JPH0597705A - 改善された治療薬 - Google Patents

改善された治療薬

Info

Publication number
JPH0597705A
JPH0597705A JP4060121A JP6012192A JPH0597705A JP H0597705 A JPH0597705 A JP H0597705A JP 4060121 A JP4060121 A JP 4060121A JP 6012192 A JP6012192 A JP 6012192A JP H0597705 A JPH0597705 A JP H0597705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
folic acid
lometrexol
gar
transformylase
toxicity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4060121A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3468534B2 (ja
Inventor
Gerald B Grindey
ジエラルド・バール・グリンデイ
Chuan Shih
チヤン・シー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eli Lilly and Co
Original Assignee
Eli Lilly and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=24717023&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH0597705(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Eli Lilly and Co filed Critical Eli Lilly and Co
Publication of JPH0597705A publication Critical patent/JPH0597705A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3468534B2 publication Critical patent/JP3468534B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗腫瘍剤として使用されているグリシンアミ
ドリボヌクレオチドトランスホルミラーゼ(GAR)阻
害剤または他のアンチ葉酸の毒性を減少させる新規製剤
を提供する。 【構成】 葉酸結合タンパク質に結合する葉酸、(6
R)−5−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉
酸、(6R)−5−ホルミル−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ葉酸もしくはこれらの塩またはエステルを、ロメ
トレキソールなどのGAR阻害剤による腫瘍治療に先立
って患者に投与すると、これらの抗腫瘍剤の毒性が著し
く減少し、しかもその抗腫瘍活性が著しい影響を受けな
いことを発見し、葉酸または上記の葉酸誘導体からなる
製剤が、これらの抗腫瘍剤の治療効果を著しく増大させ
ることを明らかにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、抗腫瘍アンチ葉酸剤の治療効果
を維持したままその毒性を減少させるための、葉酸およ
びその関連化合物の新規用途に関する。
【0002】ロメトレキソール(lometrexol)は5,1
0−ジデアザテトラヒドロ葉酸の一般名であり、これは
DDATHFとも呼ばれている。ロメトレキソールは新
種の抗腫瘍剤群の一つであり、プリン生合成の最初の段
階に必要な酵素であるグリシンアミドリボヌクレオチド
(GAR)トランスホルミラーゼを特異的に阻害するこ
とがわかっている。J.Med.Chem.,28,914(1985)を参照
のこと。これらのGAR−トランスホルミラーゼ阻害剤
の幾つかは、その抗腫瘍剤としての使用と共に、Taylor
等による米国特許第4684653号、同第48331
45号、同第4902796号、同第4871743
号、同第4882334号に記述されている。GAR−
トランスホルミラーゼ阻害剤が、通風、乾癬、菌状息肉
