JPH0597836A - 光学活性体及び液晶組成物 - Google Patents

光学活性体及び液晶組成物

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JPH0597836A
JPH0597836A JP3326186A JP32618691A JPH0597836A JP H0597836 A JPH0597836 A JP H0597836A JP 3326186 A JP3326186 A JP 3326186A JP 32618691 A JP32618691 A JP 32618691A JP H0597836 A JPH0597836 A JP H0597836A
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liquid crystal
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Application number
JP3326186A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Ikemoto
哲哉 池本
Yoshitaka Kageyama
義隆 景山
Fumiko Terada
文子 寺田
Yuriko Nakaoka
ゆり子 中岡
Kenji Mori
謙治 森
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式で示されるγ−ブチロラクトン環を有
する光学活性体、及びこれを含有してなる液晶組成物。 〔式中、Rは直鎖または分岐鎖のアルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシアルキル基など、Rは直鎖または
分岐鎖のアルキル基、Xは単結合、−O−、−CO
又は−OCO−、Yは−CO−又は−CHO−、A
など、Zは水素原子、フッ素原子など、*は不斉炭素を
示す〕 【効果】 この光学活性体は、従来の不斉炭素を2個有
する環状化合物に比べ合成も容易であり、化学的安定性
に優れ、非強誘電性の液晶組成物に添加した強誘電性液
晶組成物にした場合、少量の添加で極めて大きな自発分
極を誘起し、応答速度を速くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な光学活性体及びこ
れを含有してなる液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、表示材料として広く用いられてい
る液晶はネマチック相に属するものであり、受光型のた
め目が疲れない、消費電力が極めて少ない等の特徴を有
しているものの、応答が遅い、見る角度によっては表示
が見えなくなる等の欠点を有している。
【0003】目が疲れない、消費電力が極めて少ないと
いったネマチック型液晶の特徴を有し、さらに発光型表
示素子に匹敵する高速応答性、高コントラストを有する
ものとして強誘電性液晶を用いる表示デバイスやプリン
ターヘッドが検討されている。強誘電性液晶は1975
年にマイヤー(R.B.Meyer)等によってその存在が初めて
発表されたもので(J.Physique 36,L−69(19
75))、キラルスメクチックC相(以下Sm*C相と
略記する)を有するものであり、その代表例は次式に示
すp−デシロキシベンジリデン−p' −アミノ−2−メ
チルブチルシンナメート(以下DOBAMBCと略記す
る)である。
【化3】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記DOBAM
BCやその後に提案されたいくつかの強誘電性液晶材料
の多くは強誘電性を示す温度範囲(Sm*C相が存在す
る温度範囲)が狭く、単独では実用上使用し難いもので
ある。従って一般には多種の強誘電性液晶を混合し、S
*C相を示す温度範囲を室温を中心に低温側及び高温
側に拡張する試みがなされている。又、超高速応答が要
求されるプリンターヘッド用としては、従来開発されて
きた強誘電性液晶よりさらに大きな自発分極を有する強
誘電性液晶が求められている。5員環構造を不斉源とす
る光学活性体としては特開平2−289561や特開平
2−138385などをその例としてあげることができ
るがいずれも不斉炭素を2つ有しているためジアステレ
オマーを分割する必要があった。
【0005】本発明の目的は化学的に安定で着色がな
く、光安定性にも優れ、またジアステレオマー分割を必
要とせず液晶組成物に配合した時、該液晶組成物が不斉
炭素2つを有するγ−ブチロラクトン誘導体と同等ある
いはそれ以上の大きな自発分極を示し、かつコレステリ
