JPH059783A - 電気錫めつき鋼板のクエンチステインの防止方法 - Google Patents
電気錫めつき鋼板のクエンチステインの防止方法Info
- Publication number
- JPH059783A JPH059783A JP15816691A JP15816691A JPH059783A JP H059783 A JPH059783 A JP H059783A JP 15816691 A JP15816691 A JP 15816691A JP 15816691 A JP15816691 A JP 15816691A JP H059783 A JPH059783 A JP H059783A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- quenching
- tin
- cooling
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】電気錫メッキ鋼板の錫層を再溶融処理する際に
発生する鋼板のクェンチスティンを防止する。 【構成】再溶融処理直後の気錫メッキ鋼板1をクェンチ
タンク4で冷却する際2重管で構成され幅方向にスリッ
ト状開孔を形成したノズル2から、鋼板1に微細な気体
泡を混在させた冷却水を噴出させる。これにより、沸騰
する蒸気の気泡を分散させ、蒸気膜が鋼板1の表面に付
着するのを防ぎ、同時に鋼板1の幅方向の均一冷却を行
うことが可能となり、クェンチスティンを防止すること
ができる。
発生する鋼板のクェンチスティンを防止する。 【構成】再溶融処理直後の気錫メッキ鋼板1をクェンチ
タンク4で冷却する際2重管で構成され幅方向にスリッ
ト状開孔を形成したノズル2から、鋼板1に微細な気体
泡を混在させた冷却水を噴出させる。これにより、沸騰
する蒸気の気泡を分散させ、蒸気膜が鋼板1の表面に付
着するのを防ぎ、同時に鋼板1の幅方向の均一冷却を行
うことが可能となり、クェンチスティンを防止すること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は鋼板に連続的に電気錫
めっきを施すラインにおいて、錫めっきされた鋼板表面
の錫層をリフロー処理の急冷する際に発生するクェンチ
スティンを防止する技術に関するものである。
めっきを施すラインにおいて、錫めっきされた鋼板表面
の錫層をリフロー処理の急冷する際に発生するクェンチ
スティンを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気錫めっき鋼板(ぶりき)を製造する
場合、めっきされたままの錫だけでは金属光沢をした美
麗な表面状態をした鋼板は得られないので、この錫めっ
きした鋼板を加熱し、一度錫を溶融状態にした後、直ち
に水冷する、所謂リフロー処理が施されている。
場合、めっきされたままの錫だけでは金属光沢をした美
麗な表面状態をした鋼板は得られないので、この錫めっ
きした鋼板を加熱し、一度錫を溶融状態にした後、直ち
に水冷する、所謂リフロー処理が施されている。
【0003】しかしながら、この処理によって錫めっき
鋼板のめっき面にはあたかも汚水が付着して乾いたかの
ような汚れ模様(以下クェンチスティン)が発生し、そ
の商品価値を著しく損ったものにしている。このクェン
チスティン発生の原因は、連続して高温(240℃以
上)の鋼板を水冷するため鋼板面で水が沸騰する。沸騰
がスムーズに行われていれば問題はないが大小様々な蒸
気膜が鋼板面に付着するようになると、水と蒸気膜では
熱伝達が異なるため模様が鋼板面にできやすくなりクェ
ンチスティンと呼ばれるまでに成長するためである。
鋼板のめっき面にはあたかも汚水が付着して乾いたかの
ような汚れ模様(以下クェンチスティン)が発生し、そ
の商品価値を著しく損ったものにしている。このクェン
チスティン発生の原因は、連続して高温(240℃以
上)の鋼板を水冷するため鋼板面で水が沸騰する。沸騰
がスムーズに行われていれば問題はないが大小様々な蒸
気膜が鋼板面に付着するようになると、水と蒸気膜では
熱伝達が異なるため模様が鋼板面にできやすくなりクェ
ンチスティンと呼ばれるまでに成長するためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来この対策として、
クェンチ水の温度をフィードフォワード制御する方法
(特開昭54−137440号公報)や、クェンチ液に
浸漬させる直前に鋼帯を冷却することによりクェンチ液
で急冷された際の水蒸気発生を防止してクェンチスティ
ンを防止する方法(例えば特開昭57−35694号公
報)がある。しかし、クェンチ水の温度をフィードフォ
ワード制御する場合、温度の急激な変更ができにくいこ
とや、仮に温度が制御できたとしてもクェンチ液気相界
面での液のゆらぎによる鋼板幅方向の温度むらや、蒸気
発生による不均一冷却は防止することができない。
クェンチ水の温度をフィードフォワード制御する方法
(特開昭54−137440号公報)や、クェンチ液に
浸漬させる直前に鋼帯を冷却することによりクェンチ液
で急冷された際の水蒸気発生を防止してクェンチスティ
ンを防止する方法(例えば特開昭57−35694号公
報)がある。しかし、クェンチ水の温度をフィードフォ
ワード制御する場合、温度の急激な変更ができにくいこ