腫、自己免疫障害、リウマチ様関節炎および他の炎症障
害などの症状、並びに器官移植中および他の免疫抑圧に
関連する症状を治療する際に有用であることも知られて
いる。
【0003】ロメトレキソールは臨床的に研究されてお
り、特に結腸直腸、肺、乳房、頭部および首、膵臓の充
実性腫瘍に対する強力な抗腫瘍剤であることがわかって
いる(Young等,Proc.Amer.Assoc.Cancer Research,31,1
053(1990))。他の抗腫瘍剤の大半と同様にロメトレキ
ソールも、腫瘍に対するその効果に加えて、望ましくな
い幾つかの副作用を示す(Muggia等,Proc.Amer.Soc.Cli
nical Oncology,9,1285(1990))。現在までに観測され
た典型的な副作用には、食欲不振、体重減少、粘膜炎、
白血球減少、貧血、活動低下および脱水が含まれる。
【0004】本発明者らは、ロメトレキソールおよびこ
れに関連するGAR−トランスホルミラーゼ阻害剤、並
びに葉酸結合タンパク質(FBP)(Kane等,Laboratory
Investigation,60,737(1989)などを参照のこと)に結
合する他のアンチ葉酸剤の毒性効果が、FBP結合剤の
存在によって、その治療的効果に不利な影響を及ぼすこ
となく有意に減少し得ることを発見した。したがって本
発明は、GAR−トランスホルミラーゼ阻害剤および他
のアンチ葉酸類を被治療者に対してFBP結合剤と同時
投与することによる、該阻害剤および他のアンチ葉酸類
の治療的効用を改善する方法を提供する。
【0005】本発明はその一側面として、GAR−トラ
ンスホルミラーゼ阻害剤またはFBPに結合する他のア
ンチ葉酸の有効量を、毒性緩和有効量のFBP結合剤も
しくは生理学的に利用可能なその塩またはエステルと組
み合わせて哺乳類に投与することからなる、哺乳類のG
AR−トランスホルミラーゼ依存性腫瘍の成長を阻害す
る方法を提供する。より具体的には、本発明は、毒性緩
和有効量のFBP結合剤もしくは生理学的に利用可能な
その塩またはエステルを、治療を受けている哺乳類に投
与することからなる、GAR−トランスホルミラーゼ阻
害剤またはFBPに結合する他のアンチ葉酸の哺乳類に
対する毒性を減少させる方法を提供する。具体的には、
アンチ葉酸を投与する前にFBPを本質的に遮断してお
くのに十分な量の、葉酸、(6R)−5−メチル−5,
6,7,8−テトラヒドロ葉酸、(6R)−5−ホルミ
ル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸、もしくは生理
学的に利用可能なそれらの塩またはエステルから選択さ
れる化合物で哺乳類を予備処置することからなる、GA
R−トランスホルミラーゼ阻害剤またはFBPに結合す
る他のアンチ葉酸の哺乳類における毒性を減少させる方
法を提供する。本発明の最も好ましい態様では、充実性
腫瘍または他の種類の癌にかかっていて治療を要する患
者を葉酸で予備処置した後、この患者にロメトレキソー
ルを投与することによって、ロメトレキソールの良好な
抗腫瘍活性を維持したままその毒性効果を減ずる。
【0006】本発明は、FBP結合剤もしくは生理学的
に利用可能なその塩またはエステルを前以て投与するこ
とによる、GAR−トランスホルミラーゼ阻害剤または
生物系に存在するFBPに結合する他のアンチ葉酸の毒
性を減ずる方法を提供する。GAR−トランスホルミラ
ーゼ阻害剤およびこれに関連するアンチ葉酸は、グリシ
ンアミドリボヌクレオチドトランスホルミラーゼとして
知られている酵素の生理作用を効果的に阻害する化合物
である。この酵素は哺乳類におけるプリン生合成(これ
はDNA合成に関連している)の最初の段階に必要であ
ることがよく知られている。この生合成経路を遮断する
とDNA合成が妨害され、その結果細胞が死滅する。G
AR−トランスホルミラーゼもしくは他の葉酸要求性酵
素を阻害することがわかっている化合物は、すべて本発
明の処置の対象となる。
【0007】典型的なGAR−トランスホルミラーゼ阻
害剤には、ピリド[2,3−d]ピリミジン誘導体(Ta
ylor等、米国特許第4684653号、同第48331
45号、同第4902796号、同第4871743
号、同第4882334号)が含まれる。最近、別の種
類のGAR−トランスホルミラーゼ阻害剤が米国特許第
4997838号(Akimoto)に記述されている。本発
明に使用できるアンチ葉酸化合物は、EPO特許出願第
239362号に記載のチミジル酸シンターゼ阻害剤を
