JPH0597795A - ジクロロジフエニルスルホンの分離方法 - Google Patents

ジクロロジフエニルスルホンの分離方法

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JPH0597795A
JPH0597795A JP32359191A JP32359191A JPH0597795A JP H0597795 A JPH0597795 A JP H0597795A JP 32359191 A JP32359191 A JP 32359191A JP 32359191 A JP32359191 A JP 32359191A JP H0597795 A JPH0597795 A JP H0597795A
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chlorobenzene
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Akinori Shiotani
陽則 塩谷
Yumitatsu Noda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】クロロベンゼンとクロロベンゼンスルホン酸を
反応させた反応生成物より、分離回収する方法を提供す
る。 【構成】反応混合物に、クロロベンゼンスルホン酸と水
のモル比が1:0.8〜1:2であるような量の水を加
えて、クロロベンゼンスルホン酸水和物を析出させて分
離し、溶液部よりジクロロジフェニルスルホンを分離す
る。 【効果】より効率的にジクロロジフェニルスルホンと未
反応クロロベンゼンスルホン酸を回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジクロロジフェニルス
ルホンの製造方法に於ける改良に関し、特にジクロロジ
フェニルスルホンとクロロベンゼンスルホン酸の分離方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】クロロベンゼンとクロロ
ベンゼンスルホン酸を高温で反応させて、ジクロロジフ
ェニルスルホンを合成することは公知である。しかし、
この反応ではクロロベンゼンスルホン酸をジクロロジフ
ェニルスルホンに100%転化させることは困難であ
り、通常、反応生成物中にはジクロロジフェニルスルホ
ンと相当量の未反応のクロロベンゼンスルホン酸が混在
している。従来、反応生成物からジクロロジフェニルス
ルホンを分離するため、大量の水を加えて、クロロベン
ゼンスルホン酸を洗浄除去していた。この洗浄水溶液か
ら、クロロベンゼンスルホン酸を回収して再使用するに
は大量の水を除去する必要があった。
【0003】この問題点を改良する方法として、特表平
1−500672号公報には、反応生成物に少量の水を
加えて、クロロベンゼンスルホン酸を含有するより重い
水相とジクロロジフェニルスルホンを含有する有機相を
形成し、より軽い有機相から水相を分離し、水相を脱水
してクロロベンゼンスルホン酸を回収して再使用する方
法が開示されている。この方法では、従来の大量の水を
使用する方法に比べて、回収されるクロロベンゼンスル
ホン酸は少量の水しか含まれていないので、脱水が容易
であるとしているが、本質は抽出、分液操作である。ま
た、1回の操作では、水相中には、クロロベンゼンスル
ホン酸と共に約4〜30%のジクロロジフェニルスルホ
ンが、また、有機相にはジクロロジフェニルスルホンと
共に約3〜10%のクロロベンゼンスルホン酸が含まれ
るため再処理が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、ク
ロロベンゼンとクロロベンゼンスルホン酸を反応させた
反応生成物より、ジクロロジフェニルスルホンと未反応
クロロベンゼンスルホン酸を純度よく効率的に分離する
方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、クロロベンゼ
ンとクロロベンゼンスルホン酸を接触させて、ジクロロ
ジフェニルスルホンを製造する方法において、上記反応
生成混合物に、クロロベンゼンスルホン酸と水のモル比
が1:0.8〜1:2.0であるような量の水を加え
て、クロロベンゼンスルホン酸水和物を析出させて分離
し、溶液部よりジクロロジフェニルスルホンを分離する
方法を提供するものである。本発明においては、反応生
成混合物の一部をサンプリングして未反応のクロロベン
ゼンスルホン酸および反応生成物のジクロロジフェニル
スルホンの含有量を求める。分析法は特に限定されない
