JPH059684Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は光フアイバーの被覆チユーブ切断治具
に関するものである。

〔従来の技術〕

光フアイバーの保護を目的として、フツ素樹脂
等の合成樹脂製の被覆チユーブ内に光フアイバー
を挿通しておくことが行なわれているが、光フア
イバーの接続等の際に、被覆チユーブを切断する
場合、従来は、ナイフ等を用いてせん断の形で被
覆チユーブを切断していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、被覆チユーブをナイフ等を用い
て切断していたのでは、内部の光フアイバーを傷
付け易く、切断面も均一にならないという問題が
あり、さらに、被覆チユーブはある程度の剛性を
持ちながら柔軟性に富みかつ滑り易いので切断の
際にナイフ等から逃げ易いこと、及び、内部の光
フアイバーを傷付けないように注意しなければな
らないこと等から、切断作業自体が大変面倒であ
つた。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、内部の光フアイバーを傷付ける心配がなく、
極めて容易に被覆チユーブを垂直に切断できる光
フアイバーの被覆チユーブ切断治具を提供するも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の光フアイバーの被覆チユーブ切断治具
は、回動操作される本体１と、この本体１の先端
部に本体１の回動中心に対して直交する方向に配
設された切断刃１１と、上記本体１の先端部に本
体１の回動中心に対して揺動自在に設けられて上
記切断刃１１に接離し内部に光フアイバーＦの端
部を挿入しかつ外部に光フアイバーＦを囲繞した
被覆チユーブＴを嵌合する筒体２１と、この筒体
２１を上記本体１の回動中心に付勢して筒体２１
の外部に嵌合した被覆チユーブＴを上記切断刃１
１に当接させるばね部材３１とを具備したもので
ある。

〔作用〕

本考案の光フアイバーの被覆チユーブ切断治具
は、ばね部材３１に抗して切断刃１１から離間さ
せた状態の筒体２１の内部に光フアイバーＦを挿
入するとともに、この筒体２１の外部に被覆チユ
ーブＴを嵌合し、ばね部材３１により筒体２１の
外部の被覆チユーブＴが切断刃１１に当接した状
態で本体１を被覆チユーブＴを中心に回動するこ
とにより被覆チユーブＴを切断するものである。

〔実施例〕

本考案による光フアイバーの被覆チユーブ切断
治具の一実施例を図面を参照して説明する。

１は本体で、この本体１は円柱状の把持部２の
先端部に径大の装着部３を形成し、この装着部３
の一側部に平面部４を形成するとともに、この平
面部４に、装着部３の先端面から把持部２に至る
長溝５を、本体１の中心軸に沿つて形成したもの
で、図示しないが、把持部２の外周面には滑り止
めを目的としたローレツト加工等が施され、把持
部２を把持してその中心軸を中心に回動操作され
る。

そして、１１は板状の切断刃で、この切断刃１
１は、上記本体１の装着部３の先端部の側面から
長溝５に形成した割溝１２内に挿入され、その刃
縁１１ａは長溝５内に臨ませられて本体１の回動
中心に対して直交する方向に配設されている。な
お、この切断刃１１は、本体１の装着部３の先端
面から長溝５に沿つて螺合した六角穴付きボルト
１３によつて、取外し可能に固定されている。

また、２１は筒体で、この筒体２１は、円筒状
の支持部２２の先端部にこの支持部２２より前方
に突出する小径の嵌合部２３を形成したもので、
上記本体１の装着部３の把持部２側に圧入して長
溝５を横断したピン２４に、その支持部２２を支
持することにより、長溝５内に位置して本体１の
回動中心に対して揺動自在に設けられ、その嵌合
部２３が上記切断刃１１に接離する。

また、３１はばね部材で、このばね部材３１
は、ばね性を有する線条を折返し状に折曲したも
ので、その基端部がビス３２により上記本体１の
長溝５の把持部２側の底部にワツシヤ３３を介し
て固定され、その先端部が上記筒体２１の支持部
２２に当接して筒体２１を本体１の回動中心に付
勢し、筒体２１の嵌合部２３を上記切断刃１１に
当接させる。

なお、上記切断刃１１の刃縁１１ａは、上記ば
ね部材３１による筒体２１の付勢方向に対して傾
斜状に設けられている。

さらに、４１は押釦で、この押釦４１は、上記
本体１の装着部３の長溝５と反対側の側部に本体
１の半径方向に移動自在に設けられ、この押釦４
１を押動すると、上記筒体２１をばね部材３１に
抗して回動させることができ、筒体２１の嵌合部
２３を上記切断刃１１から離間させることができ
る。

なお、Ｆは第２図に示すように光を案内するコ
アＦ１の外周に光を反射させるクラツドＦ２を形
成した光フアイバー、Ｔはこの光フアイバーＦを
挿通して囲繞したフツ素樹脂製の被覆チユーブで
ある。

そうして、光フアイバーＦの被覆チユーブＴの
切断に際しては、一方の手で本体１の把持部２を
把持するとともに、この一方の手の親指で押釦４
１を押動することにより、筒体２１の嵌合部２３
をばね部材３１に抗して切断刃１１から離間さ
せ、この状態で、他方の手で、筒体２１の嵌合部
２３の内部に光フアイバーＦを挿入するととも
に、この筒体２１の嵌合部２３の外部に被覆チユ
ーブＴを嵌合し、ついで、押釦４１を離してばね
部材３１により筒体２１の嵌合部２３の外部の被
覆チユーブＴを切断刃１１に当接させ、この状態
で、本体１を被覆チユーブＴを中心に回動する
と、被覆チユーブＴの外周を切断刃１１の刃先が
環状に移動するので、被覆チユーブＴを極めて容
易に切断することができる。

この際、切断刃１１が本体１の回動中心に対し
て直交しているので、本体１を何回回転しても、
切断刃１１は被覆チユーブＴの同じ部分に当接
し、被覆チユーブＴを垂直に切断できるとともも
に、被覆チユーブＴの切断端面の仕上りがよく、
また、被覆チユーブＴが切断された後には、筒体
２１の嵌合部２３が切断刃１１に当接して、内部
の光フアイバーＦを切断刃１１から保護するの
で、光フアイバーＦが傷付く心配がない。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案による光フアイバーの
被覆チユーブ切断治具は、極めて容易に被覆チユ
ーブを垂直に切断できるととともに、被覆チユー
ブの切断端面の仕上りがよく、しかも、被覆チユ
ーブの内部の光フアイバーを傷付ける心配がな
い。

【図面の簡単な説明】

図は本考案による光フアイバーの被覆チユーブ
切断治具の一実施例を示し、第１図はその使用状
態の側面図、第２図はその使用状態の正面図、第
３図はその不使用時の正面図である。 Ｆ……光フアイバー、Ｔ……被覆チユーブ、１
……本体、１１……切断刃、２１……筒体、３１
……ばね部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回動操作される本体と、この本体の先端部に本
   体の回動中心に対して直交する方向に配設された
   切断刃と、上記本体の先端部に本体の回動中心に
   対して揺動自在に設けられて上記切断刃に接離し
   内部に光フアイバーの端部を挿入しかつ外部に光
   フアイバーを囲繞した被覆チユーブを嵌合する筒
   体と、この筒体を上記本体の回動中心に付勢して
   筒体の外部に嵌合した被覆チユーブを上記切断刃
   に当接させるばね部材とを具備したことを特徴と
   する光フアイバーの被覆チユーブ切断治具。