包含する。上述の文献はすべて、その典型的なGAR−
トランスホルミラーゼ阻害剤およびアンチ葉酸の構造お
よび合成に関する教示について、本明細書の一部を構成
する。他のGAR−トランスホルミラーゼ阻害剤および
アンチ葉酸も本発明の範囲に包含され、該酵素と相互作
用しこれを阻害する能力、あるいはFBPに結合する能
力を常法によって評価することにより、これらの化合物
を決定できる。
【0008】本発明の好ましい態様として、葉酸を患者
に投与し、引き続き次式:
【化1】 [式中、R1はヒドロキシまたはアミノであり;R2は水
素、メチル、エチルまたはプロピニルであり;Bは−C
H−または−N−を表し;nは1、2または3であり;
Zは窒素または炭素を表し;Aはピリド、テトラヒドロ
ピリド、ピロロ、ジヒドロピロロ、シクロペンチルまた
はシクロヘキシルを表し;Xは水素またはハロゲンであ
る]で示される化合物および医薬的に許容されるその塩
を投与する。
【0009】本発明の特に好ましい態様では、GAR−
トランスホルミラーゼ阻害剤としてロメトレキソールを
使用する。
【0010】上述のように、本発明で使用できる薬剤
は、葉酸結合タンパク質に結合できる他のアンチ葉酸を
包含する。ロメトレキソールはウシFBPに対し9.7
ng/mlの結合定数を有しており、葉酸自体は1.8
ng/mlの結合定数を有する。約500ng/mlよ
り小さい結合定数を有する他のアンチ葉酸またはGAR
−トランスホルミラーゼ阻害剤は、いずれも本発明の方
法に使用できる。薬剤の葉酸結合定数は、DunnおよびFo
ster,Clin.Chem.,19(10),1101-1105(1973)の一般的な
方法で容易に測定できる。この文献の方法で評価された
典型的なアンチ葉酸は、次の表1および表2に記載する
葉酸結合定数を有している。
【表1】
【表2】
【0011】本発明において、“FBP結合剤”なる用
語は、葉酸、(6R)−5−メチル−5,6,7,8−
テトラヒドロ葉酸、または(6R)−5−ホルミル−
5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸を意味する。最後の
化合物は、J.Am.Chem.Soc.,74,4215(1952)に開示され
ているロイコボリン(leucovorin)の(6R)−異性体
である。上記のテトラヒドロ葉酸化合物はどちらもその
6位が非天然型の立体配置であり、それぞれの(6S)
−異性体と比較して10〜20倍有効に葉酸結合タンパ
ク質に結合する(Ratnam等,Folate and Antifolate Tra
nsport in Mammalian Cells Symposium,1991年3月
21〜22日,Bethesda,Marylandを参照のこと)。通
常、これらの化合物は対応するデヒドロ前駆体の非立体
選択的還元によって天然型(6S)とのジアステレオマ
ー混合物として調製され、次いでクロマトグラフィー法
また酵素法によって分離される。PCT特許出願公開W
O880844、Derwent Abstract 88-368464/51、カ
ナダ特許第1093554号などを参照のこと。
【0012】葉酸は血液形成要素(blood-forming elem
ent)の適切な再生と機能のために、また1炭素単位が
転移する中間代謝過程に関与する補酵素として、哺乳類
が必要するビタミンである。これらの反応は種々のアミ
ノ酸の相互変換において、またプリンおよびピリミジン
合成において重要である。葉酸は通常ビタミン補足剤に
よって供給されると共に、肝臓、腎臓、乾燥豆類、アス
パラガス、マッシュルーム、ブロッコリー、レタス、
乳、ホウレンソウなどの食物源の消費を通してヒトの食
事に供給される。正常な成人に通常必要な葉酸の最小量
は約0.05mg/日である。本発明では、GAR−ト
ランスホルミラーゼ阻害剤または他のアンチ葉酸を投与
されているヒトに対するその薬剤の毒性効果を減ずるた
めに、葉酸もしくは生理学的に利用可能なその塩または
エステルを該患者に約0.5mg/日〜約30mg/日
の投与量で投与する。好ましい態様として、ロメトレキ
ソールなどのGAR−トランスホルミラーゼ阻害剤の通
常投与量と共に、葉酸を約1〜約5mg/日の量で投与
する。
【0013】それぞれの化合物の相対結合定数に基づい
て、約1mg/日〜90mg/日(好ましくは約2〜1
5mg/日)の(6R)−5−メチル−5,6,7,8
−テトラヒドロ葉酸、あるいは約5〜300mg/日
