JPH06100435B2 - 熱交換器の製造方法 - Google Patents
熱交換器の製造方法Info
- Publication number
- JPH06100435B2 JPH06100435B2 JP4630986A JP4630986A JPH06100435B2 JP H06100435 B2 JPH06100435 B2 JP H06100435B2 JP 4630986 A JP4630986 A JP 4630986A JP 4630986 A JP4630986 A JP 4630986A JP H06100435 B2 JPH06100435 B2 JP H06100435B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat exchanger
- flux
- brazing
- corrosion resistance
- fins
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
本発明は、熱交換器の製造方法に関するものである。
例えば、自動車のコンデンサ、エバポレータ、オイルク
ーラ、インタークーラ、ラジエータ等の熱交換器、その
他各種の機器の熱交換器においては、その軽量性及び良
好な熱伝導性の観点から、その素材にはアルミニウム又
はアルミニウム合金(以下アルミニウム材)が用いられ
ている。 そして、これらの熱交換器は、例えばAl-Si合金ろうを
芯材の両面に予め貼りあわせたブレージングシートを材
料として所定の形状に適当な治具で組み付け、これを約
600℃の温度に昇温保持した後冷却するといった、いわ
ゆるろう付手段によって構成されている。 このような熱交換器においては、ろう付性が良好なこと
を要求されるのは勿論であるが、耐食性に優れているこ
とが必須の要件であり、この為、アルミニウム材の表面
にろう付前又はろう付後にZnメッキ膜を設けたり、アル
ミニウム材の表面にAl-Zn合金の犠牲陽極材を予め貼り
合わせておく等の手段が提案されている。 しかし、アルミニウム材の表面にZnメッキ膜を設ける手
段は、メッキの為の設備、処理液の組成管理、廃液処理
等の点からコストが高くなる欠点があり、又、Al−Zn合
金の犠牲陽極材を設ける手段は、必ずしも犠牲陽極材の
効果が充分でない欠点がある。
ーラ、インタークーラ、ラジエータ等の熱交換器、その
他各種の機器の熱交換器においては、その軽量性及び良
好な熱伝導性の観点から、その素材にはアルミニウム又
はアルミニウム合金(以下アルミニウム材)が用いられ
ている。 そして、これらの熱交換器は、例えばAl-Si合金ろうを
芯材の両面に予め貼りあわせたブレージングシートを材
料として所定の形状に適当な治具で組み付け、これを約
600℃の温度に昇温保持した後冷却するといった、いわ
ゆるろう付手段によって構成されている。 このような熱交換器においては、ろう付性が良好なこと
を要求されるのは勿論であるが、耐食性に優れているこ
とが必須の要件であり、この為、アルミニウム材の表面
にろう付前又はろう付後にZnメッキ膜を設けたり、アル
ミニウム材の表面にAl-Zn合金の犠牲陽極材を予め貼り
合わせておく等の手段が提案されている。 しかし、アルミニウム材の表面にZnメッキ膜を設ける手
段は、メッキの為の設備、処理液の組成管理、廃液処理
等の点からコストが高くなる欠点があり、又、Al−Zn合
金の犠牲陽極材を設ける手段は、必ずしも犠牲陽極材の
効果が充分でない欠点がある。
本発明者は、前記の問題点に対する研究を押し進めた結
果、熱交換器における作動流体の通路となる管と、Znを
約5〜10重量%含むアルミニウム合金製のフィンとを、
フラックスを用いたろう付手段によりろう付構成してい
ると、管の耐食性、特に耐孔食性が著しく改善されるこ
とを見出だしたのである。 すなわち、フィン中にZnを含有させておくと、このZnが
フラックスとの反応によって、Zn又はAl-Zn合金が表面
に析出するようになり、この析出したZn又はAl-Zn合金
の被膜が作動流体の通路となる管の耐食性を著しく向上
させるようになるのである。 つまり、下記の反応式(1),(2)式で示すように、
フィン中のZnが一旦フラックス中にイオンの状態で溶出
し、そして下記の反応式(3),(4)式で示すよう
に、被ろう付材素地のAlと反応して析出するようになる
ものであり、このZnの働きは、従来からの犠牲陽極材の
ものとは異なり、熱交換器全体に分布するようになり、
その耐孔食性の向上が著しくなるのである。 2KF(フラックス)+Zn→ZnF2+2K++2e- ……(1) 2NaCl(フラックス)+Zn→ZnCl2+2Na++2e- ……
