JPH0598334A - 溶融金属反応炉の炉壁構造 - Google Patents

溶融金属反応炉の炉壁構造

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JPH0598334A
JPH0598334A JP25924291A JP25924291A JPH0598334A JP H0598334 A JPH0598334 A JP H0598334A JP 25924291 A JP25924291 A JP 25924291A JP 25924291 A JP25924291 A JP 25924291A JP H0598334 A JPH0598334 A JP H0598334A
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Katsuhiko Sakamoto
克彦 阪本
Tetsuji Ibaraki
哲治 茨城
Michitaka Kanemoto
通隆 金本
Hikofumi Taniishi
彦文 谷石
Hikari Motomiya
光 本宮
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、冷却構造体を構築した溶融金属反
応炉の炉壁構造に関して、前記冷却構造体と耐火れんが
壁の接触部における前記耐火れんがの割損を防止し、炉
寿命の延長を図るとともに、炉稼働率を大幅に向上させ
る技術を提供するものである。 【構成】 強制冷却構造体を構築した溶融金属反応炉の
炉壁構造において、前記冷却構造体を水冷構造体とし、
耐火れんがとの境界部の炉壁に炉内側に噴出孔を有する
冷却体を配し、上記水冷構造体周縁に熱緩衝帯を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属反応炉におけ
る炉壁損耗を抑制するに効果的な炉壁構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】昨今、転炉や溶融還元炉などの溶融金属
反応炉では、前者の場合、冷鉄源の多量溶解を目的に、
また後者の場合、還元反応に対する熱補償を目的に、精
錬反応で発生したCOガスを上吹酸素によって二次燃焼
させる操業方法が採られることが多い。該二次燃焼は、
溶融金属反応炉の熱裕度を高める一方で、炉内温度の大
幅な上昇を伴うことが多く、炉壁耐火物の損耗を著しく
増大させる要因となる。このため、炉壁耐火物の損耗を
抑制する方法として、たとえば、特開昭61−1236
97号公報では、炉上部炉壁の易損耗部に、蛇行状冷却
管を密に接触させてなるチューブパネルや冷却管を金属
で鋳ぐるんだ冷却タイルなどからなる強制冷却炉壁を設
ける方法が開示されている。また、特開昭59−598
20号公報では、スラグレベルあるいはその近傍より上
部の炉壁部分の壁面から、パイプあるいは多孔質耐火物
を通して冷却媒体を噴出させ、炉壁面を冷却する方法が
開示されている。いずれの方法においても、炉壁耐火物
を冷却するかもしくは炉壁を耐火物でなく強制冷却体で
構築することにより、損耗の抑制を図ることを目的とし
たものであり、前記易損耗部の損耗軽減に貢献しようと
するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−1236
97号公報に開示された方法では、強制冷却炉壁と通常
の耐火れんが壁の接触面において、急激な温度変化があ
ることから耐火れんがに割損等のトラブルが生じる問題
があった。即ち、前記強制冷却壁の冷却効果によって前
記耐火れんが内部に急激な温度勾配が生じて熱的衝撃を
受け、スポーリング等により割損する現象が多々発生し
ていた。この結果、炉寿命の低下や耐火物コストのアッ
プおよび炉稼働率の低下等の要因となっていた。
【0004】特に、高度の二次燃焼操業を実施し、炉内
ガス温度が1800〜2000℃に達するような場合に
は、前記耐火れんが内には1500℃以上の急激な温度
差が発生し、通常工業的に製造されている耐火れんがで
は、この温度差による熱衝撃を起因とする割損現象を回
避することは事実上不可能であった。
【0005】また、特開昭59−59820号公報に開
示された方法では、冷却媒体の供給設備費やれんが価格
が高く、また保守整備が煩雑であることから、前記易損
耗部が広範囲にわたる場合には、設備費や運転コストが
増大し、また保守整備に長時間を要し炉稼働率が低下す
るという欠点を有していた。
【0006】本発明はかかる問題点を解決するため、強
制冷却壁を有する溶融金属反応炉の炉壁において、前記
強制冷却炉壁と耐火れんが壁の構築手段を改良して炉寿
命を飛躍的に向上させ、耐火物コストの低減を図るとと
もに、炉の稼働率を大幅に高める炉壁構造を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の炉壁構造は、溶
湯および溶滓の非浸漬部炉壁任意部分に冷却構造体を構
築した溶融金属反応炉の炉壁構造において、前記冷却構
造体が水冷ジャケットを内蔵する水冷構造体であり、該
水冷構造体と耐火れんが壁との境界部に、炉内側に冷却
気体噴出口を有する冷却気体貫通型冷却構造体を配設
し、前記水冷構造体周縁に熱緩衝帯を設けたことを特徴
とするものである。
【0008】ここで、溶湯およびスラグの非浸漬部と
は、溶湯およびスラグと接触しない部分を言い、具体的
には、炉体が傾動する転炉の場合、通常操業時における
炉体が直立している状態で、溶湯および溶融スラグの最
高レベルより上部で、しかも炉体を傾動して出湯および
出滓を行う際においても溶湯およびスラグと接触しない
炉壁部分を言う。
【0009】また溶融還元炉においては、前述した転炉
と同様であるがスラグについては、鎮静化したスラグ
(鉱石、炭素質原料および酸素の供給を停止して還元ガ
スの発生が停止し、スラグのフォーミング状態が鎮静し
た状態のスラグ)に接触しない炉壁部分を言い、フォー
ミング状態のスラグとの接触は浸漬と見做さない。
【0010】以下に、本発明の具体的な構成について実
施例を示す図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発
明の一実施例を示す部分展開図であり、図2は、図1の
A−A部の断面図を示すものである。溶融金属反応炉
(以下単に反応炉と言う)の炉壁10は主として周知の
耐火れんがを構築することによって構成されている。1
はこの耐火れんがを示し、前記炉壁10の内、溶湯およ
び溶滓の浸漬を受けない非浸漬部における易損耗部に
は、水冷構造体2が構築されいる。
【0011】この水冷構造体2は後述する水冷ジャケッ
トを内蔵している。またこの水冷構造体2と、前記耐火
れんが1との境界部には炉内側に冷却気体噴出口35を
有する冷却気体貫通型冷却構造体(以下、貫通型冷却体
と言う)3が配設されている。前記耐火れんが1は、通
常鉄皮4の内側からパーマれんが11、ウェアれんが1
2の順に構築するが、状況に応じてはウェアれんが12
だけで構築する手段も採用される。
【0012】水冷構造体2は、該水冷構造体本体21の
背面に取り付けられた固定治具22の先端部を、鉄皮4
の開孔部4aから突出させ、固定金物23によって炉外
から鉄皮4に固定する。通常は、固定治具22の先端部
にネジ加工をし、固定金物23としてナットを用いるこ
とが多い。また、給排水管24も、鉄皮4の開孔部4b
から突出させ、炉外の給排水管あるいは給排水設備に連
接させる。該水冷構造体本体21の背面と鉄皮4の間隙
には、泥漿状の耐火コンクリート5を充填した。
【0013】貫通型冷却体3は、後述するように冷却気
体を炉内に噴出させるための流通路および噴出口35を
有し、前記耐火れんが1と水冷構造体2の境界部に、通
常の耐火れんがと同様に構築される。この際、鉄皮4の
開孔部4cから、前記流通路に連通する接続パイプ31
を炉外に突出させ、冷却気体供給管あるいは冷却気体供
給設備に連接させる。該貫通型冷却体3の背面と鉄皮4
の間隙には、泥漿状の耐火コンクリート6を充填した。
【0014】鉄皮4の開孔部4a,4bおよび4cは、
それぞれ水冷構造体固定治具22、水冷構造体の給排水
管24、および貫通型冷却体3の接続パイプ31の外径
よりも若干大きい内径とし、炉内側の炉壁の熱膨脹等に
よる変位に追随できるようにした。
【0015】図3は、本発明に基づく他の実施例を示す
部分展開図であり、図4は図3のB−B部の断面図を示
すものである。本実施例は、前述した非浸漬部のほぼ全
面の炉壁を水冷構造体2で構成したもので、水冷構造体
2と耐火れんが1の境界部には貫通型冷却体3が配設さ
れている。つまり耐火れんが1の上部に貫通型冷却体3
を配設し、その上部に水冷構造体2を構築することによ
って、熱緩衝帯が構成されている。炉壁10の構築方法
は、前記図1および図2とほぼ同じであるが、前記水冷
構造体2の継ぎ目部には、モルタルや粘土などの可塑性
材料7を充填した。
【0016】本発明において、耐火れんが1は、前述し
たようにパーマれんが11およびウェアれんが12の2
層で構成されるが、前記パーマれんが11を省略し、ウ
ェアれんが12のみで構成することも可能である。ウェ
アれんが12は、炉内の温度やスラグ組成・性状などを
勘案してAl2 3 などの中性、MgOなどの塩基性骨
材とグラファイトを原料とするカーボン含有耐火組成物
や、マグネシア、ドロマイトあるいはマグネシア・クロ
ム質れんがなどの塩基性および、もしくは中性耐火原料
を1種以上混合した酸化物系れんがなどの中から任意に
選択すればよく、またれんが厚みは目標とする炉寿命に
応じて適宜設定すればよい。
【0017】水冷構造体2は、その内部に冷却媒体とし
ての水が流通する空間部、即ち水冷ジャケットを有する
ものであればその構造を特に限定するものではない。例
えば圧延銅板で構成された構造体にきり孔加工等で水冷
ジャケットを形成するもの、中子等を配し、鋳造構造で
水冷ジャケットを設けたもの、あるいは水冷ジャケット
を炭素鋼鋼管を鋳造時に鋳ぐるむことで形成した鋳鉄製
のもの、さらにまた炭素鋼鋼管を密に接触させて組み合
わせて構成したものなど、種々の水冷構造体の中から、
炉内の熱負荷や要求特性に応じて選択すればよい。
【0018】図5は前記圧延銅板を用いた水冷構造体2
の一実施例を示す斜視図である。本体21は高純度の圧
延銅板であり、圧延後の本体21に水冷ジャケット25
をきり穴加工して形成したものである。該水冷ジャケッ
ト25の両端には、それぞれ給排水管24が設けられ、
給排水管24、水冷ジャケット25の組み合わせでひと
つの水路が形成される。前記給排水管24は、通常炭素
鋼鋼管、合金鋼管、ステンレス鋼管などを用い、螺子止
めと溶接の組み合わせにて、前記水冷ジャケット25に
連通する。また、本体21の炉内側表面には、スラグ付
着などを促進する目的で多数の溝26を切削加工にて設
けた。なお、前述した鋳鉄製パネルでは、本体21は鋳
鉄製の鋳造品であり、水冷ジャケット25は本体21の
鋳造時に炭素鋼鋼管を鋳ぐるむことで形成される。
【0019】次に、貫通型冷却体3の詳細について述べ
る。図6は、前記貫通型冷却体3の一実施例の概略構造
を示す斜視図である。該貫通型冷却体3は、前述した接
続パイプ31と、背面側に設けられたガスプール部32
と、一端が炉内側への噴出口35となり他端が前記ガス
プール部32に連通した小径の金属製パイプ33と、前
記金属製パイプ33を内部に埋設した耐火れんが34と
から構成される。また、該貫通型冷却体3は、幅bが通
常の耐火れんがの0.5倍以上、高さhが通常の耐火れ
んがの整数倍の大きさに製造され、通常の耐火れんがで
構築された炉壁の一部に組み込むことができる。
【0020】接続パイプ31は、前記ガスプール部32
の背面側にガスプール部32に連通するように溶接等の
接合手段で取りつけられる。該接続パイプ31は、耐熱
性、加工性等を考慮し炭素鋼、ステンレス鋼、合金鋼そ
の他の金属管の中から任意に選択して使用できるが、使
用部位が比較的温度の低い鉄皮付近であるため、炭素鋼
鋼管を用いても問題はない。
【0021】ガスプール32は耐熱性、加工性等を考慮
しステンレス鋼板の溶接組合せ構造を採ることが多い
が、温度条件によっては普通炭素鋼板やその他の合金鋼
鋼板などの溶接構造を用いることも可能である。金属製
パイプ33は、耐熱性および加工性を考慮し、ステンレ
スパイプを用いる場合が多いが、温度条件によっては普
通炭素鋼やその他の合金鋼パイプを用いることも可能で
ある。また、該金属製パイプ33は、直管、曲管いずれ
も使用でき、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0022】さらに、該金属性パイプ33の代わりに、
耐火れんが成形時に棒状、板状その他の形状の易燃焼性
素材の形成物を埋設し、該耐火れんが成形後、乾燥、焼
成工程で前記易燃焼性形成物を燃焼除去するか、鋼管や
鋼板を組み合わせてチューブ状にした形成物を該耐火れ
んが成形時に埋設し、そのまま残留させて炉内側に噴出
孔を形成させる方法もある。
【0023】耐火れんが34の材質は、Al2 3 など
の中性、MgOなどの塩基性骨材とグラファイトを原料
とするカーボン含有耐火組成物の中から、加工性、耐熱
性、伝熱特性の各特性に応じて任意に選択できる。
【0024】該貫通型冷却体3に導通する冷却気体とし
ては、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素などのプロセスガ
ス、プロパンなどの炭化水素系ガス、水のミストあるい
は水蒸気の1種以上を単独もしくは混合して使用できる
が、コスト、扱い易さの観点から通常窒素ガスを用いる
ことが多い。
【0025】
【作用】かかる炉壁構造を有する溶融金属精錬炉では、
前記水冷構造体2の適用によって易損耗部の炉壁の損耗
が大幅に抑制される。また、該水冷構造体2と耐火れん
が1の境界部の炉壁には貫通型冷却体3を配設して熱的
な緩衝帯を設けているため、従来技術で問題となってい
た耐火れんが1の熱的衝撃による割損が防止できる。
【0026】本発明はかかる作用によって、溶融金属反
応炉の炉壁の全面にわたって損耗が抑制され、炉寿命の
延長と耐火物コストの低減が図れるとともに、保守整備
を簡便にして炉稼働率を大幅に向上させることができ
る。
【0027】
【実施例】本発明を100t鉄浴式溶融還元炉に適用し
た。図7は、本発明を実施した鉄浴式溶融還元炉の操業
中の全体を示す縦断面図である。溶融還元炉は、通常炉
下部の溶銑(種湯)を熱源としながら、底吹ガスで鉄浴
およびスラグ浴を攪拌するとともに、酸化鉄と還元剤で
ある炭素質原料を装入して溶銑および/またはスラグ中
で溶融還元反応を行う炉であり、また、還元反応によっ
て発生するCOガスを上吹ランス8から吹き込まれるO
2 によってCO2 に二次燃焼させ、還元吸熱分を補償す
る。
【0028】該二次燃焼によって、炉上部は極めて高温
となるため、鉄浴部の炉壁には耐火れんが1を、スラグ
浴の炉壁のほぼ全面とガス帯の炉壁の全面に水冷構造体
2を構築し、また、前記耐火れんが1と前記水冷構造体
2の境界部に貫通型冷却体3を配置し、水冷構造体2の
下部周縁に熱緩衝帯を設けた。
【0029】本実施例に示す溶融還元炉では、前記二次
燃焼率が40〜50%となるよう、上吹送酸量および底
吹攪拌ガス量を調整しながら、溶融還元操業を実施し
た。原料である酸化鉄と炭素質原料は、鉄鉱石と揮発分
の比較的多い石炭を用いた。前記溶融還元炉の浴面積は
約12m2 であり、溶銑量60〜100t、スラグ量2
0〜40tであった。また、ガス帯の炉内ガス温度は約
1700〜1900℃であった。
【0030】溶融還元操業中の鉄浴最大面からのスラグ
高さHは3mであり、水冷構造体2は鉄浴最大面から1
mの高さを最下段として炉口部まで全周にわたり施工し
た。また、貫通型冷却体3は、水冷構造体2より下方、
高さ600mmの範囲で施工し、貫通型冷却体3より下方
は耐火れんがを構築した。なお、本実施例では、溶湯お
よび溶滓の排出は炉下部に設けられた出銑口および出滓
口から排出する方法とした。
【0031】水冷構造体2は、圧延銅板に冷却水管をき
り孔加工したもので、厚み80mm×高さ250mm×長さ
1200mmの大きさに製作されたブロックを組合せて構
築し、各ブロックのつなぎ目は30〜50mmとし、それ
ぞれ耐火モルタル充填するとともに、該水冷構造体2背
面と鉄皮との間に生じる間隙には、耐火キャスタブルを
流し込みにて充填した。溶融還元操業中の冷却水量は2
0t/m2 (水路内流速5m/sec)とした。
【0032】貫通型冷却体3は、Al2 3 90重量
部、カーボン10重量部からなるAl2 3 ・Cれんが
に、内径4mm、外径7mmのステンレス鋼製パイプを、パ
イプ内径Dpとパイプ中心間距離Dbの比Dp/Dbが
0.2になるよう埋設した。該貫通型冷却体3のブロッ
クの大きさは、長さ700mm、幅300mmおよび高さ6
00mmとした。該1ブロックにつき、ガスプールおよび
接続パイプ1個をとりつけ、ガスプール背面と鉄皮との
間隙には、耐火キャスタブルを充填した。操業中は、ガ
ス冷却体施工面積1平方メートル当たり400(Nm3
/h)の窒素ガスを流した。
【0033】耐火れんが1は、溶銑だけに接触する鉄浴
部では、Al2 3 85重量部、カーボン5重量部およ
び炭化珪素10重量部からなるAl2 3 ・SiC・C
れんがをウェアれんがとし、MgOれんがをパーマれん
がとした。れんが厚みは、それぞれ900〜1500mm
および114〜300mmとした。また、スラグ浴部の貫
通型冷却体構築部以外の炉壁については、Al2 3
0重量部、カーボン10重量部からなるAl2 3 ・C
れんがをウェアれんがとし、MgOれんがをパーマれん
がとした。れんが厚みは、それぞれ700〜900mmお
よび114mmとした。
【0034】かかる炉壁構造を有する溶融還元炉におい
て、送酸時間約50時間の操業を実施した。表1は、各
炉壁構造体の最高温度部位と温度を、本発明の炉壁構造
と従来の炉壁構造で区分して示したものである。従来の
炉壁構造では、耐火れんが内の最高温度差が1500℃
にも達していたが、本発明の炉壁構造によると900℃
程度まで低減した。この結果、従来技術に見られた耐火
れんが部の割損はまったく観察されなかった。
【0035】操業終了後、水冷パネルの前面には5〜3
0mmのスラグが付着した状態であり、本体の損傷はまっ
たくなく、問題のないことが確認できた。また、操業中
の水冷パネルによる抜熱量は概ね20万kcal/(m2
h)であり、着熱効率、石炭原単位および反応速度など
炉内反応効率への影響は殆どなかった。
【0036】貫通型冷却体の前面には、20〜30mmの
スラグが付着した状態であり、損耗量は極めて軽微であ
った。また、金属製パイプへの溶銑やスラグの浸透もま
ったく見られなかった。さらに、貫通型冷却体の下部に
接する耐火れんがは、通常の耐火れんがによく観察され
る稼働面に平行な微亀裂が観察された他は、熱的衝撃に
よる割損などの損傷はまったく認められなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】水冷構造体と耐火れんがの境界部、つま
り水冷構造体の周縁に貫通型冷却体による熱緩衝帯を設
けることによって、水冷構造体と接触する部分の耐火れ
んが壁の割損を激減させることが可能となり、本発明に
よって溶融金属反応炉の炉寿命が飛躍的に向上できるこ
とが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく炉壁構造の一実施例を示す部分
展開図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】本発明に基づく炉壁構造の他の実施例を示す部
分展開図。
【図4】図3のB−B断面図。
【図5】水冷構造体の一実施例を示す斜視図。
【図6】貫通型冷却体の一実施例を示す斜視図。
【図7】本発明を実施した鉄浴式溶融還元炉の操業中の
状況を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 耐火れんが 2 水冷構造体 3 貫通型冷却体 4 鉄皮 5 耐火コンクリート 6 耐火コンクリート 7 可塑性材料 8 上吹ランス 10 炉壁 11 パーマれんが 12 ウェアれんが 21 水冷パネル本体 22 固定治具 23 固定金物 24 給排水管 25 水冷ジャケット 26 溝 31 接続パイプ 32 ガスプール 33 金属パイプ 34 耐火れんが 4a,4b,4c 鉄皮開孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷石 彦文 北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製 鐵株式会社機械・プラント事業部内 (72)発明者 本宮 光 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部設備技術センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯および溶滓の非浸漬部炉壁任意部分
    に冷却構造体を構築した溶融金属反応炉の炉壁構造にお
    いて、前記冷却構造体が水冷ジャケットを内蔵する水冷
    構造体であり、該水冷構造体と耐火れんが壁との境界部
    に、炉内側に冷却気体噴出口を有する冷却気体貫通型冷
    却構造体を配設し、前記水冷構造体周縁に熱緩衝帯を設
    けたことを特徴とする溶融金属反応炉の炉壁構造。
JP25924291A 1991-10-07 1991-10-07 溶融金属反応炉の炉壁構造 Pending JPH0598334A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007073450A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Meidensha Corp 高周波給電用導体

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JP2007073450A (ja) * 2005-09-09 2007-03-22 Meidensha Corp 高周波給電用導体
JP4710498B2 (ja) * 2005-09-09 2011-06-29 株式会社明電舎 高周波給電用導体

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