(好ましくは約10〜50mg/日)の(6R)−5−
ホルミル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸、あるい
は生理学的に利用可能なそれぞれの塩またはエステル、
をGAR−トランスホルミラーゼ阻害剤と共に使用する
ことが予想される。
【0014】“生理学的に利用可能な塩”なる用語は、
FBP結合剤のカリウム塩、ナトリウム塩、リチウム
塩、マグネシウム塩、また好ましくはカルシウム塩を意
味する。“生理学的に利用可能な・・・エステル”なる
用語は、哺乳類に投与された時に容易に加水分解を受け
て、対応するFBP結合剤の遊離酸を与えるエステル、
例えばC1〜C4アルキルエステル、混成無水物などを意
味する。
【0015】本発明に従って使用されるFBP結合剤
は、その遊離酸型でもよいし、あるいは生物系中でその
親酸に変換される生理学的に許容される塩またはエステ
ルの形態であってもよい。投与量は一般的にはビタミン
補足物の形態で、すなわち経口投与される錠剤として、
好ましくは徐放性製剤として、あるいは飲料水に添加す
る水溶液として、あるいは水性非経口製剤(例えば静脈
内用製剤)などとして供給されるであろう。
【0016】このFBP結合剤を、GAR−トランスホ
ルミラーゼ阻害剤または他のアンチ葉酸による治療の前
に、被検哺乳動物に投与する。適切な量のFBP結合剤
による約1〜約24時間の予備処置は、通常、GAR−
トランスホルミラーゼ阻害剤または他のアンチ葉酸の投
与に先立って葉酸結合タンパク質に結合しこれを遮断す
るのに十分である。葉酸結合タンパク質に負荷をかける
ためには、FBP結合剤の単一投与で、好ましくは1回
の葉酸経口投与で十分なはずであるが、このような予備
処置がもたらす利益を最大限にするためには、葉酸結合
タンパク質が充分に結合されていることを確実にするた
めに、活性薬で治療する前数週間までの期間にわたっ
て、FBP結合剤の複数投与を行うこともできる。
【0017】特に好ましい本発明の態様として、望まし
い治療利益を達成するのに通常必要な量のロメトレキソ
ールを非経口的に投与する約1〜24時間前に、約1m
g〜約5mgの葉酸を哺乳類に経口投与する。葉酸また
は別のFBP結合剤をより多く、あるいは追加投与する
こともできるが、通常上記のパラメーターは、上述のロ
メトレキソール投与時に通常認められる毒性効果を減ず
るのに充分な程度に、葉酸結合タンパク質を結合するで
あろう。
【0018】FBP結合剤が抗腫瘍剤ではなく、またF
BP結合剤による哺乳類の予備処置が相乗作用効果また
は増強効果ではないことに注目すべきである。むしろ、
GAR−トランスホルミラーゼ阻害剤または他のアンチ
葉酸の投与前に、葉酸結合タンパク質をFBP結合剤に
よって本質的に結合させておくことによって、その次の
治療の治療効果が損なわれることなく、その毒性効果が
大きく減少するのである。
【0019】GAR−トランスホルミラーゼ阻害剤に対
する葉酸の効果は、GAR−トランスホルミラーゼ阻害
剤自体の抗腫瘍活性および毒性効果を決定するのに通常
に使用される標準的な試験によって立証された。このよ
うな一試験として、2mmx2mmの腫瘍切片をマウス
の腋窩領域中にトロカールで挿入することによって、マ
ウスに哺乳類腺癌のC3H株を移植する。全ての実験に
おいて、腫瘍移植の翌日から、ロメトレキソールを1日
1回5日間連続して腹腔内投与した。それぞれの投与量
レベルについて10匹の動物を使用した。第10日に、
副尺カリパスを用いて腫瘍成長の長さと幅を測定するこ
とにより、抗腫瘍活性を評価した。
【0020】治療前の2週間と治療中に、葉酸を全く含
まない飼料で維持した感染マウスにロメトレキソールを
投与すると、ロメトレキソールは極めて低い投与量で中
度の抗腫瘍活性を示したが、極めて低い投与量で重度の
毒性(マウスの死として測定した)をも引き起こした。
これらのデータを次の表3に示す。
【表3】 葉酸欠失飼料で2週間後のC3Hマウスにおける ロメトレキソールの抗腫瘍活性および毒性 ロメトレキソール投与量 抗腫瘍活性 毒性 (mg/kg) (阻害率(%)) (死亡マウス/総マウス) 0.0625 0 0/10 0.125 0 0/10 0.25 21 0/10 0.5 88 0/10 1.0 100 8/10
【0021】試験マウス群を、葉酸欠失飼料で治療前2
週間維持した。次に、その動物に0.0003%(w/
v)の葉酸を含有する飲料水を与えることによって、治
療中に葉酸を投与した。これらの動物は毎日約4mlの