とや、仮に温度が制御できたとしてもクェンチ液気相界
面での液のゆらぎによる鋼板幅方向の温度むらや、蒸気
発生による不均一冷却は防止することができない。
【0005】また、クェンチ液に浸漬させる直前に冷却
する方法は、冷却媒体としてミストやガス等いろいろ考
えられているが冷却能力に限界があることや、鋼板の幅
方向表裏面を均一に冷却することが困難である等の問題
があった。本発明は上術の問題点を解決するために提案
されたものであり、錫めっき鋼板を均一かつ効率よく冷
却してクェンチスティンが発生しない電気錫めっき鋼板
のクェンチスティンの防止方法を提供することを課題と
するものである。
する方法は、冷却媒体としてミストやガス等いろいろ考
えられているが冷却能力に限界があることや、鋼板の幅
方向表裏面を均一に冷却することが困難である等の問題
があった。本発明は上術の問題点を解決するために提案
されたものであり、錫めっき鋼板を均一かつ効率よく冷
却してクェンチスティンが発生しない電気錫めっき鋼板
のクェンチスティンの防止方法を提供することを課題と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点を
解決するもので、電気錫めっき鋼板の錫層を再溶融処理
する際に発生する鋼板のクェンチスティンの防止方法に
適用され、次の方法を採った。すなわち、鋼板の冷却水
に微細な気体泡を混在させて再溶融処理直後の鋼板を冷
却することを特徴とする電気錫めっき鋼板のクェンチス
ティンの防止方法である。
解決するもので、電気錫めっき鋼板の錫層を再溶融処理
する際に発生する鋼板のクェンチスティンの防止方法に
適用され、次の方法を採った。すなわち、鋼板の冷却水
に微細な気体泡を混在させて再溶融処理直後の鋼板を冷
却することを特徴とする電気錫めっき鋼板のクェンチス
ティンの防止方法である。
【0007】
【作用】本発明はクェンチスティンの発生原因が、鋼板
の急冷によって冷却水が沸騰し、蒸気発生及びその巻き
込みに起因する不均一冷却である点に注目し、冷却水に
あらかじめ微細な気泡を無数混在させておき急冷によっ
て発生する蒸気気泡を分散させること及びこの気泡を混
在させ冷却水を鋼板の幅方向に吐出させるスリットノズ
ルを用いて液・気相界面で鋼板の均一冷却を行う。
の急冷によって冷却水が沸騰し、蒸気発生及びその巻き
込みに起因する不均一冷却である点に注目し、冷却水に
あらかじめ微細な気泡を無数混在させておき急冷によっ
て発生する蒸気気泡を分散させること及びこの気泡を混
在させ冷却水を鋼板の幅方向に吐出させるスリットノズ
ルを用いて液・気相界面で鋼板の均一冷却を行う。
【0008】この冷却により、沸騰する蒸気の気泡を分
散させて、蒸気膜が鋼板面に付着するのを防止し、しか
もクェンチ液面のゆらぎや泡立ちも防止するので、鋼板
の均一冷却を効率よく実現させることができる。本願の
気泡の作用は、気泡を核として沸騰をすみやかに進行さ
せようとするもので、金属を結晶させる場合核を提供し
て結晶を微細かつ均一化するのと似ている。
散させて、蒸気膜が鋼板面に付着するのを防止し、しか
もクェンチ液面のゆらぎや泡立ちも防止するので、鋼板
の均一冷却を効率よく実現させることができる。本願の
気泡の作用は、気泡を核として沸騰をすみやかに進行さ
せようとするもので、金属を結晶させる場合核を提供し
て結晶を微細かつ均一化するのと似ている。
【0009】
【実施例】本発明をハロゲン方法による錫めっきライン
の水冷装置で実施した例を説明する。図1及び図2は本
発明を好適に実施できる水冷装置の説明図であり、図1
は断面図、図2は図1のA−A矢視図である。また、図
3は気泡を発生させて鋼板幅方向均一に冷却水を噴出さ
せる幅方向にスリット形状の開孔を有するノズルの断面
の説明図である。
の水冷装置で実施した例を説明する。図1及び図2は本
発明を好適に実施できる水冷装置の説明図であり、図1
は断面図、図2は図1のA−A矢視図である。また、図
3は気泡を発生させて鋼板幅方向均一に冷却水を噴出さ
せる幅方向にスリット形状の開孔を有するノズルの断面
の説明図である。
【0010】図2の冷却媒体供給管8の内部は図示して
いないが、2重に構成されており、供給管8が接続され
るノズル2は図3に示すように、内管は冷却水7を供給
する冷却水配管5aであり、冷却水配管5aには気泡発
生部5bが設けられ、冷却水配管5aの外側から水蒸気
を気泡発生部5bを介して冷却水7の中に気泡(0.2
φ〜0.3φ)を供給し、ノズル2から噴出して鋼帯1
を冷却する。
いないが、2重に構成されており、供給管8が接続され
るノズル2は図3に示すように、内管は冷却水7を供給
する冷却水配管5aであり、冷却水配管5aには気泡発
生部5bが設けられ、冷却水配管5aの外側から水蒸気
を気泡発生部5bを介して冷却水7の中に気泡(0.2
φ〜0.3φ)を供給し、ノズル2から噴出して鋼帯1
を冷却する。
【0011】本発明では、気泡発生部5bにはミクロ径
を持つ多孔質のセラミックスを使用したが、同様な機能
を有する金属で構成してもよい。また、気泡発生部手段
として、過飽和の空気が溶けた高圧水を大気圧力中に開
放する手段を用いてもよい。この際にクェンチ液の水面
を狙うと幅方向の均一性に一層の効果があり、冷却能力
及びクェンチスティンの発生程度により上下の組み合せ
