JPH059580B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、住宅等の建物の外面に形成したポ
ーチやガレージ等の付属建物の屋根構造に関する
ものである。

〔背景技術〕

従来、住宅等の外面に形成したポーチやガレー
ジ等の付属建物の屋根構造として、外壁の外面に
屋根下地パネルの一端をボルトで直接固定し、こ
の屋根下地パネルの他端の下面を建物から離して
設けた柱にボルトで固定し、屋根下地パネルの上
方に屋根部材により屋根を形成したものがあつ
た。

しかし、この構造では、屋根下地パネルを設置
する際に、大形でかつ重量の大きな屋根下地パネ
ルをクレーン等で吊り下げた状態で作業を行わな
ければならないので、ボルトの締め付け等が容易
にできなかつた。そのため、施工性が悪くなつて
いた。

〔発明の目的〕

この発明の目的は、ポーチ等の付属建物の屋根
を形成する際に、その施工が容易にできる付属建
物の屋根構造を提供することである。

〔発明の開示〕

この発明の付属建物の屋根構造は、本体建物の
外壁の外面に屋根下地パネルの一端を固定し、こ
の屋根下地パネルの他端を前記本体建物から離れ
て設けた柱に固定し、前記屋根下地パネルの上方
に屋根部材により屋根を形成した付属建物の屋根
構造において、溝形鋼のパネル固定材のウエブを
前記外壁の外面に沿つて水平方向に延びた状態で
前記外壁に固定し、前記屋根下地パネルの一端を
前記パネル固定材の構内に固定するとともに他端
を前記柱の上端に固定したことを特徴とするもの
である。

この発明の構成によれば、外壁の外面にパネル
固定材を固定したので、屋根下地パネルの一端お
よび他端を各々パネル固定材および柱で支持する
ことができる。そのため、屋根下地パネルの固定
作業が容易にでき、施工性の向上を図ることがで
きる。

実施例 この発明の一実施例を第１図ないし第９図に基
づいて説明する。この付属建物の屋根構造は、第
１図に示すように、本体建物の外壁５の外面に屋
根下地パネル１の一端を固定し、この屋根下地パ
ネル１の他端を本体建物から離れて設けた柱３に
固定し、屋根下地パネル１の上方に屋根部材２に
より屋根を形成した付属建物の屋根構造におい
て、溝形鋼のパネル固定材１のウエブを外壁５の
外面に沿つて水平方向に延びた状態で外壁５に固
定し、屋根下地パネル１の一端をパネル固定材４
の構内に固定するとともに他端を柱３の上端に固
定したことを特徴とするものである。

この実施例においては、本体建物の入隅部分に
形成した玄関ポーチを付属建物の例とした。第３
図は玄関ポーチの平面図、第４図はその正面図、
第５図はその側面図である。

屋根下地パネル１は、第６図に示すように、溝
形鋼を内向きに開いて配置し、角形に形成したも
のである。屋根下地パネル１の角部のフランジの
接合は、第８図に示すように、一方の溝形鋼の上
下フランジの先端部を内側に折り曲げて段差を形
成し、この先端部を他方の溝形鋼の溝部に嵌入
し、他方のフランジとともにボルト等の固着具１
５により固定した。また、ウエブの接合は、第７
図に示すように、山形鋼からなる連結具９を角部
の溝形鋼のウエブの内側に溶接で固定することに
より行つた。この屋根下地パネル１の前部の各々
角部には、屋根下地パネル１の変形を防ぐための
溝形鋼からなる火打材１ａが設けてある。屋根下
地パネル１の前部は、柱３の上面に立設した連結
具６にボルト等の固着具１６で連結してある。

屋根部材２は、垂木２ａ、野地板２ｂ、表面材
２ｃからなり、屋根下地パネル１の上方に傾斜し
て形成してある。屋根下地パネル１の外壁５側の
上面には束７が立設されており、屋根部材２を支
持した。また、屋根部材２の前部は、屋根下地パ
ネル１の前部上面に立設した連結具８に固定して
ある。

パネル固定材４は、溝形鋼からなる。このパネ
ル固定材４は、本体建物の入隅を形成した一対の
外壁５の外面にビス等の固着具１４で各々固定し
てある。外壁５は、外壁パネル等からなり、パネ
ル固定材４は外壁パネルを形成したパネル枠に固
定した。この例においては、パネル枠を形成した
垂直材５ａ（第６図参照）に固定した。このパネ
ル固定材４の溝には屋根下地パネル１が嵌入して
あり、ボルト等の固着具１５で固定してある。