水を消費するので、この濃度は約1.75mg-葉酸/
2-体表面積/日に相当する。 0.0003g/100ml x 4ml/日=0.000012g/日=0.012mg/日 マウスの平均サイズは0.00687m2である。 0.012g/日 x 1/0.00687m2=1.75mg/m2/日 被検体が約1.73m2サイズのヒトの場合、これは約
3.0mg/日のヒト成人投与量に相当する。ロメトレ
キソールの活性および毒性に対する前記の葉酸投与量の
効果を次の表4に示す。
【表4】 葉酸欠失飼料で2週間の後、0.0003%葉酸を飲料水へ添加した C3Hマウスにおけるロメトレキソールの抗腫瘍活性および毒性 ロメトレキソール投与量 抗腫瘍活性 毒性 (mg/kg) (阻害率(%)) (死亡マウス/総マウス) 0.125 13 0/10 0.25 26 0/10 0.5 48 0/10 1.0 97 0/10 2.0 98 0/10 4.0 99 4/10 上記の結果が示すように、ロメトレキソール被投与者の
飼料中に上述のレベルの葉酸を添加すると、低投与量
で、毒性効果が殆どあるいは全くない優れた抗腫瘍活性
がもたらされる。
【0022】葉酸投与量の増大は、GAR−トランスホ
ルミラーゼ阻害剤の抗腫瘍活性および毒性に対して、さ
らにより劇的な効果を有すると思われる。例えばロメト
レキソールによる治療の前に葉酸欠失飼料でマウスを2
週間維持し、次いで0.003%(w/v)の葉酸を含
有する水を与えた場合(これは約30mg/日のヒト成
人投与量に相当する)、より高い投与レベルにおいてロ
メトレキソールの良好な抗腫瘍活性が観測される。これ
らの結果を次の表5に示す。
【表5】 葉酸欠失飼料で2週間の後、0.003%葉酸を飲料水に添加した C3Hマウスにおけるロメトレキソールの抗腫瘍活性および毒性 ロメトレキソール投与量 抗腫瘍活性 毒性 (mg/kg) (阻害率(%)) (死亡マウス/総マウス) 6.25 91 0/10 12.5 89 0/10 25 97 0/10 50 96 0/10
【0023】上記のデータは、ロメトレキソール治療前
および治療中に葉酸欠失飼料で維持した腫瘍保持マウス
に関して、ロメトレキソールの毒性が極めて大きく(即
ちマウスの大半にとって1mg/kg/日が致死量であ
る)、また非毒性の投与量では低い抗腫瘍活性が観測さ
れる、ということを立証している。極めて少量の葉酸投
与(ヒト成人に対して約1〜2mg/日)で、薬剤毒性
が部分的に反転し、抗腫瘍活性が改善された。より多量
の葉酸投与(ヒト成人に対して約30mg/日まで)
は、ロメトレキソールの毒性を劇的に減少させ、その抗
腫瘍活性を著しく改善した。したがって、葉酸をGAR
−トランスホルミラーゼ阻害剤と組み合わせて使用する
と、抗腫瘍活性に不利な影響を与えることなく、薬剤毒
性が著しく減少する。
【0024】組織学的にあるいは細胞学的に癌の診断を
確認された癌患者に関する典型的な臨床的評価として、
ロメトレキソールを葉酸と組み合わせて投与する。2週
間にわたりロメトレキソールを迅速な静脈内注射によっ
て4回投与し、次いで2週間治療を行わない。投与を2
週間のうちの第1、4、8および11日に行う。治療の
初期には5mg/m2/投与の投与量で行い、この期間
に観測される毒性効果に応じて、次の期間には同じ投与
量を用いてもよいし、あるいは6mg/m2に増大させ
てもよいし、あるいは4mg/m2に減少させてもよ
い。
【0025】これらの患者には、ロメトレキソール第1
期間の前日から経口的に1mg/日の葉酸を投与し、こ
れを該薬剤を投与している間続ける。このような葉酸投
与は毎日1回、一般的には朝の間に行われるであろう。
【0026】前記の臨床的研究のための準備として、ヒ
トにおける試験的な研究によって、ロメトレキソールを
投与されている患者に与えられた葉酸が、ロメトレキソ
ールによる副作用の減少を達成することが立証されてい
る。具体的には、0.5〜1.0mg/日の葉酸を補足
された、鼻咽頭(nasalpharyngeal)癌腫をもつ患者の
場合、12カ月までの治療の間ロメトレキソールが十分
使用できた。さらに、この患者はこの12カ月の治療
後、疾患の臨床的徴候を示さなかった。これらのデータ
は上に報告した動物実験と一致している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チヤン・シー アメリカ合衆国46032インデイアナ州カー メル、リンバーロスト・ドライブ12856番

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 葉酸、(6R)−5−メチル−5,6,
    7,8−テトラヒドロ葉酸、(6R)−5−ホルミル−
    5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸、あるいは生理学的
    に利用可能なそれらの塩またはエステルから選択される
    葉酸結合タンパク質結合剤を活性成分とする、GAR−
    トランスホルミラーゼ阻害剤または葉酸結合タンパク質
    と結合するその他のアンチ葉酸剤の毒性緩和剤。
  2. 【請求項2】 該結合剤が葉酸もしくは生理学的に利用
    可能なその塩またはエステルである請求項1の毒性緩和
    剤。
  3. 【請求項3】 該GAR−トランンスホルミラーゼ阻害
    剤がロメトレキソールである、請求項1または2の毒性
    緩和剤。
  4. 【請求項4】 葉酸もしくは生理学的に利用可能なその
    塩またはエステルと、ロメトレキソールの組み合わせか
    らなる癌化学治療剤。
JP06012192A 1991-03-29 1992-03-17 改善された治療薬 Expired - Fee Related JP3468534B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US67703191A 1991-03-29 1991-03-29
US677031 1991-03-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0597705A true JPH0597705A (ja) 1993-04-20
JP3468534B2 JP3468534B2 (ja) 2003-11-17

Family

ID=24717023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06012192A Expired - Fee Related JP3468534B2 (ja) 1991-03-29 1992-03-17 改善された治療薬

Country Status (12)

