズル出口までの燃料と空気の混合度でNOx性能を評価できる同軸クラスタノズルを構築することが望ましい。
そこで、本発明の目的は、燃焼器の空気ノズル構造でNOx性能が評価可能な燃焼器及び燃焼器の燃焼空気供給方法を提供することにある。
本発明は、空気ノズルの流路に、空気ノズルに形成された空気流路の断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側に断面積が縮小する流路縮小部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、燃焼器の空気ノズル構造でNOx性能が評価可能な燃焼器及び燃焼器の燃焼空気供給方法を提供することが可能となる。
化石資源を燃料とするガスタービン燃焼器は、発電効率を高めるため、燃焼ガスの高温化を図っている。この燃焼ガスの高温化に伴い、燃焼排ガス中の環境阻害物質である窒素酸化物(NOx)が指数関数的に増加するため、発電効率を向上しつつNOxを低減することが重要な技術課題となっている。
これまでNOxを低減させる燃焼方法としては、燃料と空気を予め混合させることで燃料・空気濃度を均一化し局所的な高温化を避ける予混合燃焼方式が主流となっていた。しかし、予混合燃焼方式は信頼性に関わる「逆火」すなわち予混合ガスの上流側に火が戻ることで燃焼器部材を溶損する可能性がある。そのような逆火を防止する構造として、燃料の周囲に環状の空気流を形成して噴流が同軸状となるようにノズルを配置し、燃焼させる方法がある。但し、単一の大口径同軸ノズルでは燃料と空気の混合性が損なわれてNOxの発生が大きくなるため、同軸クラスタノズルによって予め燃料と空気の分散性を高める手段が有用である。すなわち、同軸クラスタノズルの特徴は、小流量の燃料を供給する燃料ノズルを中心として燃料の周囲に空気を供給する空気ノズルを同軸状に配置した同軸ノズルを複数配列する構成である。同軸クラスタノズルは燃料と空気が同軸状に配置されているため、燃料が中心部を流れてその周囲を空気が流れ充分な予混合ガスとはならず逆火しにくい特徴を持つ。また、同軸ノズルをクラスタ化すること、つまり多数配列することで燃料を空気中に分散させて濃度分布を平坦化してNOxを低減させる構成となっている。しかし、こうした充分な予混合ガスにならない状態は、燃焼時に燃焼室内で燃料と空気の濃度分布を持つガスを燃焼させることになるため、NOxが低下しにくい場合がある。
また、今後の新設発電プラントに求められているNOx排出レベルはさらに低い一桁台のppm 濃度であるため、同軸クラスタノズル構造による逆火の恐れが少ない特徴を生かしながら、予混合燃焼方式と同等の燃料と空気の混合促進を図り、更なる低NOx化対策が必要となっている。また、燃料を中心部に流してその周囲に空気を流す同軸ノズルは基本的な流動形態が拡散方式であるため、同軸ノズルを複数配列した同軸クラスタノズルとしても基本的な流動形態も同じく拡散方式である。この拡散方式の燃焼時には、燃料の過濃領域で高温部が形成され、温度上昇に伴い指数関数的にNOxが増加する可能性がある。従って、NOx排出値を安定な一桁台のppm 濃度に抑制することが困難な場合がある。実際には同軸クラスタノズルから燃焼室内に噴出した直後に燃料と空気の撹拌流が生じるために、燃焼時には比較的NOxが低下する状況も見受けられるが、実際には燃焼時の燃焼室内における燃料と空気の流動現象の把握が困難である。従って、燃焼器設計においては燃焼する直前までの燃料と空気の混合状態、つまり空気ノズル出口までの燃料と空気の混合度によってNOx性能を評価できる同軸クラスタノズルを構築することが望ましい。
そこで本発明は、現行の同軸クラスタノズルそのものの基本的な配置は変更せずに、空気ノズル流路の形状の変更により空気ノズル構造でNOx性能を評価可能にした。
本発明の実施例1を図1及び図2により説明する。図2は、燃焼器に圧縮空気を供給する圧縮機17と、燃焼器から排出する燃焼ガスにより回転駆動するタービン18、及び燃焼器の断面を示す。図2において、圧縮機17から送られる空気19は、外筒22と燃焼器ライナ21の間を通る。その空気19の一部は、燃焼器ライナ21の冷却空気20として燃焼室16へ流入する。またその空気19の残りは空気供給孔29を通り、燃焼用空気8として空気ノズルである空気孔5から燃焼室16へ流入する。この空気孔5は壁状部材6に設けられた複数個の穴によって構成され、穴の内側壁面によって空気ノズルを構成する。そして、壁状部材6は、燃料分配器2と燃料ノズル3を内部に収めた部材のうち、燃焼室16に面する下流側の部材であって、燃焼室16の上流側を区画する役割を有する。
本実施例では、燃料7および燃料7aは、制御弁23aを備えた燃料供給系23から分岐されて供給する。つまり、燃料供給系23が第一の燃料供給系24と第二の燃料供給系25の2つに分岐されている。これら第一の燃料供給系24及び第二の燃料供給系25には夫々個別に単独で制御可能な制御弁24a及び制御弁25aが設けられている。制御弁24a及び制御弁25aは、ガスタービンの負荷によって夫々の燃料流量を独立に制御するように構成される。ここで、制御弁24aは周囲の燃料ノズル群の流量が制御でき、制御弁25aは中央部の燃料ノズル群の流量が制御できる。本実施例では中央部の燃料ノズル群とその周囲の燃料ノズル群とに複数に分割し、夫々に対応する燃料供給系統を設け、各々独立に燃料流量を制御できる。
第一の燃料供給系24を流れた燃料7は、燃焼器内の燃料供給管1を流れる。燃料供給管1を流れた燃料7は、燃料分配器2を介して複数の燃料ノズル3に分散して供給される。同様に、第二の燃料供給系25を流下した燃料7aも、燃焼器内の燃料供給管26より燃料分配器27を経て複数の燃料ノズル28に分散して供給される。これらの燃料ノズル3および燃料ノズル28は、その周辺の環状の空気流とともに同軸噴流を形成するように配置されている。燃料7および燃料7aは、燃料ノズル3および燃料ノズル28の噴出孔から燃焼室16に噴出され、燃焼し安定な火炎を形成する。燃焼室で生成した高温燃焼ガスは、タービン18へ入り仕事をして排気される。
図1は、本発明を適用した燃料ノズルと空気ノズルの断面を模式的に示した図であり、燃焼器の内部に空気ノズルである空気孔5と燃料ノズル3とから構成される燃焼器ノズルが複数個収められた同軸クラスタノズルを形成している。簡単のため、図1は2個の燃料ノズル3について流れ方向断面図で構成を示している。なお、ここではノズルの基本形状を円筒状としているが、円筒状以外の形状でも成立する。燃焼器には燃料供給管1が設けられており、燃料分配器2を介して各燃料ノズル3に接続されている。そして、燃料ノズル3には複数個の噴出孔4が設けられ、噴出孔4が壁状部材6に設けられた空気孔5の空気入口部10に対面する位置に設けられている。そして、空気孔5が空気ノズルに相当する。噴出孔4の個数は燃料の分散性向上を考慮すると、多数設けることが有利である。一方、加工の容易性および目詰まり防止を考慮すると少数にすることが望ましい。従って、本実施例では六個前後の個数としている。図1は断面図であるため、燃料ノズル3には噴出孔が三個として示されている。燃料との同軸噴流を構成する燃焼用空気は、図2に示す外筒22と燃焼器ライナ21の間を流れた空気が燃焼用空気8として空気孔5に供給される。
そして、本実施例では、壁状部材6に設けられた空気孔5の流路を凹凸形状としている。ここで空気孔5の流路形状について説明する。空気孔5の空気入口部10は、燃焼用空気8を滑らかに流入させるため、入口側が広角になった円錐状のテーパを成している。その下流では、空気孔5の流路断面積が広がる流路拡大部である円錐状の拡大テーパを構成するため、空気入口部10と拡大テーパとの境界に凸部11を形成する。前記拡大テーパの下流は、空気孔5の流路断面積が縮小する流路縮小部である円錐状の縮小テーパが接続されるため、前記の拡大テーパと縮小テーパとの境界は凹部12を形成する。そして、拡大テーパの下流側は直管形状の空気出口部13につながっている。空気孔5内の渦流9は上述の拡大テーパと縮小テーパで形成されそろばん玉状に膨らんだ空間部分(凹部12)で生じる。ここで生じる渦流9は、通常の乱流内で生じている微小距離での物質移動を行うミクロ渦と異なり、燃焼用空気8と燃料7の混合流体全体を撹拌する。空気孔5の出口側は、壁状部材6に面した燃焼室16を形成している。
空気供給孔29から供給された空気8は、燃料ノズル3の周囲空間に流入したのち、壁状部材6に設けられたテーパ形状の空気入口部10より空気孔5の内部に流入する。一方、燃料7は燃料供給管1から燃料分配器2を経由して燃料ノズル3の内部に導かれて噴出孔4から放出される。噴出孔4から放出された燃料7は、空気入口部10において空気8とともに空気孔5の内部に流入する。空気孔5の内部に流入した空気8と燃料7の混合流体は、空気孔5の凸部11下流の凹部12付近において形成される渦流9によって混合が促進されて、混合ガス14となって空気孔5より燃焼室16内に流出する。そして、点火装置によって混合ガス14を着火し、より均一な温度の火炎15が形成されることでNOxの発生量が低減される。
本実施例では、空気ノズルである空気孔5に形成された空気ノズルの空気流路に、空気ノズルに形成された空気流路の断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側に断面積が縮小する流路縮小部を設けている。空気孔5が直管構造のみで構成されている場合、空気孔5の内部では燃料7が空気孔5の中心部に集中して流れてしまうため、燃料7と空気8の流速差で生じるせん断力による混合と乱流域でのミクロ渦による混合が主体であった。これに対して、図1に示すように空気ノズルに形成された空気流路の断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側に断面積が縮小する流路縮小部によって空気孔5の壁面に凹部12を設けると、凹部12に形成された渦流9によって燃料と空気の混合流体が撹拌される。なお、凹みの程度は、凹部12に形成される渦流9が燃料と空気の混合流体を攪拌することが出来る程度に凹ませることが望ましい。凹みの程度が小さいと渦流9が発生せず、十分な攪拌作用が得られないためである。そのため、空気ノズルの流路に、空気ノズルに形成された空気流路の断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側であって断面積が縮小する流路縮小部を設けることで、流路拡大部と流路縮小部の間にある凹部に形成された渦流9によって燃料と空気の混合流体を攪拌し、NOxを低下させることができる。また、燃焼時の燃焼室における燃料と空気の流動を把握しなくても、燃焼器の空気ノズル構造で空気ノズルにおける燃料と空気の混合度を把握することが可能となり、設計段階でNOx性能を評価することが出来る。
また、本実施例では、燃料ノズル3の噴出孔4に対向する空気ノズル(空気孔5)の空気入口部10をその流路断面積が下流側に向かって縮小するように形成し、空気入口部
10の下流側に、流路断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側に流路断面積が縮小する流路縮小部を設けている。このように、空気孔5の流路に交互に縮小部と拡大部を設けると、空気孔5の入口部分の凸部11から凹部12を経由する間に流れの縮小拡大が起こり、それに伴って流速が大小に大きく変化する。従って、燃料7も空気8と共に凹部12で一旦広がり凹部12に形成された渦流9によって撹拌される。そのため、空気ノズル(空気孔5)の空気入口部10をその流路断面積が下流側に向かって縮小するように形成し、流路断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側に流路断面積が縮小する流路縮小部を設けることで、空気ノズルを流れる混合流体の流速を大きく変化させて混合を更に促進し、流路拡大部と流路縮小部の間にある凹部に形成された渦流9によって燃料と空気の混合流体を攪拌し、NOxを低下させることができる。また、燃焼時の燃焼室における燃料と空気の流動を把握しなくても、燃焼器の空気ノズル構造で空気ノズルにおける燃料と空気の混合度を把握することが可能となり、設計段階でNOx性能を評価することが出来る。
また、本実施例では、空気ノズルである空気孔5に形成された空気ノズルの空気流路に、空気ノズルに形成された空気流路の断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側に断面積が縮小する流路縮小部を設け、燃料ノズル3の噴出孔を複数個設けたことを特徴とする。すなわち、従来の同軸クラスタノズル構造にて噴出孔4が燃料ノズル3の中心部に一箇所であったときに比べると、全燃料噴口面積を同一に維持した場合、六箇所の噴出孔4に分散したことにより空気8と燃料7が最初に合流する時のぬれぶち長さ(空気8と燃料7が触れ合う線長)をおよそ二倍以上にできるので燃料と空気を混合促進できる。更に、燃料ノズル3の中心部噴出孔以外の噴出孔4を設けたことにより空気8と燃料7の混合距離が長くなり、さらに混合促進が加速されるという効果がある。
そのため、複数個の噴出孔を有する燃料ノズル3と流路断面積が拡大する流路拡大部及び縮小する流路縮小部を有する空気ノズルから成る燃焼器ノズルを採用することで、両者の相乗効果である燃料分散と渦流による撹拌によって燃料7と空気8の混合が促進されて低NOx化が図れるだけでなく、従来にも増して燃焼ガス温度分布が均一化されるので、燃焼器を構成する金属材料の耐熱温度までの許容範囲が増す効果がある。また、混合が促進されることで、混合距離に相当する壁状部材6の板厚を薄くすることが可能となるので、材料費が削減できる効果も生じる。
図3は実施例2における燃料ノズルと空気ノズルの断面図であり、実施例1と異なる部分の燃料ノズルと空気ノズルについて説明する。燃料ノズルと空気ノズルの構成上で異なる点は、空気ノズルの空気孔5を曲線的な凹凸形状にし、噴出孔が一つの燃料ノズル3を採用したことにある。より具体的には、本実施例の空気孔5は流線形の凹部が二箇所(第1の凹部30と第2の凹部32)、流線形の凸部31が一箇所で構成される。即ち、第1の凹部30は空気ノズルの流路断面積が縮小する流路縮小部と、流路縮小部の下流側であり流路断面積が拡大する流路拡大部との間に設けられており、第2の凹部32も同様である。燃料ノズル3の噴出孔4の端面は空気孔5の空気入口部10の下流端部であって、上流側の第1の凹部30を形成する流路拡大部の上流端部に一致させた位置に設けられている。
本実施例では、燃料ノズル3の噴出孔に対向する空気孔5の空気入口部10をその流路断面積が下流側に向かって縮小するように形成し、空気入口部10の下流側に、流路断面積が拡大する流路拡大部とこの流路拡大部の下流側に流路断面積が縮小する流路縮小部を設け、燃料ノズル3の噴出孔を空気入口部10の下流端部まで突き出したことを特徴とする。このような構成にすることで、空気孔5の空気入口部10に流入した空気8の流速が高くなる位置(空気入口部10の下流端部)で燃料7が空気8に投入され、燃料7と空気8の間に強いせん断力が働くため、混合が促進される。
本実施例では、さらに流路拡大部と流路縮小部の間にある第1の凹部30において渦流9が形成されて混合が加速される。そして、凸部31での絞り効果ののちに再び第2の凹部32での渦流9により混合が促進されて、混合ガス14が生成される。
本実施例によれば、空気ノズルの空気孔5を流線形とし、さらに燃料ノズル3を単一噴口型にスリム化したので、燃焼器ノズルの圧損増加を抑えられる効果と、燃料ノズルの製作コストが少なくなる効果がある。
図4は実施例3における燃料ノズルと空気ノズルの断面図であり、図3と異なる部分の燃料ノズルと空気ノズルについて説明する。燃料ノズルと空気ノズルの構成上で異なる点は、空気ノズルの空気孔5の内面に螺旋溝33を形成したことにある。従って、螺旋溝により形成された溝の1本ずつはそれぞれ空気ノズルの流路拡大部と流路縮小部の間に形成されている。より具体的にはストレート形状の空気孔5にネジ溝を切ることで形成される。本形状によれば、空気孔5内の空気流が螺旋状に回転しながら燃料を巻き込むため、混合促進できる。
本実施例によれば、空気孔5の製作がネジ切り作業で行えるため、燃焼器ノズルの製作コストが少なくて済むという効果がある。また、空気孔5により深い溝が必要になった場合には、新規に製作することなく追加のネジ切り作業で改造が可能な利点もある。
図5は実施例4における燃料ノズルと空気ノズルの断面図であり、図4と異なる部分の燃料ノズルと空気ノズルについて説明する。燃料ノズルと空気ノズルの構成上で異なる点は、空気ノズルの空気孔5の空気入口部10に旋回羽根34を設けたことにある。ここで、図5のA−A方向から旋回羽根34を見た図を図6に示す。あるいは、同様の効果が得られる手段として空気入口部10に旋回溝を掘ることもできる。本形状によれば、空気孔5に流入する空気8が旋回しながら燃料を巻き込むため、混合促進できる。
本実施例によれば、空気孔5の入口部だけの改造で済むので、製作が容易であり、燃焼器ノズルの製作コストが少なくて済むという効果がある。
なお、前述のいずれの実施例においても、燃料ノズルの噴出孔の数は、一個の場合あるいは複数個の場合といった両方の場合が可能であり、これら実施例における空気孔形状の組合せもまた可能である。
燃料ノズルと空気ノズルの実施例を示した構造断面図(実施例1)。 燃焼器断面及び圧縮機とタービンの系統を示した図。 燃料ノズルと空気ノズルの別の実施例を示した構造断面図(実施例2)。 燃料ノズルと空気ノズルの別の実施例を示した構造断面図(実施例3)。 燃料ノズルと空気ノズルの別の実施例を示した構造断面図(実施例4)。 図5におけるA−A方向から見た図。
符号の説明
1,26…燃料供給管、2,27…燃料分配器、3,28…燃料ノズル、4…噴出孔、5…空気孔、6…壁状部材、7,7a…燃料、8…燃焼用空気、9…渦流、10…空気入口部、11,31…凸部、12…凹部、13…空気出口部、14…混合ガス、15…火炎、16…燃焼室、17…圧縮機、18…タービン、19…空気、20…冷却空気、21…燃焼器ライナ、22…外筒、23…燃料供給系、23a,24a,25a…制御弁、24…第一の燃料供給系、25…第二の燃料供給系、29…空気供給孔、30…第1の凹部、32…第2の凹部、33…螺旋溝、34…旋回羽根。

Claims (7)

  1. 空気と燃料を燃焼させる燃焼室に面した壁状部材に空気を噴出する空気ノズルを設け、燃料を噴出する燃料ノズルを該空気ノズルと同軸状に配置し、前記空気ノズルから該空気と燃料を該燃焼室に噴出する燃焼器であって、
    前記空気ノズルの流路に、該空気ノズルに形成された空気流路の断面積が拡大する流路拡大部と該流路拡大部の下流側に該断面積が縮小する流路縮小部を設けたことを特徴とする燃焼器。
  2. 空気と燃料を燃焼させる燃焼室を区画する部材のうち上流側に設置された壁状部材に空気を噴出する空気ノズルを設け、燃料を噴出する燃料ノズルを該空気ノズルと同軸状に配置し、前記空気ノズルから該空気と燃料を該燃焼室に噴出する燃焼器であって、
    前記燃料ノズルの噴出孔に対向する前記空気ノズルの空気入口部をその流路断面積が下流側に向かって縮小するように形成し、
    該空気入口部の下流側に、前記流路断面積が拡大する流路拡大部と該流路拡大部の下流側に前記流路断面積が縮小する流路縮小部を設けたことを特徴とする燃焼器。
  3. 空気と燃料を燃焼させる燃焼室に面した壁状部材に空気を噴出する空気ノズルと、該空気ノズルと同軸状に配置され燃料を噴出する燃料ノズルとを備えた燃焼器であって、
    前記燃料ノズルの噴出孔に対向する前記空気ノズルの空気入口部をその流路断面積が下流側に向かって縮小するように形成し、
    該空気入口部の下流側に、前記流路断面積が拡大する流路拡大部と該流路拡大部の下流側に前記流路断面積が縮小する流路縮小部を設け、
    前記燃料ノズルの噴出孔を前記空気入口部の下流端部まで突き出したことを特徴とする燃焼器。
  4. 請求項1記載の燃焼器において、前記流路拡大部と前記流路縮小部の境界である前記空気ノズルの凹部が前記空気ノズルの周方向に沿って螺旋溝に形成されることを特徴とする燃焼器。
  5. 請求項1記載の燃焼器において、前記空気ノズルの空気入口部に旋回羽根もしくは旋回溝を設けたことを特徴とする燃焼器。
  6. 請求項1乃至5の燃焼器において、前記空気ノズルに対向する前記燃料ノズルの噴出孔を複数個設けたことを特徴とする燃焼器。
  7. 空気を噴出する空気ノズルを、空気と燃料を燃焼させる燃焼室に面した壁状部材に燃料を噴出する燃料ノズルと同軸上に位置するよう配置し、該燃料と空気を該壁状部材より燃焼室に噴出させる燃焼器の燃焼空気供給方法であって、
    前記燃料と空気が燃焼室に面した前記壁状部材を通過する際に、前記空気ノズルに形成された空気流路の断面積が広がる流路拡大部と該流路拡大部の下流側に該断面積が縮小する流路縮小部により前記燃料と空気を攪拌させることを特徴とする燃焼器の燃焼空気供給方法。
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