この実施例による屋根の形成手順を説明する。
屋根下地パネル１の取付位置に合わせてパネル固
定材４を固着具１４で固定する。予め工場におい
て組立て、ボルト孔や連結具８を設けた屋根下地
パネル１を現場に搬入し、四方をナイロンスリン
グ１０等で結び、クレーン（図示せず）等で吊り
上げる。この屋根下地パネル１の一端をパネル固
定材４の溝に嵌入し、固着具１５で仮固定する。
屋根下地パネル１の水平を調整した後に、柱３と
連結具６とを固着具１６で固定し、この連結具６
と屋根下地パネル１の他端とを固着具１５で固定
する。屋根下地パネル１の一端をパネル固定材４
に本固定する。屋根下地パネル１の上方に屋根部
材２で屋根を形成する。屋根下地パネル１の下方
に天井材１１で天井を形成し、柱３の上端部を化
粧材３ａで覆う。前面に鼻隠し１２や雨樋１３を
設けて屋根が完成する。

この実施例の構成によると、屋根下地パネル１
よりも小形で軽量のパネル固定材４を外壁５の外
面に固定し、このパネル固定材４に屋根下地パネ
ル１を固定したので、従来のように大形で重量の
大きな屋根下地パネル１を直接外壁５に固定する
構造と異なり、施工する際に屋根下地パネル１の
一端を外壁５に固定したパネル固定材４の構内に
嵌入し他端を柱５の上端に載置することにより、
屋根下地パネル１を仮固定することができる。し
たがつて、屋根下地パネル１を固着具１５により
固定するに当たつて、屋根下地パネル１をクレー
ン等で吊持しておく必要がなく施工性が良い。従
つて、施工性の向上を図ることができる。また、
パネル固定材４に屋根下地パネル１を固定する構
造としたので、本体建物の入隅部にもパネル固定
材４を設けることにより、容易に付属建物を形成
することができる。その結果、付属建物の屋根の
形状に変化をつけることができ、多様性に富んだ
外観の建物を形成することができる。また、屋根
下地パネル１は、その前部に火打材１ａを設けた
ので、屋根下地パネル１の強度を高めるとともに
撓みを防止することができる。

なお、前記実施例において、パネル固定材４は
付属建物形成時に外壁５に固定していたが、外壁
５の製作時に予め固定しておいてもよい。

〔発明の効果〕

この発明の付属建物の屋根構造によると、外壁
の外面にパネル固定材を固定したので、屋根下地
パネルの一端および他端を各々パネル固定材およ
び柱で支持することができる。しかも、施工する
際に屋根下地パネルの一端を外壁に固定したパネ
ル固定材の構内に嵌入し他端を柱の上端に載置す
ることにより、屋根下地パネルを仮固定できるの
で、屋根下地パネルを柱および外壁に固定するに
当たつて、屋根下地パネルをク＝レーン等で吊持
しておく必要がない。そのため、屋根下地パネル
の固定作業が容易にでき、施工性の向上を図るこ
とができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例の部分断面図、
第２図はその部分詳細図、第３図は同じくその部
分平面図、第４図はその部分正面図、第５図はそ
の部分側面図、第６図はこの実施例の屋根下地パ
ネルの平面図、第７図はその部分詳細図、第８図
は第７図の側面図、第９図は屋根下地パネルの分
解斜視図である。 １……屋根下地パネル、２……屋根仕上材、３
……柱、４……パネル固定材、５……外壁、６，
８……連結具、７……束。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体建物の外壁の外面に屋根下地パネルの一
   端を固定し、この屋根下地パネルの他端を前記本
   体建物から離れて設けた柱に固定し、前記屋根下
   地パネルの上方に屋根部材により屋根を形成した
   付属建物の屋根構造において、溝形鋼のパネル固
   定材のウエブを前記外壁の外面に沿つて水平方向
   に延びた状態で前記外壁に固定し、前記屋根下地
   パネルの一端を前記パネル固定材の構内に固定す
   るとともに他端を前記柱の上端に固定したことを
   特徴とする付属建物の屋根構造。