を選んで適宜冷却を制御することができる。
を持つ多孔質のセラミックスを使用したが、同様な機能
を有する金属で構成してもよい。また、気泡発生部手段
として、過飽和の空気が溶けた高圧水を大気圧力中に開
放する手段を用いてもよい。この際にクェンチ液の水面
を狙うと幅方向の均一性に一層の効果があり、冷却能力
及びクェンチスティンの発生程度により上下の組み合せ
を選んで適宜冷却を制御することができる。
【0012】
【発明の効果】本発明は、沸騰する蒸気の気泡を分散
し、蒸気膜が鋼板表面に付着するのを防止すると共に鋼
板を幅方向に均一冷却することが可能となり、製品価値
低下の原因となるクェンチスティンの発生を防止するこ
とができる。また蒸気と冷却水を同時に制御することに
より急激な冷却水温度の変化にも対処できるという効果
もある。
し、蒸気膜が鋼板表面に付着するのを防止すると共に鋼
板を幅方向に均一冷却することが可能となり、製品価値
低下の原因となるクェンチスティンの発生を防止するこ
とができる。また蒸気と冷却水を同時に制御することに
より急激な冷却水温度の変化にも対処できるという効果
もある。
【図1】図1は本発明を好適に実施できる水冷装置の断
面の説明図である。
面の説明図である。
【図2】図2図は図1のA−A矢視図である。
【図3】図3は気泡を発生させて鋼板幅方向均一に冷却
水を噴出させるノズルの断面の説明図である(図1のス
リットノズル2の拡大図)。
水を噴出させるノズルの断面の説明図である(図1のス
リットノズル2の拡大図)。
1 鋼板(錫めっき鋼板) 2 スリットノズル 3 シンクロール 4 クェンチタンク 5a 冷却水配管 5b 気泡発生部 6 気体 7 冷却水 8 供給管
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 電気錫めっき鋼板の錫層を再溶融処理す
る際に発生する該鋼板のクェンチスティンの防止方法に
おいて、該鋼板の冷却水に微細な気体泡を混在させて再
溶融処理直後の該鋼板を冷却することを特徴とする電気
錫めっき鋼板のクェンチスティンの防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15816691A JPH059783A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 電気錫めつき鋼板のクエンチステインの防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15816691A JPH059783A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 電気錫めつき鋼板のクエンチステインの防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059783A true JPH059783A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=15665716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15816691A Pending JPH059783A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 電気錫めつき鋼板のクエンチステインの防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH059783A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016156051A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | Jx金属株式会社 | 電子部品用Snめっき材 |
JP2016156050A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | Jx金属株式会社 | 電子部品用Snめっき材 |
CN110644024A (zh) * | 2019-09-20 | 2020-01-03 | 中江立江电子有限公司 | 一种电子元件重融生产系统及其生产工艺 |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP15816691A patent/JPH059783A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016156051A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | Jx金属株式会社 | 電子部品用Snめっき材 |
JP2016156050A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | Jx金属株式会社 | 電子部品用Snめっき材 |
CN110644024A (zh) * | 2019-09-20 | 2020-01-03 | 中江立江电子有限公司 | 一种电子元件重融生产系统及其生产工艺 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20000718 |