JPH0597743A - 高品位ビスフエノールa・フエノールアダクトの製造方法 - Google Patents
高品位ビスフエノールa・フエノールアダクトの製造方法Info
- Publication number
- JPH0597743A JPH0597743A JP3292211A JP29221191A JPH0597743A JP H0597743 A JPH0597743 A JP H0597743A JP 3292211 A JP3292211 A JP 3292211A JP 29221191 A JP29221191 A JP 29221191A JP H0597743 A JPH0597743 A JP H0597743A
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- JP
- Japan
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- phenol
- adduct
- crystal adduct
- bisphenol
- crystal
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 着色不純物を含有しない高品位の結晶アダク
トを製造する方法を提供。 【構成】 ビスフェノールAを含むフェノール溶液を晶
析処理して得られたビスフェノールA・フェノール結晶
アダクトスラリーを濾過処理するに際し、該結晶アダク
トのうち、粒径100μm以下の微結晶アダクト成分の
一部を濾過側に移行させ、粒径100μm以下の微結晶
アダクト成分の割合が20重量%以下の粗大結晶アダク
トを回収することを特徴とする高品位ビスフェノール結
晶アダクトの製造方法。
トを製造する方法を提供。 【構成】 ビスフェノールAを含むフェノール溶液を晶
析処理して得られたビスフェノールA・フェノール結晶
アダクトスラリーを濾過処理するに際し、該結晶アダク
トのうち、粒径100μm以下の微結晶アダクト成分の
一部を濾過側に移行させ、粒径100μm以下の微結晶
アダクト成分の割合が20重量%以下の粗大結晶アダク
トを回収することを特徴とする高品位ビスフェノール結
晶アダクトの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色相にすぐれかつ着色
を生じにくい高品位ビスフェノールA・フェノールアダ
クトの製造方法に関するものである。
を生じにくい高品位ビスフェノールA・フェノールアダ
クトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】ビスフェノールA〔2,2
−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン〕を製造
するために、酸触媒の存在下、過剰のフェノールにアセ
トンを反応させることは知られている。また、この反応
生成物から高純度ビスフェノールAを分離回収するため
に、反応生成物を晶析処理してビスフェノールAとフェ
ノールとの結晶アダクト(以下、単に結晶アダクトとも
言う)を析出させ、得られた結晶アダクトからフェノー
ルを除去することも知られている(特公昭36−233
35号、特公昭52−42790号)。このようなビス
フェノールAの製造方法において、製品として回収され
るビスフェノールAの色相は、その結晶アダクト自体の
色相に大きく依存することから、その高品位結晶アダク
トの製造方法の開発が要望される。従来、高純度の結晶
アダクトを得るために、ビスフェノールAを含むフェノ
ール溶液を晶析処理して得られる結晶アダクトスラリー
を濾過処理し、分離された結晶アダクトを高純度フェノ
ールで洗浄することは知られている。しかし、この方法
によっても、着色物質等の吸着性の高い不純物を結晶ア
ダクトから除去することはむつかしく、得られる結晶ア
ダクトの色相は未だ不満足のものであった。
−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパン〕を製造
するために、酸触媒の存在下、過剰のフェノールにアセ
トンを反応させることは知られている。また、この反応
生成物から高純度ビスフェノールAを分離回収するため
に、反応生成物を晶析処理してビスフェノールAとフェ
ノールとの結晶アダクト(以下、単に結晶アダクトとも
言う)を析出させ、得られた結晶アダクトからフェノー
ルを除去することも知られている(特公昭36−233
35号、特公昭52−42790号)。このようなビス
フェノールAの製造方法において、製品として回収され
るビスフェノールAの色相は、その結晶アダクト自体の
色相に大きく依存することから、その高品位結晶アダク
トの製造方法の開発が要望される。従来、高純度の結晶
アダクトを得るために、ビスフェノールAを含むフェノ
ール溶液を晶析処理して得られる結晶アダクトスラリー
を濾過処理し、分離された結晶アダクトを高純度フェノ
ールで洗浄することは知られている。しかし、この方法
によっても、着色物質等の吸着性の高い不純物を結晶ア
ダクトから除去することはむつかしく、得られる結晶ア
ダクトの色相は未だ不満足のものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られる前記問題を解決し、高品位の結晶アダクトを製
造する方法を提供することをその課題とする。
見られる前記問題を解決し、高品位の結晶アダクトを製
造する方法を提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、100μm以下の
結晶アダクト含有率が20重量%以下の粗大結晶アダク
トは、着色物質及び着色を生じやすい物質の付着量が少
ない上に、これを高純度フェノールで洗浄することによ
って、結晶アダクト表面に付着する不純物を容易に除去
し、高品位の結晶アダクトを製造し得ることを見出し、
本発明を完成するに到った。即ち、本発明によれば、ビ
スフェノールAを含むフェノール溶液を晶析処理して得
られたビスフェノールA・フェノール結晶アダクトスラ
リーを濾過処理するに際し、該結晶アダクトのうち、粒
径100μm以下の微結晶アダクト成分の一部を濾過側
に移行させ、粒径100μm以下の微結晶アダクト成分
の割合が20重量%以下の粗大結晶アダクトを回収する
ことを特徴とする高品位ビスフェノール結晶アダクトの
製造方法が提供される。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、100μm以下の
結晶アダクト含有率が20重量%以下の粗大結晶アダク
トは、着色物質及び着色を生じやすい物質の付着量が少
ない上に、これを高純度フェノールで洗浄することによ
って、結晶アダクト表面に付着する不純物を容易に除去
し、高品位の結晶アダクトを製造し得ることを見出し、
本発明を完成するに到った。即ち、本発明によれば、ビ
スフェノールAを含むフェノール溶液を晶析処理して得
られたビスフェノールA・フェノール結晶アダクトスラ
リーを濾過処理するに際し、該結晶アダクトのうち、粒
径100μm以下の微結晶アダクト成分の一部を濾過側
に移行させ、粒径100μm以下の微結晶アダクト成分
の割合が20重量%以下の粗大結晶アダクトを回収する
ことを特徴とする高品位ビスフェノール結晶アダクトの
製造方法が提供される。
【0005】本発明における結晶アダクトスラリーは、
フェノールとアセトンを反応させて得られた反応生成物
を晶析処理して得られる結晶アダクトスラリーや、この
スラリーから分離した結晶アダクトを再溶解し、晶析処
理して得られる結晶アダクトスラリー等であることがで
きる。本発明では、この結晶アダクトスラリーを濾過処
理して、結晶アダクトを母液から分離する場合に、その
スラリー中に含まれる結晶アダクトのうち、粒径100
μm以下の微結晶アダクト成分の少なくとも一部を濾液
(母液)側に移行させ、粒径100μm以下の微結晶ア
ダクト成分の割合が20重量%以下、好ましくは15重
量%以下の粗大結晶アダクトを得る。この場合、微結晶
アダクト成分を濾液側に移行させるためには、フィルタ
ー(濾材)の選定や、濾過操作条件の選定によって行う
ことができる。フィルターとしては、一般的に、その目
開が100〜150μm、好ましくは100〜125μ
mのものが使用される。また、濾過操作条件による微結
晶アダクト成分を濾液側に移行させる場合、その濾過処
理により得られる結晶アダクトケークの厚みやそのケー
クを逆洗する頻度によって行うことができる。
フェノールとアセトンを反応させて得られた反応生成物
を晶析処理して得られる結晶アダクトスラリーや、この
スラリーから分離した結晶アダクトを再溶解し、晶析処
理して得られる結晶アダクトスラリー等であることがで
きる。本発明では、この結晶アダクトスラリーを濾過処
理して、結晶アダクトを母液から分離する場合に、その
スラリー中に含まれる結晶アダクトのうち、粒径100
μm以下の微結晶アダクト成分の少なくとも一部を濾液
(母液)側に移行させ、粒径100μm以下の微結晶ア
ダクト成分の割合が20重量%以下、好ましくは15重
量%以下の粗大結晶アダクトを得る。この場合、微結晶
アダクト成分を濾液側に移行させるためには、フィルタ
ー(濾材)の選定や、濾過操作条件の選定によって行う
ことができる。フィルターとしては、一般的に、その目
開が100〜150μm、好ましくは100〜125μ
mのものが使用される。また、濾過操作条件による微結
晶アダクト成分を濾液側に移行させる場合、その濾過処
理により得られる結晶アダクトケークの厚みやそのケー
クを逆洗する頻度によって行うことができる。
【0006】本発明においては、前記のようにして得ら
れた粗大結晶アダクトは、それ自体で不純物含有量の低
い高品位のものであるが、さらにこの粗大結晶アダクト
を精製フェノールで洗浄することによってその品位をさ
らに向上させることができる。この場合、精製フェノー
ルとしては、例えば、(i)フェノールとアセトンとの
反応生成物から分離されたフェノール、(ii)ビスフェ
ノールを含むフェノールの晶析生成物から分離されたフ
ェノール、(iii)結晶アダクトを洗浄した後の使用済
みフェノール及び工業用フェノールの中から選べれる少
なくとも一種のフェノールの精製物が用いられる。フェ
ノールとアセトンとの反応により得られる反応生成物
は、それに含まれる生成ビスフェノールAを濃縮するた
めに、その反応生成物からフェノールが分離されるが、
本発明では、このフェノールの精製物を洗浄液として用
いることができる。また、ビスフェノールAを含むフェ
ノールを晶析処理して結晶アダクトを析出させる場合、
通常、複数段の晶析工程と晶析生成物の固液分離工程が
採用され、それに応じて複数種の母液(フェノール溶
液)が得られるが、本発明ではこれらの母液を形成する
フェノールの精製物を洗浄液として用いることができ
る。本発明で用いるフェノール精製物は、それら母液の
いずれの母液の精製物でも良いが、好ましくは最前段の
晶析工程で得られる晶析生成物から分離された母液を形
成するフェノールの精製物を用いるのがよい。本発明に
おいては、結晶アダクトを洗浄した後には使用済みのフ
ェノールが得られるが、本発明では、この使用済みフェ
ノールの精製物も洗浄液として有利に用いることができ
る。本発明で用いる前記フェノール精製物を得るための
原料フェノールとしては、その純度が99重量%以上、
好ましくは99.5重量%以上のものの使用が好まし
い。また、本発明では、工業用フェノールの精製物を洗
浄液として用いることができる。この場合、工業用フェ
ノールとしては、フェノール純度99.5重量%以上、
好ましくは99.93重量%以上のものが用いられる。
れた粗大結晶アダクトは、それ自体で不純物含有量の低
い高品位のものであるが、さらにこの粗大結晶アダクト
を精製フェノールで洗浄することによってその品位をさ
らに向上させることができる。この場合、精製フェノー
ルとしては、例えば、(i)フェノールとアセトンとの
反応生成物から分離されたフェノール、(ii)ビスフェ
ノールを含むフェノールの晶析生成物から分離されたフ
ェノール、(iii)結晶アダクトを洗浄した後の使用済
みフェノール及び工業用フェノールの中から選べれる少
なくとも一種のフェノールの精製物が用いられる。フェ
ノールとアセトンとの反応により得られる反応生成物
は、それに含まれる生成ビスフェノールAを濃縮するた
めに、その反応生成物からフェノールが分離されるが、
本発明では、このフェノールの精製物を洗浄液として用
いることができる。また、ビスフェノールAを含むフェ
ノールを晶析処理して結晶アダクトを析出させる場合、
通常、複数段の晶析工程と晶析生成物の固液分離工程が
採用され、それに応じて複数種の母液(フェノール溶
液)が得られるが、本発明ではこれらの母液を形成する
フェノールの精製物を洗浄液として用いることができ
る。本発明で用いるフェノール精製物は、それら母液の
いずれの母液の精製物でも良いが、好ましくは最前段の
晶析工程で得られる晶析生成物から分離された母液を形
成するフェノールの精製物を用いるのがよい。本発明に
おいては、結晶アダクトを洗浄した後には使用済みのフ
ェノールが得られるが、本発明では、この使用済みフェ
ノールの精製物も洗浄液として有利に用いることができ
る。本発明で用いる前記フェノール精製物を得るための
原料フェノールとしては、その純度が99重量%以上、
好ましくは99.5重量%以上のものの使用が好まし
い。また、本発明では、工業用フェノールの精製物を洗
浄液として用いることができる。この場合、工業用フェ
ノールとしては、フェノール純度99.5重量%以上、
好ましくは99.93重量%以上のものが用いられる。
【0007】前記フェノールの精製を好ましく行う場
合、その原料フェノールは、先ず、強酸型イオン交換樹
脂と接触させて処理するが、この場合、強酸型イオン交
換樹脂としては、スルホン基を有するものが用いられ、
このような強酸型イオン交換樹脂は、従来良く知られて
いるものである。例えば、ロームアンドハース社から入
手し得るアンバーライト及びアンバーリストや、三菱化
成社から入手し得るダイヤイオン等を好ましく用いるこ
とができる。この強酸型イオン交換樹脂を用いるフェノ
ールの処理は、強酸型イオン交換樹脂を含む充填塔にフ
ェノールを流通させる方法や、強酸型イオン交換樹脂を
入れた撹拌槽にフェノールを入れて撹拌する方法等によ
り実施することができる。処理温度は45〜150℃、
好ましくは50〜100℃である。強酸型イオン交換樹
脂とフェノールの接触時間は、5〜200分、好ましく
は15〜60分程度である。この強酸型イオン交換樹脂
を用いてフェノールの処理を行う場合、フェノール中の
水分は、0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以
下にする。これより水分が多くなると、強酸型イオン交
換樹脂による不純物除去効果が悪化する。フェノール中
からの0.5重量%以下までの水分の除去は、フェノー
ル中に公知の共沸剤を加え共沸させることによって行う
ことができる。前記強酸型イオン交換樹脂と接触処理さ
れたフェノールは、高沸点不純物を含むもので、蒸留処
理することにより、その高沸点不純物を蒸留残渣として
分離する。
合、その原料フェノールは、先ず、強酸型イオン交換樹
脂と接触させて処理するが、この場合、強酸型イオン交
換樹脂としては、スルホン基を有するものが用いられ、
このような強酸型イオン交換樹脂は、従来良く知られて
いるものである。例えば、ロームアンドハース社から入
手し得るアンバーライト及びアンバーリストや、三菱化
成社から入手し得るダイヤイオン等を好ましく用いるこ
とができる。この強酸型イオン交換樹脂を用いるフェノ
ールの処理は、強酸型イオン交換樹脂を含む充填塔にフ
ェノールを流通させる方法や、強酸型イオン交換樹脂を
入れた撹拌槽にフェノールを入れて撹拌する方法等によ
り実施することができる。処理温度は45〜150℃、
好ましくは50〜100℃である。強酸型イオン交換樹
脂とフェノールの接触時間は、5〜200分、好ましく
は15〜60分程度である。この強酸型イオン交換樹脂
を用いてフェノールの処理を行う場合、フェノール中の
水分は、0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以
下にする。これより水分が多くなると、強酸型イオン交
換樹脂による不純物除去効果が悪化する。フェノール中
からの0.5重量%以下までの水分の除去は、フェノー
ル中に公知の共沸剤を加え共沸させることによって行う
ことができる。前記強酸型イオン交換樹脂と接触処理さ
れたフェノールは、高沸点不純物を含むもので、蒸留処
理することにより、その高沸点不純物を蒸留残渣として
分離する。
【0008】蒸留塔の運転条件はフェノールと高沸点不
純物が分離できればよいが、留出フェノール中に高沸点
不純物が混入しない条件で行う必要があり、留意すべき
ポイントとして蒸留処理温度を185℃以下にすること
である。185℃以下の温度であれば運転圧力は任意に
設定されるが、通常50Torr〜600Torrの減
圧下で行われる。運転温度が185℃をこえると高沸点
不純物等の分解がおこり精製フェノールの品質を低下さ
せるので好ましくない。前記処理によって得られた精製
フェノールは、APHA基準の色相が10以下のもので
あり、製品ビスフェノールに付着しても、その色相を特
に悪化させることはない。
純物が分離できればよいが、留出フェノール中に高沸点
不純物が混入しない条件で行う必要があり、留意すべき
ポイントとして蒸留処理温度を185℃以下にすること
である。185℃以下の温度であれば運転圧力は任意に
設定されるが、通常50Torr〜600Torrの減
圧下で行われる。運転温度が185℃をこえると高沸点
不純物等の分解がおこり精製フェノールの品質を低下さ
せるので好ましくない。前記処理によって得られた精製
フェノールは、APHA基準の色相が10以下のもので
あり、製品ビスフェノールに付着しても、その色相を特
に悪化させることはない。
【0009】精製フェノールによる結晶アダクトの洗浄
は、結晶アダクトと精製フェノールとの接触を充分に達
し得る方法であればよい。この洗浄処理は、例えば、結
晶アダクトを分離するための濾過機や遠心分離機等の固
液分離装置の中で、母液を結晶アダクトから除去した
後、精製フェノールをその固液分離装置内に導入して洗
浄する方法や、固液分離装置から排出される少量の母液
が付着する結晶アダクトを、別の撹拌槽において精製フ
ェノールにより洗浄することもできる。結晶アダクトに
対する精製フェノールの使用割合は、結晶アダクト10
0重量部に対して、50重量部以上、好ましくは100
重量部以上である。
は、結晶アダクトと精製フェノールとの接触を充分に達
し得る方法であればよい。この洗浄処理は、例えば、結
晶アダクトを分離するための濾過機や遠心分離機等の固
液分離装置の中で、母液を結晶アダクトから除去した
後、精製フェノールをその固液分離装置内に導入して洗
浄する方法や、固液分離装置から排出される少量の母液
が付着する結晶アダクトを、別の撹拌槽において精製フ
ェノールにより洗浄することもできる。結晶アダクトに
対する精製フェノールの使用割合は、結晶アダクト10
0重量部に対して、50重量部以上、好ましくは100
重量部以上である。
【0010】前記の精製フェノールにより洗浄処理され
た結晶アダクトは、その表面に精製フェノールが付着す
るものであるが、このものは、結晶アダクトからフェノ
ール除去工程に送り、ここでフェノールを除去し、高純
度の製品ビスフェノールAを回収する。結晶アダクトか
らフェノールの除去は、従来公知の方法、例えば、蒸
留、抽出、スチームストリッピング等の方法により行う
ことができる。
た結晶アダクトは、その表面に精製フェノールが付着す
るものであるが、このものは、結晶アダクトからフェノ
ール除去工程に送り、ここでフェノールを除去し、高純
度の製品ビスフェノールAを回収する。結晶アダクトか
らフェノールの除去は、従来公知の方法、例えば、蒸
留、抽出、スチームストリッピング等の方法により行う
ことができる。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、色相にすぐれ、かつ着
色を生じにくい熱安定性の良い結晶アダクトを容易に得
ることができる。また、この結晶アダクトからフェノー
ルを除去して得られるビスフェノールAも色相にすぐ
れ、かつ着色を生じにくい高品位のものである。
色を生じにくい熱安定性の良い結晶アダクトを容易に得
ることができる。また、この結晶アダクトからフェノー
ルを除去して得られるビスフェノールAも色相にすぐ
れ、かつ着色を生じにくい高品位のものである。
【0012】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
する。
【0013】実施例1 フェノールとアセトンを酸触媒の存在下で反応させて得
た反応生成物から、フェノールを留去させた後、得られ
た濃縮液を50℃で晶析処理して、ビスフェノールA・
フェノール結晶アダクトを20重量%含む結晶アダクト
スラリーを得た。次に、このスラリーを、106μmの
目開きを有する濾布をセットした濾過機により、スリラ
ー温度を50℃に保持しながら減圧濾過した後、得られ
た結晶アダクトケークを精製フェノールにより洗浄し
た。この洗浄結晶アダクト中の100μm以下の微結晶
アダクト成分の割合は5重量%であった。この結晶アダ
クトの溶融色は10APHAで、着色不純物の濃度は著
しく低いものであった。また、この結晶アダクトに含ま
れるクロマン化合物(着色性不純物)の濃度は100w
tppmであった。また、前記において、濾布として種
々の目開きのものを用いた以外は同様にして、粒径10
0μm以下の微結晶アダクト含有率が種々変化した結晶
アダクトを得た。この結晶アダクトについて、その溶融
色の色相APHA及びクロマン化合物の濃度を測定し、
その結果を表1に示す。
た反応生成物から、フェノールを留去させた後、得られ
た濃縮液を50℃で晶析処理して、ビスフェノールA・
フェノール結晶アダクトを20重量%含む結晶アダクト
スラリーを得た。次に、このスラリーを、106μmの
目開きを有する濾布をセットした濾過機により、スリラ
ー温度を50℃に保持しながら減圧濾過した後、得られ
た結晶アダクトケークを精製フェノールにより洗浄し
た。この洗浄結晶アダクト中の100μm以下の微結晶
アダクト成分の割合は5重量%であった。この結晶アダ
クトの溶融色は10APHAで、着色不純物の濃度は著
しく低いものであった。また、この結晶アダクトに含ま
れるクロマン化合物(着色性不純物)の濃度は100w
tppmであった。また、前記において、濾布として種
々の目開きのものを用いた以外は同様にして、粒径10
0μm以下の微結晶アダクト含有率が種々変化した結晶
アダクトを得た。この結晶アダクトについて、その溶融
色の色相APHA及びクロマン化合物の濃度を測定し、
その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1に示した結果からわかるように、粒径
100μm以下の微結晶アダクト成分の割合が20重量
%以下の結晶アダクトは、色相にすぐれ、かつ着色性不
純物であるクロマン化合物の濃度も低い高品位のもので
ある。
100μm以下の微結晶アダクト成分の割合が20重量
%以下の結晶アダクトは、色相にすぐれ、かつ着色性不
純物であるクロマン化合物の濃度も低い高品位のもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂下 幸司 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 (72)発明者 浅岡 佐知夫 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 ビスフェノールAを含むフェノール溶液
を晶析処理して得られたビスフェノールA・フェノール
結晶アダクトスラリーを濾過処理するに際し、該結晶ア
ダクトのうち、粒径100μm以下の微結晶アダクト成
分の一部を濾過側に移行させ、粒径100μm以下の微
結晶アダクト成分の割合が20重量%以下の粗大結晶ア
ダクトを回収することを特徴とする高品位ビスフェノー
ル結晶アダクトの製造方法。 - 【請求項2】 濾過分離された粗大結晶アダクトを精製
フェノールで洗浄する請求項1の方法。
Priority Applications (20)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3292211A JPH0597743A (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 高品位ビスフエノールa・フエノールアダクトの製造方法 |
DE69227850T DE69227850T2 (de) | 1991-07-10 | 1992-05-29 | Verfahren zur Herstellung eines Kristallinadduktes von Bisphenol A mit Phenol |
DE69227849T DE69227849T2 (de) | 1991-07-10 | 1992-05-29 | Verfahren und Herstellung eines Kristallinadduktes von Bisphenol A mit Phenol und Vorrichtung dafür |
ES96200436T ES2126977T3 (es) | 1991-07-10 | 1992-05-29 | Procedimento para la produccion de aducto cristalino de bisfenol a y fenol. |
DE69217133T DE69217133T2 (de) | 1991-07-10 | 1992-05-29 | Verfahren zur Herstellung eines Kristallinadduktes von Bisphenol A mit Phenol und Vorrichtung dafür |
ES92304932T ES2097877T3 (es) | 1991-07-10 | 1992-05-29 | Procedimiento para la preparacion de un aducto cristalino del bisfenol a con el fenol y aparato para ello. |
EP96200435A EP0718267B1 (en) | 1991-07-10 | 1992-05-29 | Process for the production of crystalline adduct of bisphenol A and phenol and apparatus therefor |
ES96200435T ES2126976T3 (es) | 1991-07-10 | 1992-05-29 | Procedimento para la produccion de aducto cristalino de bisfenol a y fenol y aparato para este. |
EP92304932A EP0522700B1 (en) | 1991-07-10 | 1992-05-29 | Process for the production of crystalline adduct of bisphenol A and phenol and apparatus therefor |
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