JPH059808A - 防融難燃性ポリエステル繊維 - Google Patents

防融難燃性ポリエステル繊維

Info

Publication number
JPH059808A
JPH059808A JP3190923A JP19092391A JPH059808A JP H059808 A JPH059808 A JP H059808A JP 3190923 A JP3190923 A JP 3190923A JP 19092391 A JP19092391 A JP 19092391A JP H059808 A JPH059808 A JP H059808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
flame
polyester fiber
retardant
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3190923A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Kotani
敏彦 小谷
Minoru Fujii
実 藤井
Tsutomu Moriyama
勉 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP3190923A priority Critical patent/JPH059808A/ja
Publication of JPH059808A publication Critical patent/JPH059808A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防融性能を兼ね備えた難燃性ポリエステル繊
維を提供する。 【構成】 リン成分を0.1〜5重量%,四塩化炭素/フ
エノール混合溶剤(重量比50/50,90℃)中に3
0分放置後の不溶成分を70重量%含有しているポリエ
ステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,防融性能を兼ね備えた
難燃性ポリエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】難燃衣料に関する研究は,ここ数年頻繁
に行われており,一般消費者の関心もかなり高まりつつ
ある。従来の難燃繊維に関する提案は,大別すると,次
の3種類を挙げることができる。 (1)無機,有機の難燃助剤を添加し,難燃化したもの (2)リンあるいはハロゲンを含有した薬剤を後加工に
より付与し,難燃化したもの (3)リン化合物をポリエステルに共重合させたもの
【0003】しかしながら,上記難燃化ポリエステル
は,生産性,加工性,耐久性等に利点はあるものの,自
己消火性のメカニズムがすべて溶融落下によるものであ
るため,これらのポリエステル繊維を実際に衣料として
着用し,その衣料に火がついたときには,繊維の溶融に
よって重大な火傷を招く原因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記欠点を
解消するもので,防融性をも兼ね備えた優れた難燃性を
有するポリエステル繊維を提供することを技術的課題と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記課題
を解決するために鋭意研究の結果,分子鎖の熱による流
動を抑制し得る構造をポリエステルに導入することによ
り,優れた防融性が得られることを見出し,本発明に到
達した。
【0006】すなわち本発明は,ポリエステル繊維であ
って,該繊維の四塩化炭素/フエノール混合溶剤(重量
比50/50,90℃)中に30分放置後の不溶成分が
70重量%以上であり,かつ該繊維のリン含有率が0.1
〜5重量%であることを特徴とする防融難燃性ポリエス
テル繊維を要旨とするものである。
【0007】以下,本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとしては,ポリエチレンテレフタレー
トやポリブチレンテレフタレートを一般に挙げることが
できるが,イソフタル酸やスルホイソフタル酸,アゼラ
イン酸,コハク酸,アジピン酸等が共重合されていても
よい。
【0008】本発明の防融難燃性ポリエステルにあって
は,まず第1に自己消火性を有することが必要であり,
そのためには,ポリエステル中のリンの含有率が0.1〜
5重量%の範囲にあることが必要である。リンの含有率
が0.1重量%未満では,難燃効果が不十分であり,ま
た,リン含有率が5重量%を超えると,強力特性,生産
性,染色性,風合等の面で問題が発生するので好ましく
ない。
【0009】ここで用いるリンとしては,例えば,リン
酸アマイド縮合物,脂肪族リン酸エステル,芳香族リン
酸エステル,アルコキシホスフアゼン,ハロゲン化アル
キルポリホスフエートホスホネート等の添加型難燃剤
や,ビニルホスホネート,アミノホスフアゼン等の後加
工型難燃剤を挙げることができる。
【0010】本発明においてポリエステル繊維にリンを
含有せしめる方法としては,繊維の製造時にポリマーに
難燃剤を添加する方法やリン化合物を共重合する方法,
あるいは繊維の製造後に後加工によって難燃剤を付与す
る方法等,いずれの手法であってもよい。例えば,ポリ
マーに難燃剤を添加する方法にあっては,上記添加型難
燃剤とポリエステルチップとを所定重量比で溶融混練し
てマスターチップを製造し,通常の方法により溶融紡糸
を行うことにより得られる。一方,リン化合物を共重合
する方法としては,ポリエチレンテレフタレートやポリ
ブチレンテレフタレート等の重合の際に,リンを含有し
た酸成分および/またはグリコール成分を第3成分とし
て従来公知のポリエステル製造法,例えば,エステル交
換,エステル化,重縮合等により共重合することができ
る。
【0011】次に,本発明にあっては,炎の熱による溶
融を抑制することが必要であり,そのためには,四塩化
炭素/フエノールの混合溶剤(重量比50/50,90
℃)中で30分間放置したときの溶剤に対する不溶成分
が70重量%以上あることが必要である。85重量%以
上であると,より一層効果的である。この不溶成分が7
0重量%未満では,ポリエステル繊維の溶融を抑制する
ことができない。
【0012】このような防融性能は,熱による分子鎖の
流動性を抑制することにより得られ,具体的には,架橋
助剤を混合し,熱および紫外線,電子線,X線,イオン
ビーム等の活性線により架橋構造を付与したり,多官能
モノマーによりポリエステル分子間でマトリツクス重合
を形成したりする方法により,分子鎖流動を抑制する目
的が達成される。
【0013】例えば,電子線によってポリマー分子間に
架橋構造を導入する方法にあっては,アリル基を有する
多官能モノマーのジアリルシアヌレート,ジアリルイソ
シアヌレート,トリアリルシアヌレート,トリアリルイ
ソシアヌレート,エチレングリコールジアクリレート等
を,後加工により3〜5重量%付与したポリエステル繊
維に30〜60メガラッドの電子線を照射する方法で行
うことができる。
【0014】
【作 用】本発明のごとく,ポリエステル繊維にリンを
0.1〜5重量%含有せしめると,まず難燃性能がポリエ
ステル繊維に付与されるが,ここでこの繊維の不溶成分
を70重量%以上にしておくと,繊維の熱溶融が生じな
くなるので,防融性能を兼ね備えた難燃性のポリエステ
ル繊維となる。
【0015】
【実施例】以下,実施例により本発明の防融難燃性ポリ
エステル繊維の製造方法を具体的に説明するが,実施例
における布帛の性能の測定,評価は,次の方法で行っ
た。
【0016】(1)難燃性 JIS L−1091 A−1法(45°ミクロバ
ーナー法)の緊張法にて,残炎,残塵時間を測定した。 JIS L−1091 D法(45°コイル法)に
て,溶融落下の有無を判定した。
【0017】(2)防融性 試料を水平に設置し,その上に水平に着火したタバコを
5秒間静置し,そのときの0.5mm以上の穴の有無を15
回の測定に対する穴の生じた回数で表示した。
【0018】(3)水洗い試験法 JISL−1042(F−2法)による。
【0019】(4)ドライクリーニング試験法 JISL−1018(E−2法)による。
【0020】実施例1 ポリエチレンテレフタレート100重量部に対して,リ
ン含有難燃剤としてクレジルジフエニルホスフエート7
重量部,架橋助剤としてトリアリルシアヌレート5重量
部を添加し,溶融紡糸により150d/48fのポリエ
ステル繊維を得た。このときのリン含有率は0.6重量%
であった。
【0021】このポリエステル繊維を経,緯糸に用い
て,目付150g/m2 のタフタを作成した。続いて,
200KV,40Mrad の電子線照射を行うことにより,
本発明の防融難燃性ポリエステル繊維織物を得た。この
構成繊維の不溶成分は91重量%であった。
【0022】本発明との比較のため,本実施例において
電子線照射を省くほかは,本実施例と全く同一の方法で
比較用の織物タフタ(比較例1)を得た。リン含有率は
0.6重量%,不溶成分は0重量%であった。また,本発
明との比較のため,本実施例において電子線照射を20
0KV,30Mrad とするほかは,本実施例と全く同一の
方法で比較用のタフタ(比較例2)を得た。リン含有率
は0.6重量%,不溶成分は60重量%であった。さら
に,本発明との比較のため,難燃剤の添加量を1重量部
とするほかは,本実施例と全く同一の方法で比較用の織
物タフタ(比較例3)を得た。このときの不溶成分は9
2重量%,リン含有率は0.08重量%であった。
【0023】本発明および比較用の織物の性能を測定評
価し,その結果を合わせて表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】表1より明らかなごとく,本発明の織物
は,防融性能を兼ね備えた難燃性能を有しており,溶融
落下もなく,優れた自己消火性を示し,難燃衣料として
適していることがわかる。
【0026】実施例2 ポリエチレンテレフタレート繊維織物(目付150g/
2)に,下記処方1に示す乳化処理液中で,浴比1:
50にて100℃,60分の処理を行った。
【0027】<処方1> エチレングリコールジアクリレート 40g/リツ
トル ベンゾイルパーオキサイド 2g/リツ
トル ノイゲンET160 5g/リツ
トル (第一工業製薬〔株〕製,界面活性剤) モノクロルベンゼン 10g/リツ
トル
【0028】次に,ビニルホスホナートオリゴマーFyol
76 (Stauffer Chemical Co. 製品)20%溶液に浸漬
した。続いて,200KV,5Mrad の電子線照射を行う
ことにより,本発明の防融難燃性ポリエステル繊維織物
を得た。このときのリン含有率は1.3重量%であった。
織物構成繊維の不溶成分は83重量%であった。
【0029】本発明との比較のため,本実施例において ビニルホスホナートオリゴマーFyol 76 溶液への浸漬と
電子線照射を省くほかは,本実施例と全く同一の方法に
より比較用の加工織物(比較例4)を得た。リン含有率
は0重量%,不溶成分は83重量%であった。また,本
発明との比較のため,本実施例の処方1におけるエチレ
ングリコールジアクリレートの濃度を5g/リツトルと
するほかは,本実施例と全く同一の方法により比較用の
加工織物(比較例5)を得た。リン含有率は 1.3重量
%,不溶成分は47重量%であった。
【0030】本発明および比較用の加工織物の性能を測
定評価し,その結果を合わせて表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】表2より明らかなごとく,本発明の織物
は,防融性能を兼ね備えた難燃性能を有しており,溶融
落下もなく,難燃衣料として適していることがわかる。
【0033】
【発明の効果】本発明のポリエステル繊維は,防融性能
を兼ね備えた難燃性を有しており,実際に衣料として着
用した場合,衣服の燃焼および溶融による火傷を防止す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 10/10 15/356 // D06M 101:32

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリエステル繊維であって,該繊維の四
    塩化炭素/フエノール混合溶剤(重量比50/50,9
    0℃)中に30分放置後の不溶成分が70重量%以上で
    あり,かつ該繊維のリン含有率が0.1〜5重量%である
    ことを特徴とする防融難燃性ポリエステル繊維。
JP3190923A 1991-07-04 1991-07-04 防融難燃性ポリエステル繊維 Pending JPH059808A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3190923A JPH059808A (ja) 1991-07-04 1991-07-04 防融難燃性ポリエステル繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3190923A JPH059808A (ja) 1991-07-04 1991-07-04 防融難燃性ポリエステル繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH059808A true JPH059808A (ja) 1993-01-19

Family

ID=16265946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3190923A Pending JPH059808A (ja) 1991-07-04 1991-07-04 防融難燃性ポリエステル繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH059808A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7331584B2 (en) 2004-09-17 2008-02-19 Black & Decker Inc. Chuck with nutating gear reduction
JP2008255500A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Univ Of Fukui ポリ乳酸繊維構造材の改質処理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7331584B2 (en) 2004-09-17 2008-02-19 Black & Decker Inc. Chuck with nutating gear reduction
JP2008255500A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Univ Of Fukui ポリ乳酸繊維構造材の改質処理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2596738C2 (ru) Огнестойкие волокна, пряжа и ткани из них
US3864156A (en) Process for Flameproofing Synthetic Textiles and the Fire Retardant Textile Formed Therefrom
CA1273757A (en) Flame resistant polyester/cotton fabric and process for its production
US3775165A (en) Polymers of improved flame retardance
Huang et al. A novel high whiteness flame retardant for cotton
Yang Flame resistant cotton
Jin et al. Flame retardant and anti-dripping modification of polyamide 6 fabric by guanidine sulfamate with enhanced durability
US3695925A (en) Process for flameproofing textiles
US8193261B2 (en) Halogen-free flame retarding masterbatch with low phosphorous content, composition and process for preparing the same and flame retarding article containing the same
JPH059808A (ja) 防融難燃性ポリエステル繊維
JPH0578978A (ja) 防融難燃性ポリエステル繊維の製造方法
JP4619187B2 (ja) 難燃性アラミド繊維構造物とその製造方法
JPH07145562A (ja) 撥水難燃性ポリエステル繊維及びその製造法
JP3387181B2 (ja) 炭化型難燃性ポリエステル系繊維及びその製造法
JPS5953947B2 (ja) ポリエステル系繊維材料に難燃性および吸水性を付与する方法
US2892803A (en) Composition comprising nitrilo methylol-phosphorus-polymer and organic textiles flame-proofed therewith
JP3308679B2 (ja) ポリエステル系合成繊維構造物の後加工用難燃剤及びポリエステル系合成繊維構造物の難燃加工法
Nousianinen et al. Flame‐retardant viscose–polyester fabrics
JP2005307396A (ja) ポリエステル系繊維品の難燃加工剤と難燃加工方法
EP0733638B1 (en) Use of phosphoryl compounds for the flame retardant finishing of polyester-based synthetic fibre materials
JP3086560B2 (ja) ポリエステル系合成繊維構造物の難燃加工法
Horrocks et al. Recent developments and challenges in flame retardation of textiles and fibres
JPS63152411A (ja) 難燃性ポリエステル繊維の製造方法
JPS62297323A (ja) 難燃性ポリエステルの製造法
JP2873138B2 (ja) 洗濯耐久性のある防炎性と耐光堅牢度に優れたポリエステル繊維材料の染色方法