が、例えば、サンプルに適当量の水を加え、抽出分液
し、水相の酸塩基滴定によりクロロベンゼンスルホン酸
量を知ることができ、また有機相を濃縮することにより
ジクロロジフェニルスルホン量とクロロベンゼン量を知
ることができる。一般に、硫酸はこの反応系中には少量
しか存在しないので無視することができる。
【0006】本発明において、ジクロロジフェニルスル
ホンのクロロベンゼンへの溶解度を勘案して、クロロベ
ンゼン量を調節する。すなわち、反応生成混合物中の残
存している未反応クロロベンゼンが生成ジクロロジフェ
ニルスルホンの全量を溶解するのに足りない場合はクロ
ロベンゼンを追加し、過剰に残存する場合は留去する。
クロロベンゼン量は生成したジクロロジフェニルスルホ
ンを溶解するのに必要最少量であることが好ましいが、
特にこの限りでなく、任意の量を増量してもよい。しか
し、過剰に加えすぎるのは分離効率が低下するので好ま
しくない。また、生成したジクロロジフェニルスルホン
を溶解させるための溶媒は、クロロベンゼンに限定しな
い。その他に、ジクロロジフェニルスルホンの良溶媒で
水と混和しない溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、プソイドクメン、テトラリン、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロ
ロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、ジブロモ
エタンなどが挙げられる。特に、トルエン、1,2−ジ
クロロエタンはクロロベンゼンスルホン酸水和物の溶解
度が小さいので、良好な分離能を示す。これらの溶媒を
用いる場合は、まず、反応生成混合物中のクロロベンゼ
ンを留去した後、生成ジクロロジフェニルスルホンを溶
解させるのに見合った量の溶媒を加える。この場合も、
溶媒量は生成ジクロロジフェニルスルホンを溶解させる
のに必要最少量が好ましいが、任意の量を増量してもよ
い。
【0007】このように反応混合生成物に水を添加し、
未反応クロロベンゼンスルホン酸を水和物として析出さ
せる。加える水の量は、未反応クロロベンゼンスルホン
酸1モルに対して、0.8〜2.0モル当量、好ましく
は0.9〜1.2モル当量である。この範囲より少ない
と、クロロベンゼンスルホン酸水和物の析出が充分でな
く、多いと、析出物が潮解し、あるいは、水溶液となり
濾過効率が悪くなる。クロロベンゼンスルホン酸無水塩
から水和物の生成は発熱反応であり、液温が上昇する。
クロロベンゼンスルホン酸水和物の各溶媒への溶解度は
温度依存性が大きいので、析出水和物と溶液部との濾別
操作を再現よく行うためには、発熱がおさまった後、所
定温度にて、充分、析出物を熟成した後、濾過すること
が好ましい。クロロベンゼンスルホン酸水和物の融点は
67℃であるので、この温度以下であれば、任意の温度
にて操作可能であるが、分離効率、経済性を考えれば、
0〜35℃が好ましい。
【0008】クロロベンゼンスルホン酸とクロロベンゼ
ンとの反応によるジクロロジフェニルスルホンの合成反
応は脱水反応であるので、生成した水分と未反応クロロ
ベンゼンスルホン酸が水和物を形成し、晶析操作以前に
反応液中に析出することがある。この析出物はほぼ純粋
なクロロベンゼンスルホン酸水和物であり、本発明によ
る分離操作以前に濾別することもできる。
【0009】以上の晶析、濾過操作によって分離したク
ロロベンゼンスルホン酸は適当な方法により脱水され、
無水塩とする。本発明によれば、結晶として単離できる
ため、クロロベンゼンスルホン酸の純度が良く、クロロ
ベンゼンとの縮合反応に再使用できる。脱水方法は特に
限定されないが、適当な溶媒と共沸脱水する方法が簡便
であり、特に、反応原料であるクロロベンゼンを用いれ
ば合理的である。濾別された液部は、濃縮することによ
り粗ジクロロジフェニルスルホンを単離し、これを水洗
することにより少量混在するクロロベンゼンスルホン酸
は除去され精製できる。
【0010】
【発明の効果】本発明により、クロロベンゼンとクロロ
ベンゼンスルホン酸を接触させて、ジクロロジフェニル
スルホンを製造させた反応生成混合物に、クロロベンゼ
ンスルホン酸とほぼ等モル量の水を加えて、クロロベン
ゼンスルホン酸水和物を析出させて、溶液部から濾過分
離することにより、未反応クロロベンゼンスルホン酸お
よび生成ジクロロジフェニルスルホンを効率よく高純度
で分離することができる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 実施例1 クロロベンゼン/p−クロロベンゼンスルホン酸(重量