(2) 3ZnF2+2Al→2AlF3+3Zn ……(3) 3ZnCl2+2Al→2AlCl3+3Zn ……(4) ここで、フィン中に含有させるZnの量を約5重量%以上
としたのは、Znの含有量があまりに少なすぎる場合に
は、上記の働きが不充分で、耐孔食性向上効果が小さす
ぎるからである。 尚、例えばフィン中にZnを多量に含ませていても、その
耐孔食性向上効果が低下することはないものの、あまり
多量にZnを含有していると、フィンへの加工性が低下す
るようになることから、Znの含有量は約10重量%以下の
ものであることが望ましい。 又、本発明においては、前記反応式における説明からも
明らかな通り、フラックスを用いることが必須の要件で
あり、フラックスが用いられない場合には全く意味がな
いのであるが、このフラックスは、例えばNaCl、KCl、L
iCl、ZnCl2等の塩化物、KF、AlF3、LiF、KAlF4、K3Al
F6、ZnF2等のフッ化物、又はこれらの混合物等通常のア
ルミニウム合金のフラックスろう付に用いられるフラッ
クスであればどのようなものであっても差し支えない。
果、熱交換器における作動流体の通路となる管と、Znを
約5〜10重量%含むアルミニウム合金製のフィンとを、
フラックスを用いたろう付手段によりろう付構成してい
ると、管の耐食性、特に耐孔食性が著しく改善されるこ
とを見出だしたのである。 すなわち、フィン中にZnを含有させておくと、このZnが
フラックスとの反応によって、Zn又はAl-Zn合金が表面
に析出するようになり、この析出したZn又はAl-Zn合金
の被膜が作動流体の通路となる管の耐食性を著しく向上
させるようになるのである。 つまり、下記の反応式(1),(2)式で示すように、
フィン中のZnが一旦フラックス中にイオンの状態で溶出
し、そして下記の反応式(3),(4)式で示すよう
に、被ろう付材素地のAlと反応して析出するようになる
ものであり、このZnの働きは、従来からの犠牲陽極材の
ものとは異なり、熱交換器全体に分布するようになり、
その耐孔食性の向上が著しくなるのである。 2KF(フラックス)+Zn→ZnF2+2K++2e- ……(1) 2NaCl(フラックス)+Zn→ZnCl2+2Na++2e- ……
(2) 3ZnF2+2Al→2AlF3+3Zn ……(3) 3ZnCl2+2Al→2AlCl3+3Zn ……(4) ここで、フィン中に含有させるZnの量を約5重量%以上
としたのは、Znの含有量があまりに少なすぎる場合に
は、上記の働きが不充分で、耐孔食性向上効果が小さす
ぎるからである。 尚、例えばフィン中にZnを多量に含ませていても、その
耐孔食性向上効果が低下することはないものの、あまり
多量にZnを含有していると、フィンへの加工性が低下す
るようになることから、Znの含有量は約10重量%以下の
ものであることが望ましい。 又、本発明においては、前記反応式における説明からも
明らかな通り、フラックスを用いることが必須の要件で
あり、フラックスが用いられない場合には全く意味がな
いのであるが、このフラックスは、例えばNaCl、KCl、L
iCl、ZnCl2等の塩化物、KF、AlF3、LiF、KAlF4、K3Al
F6、ZnF2等のフッ化物、又はこれらの混合物等通常のア
ルミニウム合金のフラックスろう付に用いられるフラッ
クスであればどのようなものであっても差し支えない。
表に示す組成のアルミニウム合金の鋳塊を作製し、この
鋳塊を595℃で4時間の均質化処理を行い、その後表裏
両面を面削して40mmの厚さに調整し、そして熱間圧延、
冷間圧延及び冷間圧延途中の中間焼鈍を経て0.16mm厚の
板にする。 そして、この0.16mm厚の板をフィン形状に加工し、これ
をJISA3003合金を芯材として外表面にJISA4045ろう材を
貼り合わせた板厚0.4mmのアルミニウム合金製の高周波
電縫溶接管に組み合わせ、そして表1に示すフラックス
を吹き付け手段で塗布し、その後大気炉中又はN2の不活
性雰囲気炉中で焼成(600℃で5分間)してフィンと高
周波電縫溶接管とをろう付し、熱交換器を構成する。 ・塩化物のフラックスは、NaCl(25%)、KCl(47
%)、LiCl(13%)、ZnCl2(8%)及びNaF(7%)の
混合粉を50%濃度で水に懸濁。 ・フッ化物のフラックスは、KAlF4(90%)及びK3AlF6
(10%)の混合物を10%濃度で水に懸濁。
鋳塊を595℃で4時間の均質化処理を行い、その後表裏
両面を面削して40mmの厚さに調整し、そして熱間圧延、
冷間圧延及び冷間圧延途中の中間焼鈍を経て0.16mm厚の
板にする。 そして、この0.16mm厚の板をフィン形状に加工し、これ
をJISA3003合金を芯材として外表面にJISA4045ろう材を
