JPH059866U - ピン打込み治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バネ掛け用や部品連結あるいは位置決め用の
ピンを所定深さで確実迅速に折込み操作することができ
るピン打込み治具を得る。 【構成】 ガイド筒１を備え、このガイド筒１の先端に
は、打込み対象のピン４をガイド筒軸心と同心状に貫通
させて保持するピン保持部５が備えられており、ガイド
筒１の内部には前記ピン保持部５に保持されたピン４に
当接するハンマー部材２が挿入されており、このハンマ
ー部材２の後端がガイド筒１の後端から突出しているピ
ン打込み治具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、バネ掛け用のピンや、嵌合された部品同士の位置決め連結など に用いるピンを打込み操作する際に用いる治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にこのようなピンの打込み作業では、片方の手の指先でつまみ持ったピン を打込み孔に当てがい、もう片方の手に持ったハンマーでピンの頭を打撃する操 作を行う。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような打込み作業では、ピンが小さい場合にはハンマー角度によ ってピンに垂直に打撃力が加わらず、ピンを跳ね飛ばしたり、折損したりするこ とがあった。

【０００４】 また、対象部品へのピン打込み深さが定められている場合、打込んだピンの突 出長さを計測確認しながら何度も打込みを繰返して少しづつ打込んでゆく必要が あり、作業能率が低いものであった。また、打込み過ぎの発生する可能性もなき にしもあらず、慎重な操作を要していた。

【０００５】 本考案は、このようなピン打込み作業を能率よく正確に行うことができるピン 打込み治具を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案のピン打込み治具は、ガイド筒を備え、この ガイド筒の先端には、打込み対象のピンをガイド筒軸心と同心状に貫通させて保 持するピン保持部が備えられており、ガイド筒の内部には、前記ピン保持部に保 持されたピンに当接するハンマー部材が挿入されており、このハンマー部材の後 端がガイド筒の後端から突出していることに特徴を有している。

【０００７】

【作用】

上記構成によると、ピンに比較して 大径で長いガイド筒を片手で握り持ち、 ピン保持部の先端から露出しているピンの先端を打込み孔に当てがい、ガイド筒 を打込み孔に垂直に保持しながらガイド筒後端から突出しているハンマー部材を 打撃してピンを打込み孔に打込んでゆく。

【０００８】 ピン保持部が相手部品の外面に当接した状態で、ハンマー部材を前進限度まで 打撃すると、相手部品からのピンの突出長さが定まり、ピン長さを設定しておく ことでピン打込み深さが定まる。

【０００９】

【実施例】

図４に本考案に係るピン打込み治具の全体外観が、また、図１にその縦断側面 がそれぞれ示されている。

【００１０】 このピン打込み治具は、先端部が先細りテーパー状に形成されたガイド筒１と 、このガイド筒１に後より挿入されたハンマー部材２と、ガイド筒１の後端に螺 着されたキャップ３とからなっている。

【００１１】 ガイド筒１の先端テーパー部は打込み対象のピン４を差込み保持するピン保持 部５として構成されたものであって、打込み対象となるピン４を軽く挿抜できる 径の透孔６がガイド筒軸心と同心状に形成されている。そして、この透孔６と直 交する一対の段付き孔７が対角状に形成され、この段付き孔７に段付きピン状の ピン保持片８が挿入されている。また、ピン保持部５の外周には前記段付き孔７ を含む環状溝９が形成され、この環状溝９に嵌め込み装着したＯリング１０によ って前記一対のピン保持片８を透孔６側に向けて弾性的に押付け、透孔６に挿入 したピン４を一対のピン保持片８で弾性的に挟持して、自重で抜落ちない程度の ちからで摩擦保持するようになっている。

【００１２】 なお、このピン保持部５の先端とテーパー外面とにわたって、マーク線１１が 形成されており、ピン４がスプリングピンの場合、ピン４の切れ目４ａをこのマ ーク線１１に合わせて透孔６に挿入することでピン保持片８がピン４の外周面に 適切に作用するようにし、かつ、ガイド筒外方からでもピン４の切れ目４ａの向 きが認識できるようになっている。

【００１３】 前記ハンマー部材２は、ガイド筒内に前後動自在に挿入されるとともに、キャ ップ３によって抜止めされ、キャップ３から突出した部分を外部からハンマー等 で打撃してその先端テーパー部２ａによってピン４に動打込み力を確実に加える よう構成されている。

【００１４】 本考案のピン打込み治具は以上のように構成されたものであり、ピン保持部５ にピン４を挿入保持した状態で、ピン４の先端を打込み対象部品１２に突設した 打込み孔１３に当てがい、ハンマー部材２の後端に打撃を加えて打込み処理を行 う。

【００１５】 この場合、ハンマー部材２はガイド筒１の底面１ａによって前進限度が定めら れているので、図２に示すようにピン保持部５の先端を打込み対象部品１２の外 面に当接する状態でハンマー部材２を最前進させることで、打込んだピン４の突 出長さＬが定まり、ピン４の長さが予め決まっているとピン打込み深さも定まる ことになる。

【００１６】 なお、図３中の仮想線で示すように、ガイド筒１の底部に適当厚さのカラー１ ４を装備しておくことで、打込んだピン４の突出長さＬａをカラー厚さ分だけ増 大して打込み深さを浅く調整することができる。

【００１７】 また、図示しないが、ピン保持部５をガイド筒１の先端に取外し可能にネジ止 めする構造にしておくと、ピン４の径に応じたピン保持部５と交換することが可 能となる。

【００１８】 また、ピン保持部５を、分割型の内径拡縮自在なチャック型式に構成すれば、 任意の径のピン４に対応することができる。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のピン打込み治具を用いると、小さいピンでも跳 ねとばしたり、折損するようなことなく確実に打込み処理することができる。

【００２０】 また、打込んだピンの突出長さを規制できるので、ピン打込み深さを簡単に定 めることができ、繰返し計測確認する手間なく所定深さの打込みを能率よく行え る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係るピン打込み治具の縦断側面図で
ある。

【図２】 打込み状態を示す縦断側面図である。

【図３】 ピン保持部の縦断側面図である。

【図４】 ピン打込み治具の外観斜視図である。

【図５】 ピン保持部の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ ガイド筒 ２ ハンマー部材 ４ ピン ５ ピン保持部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 ガイド筒（１）を備え、 このガイド筒（１）の先端には、打込み対象のピン
   （４）をガイド筒軸心と同心状に貫通させて保持するピ
   ン保持部（５）が備えられており、 ガイド筒（１）の内部には、前記ピン保持部（５）に保
   持されたピン（４）に当接するハンマー部材（２）が挿
   入されており、このハンマー部材（２）の後端がガイド
   筒（１）の後端から突出していることを特徴とするピン
   打込み治具。