比1.08/1)の混合液を24mmφ、900mm長
のガラス管(4mmφのガラス球345mlを充填)
に、250℃にて200g/hの速度で供給し反応させ
た。流出液の濃度分析により、組成はジクロロジフェニ
ルスルホン10.6wt%、p−クロロベンゼンスルホ
ン酸43.1wt%、クロロベンゼン46.3wt%で
あった。尚、p−クロロベンゼンスルホン酸はN/10
−NaOH水溶液で滴定し当量値より無水p−クロロベ
ンゼンスルホン酸重量に換算し、ジクロロジフェニルス
ルホンは水溶液を洗い流した後の乾燥重量より求めた。
前記反応液127.39gを採取した。放置により一部
結晶が析出したので濾別した。その結晶にはクロロベン
ゼンスルホン酸27.38g、ジクロロジフェニルスル
ホン0.20gが含まれていた。濾液からクロロベンゼ
ンを留去した残留物の一部をN/10−NaOH水溶液
で滴定し、クロロベンゼンスルホン酸の含量は142m
Mであった。残留物にトルエン284ml、水2.56
g(142mM)を加え、よくかき混ぜ、水和物を生成
させた後21℃にて一夜放置した(ジクロロジフェニル
スルホン13.5gを21℃で溶解させるのに必要なト
ルエン量は284ml、またクロロベンゼンスルホン酸
142mMに当量の水は2.56gである)。析出水和
物は濾過し、乾燥した。これはクロロベンゼンスルホン
酸27.32g、ジクロロジフェニルスルホン0.27
gを含有する。析出部のクロロベンゼンスルホン酸の総
和は54.70g(回収率99.7%)であった。溶液
部は濃縮し、ジクロロジフェニルスルホン13.07g
(回収率96.5%)を得た(クロロベンゼンスルホン
酸0.17gを含有)。ジクロロジフェニルスルホン異
性体の内訳は液体クロマトグラフィーの測定により、
4,4’−体96.5%、2,4’−体3.5%であっ
た。
【0012】実施例2 実施例1と同じ反応装置を用いて、クロロベンゼン/ク
ロロベンゼンスルホン酸(重量比2.14/1)の混合
液を250℃にて206g/hの速度で供給した。反応
液組成はジクロロジフェニルスルホン11wt%、クロ
ロベンゼンスルホン酸27wt%、クロロベンゼン62
wt%であった。反応液を一旦均一溶液とした後、10
0gを採り、クロロベンゼンを留去した。残渣にトルエ
ン230ml、水2.53gを加え、よくかき混ぜ水和
物を生成させた後、21℃にて一夜放置した。析出水和
物は濾過し、乾燥した。これはクロロベンゼンスルホン
酸26.88g(回収率99.6%)、ジクロロジフェ
ニルスルホン0.07gを含有する。溶液部は濃縮し、
ジクロロジフェニルスルホン10.93g(回収率9
9.4%)、クロロベンゼンスルホン酸0.12gが含
有されていた。ジクロロジフェニルスルホンの異性体の
分布は、4,4’−体96.7%、2,4’−体3.3
%であった。
【0013】実施例3 実施例2と同じ反応物100gを採り、クロロベンゼン
を留去した。残渣に1,2−ジクロロエタン84ml、
水2.53gを加え、よくかき混ぜ水和物を生成させた
後、3℃にて一夜放置した。実施例2と同様な処理を行
い、析出部はクロロベンゼンスルホン酸26.90g
(回収率99.6%)、ジクロロジフェニルスルホン
0.44gを含有していた。溶液部は濃縮し、ジクロロ
ジフェニルスルホン10.56g(回収率96.0
%)、クロロベンゼンスルホン酸0.10gが含有され
ていた。
【0014】比較例1 実施例1の反応液152.43gを採り、放置により析
出した結晶を濾過した。析出部はクロロベンゼンスルホ
ン酸32.72g、ジクロロジフェニルスルホン0.2
5gを含有していた。濾液からクロロベンゼンを留去し
た残留物はN/10−NaOH水溶液の滴定により18
7mMのクロロベンゼンスルホン酸を含有していた。残
留物にトルエン342ml、水9.43g(524m
M)を加え、よくかき混ぜると、水相とトルエン相の二
相を形成し,水和物は析出しなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロロベンゼンとクロロベンゼンスルホン
    酸を接触させて、ジクロロジフェニルスルホンを製造す
    る方法において、上記反応生成混合物に、クロロベンゼ
    ンスルホン酸と水のモル比が1:0.8〜1:2.0で
    あるような量の水を加えて、クロロベンゼンスルホン酸
    水和物を析出させて分離し、溶液部よりジクロロジフェ
    ニルスルホンを分離する方法。
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