ック相のらせんピッチが長いような光学活性体及び、こ
れを配合してなる液晶組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は化1で示される光学活性体及びこれを1種類以上含有
してなる液晶組成物にある。
【化1】 (式中、R1は炭素数1〜18の直鎖あるいは分岐鎖の
アルキル基、炭素数1〜18の直鎖あるいは分岐鎖のア
ルケニル基、アルコキシ部分の炭素数1〜12でアルキ
ル部分の炭素数1〜16の直鎖あるいは分岐鎖のアルコ
キシアルキル基、又はこれらの置換基のうち水素原子の
1つ以上がハロゲン置換されたものであって、光学活性
基を有しうる構造である場合はそれが光学活性基であっ
てもよくラセミ体であってもよいものを示し、R2は炭
素数1〜18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基を示
し、Xは単結合、−O−、−CO2−又は−OCO−を
示し、Yは−CO2−又は−CH2O−を示し、Aは
【化2】 を示し、G、Zは各々独立に水素原子、フッ素原子、塩
素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基又はトリフル
オロメチル基を示し、Vは単結合、−CH2O−、−O
CH2−、−CO2−又は−OCO−を示し、*はそれが
付与された炭素が不斉炭素であることを示す。)
【0007】本発明の光学活性体において化1のR1
しては炭素数4〜14の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル
基、炭素数4〜14の直鎖あるいは分岐鎖のアルケニル
基、アルキル部分の炭素数4〜14の直鎖あるいは分岐
鎖のアルコキシアルキル基、全炭素数4〜16の直鎖あ
るいは分岐鎖のアルキルチオアルキル基及びアルキル基
を有するバレロラクトン誘導体を好ましいものと例示で
き、このような直鎖のアルキル基としては例えばn−ブ
チル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチ
ル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、
n−テトラデシル基などを例示でき、分岐鎖のアルキル
基としては −(CH2aC(CH3)H(CH2bCH3 (aは0〜10の整数、bは1〜11の整数を示し、1
≦a+b≦11である。)のようなメチル分岐アルキル
基を例示でき、このようなメチル分岐アルキル基の場合
はこれが光学活性であるものもラセミ体であるものもい
ずれも好適に用いることができる。
【0008】直鎖のアルキル基でハロゲン置換さたもの
の例としては −(CH2kC(W)H(CH2iCH3 (ここでWはフッ素、塩素又は臭素原子を示し、k及び
iは各々0〜12の整数で、2≦k+i≦12であ
る。)を好ましいものとして例示でき、これが光学活性
基であることがより好ましい。分岐鎖のアルキル基でハ
ロゲン置換されたものの例としてはトリフルオロメチル
分岐を有するアルキル基を例示でき、これも、光学活性
基であることがより好ましい。 −(CH2aC(CF3)H(CH2bCH3 (a、bは上述の意味を表わす。)
【0009】直鎖のアルコキシアルキル基としては −(CH2cOCj2j+1 分岐鎖のアルコキシアルキル基としては −(CH2kC(CH3)H(CH2jOCj2j+1 −(CH2kC(OCj2j+1)H(CH2jCH3 (jは1〜3の整数、cは4〜14の整数、k、iは上
述の意味を表わす。)を例示でき、分岐鎖のアルコキシ
アルキル基の場合はラセミ混合物であっても光学活性基
であってもよい。
【0010】Aとしてはフェニレン、フッ素、塩素、又
はシアノ基で置換されたフェニレン、ナフタレン、ビフ
ェニレン、少なくとも1つのベンゼン核に1つのフッ素
基が導入されたビフェニレン;
【化4】
【0011】あるいはこれらの化合物の2つのベンゼン
核の1つにフッ素又はシアノ基が導入されたもの;
【化5】
【0012】あるいはこれらの化合物のフェニルピリミ
ジン核にフッ素が導入されたもの;
【化6】
【0013】あるいはこれらの化合物の左端のベンゼン
核にフッ素又はシアノ基が導入されたもの;
【化7】
【0014】あるいはこれらの化合物のベンゼン核ある
いはフェニルピリミジン核の一つにフッ素又はシアノ基
が導入されたもの;
【化8】
【0015】あるいはこれらの化合物のベンゼン核にフ
ッ素又は塩素が導入されたもの;等を例示でき、これら
の中ではビフェニレン、少なくとも1つのベンゼン核に
1つのフッ素基が導入されたビフェニレン、2環又は3
環が直接結合したものでその環の1つがピリミジン環で
あるものを好ましいものとして例示できる。
【0016】本発明の光学活性体としては化1に於ける
Xは合成のし易さという観点からは単結合、−O−、又
は−CO2−であることが好ましく、Vとしては粘性が
低い液晶相の出易さ当の面からは単結合であることが、
ダイポールモーメントの大きさ、合成のし易さ等の観点
からは−CH2O−、−OCH2−、−CO2−又は−O
CO−であることが好ましい。
【0017】化1の化合物は下記の方法で製造できる。
なお、下記においてR1,R2,X,A,Yは前述の意味
を表す。 Y:−CO2
【化9】 Y:−CH2O−
【化10】
【0018】本発明の光学活性体の中には液晶相を示す
ものと、それ自身では液晶相を示さないものとがある。
それ自身では液晶相を示さないものでも、等方相−ネマ
チック相(以下N相と略記する)−スメクチックA相
(以下SmA相と略記する)−スメクチックC相(以下
SmC相と略記する)あるいは等方相−N相−SmC相
の相系列を示す非カイラル液晶または液晶組成物に、液
晶性を破壊しない範囲で0.1〜90モル%添加するこ
とによって強誘電相(Sm*C相)を誘起する性質を有
するので、それ自身では液晶相を示さないものでも強誘
電性液晶組成物の添加剤として有用である。
【0019】液晶としては、例えば液晶をディスプレイ
などの表示デバイスに用いる場合、単一の液晶化合物の
みを使用するより、複数の液晶化合物あるいはこれらと
配合用化合物とを混合して用いる方が、使用温度範囲
(強誘電性を示す温度範囲)、チルト角、らせんピッ
チ、自発分極値、回転粘性などの物性値を変えることが
できるので有利である。
【0020】本発明の光学活性体を添加するために用い
る液晶用化合物としては強誘電性を示す化合物あるいは
組成物、上記の非カイラル液晶または液晶組成物であれ
ばどのようなものも用いることができる。
【0021】本発明の光学活性体はジアステレオマー分
割の必要がないため、安価に合成でき、また、本発明の
光学活性体を添加した組成物は、従来の不斉炭素2つの
環構造を有する光学活性体を添加した組成物と同等ある
いはそれ以上の自発分極を示すとともに、コレステリッ
ク相のらせんピッチも長いという特徴を有する。
【0022】なお液晶組成物として化1で表される光学
活性基と混合しうる好ましい化合物として下記のものを
例示できる。
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて更に詳しく説
明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0031】[実施例1](S)−2−(4’−デシルオキシ−4−ビフェニルカ
ルボキシ)−4,4 −ジヘキシル−γ−ブチロラクト
ンの合成
【化19】
【0032】(+)−2,2−ジメチル−4−エトキシ
カルボニルメチル−1,3−ジオキソラン5gの無水エ
ーテル溶液40ml中にヘキシルマグネシウムブロミド
の2Mエーテル溶液33mlを0℃で滴下した後20℃
で2時間撹拌した溶液を飽和塩化アンモニウム溶液でク
エンチし、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液で洗浄した後、硫酸マグネシウム上で脱水し
(ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とする)シリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製することにより
2,2−ジメチル−4−(2−ヘキシル−2−ヒドロキ
シ)オクチル−1,3−ジオキソラン6.9gを得た。
このものをTHF20mlに溶解させ3N塩酸10ml
を加え室温で1時間撹拌し、その溶液を飽和硫酸アンモ
ニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出、飽和塩化ナト
リウム水溶液で洗浄、溶媒を留去することにより、定量
的に(S)−4−ヘキシル−1,2,4−デカントリオ
ールを得た。
【0033】このもの1.56g及びトリエチルアミン
2gの塩化メチレン20ml溶液中に0℃でt−ブチル
ジメチルシリルクロリド1.4gを加え、16時間撹拌
した後、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグ
ネシウム上で脱水し、ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒
とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
することで、(S)−1−(t−ブチルジメチルシリル
オキシ)−4−ヘキシル−2,4−デカンジオール1.
6gを得た。このもの1.38g、3,4−ジヒドロ−
2H−ピラン0.36gを塩化メチレン20mlに溶解
させ、ピリジニウムp−トルエンスルホネート0.08
gを加え、20時間撹拌した後、この溶液を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液にあけ、飽和塩化ナトリウム水溶液
で洗浄、溶媒を留去し、ヘキサン−酢酸エチルを展開溶
媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製することで、(S)−1−(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−2−テトラヒドロピラニルオキシ−4−ヘ
キシル−4−デカノール0.59gを得た。このもの
0.48gをTHF2ccに溶解させ、テトラブチルア
ンモニウムフルオリド1.0M溶液を3cc加え30分
撹拌した後、ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とするシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すること
で、(S)−2−テトラヒドロピラニルオキシ−4−ヘ
キシル−1,4−デカンジオール0.28gを得た。
【0034】このもの88mgをDMF0.6mlに溶
解させ、ピリジニウムダイクロメート600mgを室温
で12時間撹拌したら、10%塩化ナトリウム水溶液に
あけ、酢酸エチルで抽出、フロリジルろ過した後、溶媒
を留去、メタノールに溶解させp−トルエンスルホン酸
1水和物を加え室温で30分攪拌し、この溶液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した
後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシ
ウム上で脱水、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーにより精製することで、(S)−2−ヒド
ロキシ−4,4−ジヘキシル−γ−ブチロラクトン30
mgを得た。
【0035】このもの20mg、4′−デシルオキシ−
4−ビフェニルカルボン酸30mg、ジシクロヘキシル
カルボジイミド22mg及びN,N−ジメチルアミノピ
リジン4mgを塩化メチレン1ml中で15時間撹拌
し、溶媒を留去した残渣をヘキサン−酢酸エチルを展開
溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製、ヘキサン−エタノールから再結晶することによ
り、(S)−2−(4′−デシルオキシ−4−ビフェニ
ルカルボキシ)−4,4−ジヘキシル−γ−ブチロラク
トン25mgを得た。このものの融点は72℃であっ
た。
【0036】このもののNMRスペクトルデータを以下
に示す。(90MHz、CDCl3)0.7〜1.0
(m,9H)、1.1〜2.0(m,32H)、2.1
1(dd,J=14Hz、J=9Hz、1H)、2.6
9(dd,J=14Hz、J=9Hz、1H)、3.9
9(t,J=6Hz、2H)、5.72(t,J=9H
z、1H)、6.96(d,J=9Hz、2H)、7.
54(d,J=9Hz、2H)、7.61(d,J=9
Hz、2H)、8.09(d,J=9Hz、2H)
【0037】[実施例2](S)−2−(4’−デシルオキシ−4−ビフェニルカ
ルボキシ)−4,4−ジペンチル−γ−ブチロラクトン
の合成
【化20】
【0038】実施例1で使用したヘキシルマグネシウム
ブロミドの代わりにn−ペンチルマグネシウムブロミド
を用い、収率向上のためt−ブチル−ジメチルシリルク
ロリドの代わりにt−ブチル−ジフェニルシリルクロリ
ドを等モル数用い、3,4−ジヒドロ−2H−ピランの
代わりに等モル数の2,2−ジメトキシプロパンを用い
た以外は、実施例1と同様の反応を行い、(+)−2,
2−ジメチル−4−エトキカルボニルメチル−1,3−
ジオキソラン5gから、(S)−2−(4’−デシルオ
キシ−4−ビフェニルカルボキシ)−4,4−ジペンチ
ル−γ−ブチロラクトン1.8gを得た。このものの融
点は、67℃であった。
【0039】[実施例3](S)−2−(4’−デシルオキシ−4−ビフェニルカ
ルボキシ)−4,4−ジプロピル−γ−ブチロラクトン
の合成
【化21】
【0040】実施例2で使用したn−ペンチルマグネシ
ウムブロミドの代わりに、n−プロピルマグネシウムブ
ロミドを用い、実施例2と同様の反応を行い、(+)−
2,2−ジメチル−4−エトキカルボニルメチル−1,
3−ジオキソラン5gから、(S)−2−(4’−デシ
ルオキシ−4−ビフェニルカルボキシ)−4,4−ジプ
ロピル−γ−ブチロラクトン1.6gを得た。このもの
の融点は、90℃であった。
【0041】[実施例4](S)−2−(4’−デシルオキシ−4−ビフェニルカ
ルボキシ)−4,4−ジメチル−γ−ブチロラクトンの
合成
【化22】
【0042】実施例2で使用したn−ペンチルマグネシ
ウムブロミドの代わりに、n−メチルマグネシウムブロ
ミドを用い、実施例2と同様の反応を行い、(+)−
2,2−ジメチル−4−エトキカルボニルメチル−1,
3−ジオキソラン5gから、(S)−2−(4’−デシ
ルオキシ−4−ビフェニルカルボキシ)−4,4−ジメ
チル−γ−ブチロラクトン1.6gを得た。このものの
融点は、118℃であった。
【0043】[実施例5](S)−2−(4’−デシルオキシ−4−ビフェニルカ
ルボキシ)−4,4−ジオクチル−γ−ブチロラクトン
の合成
【化23】
【0044】実施例2で使用したn−ペンチルマグネシ
ウムブロミドの代わりに、n−オクチルマグネシウムブ
ロミドを用い、実施例2と同様の反応を行い、(+)−
2,2−ジメチル−4−エトキカルボニルメチル−1,
3−ジオキソラン5gから、(S)−2−(4’−デシ
ルオキシ−4−ビフェニルカルボキシ)−4,4−ジオ
クチル−γ−ブチロラクトン2.0gを得た。このもの
の融点は、81℃であった。
【0045】[実施例6]下記の化合物を下記の配合比
で混合して液晶組成物を得た。
【化24】
【0046】この組成物は下記の相転移を示す。
【数1】 上記において、Crystは結晶、Isoは等方相を示
し、矢印近傍の数字はその相への転移温度(℃)を示
す。この化合物は非カイラル化合物のみからなるので強
誘電性液晶ではなく、自発分極を示さない。
【0047】この組成物98モル%と実施例1で得た光
学活性体2モル%とを混合して強誘電性液晶組成物を得
た。この強誘電性液晶組成物は室温近傍から46℃まで
の温度範囲でSm*C相を示し、46〜58℃でSmA
相、58〜66℃でカイラルネマチック相(以下N*
と略記する)、それ以上で等方性の液体となった。
【0048】別途、配向処理剤としてポリイミドを塗布
し、表面をラビング処理して平行配向処理した透明電極
を備えた2μmのセルを準備し、これにこの強誘電性液
晶組成物を注入し、強誘電性液晶素子を作成した。この
素子を2枚の直交する偏光子の間に設置し、電界を印加
した。±10Vの印加によって透過光の強度が変化する
のが認められ、その透過光強度が0%から50%まで変
化する時間(応答時間)を求めたところ25℃で83μ
secであった。また自発分極は25℃で4.9nC/
cm2(4Vp-p /μm)、コレステリック相のらせん
ピッチは63℃で4.7μmであった。
【0049】[実施例7]実施例6で調製した非カイラ
ル液晶組成物98モル%と実施例2で得た光学活性体2
モル%とを混合して強誘電性液晶組成物を得た。この強
誘電性液晶組成物は室温近傍から45℃までの温度範囲
でSm*C相を示し、45〜60℃でSmA相、60〜
65℃でN*相、それ以上で等方性の液体となった。実
施例6と同様の条件で自発分極は4.4nC/cm2
コレステリック相のらせんピッチは5.2μmであっ
た。
【0050】[実施例8]実施例6で調製した非カイラ
ル液晶組成物98モル%と実施例3で得た光学活性体2
モル%とを混合して強誘電性液晶組成物を得た。この強
誘電性液晶組成物は室温近傍から47℃までの温度範囲
でSm*C相を示し、47〜61℃でSmA相、61〜
66℃でN*相、それ以上で等方性の液体となった。実
施例6と同様の条件で自発分極は3.9nC/cm2
コレステリック相のらせんピッチは5.9μmであっ
た。
【0051】[実施例9]実施例6で調製した非カイラ
ル液晶組成物98モル%と実施例4で得た光学活性体2
モル%とを混合して強誘電性液晶組成物を得た。この強
誘電性液晶組成物は室温近傍から50℃までの温度範囲
でSm*C相を示し、50〜60℃でSmA相、60〜
66℃でN*相、それ以上で等方性の液体となった。実
施例6と同様の条件で自発分極は2.7nC/cm2
コレステリック相のらせんピッチは27μmであった。
【0052】[実施例10]実施例6で調製した非カイ
ラル液晶組成物98モル%と実施例5で得た光学活性体
2モル%とを混合して強誘電性液晶組成物を得た。この
強誘電性液晶組成物は室温近傍から46℃までの温度範
囲でSm*C相を示し、46〜60℃でSmA相、60
〜65℃でN*相、それ以上で等方性の液体となった。
実施例6と同様の条件で自発分極は5.0nC/c
2、コレステリック相のらせんピッチは3.9μmで
あった。
【発明の効果】以上述べたように本発明の光学活性体は
液晶性を示すものは強誘電性液晶として高い自発分極を
示し、着色もなく、耐加水分解性等化学的安定性にも優
れ、光安定性もよいという優れた性能を示し、液晶性を
示さないものでも非強誘電性の液晶組成物に混合して強
誘電性液晶組成物とするための添加剤として、あるいは
強誘電性液晶組成物への配合成分として用いると組成物
としての自発分極を高め、らせんピッチを大きくし、応
答速度の改善に効果があり、添加、配合にあたって組成
物を着色させることもなく、組成物の化学的あるいは光
に対する安定性を低下させることがないという優れた性
質を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中岡 ゆり子 神奈川県川崎市多摩区登戸3816番地三菱レ イヨン株式会社東京研究所内 (72)発明者 森 謙治 東京都文京区向丘一丁目20番地6号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で示されるγ−ブチロラクトン環を
    有する光学活性体。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜18の直鎖あるいは分岐鎖の
    アルキル基、炭素数1〜18の直鎖あるいは分岐鎖のア
    ルケニル基、アルコキシ部分の炭素数1〜12でアルキ
    ル部分の炭素数1〜16の直鎖あるいは分岐鎖のアルコ
    キシアルキル基、又はこれらの置換基のうち水素原子の
    1つ以上がハロゲン置換されたものであって、光学活性
    基を有しうる構造である場合はそれが光学活性基であっ
    てもよくラセミ体であってもよいものを示し、R2は炭
    素数1〜18の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基を示
    し、Xは単結合、−O−、−CO2−又は−OCO−を
    示し、Yは−CO2−又は−CH2O−を示し、Aは 【化2】 を示し、G、Zは各々独立に水素原子、フッ素原子、塩
    素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基又はトリフル
    オロメチル基を示し、Vは単結合、−CH2O−、−O
    CH2−、−CO2−又は−OCO−を示し、*はそれが
    付与された炭素が不斉炭素であることを示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学活性体を1種類以上
    含有してなる液晶組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104048356A (zh) * 2013-03-13 2014-09-17 江苏心日源建筑节能科技有限公司 洁净室系统
CN110483449A (zh) * 2019-08-30 2019-11-22 新乡学院 一种γ-内酯衍生物的制备方法

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