Country Link
EP (1) EP0505640B2 (ja)
JP (1) JP3468534B2 (ja)
AT (1) ATE126700T1 (ja)
AU (1) AU640524B2 (ja)
CA (1) CA2051520C (ja)
CY (1) CY1888A (ja)
DE (1) DE69112376T3 (ja)
DK (1) DK0505640T4 (ja)
ES (1) ES2077808T5 (ja)
GR (1) GR3017774T3 (ja)
HK (1) HK161495A (ja)
ZA (1) ZA917406B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004501964A (ja) * 2000-06-30 2004-01-22 イーライ・リリー・アンド・カンパニー 新規な葉酸代謝拮抗薬の組み合わせ療法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9226842D0 (en) * 1992-12-23 1993-02-17 Wellcome Found Pharmaceutical compounds

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4931441A (en) 1988-11-09 1990-06-05 Luitpold Pharmaceuticals, Inc. Stabilized aqueous leucovorin calcium compositions
US4999424A (en) * 1988-11-10 1991-03-12 The Pennsylvania State University GAR transformylase inhibitor
CH676981A5 (ja) 1988-11-11 1991-03-28 Eprova Ag
US5008391A (en) * 1989-07-07 1991-04-16 Eli Lilly And Company Enantioselective synthesis of antifolates

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004501964A (ja) * 2000-06-30 2004-01-22 イーライ・リリー・アンド・カンパニー 新規な葉酸代謝拮抗薬の組み合わせ療法

Also Published As

Publication number Publication date
DK0505640T3 (da) 1995-12-27
DE69112376T3 (de) 2002-08-14
EP0505640B2 (en) 2002-02-27
ATE126700T1 (de) 1995-09-15
CA2051520C (en) 2003-02-18
AU8457091A (en) 1992-10-01
HK161495A (en) 1995-10-20
DE69112376T2 (de) 1996-03-14
DK0505640T4 (da) 2002-12-16
EP0505640B1 (en) 1995-08-23
AU640524B2 (en) 1993-08-26
ES2077808T3 (es) 1995-12-01
DE69112376D1 (de) 1995-09-28
CY1888A (en) 1996-04-05
ES2077808T5 (es) 2002-10-16
CA2051520A1 (en) 1992-09-30
JP3468534B2 (ja) 2003-11-17
GR3017774T3 (en) 1996-01-31
EP0505640A1 (en) 1992-09-30
ZA917406B (en) 1993-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100674529B1 (ko) 아데노신 수용체 아고니스트 또는 길항제를 포함하는 제약조성물
JP5469706B2 (ja) 新規な葉酸代謝拮抗薬の組み合わせ療法
CA2348390C (en) Compositions for the treatment and prevention of neurological and pathopsychological diseases
Black et al. Antineoplastic drugs in 1990: a review (part I)
EP2305237B1 (en) Therapeutic agent for male sterility
EP1641460B1 (de) Stabile pharmazeutische zusammensetzungen von 5,10-methylentetrahydrofolat
JP2007517019A (ja) 多発性硬化症の治療方法
CN104114174A (zh) 还原叶酸酯/盐类如亚甲基-四氢叶酸酯/盐的抗肿瘤活性
US5217974A (en) Method for treating gar-transformylase tumors in mammals and reducing mammalian toxicity
JP3468534B2 (ja) 改善された治療薬
KR20180081595A (ko) 이소성 지방 축적의 치료에 사용하기 위한 a3 아데노신 수용체 리간드
Castle Present status of the etiology of pernicious anemia
CA2051520E (en) Use of folic acid and its derivatives for reducing the toxicity of gar-transformylase inhibitors
JP2020535211A (ja) 医療用葉酸塩
CN111447953A (zh) 用于管理细胞激素释放症候群的a3腺苷受体配体
Grossowicz et al. Vitamin B12 concentration of serum and tissues of B12-depleted rats
JP2007515482A (ja) 毒性の減少されたマルチターゲティングフォレート拮抗薬
JPH07258088A (ja) Gar−トランスホルミラーゼ−依存性腫瘍の治療方法
Hansen Effects of hormones on formiminotransferase in rat liver

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030805

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070905

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees