JPH059756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 (1) 産業上の利用分野 この考案は、建造物の遮音壁、騒音機器防音カ
バー、音響機器キヤビネツト等に供する素材に関
するものである。

(2) 従来の技術 従来の上記用途に供する素材は、木質板、石膏
ボード、合成樹脂板等とグラスウール、岩綿等の
吸音材とを組合せたものであつた。

また従来のスピーカーキヤビネツトは、スピー
カーマグネツトの周囲をヨークで被覆するか、複
数キヤンセル構造として防磁効果を挙げて来た。

従つて上記素材の構成では、コストが高く、十
分な遮音効果を挙げられず、また防磁効果を挙げ
るためには、上記のような対処構成を採らなけれ
ばならなかつたのでコストが高くついた。

(3) この考案が解決しようとする問題点 この考案は、制振性と防磁性との各効果を挙げ
得る経済的な複合材を考案し、簡単な手段によつ
て上記の欠点を一挙に除去することを目的とす
る。

ロ 考案の構成 (1) 問題点を解決するための手段 この考案の複合材は、材料として剛性数値の小
さいパルプボード、板紙薄鋼板または鋼箔及び粘
弾性樹脂を選択し、接着、積層させたパルプボー
ドまたは板紙の片面部または両面部に、厚さ50〜
100μの粘弾性樹脂を塗布して薄鋼板または鋼箔
を接着した構成とする。

なお美麗な外観とする場合には、プリント薄鋼
板を充てる。

(2) 作用 (i) この考案の複合板は、音波を受けたとき曲げ
共振を生じ、粘弾性樹脂膜がずれせん断変形を
し、（第２図）音のエネルギーが、熱のエネル
ギーに変化して急速に消費されるため、板振動
による音の透過現象を終熄させ、強い遮音効果
を挙げる。

(ii) 又この考案の複合板で組立てたスピーカーキ
ヤビネツトは、防磁効果を挙げる。

(3) 考案の効果 この考案の複合材で組立てた建造物の遮音壁、
騒音機器防音カバー、スピーカーキヤビネツト等
は、著しく遮音効果を奏し、とりわけ該スピーカ
ーキヤビネツトは、磁束の漏洩を防ぎ防磁性が顕
著である。

又この考案の複合材で組立てた建造物の遮音
壁、騒音機器防音カバー等は、素材に耐火、耐
水、耐油性があるため、特に火、水、油の対処構
成を必要としない。

図 第１図は、この考案の複合板１枚の場合の斜
視図、第２図は、粘弾性樹脂膜のずれせん断変形
の状態を示す拡大部分図、第３図は、この考案の
複合板の斜視図である。

１……薄鋼板、２……粘弾性樹脂膜、３……パ
ルプボード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パルプボードまたは板紙の片面部または両面部
   に、粘弾性樹脂を塗布して薄鋼または鋼箔を接着
   した構成の遮音用複合板。