貼り合わせた板厚0.4mmのアルミニウム合金製の高周波
電縫溶接管に組み合わせ、そして表1に示すフラックス
を吹き付け手段で塗布し、その後大気炉中又はN2の不活
性雰囲気炉中で焼成(600℃で5分間)してフィンと高
周波電縫溶接管とをろう付し、熱交換器を構成する。 ・塩化物のフラックスは、NaCl(25%)、KCl(47
%)、LiCl(13%)、ZnCl2(8%)及びNaF(7%)の
混合粉を50%濃度で水に懸濁。 ・フッ化物のフラックスは、KAlF4(90%)及びK3AlF6
(10%)の混合物を10%濃度で水に懸濁。
上記各例で得た熱交換器について、720時間のCASS試験
を行ない、熱交換器の高周波電縫溶接管部分の耐孔食性
を調べたので、この結果を表2に示す。 尚、この耐食性テストは、熱交換器のフィンの一部を除
去し、フィンが存在している部分と局部的にフィンが存
在しない部分の位置における高周波電縫溶接管の外表面
の孔食深さを調べたものである。 これによれば、熱交換器のフィンがZnを含むアルミニウ
ム合金で構成されていると、高周波電縫溶接管の耐食性
は、優れていることが窺える。 すなわち、実施例1(実1)〜実施例3(実3)と比較
例1(比1)〜比較例3(比3)とを比べると、Znが約
5wt%以上含まれたアルミニウム合金でフィンが構成さ
れていると、フィンがある位置及びフィンを欠いた位置
いずれの場所においても高周波電縫溶接管の耐食性は優
れたものであることが判る。 尚、Znが約2wt%程度含まれたアルミニウム合金でフィ
ンが構成されたものでも、高周波電縫溶接管の耐食性は
ある程度良好であるものの、5wt%以上含む本発明のも
のに比べると、孔食深さが約2倍もあり、到底に本願発
明のような効果は得られていない。 又、フィンがZnを含むアルミニウム合金で構成されてい
ても、フラクッスを用いたろう付手段によりろう付され
ていない場合には、高周波電縫溶接管の耐食性は悪く、
到底に本願発明のような効果は得られていないものであ
った。
を行ない、熱交換器の高周波電縫溶接管部分の耐孔食性
を調べたので、この結果を表2に示す。 尚、この耐食性テストは、熱交換器のフィンの一部を除
去し、フィンが存在している部分と局部的にフィンが存
在しない部分の位置における高周波電縫溶接管の外表面
の孔食深さを調べたものである。 これによれば、熱交換器のフィンがZnを含むアルミニウ
ム合金で構成されていると、高周波電縫溶接管の耐食性
は、優れていることが窺える。 すなわち、実施例1(実1)〜実施例3(実3)と比較
例1(比1)〜比較例3(比3)とを比べると、Znが約
5wt%以上含まれたアルミニウム合金でフィンが構成さ
れていると、フィンがある位置及びフィンを欠いた位置
いずれの場所においても高周波電縫溶接管の耐食性は優
れたものであることが判る。 尚、Znが約2wt%程度含まれたアルミニウム合金でフィ
ンが構成されたものでも、高周波電縫溶接管の耐食性は
ある程度良好であるものの、5wt%以上含む本発明のも
のに比べると、孔食深さが約2倍もあり、到底に本願発
明のような効果は得られていない。 又、フィンがZnを含むアルミニウム合金で構成されてい
ても、フラクッスを用いたろう付手段によりろう付され
ていない場合には、高周波電縫溶接管の耐食性は悪く、
到底に本願発明のような効果は得られていないものであ
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−10699(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】熱交換器における作動流体の通路となる管
と、Znを約5〜10重量%含むアルミニウム合金製のフィ
ンとを、管の表面側にあるろう材及びフラックスを用い
てろう付けすることを特徴とする熱交換器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4630986A JPH06100435B2 (ja) | 1986-03-05 | 1986-03-05 | 熱交換器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4630986A JPH06100435B2 (ja) | 1986-03-05 | 1986-03-05 | 熱交換器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62206386A JPS62206386A (ja) | 1987-09-10 |
JPH06100435B2 true JPH06100435B2 (ja) | 1994-12-12 |
Family
ID=12743586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4630986A Expired - Fee Related JPH06100435B2 (ja) | 1986-03-05 | 1986-03-05 | 熱交換器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06100435B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014097511A (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-29 | Showa Denko Kk | 熱交換器の製造方法 |
-
1986
- 1986-03-05 JP JP4630986A patent/JPH06100435B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014097511A (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-29 | Showa Denko Kk | 熱交換器の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62206386A (ja) | 1987-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4645119A (en) | Method of brazing an aluminum heat exchanger | |
JP4577634B2 (ja) | 熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出チューブ | |
JPH0422666B2 (ja) | ||
JP2000063970A (ja) | アルミニウム合金製熱交換器用押出管 | |
JP2000008130A (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム合金製熱交換器用部材 | |
EP0973629A1 (en) | Brazing filler alloy containing calcium | |
JPH1147919A (ja) | ろう付アルミニウム熱交換器およびろう付用アルミニウム合金ブレージングシート | |
JP4190295B2 (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム合金クラッドチューブ材および該クラッドチューブ材を組付けた熱交換器 | |
JPH06100436B2 (ja) | 熱交換器の製造方法 | |
JPH06100435B2 (ja) | 熱交換器の製造方法 | |
JPS6248743B2 (ja) | ||
JPH07106445B2 (ja) | アルミニウム合金製熱交換器およびその製造方法 | |
JP4263160B2 (ja) | アルミニウム合金クラッド材並びにそれを用いた熱交換器用チューブ及び熱交換器 | |
JPH05305480A (ja) | トーチろう付けによるアルミ部材の接合方法 | |
JPH0615701B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金クラツド材 | |
JPH05331580A (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート | |
JP2507754B2 (ja) | アルミ部材のろう付け用フラックス | |
JP2000202682A (ja) | アルミニウム合金ろう材および該ろう材を皮材とするろう付け性と耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 | |
JPS6261104B2 (ja) | ||
JP2691069B2 (ja) | 耐食性及び伝熱性にすぐれた熱交換器 | |
JPS6342546B2 (ja) | ||
JPS6364265B2 (ja) | ||
JP2004225062A (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム合金クラッドチューブ材および該クラッドチューブ材を組付けた熱交換器 | |
JPH07164181A (ja) | アルミニウム合金製熱交換器およびその製造方法 | |
JP2000061624A (ja) | アルミニウム材ろう付け方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |