JPH06100470B2 - 光フアイバセンサ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、単一モード光フアイバを用いた光フアイバ
ハイドロフオン、光フアイバジヤイロ等の光フアイバセ
ンサの構成部品、特にいわゆる光学系部を振動、衝撃に
よる位置ずれに対して安定的に光フアイバジヤイロ本体
ケーシングに固定した光フアイバセンサに関する。

〔従来の技術〕

光フアイバセンサの１つとして光フアイバジヤイロが既
に公知である。この光フアイバジヤイロは同一光源から
の光をビームスプリツタ、偏光子、モードフイルタ等を
通過せしめた後もう１つのビームスプリツタにて２つの
光に分岐させ、さらに多数回コイル状に巻かれかつこの
ビームスプリツタに接続された単一モードの光フアイバ
コイルの両端に互いに左，右反対方向に周回する前記２
つの光を送り、この間に光フアイバコイルが被測定物体
から回転運動を受けると２つの光の位相にずれが生じ、
この位相ずれの生じた２つの光をビームスプリツタへ戻
し、こゝで２つの光を再び合成した後さらにモードフイ
ルタ、偏光子を通りビームスプリツタからこれに近接し
て設けた受光素子上に投射し、その際に生じる光の干渉
によつて被測定物の回転速度を検出するものである。第
２図に上述した従来の光フアイバジヤイロの代表的構成
を一例として示す。11は光源、12はコリメートレンズ、
13はビームスプリツタ、14は偏光子、15はモードフイル
タ、16はビームスプリツタ、17は光フアイバコイル、そ
して18は位相調整器である。

上記構成の光フアイバジヤイロにおける光源11からビー
ムスプリツタ16までのデイスクリート（分解自在の）光
学部品の組合せから成る、いわゆる光学系部は、これ以
外にも上記分岐、合成部を一枚の基板上に構成したいわ
ゆる光ICに光フアイバを結合したもの、あるいはフアイ
バカツプラーにより構成したもの等がある。

これら光学系部のうちデイスクリート光学部品から成る
光学系部をジヤイロのケーシングに固定する場合、デイ
スクリート光学部品は金属の基板上に位置調整後、接着
剤またはハンダ付け等によりしつかりと固定され、この
光学系基板を光フアイバジヤイロ本体のケーシング内に
設けた光フアイバコイル巻枠上にビス止めあるいはヤン
グ率の大きな接着剤等を用いて固定している。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上述した光フアイバセンサ、特に光フアイバジヤイロの
光学系部において、その分岐、合成部等と光フアイバと
の結合は単一モード光フアイバへの結合を要するためそ
の位置精度について極めて高精度を要求され、通常１μ
ｍ程度の光フアイバの軸ずれが起つてもジヤイロの出力
としては大きな誤差を生ずる。

光学系部の位置ずれは種々の原因で起り、そのうち温
度、振動、衝撃等が代表的なものである。この中で、振
動、衝撃は外部より与えられるものであり、通常そのケ
ーシングを介して伝えられる。

しかるに、前記デイスクリート光学部品、光ICあるいは
フアイバカツプラーのいずれの組合せによる光学系部の
場合も、その位置精度については一長一短があり、又前
二者については単一モードフアイバへの入出射を伴うた
め、その位置ずれの影響が大きく、特に光学系部をビス
止めあるいはヤング率の大きな接着剤で本体ケーシング
に取り付けている場合はこの影響が大である。

この発明の目的は上述した光フアイバセンサ、特に光フ
アイバジヤイロの光学系部の振動、衝撃による位置ずれ
から生ずる出力誤差の影響を除去し、高い固定精度をも
つて前記光学系部を本体ケーシングに固定した光フアイ
バセンサを提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するための手段として、この発明では
光源と光フアイバの結合、分岐、合成部等の光学系部を
構成する光学系基板と光学系部を直接又は間接的に固定
するケーシングとの間に弾性体を挿入して光学系部を固
定するという構成を採用したのである。

〔作用〕

前述したように、光学系部は光学系基板上に位置調整
後、接着またはハンダ付け等により堅固に固定されてい
る。そしてこの光学系基板をケーシングやケーシングに
取付けられた光フアイバコイル巻枠上に固定するについ
て、ヤング率の小さな材料である弾性体を挿入して光学
系基板を本体ケーシングのコイル巻枠に固定している。
従つて、外力によつて与えられる振動、衝撃はそのケー
シングからコイル巻枠、光学系基板を介して光学部品に
伝達されるが、ケーシングと基板との間に挿入した弾性
体のため振動、衝撃は著しく吸収され、光学系部の位置
ずれへの影響が減少する。

〔実施例〕

以下この発明の実施例について添付図の第１図を参照し
て説明する。

図において、１は光フアイバジヤイロを示しており、そ
のケーシング２の内部には次に説明する構成部品が設け
られている。即ち、ケーシング２の内部には光フアイバ
コイル３を多数回巻き付けるためのフアイバコイル巻枠
４がビス５を介してケーシング２に固定されており、こ
の巻枠４の上にはゴム等の層から成る弾性体６を介して
光学系基板７が固定されている。弾性体６の固定は巻枠
４との間にエポキシ系又はシリコン系接着剤を用いて接
着する。さらに、光学系基板７上には第２図における光
源11〜ビームスプリッタ16等から成る光学系部が適正位
置に位置調整後接着剤またはハンダ付けで固定されてい
る。

上記の説明したこの実施例の作用について以下説明す
る。

外力によつて生じた振動、衝撃は、一般にそのケーシン
グ２からコイル巻枠４、弾性体６、光学系基板７を介し
て光学系部８に伝達される。この時、コイル巻枠４と光
学系基板７との間には弾性体６が挿入されているから、
ケーシングに加えられた振動、衝撃はこの弾性体６によ
り吸収される。従つて、この弾性体をエポキシ系あるい
はシリコン系接着剤等の比較的ヤング率の大きな材料で
強固に接着したとしても、弾性体により振動、衝撃が吸
収され、光学系部の位置ずれへの影響は著しく減少す
る。

上記弾性体はゴム等の層から構成しているが、これ以外
のものであつてもゴム層と同等あるいはそれ以下のヤン
グ率の小さな材料であればどんな材料のものでも採用し
得ることは明らかであろう。

なお、光学系基板７がケーシング２に直接固定される場
合には、弾性体６はケーシング２と光学系基板７間に挿
入される。要はケーシングから光学系基板に至る間の振
動伝達経路を遮る位置に弾性体を配置すればよい。

〔効果〕

以上説明したように、この発明では光学系部とケーシン
グへの固定部との間に弾性体を設けてその振動、衝撃を
吸収するようにしたから、光学系部の位置ずれによる出
力誤差は著しく減少されるという顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による光フアイバセンサの実施例の概
略構成図、第２図は従来の光フアイバセンサの概略系統
図を示す。 １……光フアイバジヤイロ、２……ケーシング、３……
フアイバコイル、４……フアイバコイル巻枠、６……弾
性体、７……光学系基板、８……光学系部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光ファイバを使用して物理量を計測する光
   ファイバセンサにおいて、光源と光ファイバの結合、分
   岐、合成部等の光学系部を構成する光学系基板と光学系
   部を直接又は間接的に固定するケーシングとの間に弾性
   体を挿入して光学系部を固定したことを特徴とする光フ
   ァイバセンサ。
2. 【請求項２】前記弾性体がゴム層から成ることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載の光ファイバセンサ。
3. 【請求項３】前記弾性体がゴム層と同等またはそれ以下
   の弾性率の材料から成ることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載の光ファイバセンサ。