JPH06101404B2 - 鉄心及びその製造方法 - Google Patents

鉄心及びその製造方法

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JPH06101404B2 JP21105985A JP21105985A JPH06101404B2 JP H06101404 B2 JPH06101404 B2 JP H06101404B2 JP 21105985 A JP21105985 A JP 21105985A JP 21105985 A JP21105985 A JP 21105985A JP H06101404 B2 JPH06101404 B2 JP H06101404B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、鉄心に関し、より詳しくは、高磁束密度であ
り、この透磁率の周波数特性が優れた鉄心に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
従来、交流を直流に変換する装置、直流を交流に変換す
る装置、或る周波数の交流を異なる周波数の交流に変換
する装置及び所謂チョッパ等の直流を直流に変換する装
置等のような電力変換装置、或いは無接点遮断器等の電
気機器には、その電気回路構成性要素として、サイリス
タ又はトランジスタに代表される半導体スイッチング素
子並びにこれに接続されたターンオンストレス緩和用リ
アクトル、転流リアクトル、エネルギー蓄積用リアクト
ル或いはいマッチング用変圧器等が使用されている。こ
のようなリアクトルや変圧器においては、高周波帯域で
も優れた磁気特性を有する鉄心を使用することが必要と
される。
すなわち、これらのリアクトルや変圧器においては、半
導体のスイッチングに伴い、数+Hz〜200KHz程度のスイ
ッチング周波数を有する電流の他に、この週波数よりも
はるかに高い数+KHzから場合によっては500KHz以上の
周波数を有する電流が流れることがある。したがって、
高周波帯域で使用した場合でも鉄損が小さく透磁率の低
下しない鉄心を得る必要がある。
ところで、鉄心の交流励磁に対する鉄損のうちで、過電
流損は、同一磁束密度においては同波数の2乗に比例し
て増加する。したがって、高周波帯域では、鉄損の大部
分が渦電流損で占められるようになってくるので、この
帯域では鉄損が増大し、高周波帯域での透磁率が低下す
る。
このため、磁性粉を用いた鉄心においては、磁性粉間の
電気絶縁性を高めることが鉄損の減少につながる。
上記したような高周波帯域の周波数特性を重視した鉄心
としては、特許第88779号や特許第112235号に開示され
ているような所謂ダストコアがある。
しかしながら、これらのダストコアは周波数特性には優
れているものの、しかし一方ではその磁束密度が低い。
例えば磁化力10000A/mにおける磁束密度は高々0.125Tに
しかすぎない。
この点、特許第670518号に開示されている如き磁性粉と
結着樹脂を用いた鉄心は、周波数特性が優れていると共
に高い磁束密度を有するものである。
しかしながら、この鉄心は、製造時における熱処理工程
に以下のような問題を有していた。
すなわち、金属磁性粉を圧縮成形する工程を経て製造さ
れる鉄心においては、圧縮によって発生した歪みによっ
て、圧縮前より保持力が増大し、かつ、ヒステリシス損
もそれに伴って増大する。より低損失の鉄心を得るため
には、この歪みを取除くことが必要であり、そのために
は一般に高温での熱処理(焼鈍)を施すことが有効であ
る。しかしながら、結着樹脂を用いた上記鉄心において
は、熱処理時に該樹脂が分解もしくは劣化してしまい、
金属磁性粉間の電気絶縁性を維持することが困難であ
り、より低鉄損の鉄心を得ることが困難であった。
〔発明の目的〕
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、高磁束密
度で、かつ透磁率の周波数特性が優れ、また、焼鈍する
ことも可能な金属磁性粉を主成分とする鉄心を提供する
ことを目的とする。
〔発明の概要〕
本発明は、有機金属化合物もしくはその分解物からなる
絶縁性の付着性を表面に有する金属磁性粉の圧縮成形体
である鉄心である。
この鉄心は、金属磁性粉に有機金属化合物を接触させた
後、この金属磁性粉を圧縮成形することにより製造する
ことができる。
本発明で用いる有機金属化合物は、金属原子(M)に結
合した少なくとも1つ以上のアルコキシ基(OR1)と少
なくとも1つ以上のアルコキシ基以外の有機基(R2)を
有する有機金属化合物であり、一般式:(R1O)mM
(R2)nで示される。式中、m+nは金属原子(M)の
価数に一致しているが、m,nとも1以上である。
周期率表のほとんどの金属原子もしくは半金属原子は、
上記有機金属化合物を構成しうるが、本発明で用いる有
機金属化合物の金属原子として放射性元素は実用上好ま
しくない。
式中のアルコキシ基は炭素数1以上のものであればよい
が、通常、炭素数1〜5のもの、すなわち、例えば、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、プトキシ基、ペ
ントキシ基、などが好適である。またひとつの分子中の
m個のアルコキシ基は必ずしも同じ基でなくてもよい。
一方、式中の有機基は、炭素数1以上のアルコキシ基以
外の有機基ならばいかなる基であってもかまわないが、
後述の製造工程において、特に磁性粉表面の付着層とし
て有機金属化合物の分解物を得たい場合には、炭素数6
以下の基であると加熱温度を低くすることができ有利で
ある。その具体例としてはメチル基、エチル基等のアル
キル基やフェニル基が挙げられる。また、ひとつの分子
中のn個の有機基は必ずしも同じ基でなくてもよい。
これらの有機金属化合物は、単独で、あるいは数種類の
組み合わせで用いることができる。
以下、これらの有機金属化合物を単に有機金属化合物と
記述する。
本発明では、有機金属化合物を金属磁性粉に接触させる
ことにより、金属磁性粉表面には、有機金属化合物もし
くはその部分的分解物、またはその完全分解生成物であ
る酸化物、水酸化物、水和物等の形での付着層が形成さ
れる。
このような付着層の形成のために金属磁性粉に有機金属
化合物を接触させる方法としては、 (1)有機金属化合物を溶解した有機溶剤中に磁性粉を
浸漬,撹拌したのち、ろ過もしくは有機溶剤を蒸発させ
ることによって磁性粉を取出す方法、 (2)有機金属化合物を溶解した有機溶剤を金属磁性紛
に吹付けた後に乾燥させる方法、 (3)有機金属化合物の蒸気を磁性粉に接触させる方
法、 などがあげられる。
このようにして形成された付着層は、有機金属化合物自
体の場合もあるが、多くの場合には、金属磁性粉表面に
吸着している水分によってアルコキシ基の加水分解が起
こり、 あるいは(R2)nM(OH)m等の集合体の形で存在してい
る。さらに、これらの有機金属化合物付着層あるいはそ
の部分的分解物は、400℃以下の加熱によって酸化物等
の完全分解物に変えることができる。
本発明で付着層を形成する物質は、上述のいずれの場合
であってもかまわないが、金属磁性粉間を絶縁するのに
十分な絶縁体であることが望ましく、少なくとも金属磁
性粉の抵抗値よりも高い値を有する物質である必要があ
る。
このような付着層を有する金属磁性粉を金型に充填し、
工業的に容易な例えば1000MPa以下程度の圧力で圧縮成
形し、鉄心とする。
本発明の製造方法によれば、金属磁性体粉表面を電気的
に絶縁性の付着層で効率良く覆うことができる。従っ
て、磁性粉同士の接触による渦電流損の増大を抑制で
き、高い周波数帯域まで透磁率を低下させずに保つこと
ができる。
また、このように本発明の鉄心においては金属磁性粉間
の絶縁体として樹脂を用いることがないため、成形後の
歪取りのためのの比較的高温の熱処理を行なうことが可
能である。従って、前述のようにして得られた圧縮成形
体に熱処理を加えることにより、金属磁性粉の歪取りを
行ない、保磁力を小さくして、低損失化を図ることがで
きる。
次に、本発明で用いる金属磁性粉であるが、例えば、純
鉄の粉末、Fe−3%Siで代表されるFe−Si系合金粉、Fe
−Al系合金粉、Fe−Si−Al系合金粉、Fe−Ni系合金粉、
鉄あるいはコバルトを含む非晶質合金磁性粉などをあげ
ることができる。上記した磁性粉はそれぞれ単独で用い
てもよいし2種以上を適宜に組合せて使用してもよい。
上記した磁性粉の固有電気抵抗率は、高々10μΩ・cmか
ら数十μΩ・cm程度である。したがって、表皮効果が生
じる高い周波数成分を含む交流電流で励磁する場合にお
いても充分に良好な特性を有する鉄心とするためには、
これらの磁性粉を微細な粒子として、粒子表面から粒子
内部まで充分磁化に寄与せしめなければならない。この
ため、数+KHz程度までの周波数成分を含む電流により
励磁され、その周波数帯域までの透過率特性が要求され
る鉄心を得るためには、平均粒径が300μm以下の磁性
粉を用いることが好ましい。また100KHz以上の周波数成
分を含む電流により励磁され、その周波数帯域までの透
磁率特性が要求される鉄心を得るためには、平均粒径が
100μm以下の磁性粉を用いることが好ましい。一方平
均粒径が極めて小さくなると、通常の成形圧力(1000MP
a以下)を加えて圧縮成形しただけでは得られる鉄心の
密度が大きくならずに磁束密度の低下を招くことから、
磁性粉の平均粒径は10μm以上であることが好ましい。
〔発明の効果〕 以上説明したように本発明によれば、金属磁性粉表面に
効率良く電気絶縁性の付着層を形成することができるた
め、高い周波数領域まで透磁率が低下しない鉄心を得る
ことができる。
また、これらの付着層は数μm以下の厚さにおいても十
分に絶縁体となり得るため、鉄心中の金属磁性粉の充填
率をほとんど低下させずにすむ。したがって、本発明の
鉄心は高い磁束密度を有している。
〔発明の実施例〕
以下に本発明の実施例を挙げる。
(実施例1,2) 平均粒径が実施例1では54μm、実施例2では105μm
のFe−1.5%Si合金粉末を(CH32Si(OC2H5の10%
エタノール溶液に浸漬,撹拌したのち、ろ過によってエ
タノール溶液を除き、さらに150℃で1時間乾燥させ
た。得られた磁性粉を金型に充填して300MPaの圧力で圧
縮成形して鉄心を得た。
(実施例3) 平均粒径69μmのFe−3%Al合金粉末を撹拌しながらC6
H5Ti(OC37の2%トルエン溶液をスプレーで吹きつ
け、自然乾燥後、Ar気流中350℃で2時間加熱した。得
られた磁性粉から実施例1,2と同様にして鉄心を得た。
(比較例1,2) 比較例1として平均粒計54μmのFe−1.5%Si合金粉末
を、比較例2として平均粒径69μmのFe−3%Al合金粉
末を、それぞれの金型に充填して800MPaの圧力で圧縮成
形し鉄心を得た。
以上の鉄心はいずれも磁化力10000A/mにおいて0.6T以上
の高い磁束密度の値を有していた。次に、この鉄心の初
透磁率の周波数特性を測定した。その結果を図に示す。
図においては40KHzでの初透磁率を1としたときの他の
周波数における初透磁率の比を表わした。曲線aは実施
例1,曲線bは実施例2,曲線cは比較例1の場合を示す。
図から明らかな様に、実施例1の鉄心は1MHzまで、また
実施例2の鉄心の初透磁率は200KHzまでほとんど低下し
なかった。これに対し、比較例1の鉄心では100KHzから
初透磁率の大幅な低下がみられた。実施例3は実施例1
とほぼ同様な周波数特性を示し、比較例2では大幅な初
透磁率の低下がみられた。
さらに、実施例1の鉄心に、Ar雰囲気中で500℃、2時
間の条件で熱処理を施したところ、保持力が熱処理前は
450A/mであったものが熱処理後は280A/mまで低下した。
これに伴って高周波での鉄損は85%以下に低下した。
【図面の簡単な説明】
図は初透磁率の周波数特性を示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 幹郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−154111(JP,A) 特公 昭58−3937(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属原子に結合した少なくとも1つ以上の
    アルコキシ基と少なくとも1つ以上のアルコキシ基以外
    の有機基を有する有機金属化合物もしくはその分解物か
    らなる絶縁性の付着層を表面に有する金属磁性粉の圧縮
    成形体であることを特徴とする鉄心。
  2. 【請求項2】金属原子に結合した少なくとも1つ以上の
    アルコキシ基と少なくとも1つ以上のアルコキシ基以外
    の有機基を有する有機金属化合物を金属磁性粉に接触さ
    せ絶縁性の付着層を形成する第1の工程と、 第1の工程で得られた金属磁性粉を圧縮成形する第2の
    工程とを具備したことを特徴とする鉄心の製造方法。
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