JPH059574A - 高靭性鋼板の製造方法 - Google Patents
高靭性鋼板の製造方法Info
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- JPH059574A JPH059574A JP18679191A JP18679191A JPH059574A JP H059574 A JPH059574 A JP H059574A JP 18679191 A JP18679191 A JP 18679191A JP 18679191 A JP18679191 A JP 18679191A JP H059574 A JPH059574 A JP H059574A
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- Japan
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- toughness
- rolling
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- steel
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Abstract
(57)【要約】
【構成】C 0.13〜0.20wt%、Si 0.05
〜0.50wt%、 Mn 0.5〜1.0wt%、Al0.005〜0.050
wt% を含有し、残部鉄および不可避不純物からなる鋼を12
00〜1300℃の温度に加熱し、オーステナイト再結
晶温度域において全圧下率60%以上の圧下を行った
後、速やかにAr3+100℃の温度に水冷を行い、そ
の後Ar3+100℃〜Ar3−50℃の温度において全
圧下率50%以上の圧下を行って圧延を完了させた後、
400〜650℃の温度まで2〜15℃/secの冷却
速度で冷却する方法である。 【効果】高温加熱と圧延途中における水冷を行うことに
より靭性の優れた加速冷却型490n/mm2級鋼板を
高い生産性により製造することができ、高価な合金元素
を使用することがないので製造費用も少なくてすむので
ある。
〜0.50wt%、 Mn 0.5〜1.0wt%、Al0.005〜0.050
wt% を含有し、残部鉄および不可避不純物からなる鋼を12
00〜1300℃の温度に加熱し、オーステナイト再結
晶温度域において全圧下率60%以上の圧下を行った
後、速やかにAr3+100℃の温度に水冷を行い、そ
の後Ar3+100℃〜Ar3−50℃の温度において全
圧下率50%以上の圧下を行って圧延を完了させた後、
400〜650℃の温度まで2〜15℃/secの冷却
速度で冷却する方法である。 【効果】高温加熱と圧延途中における水冷を行うことに
より靭性の優れた加速冷却型490n/mm2級鋼板を
高い生産性により製造することができ、高価な合金元素
を使用することがないので製造費用も少なくてすむので
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高靭性鋼板の製造方法に
関し、さらに詳しくは、高温加熱と圧延途中における水
冷を行うことにより生産性を向上させることができ、さ
らに、優れた靭性を有する加速冷却型490N/mm2
級鋼板の製造方法に関するものである。
関し、さらに詳しくは、高温加熱と圧延途中における水
冷を行うことにより生産性を向上させることができ、さ
らに、優れた靭性を有する加速冷却型490N/mm2
級鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、加速冷却型490N/mm2級鋼
板は、通常使用されている従来の鋼板と比較して炭素当
量が低く、耐溶接割れ性および大入熱溶接部の靭性が優
れているので、造船用および海洋構造物等に使用されて
いる外に、各種構造物鋼板として広く使用されてきてい
る。
板は、通常使用されている従来の鋼板と比較して炭素当
量が低く、耐溶接割れ性および大入熱溶接部の靭性が優
れているので、造船用および海洋構造物等に使用されて
いる外に、各種構造物鋼板として広く使用されてきてい
る。
【0003】また、上記に説明した加速冷却型490N
/mm2級鋼板の中で、高靭性を要求される鋼板の製造
において、加熱温度が高くなり過ぎると初期オーステナ
イト粒が粗大化して、その後の圧延および冷却をどのよ
うに制御しても、最終組織の微細化を図ることができな
いので、靭性を確保することが困難となるため、加熱温
度は1200℃未満の低い温度が採用されているのが現
状である。
/mm2級鋼板の中で、高靭性を要求される鋼板の製造
において、加熱温度が高くなり過ぎると初期オーステナ
イト粒が粗大化して、その後の圧延および冷却をどのよ
うに制御しても、最終組織の微細化を図ることができな
いので、靭性を確保することが困難となるため、加熱温
度は1200℃未満の低い温度が採用されているのが現
状である。
【0004】このように、1200℃未満の低温加熱を
行う場合、図3に示すようにスラブ中心部が設定温度に
到達するまでにかかる時間が、高温加熱を行う場合に比
較して長時間となるため、低温加熱の場合には長時間の
加熱が必要となり、生産性が低下するという問題があ
る。なお、図3において、スラブ厚さ240mm、◇、
▽は設定温度到達時間を示す。
行う場合、図3に示すようにスラブ中心部が設定温度に
到達するまでにかかる時間が、高温加熱を行う場合に比
較して長時間となるため、低温加熱の場合には長時間の
加熱が必要となり、生産性が低下するという問題があ
る。なお、図3において、スラブ厚さ240mm、◇、
▽は設定温度到達時間を示す。
【0005】また、生産性を向上させるために高温加熱
を行う場合には、高温加熱による靭性の劣化をNb、T
i、Ni等の合金元素を含有させたり、Mn含有量を増
加させたり、或いは、C含有量を低減することにより防
止することが可能であるが、製造工程が繁雑となり、ひ
いては製造費用が増加するという問題がある。
を行う場合には、高温加熱による靭性の劣化をNb、T
i、Ni等の合金元素を含有させたり、Mn含有量を増
加させたり、或いは、C含有量を低減することにより防
止することが可能であるが、製造工程が繁雑となり、ひ
いては製造費用が増加するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
た加速冷却型鋼板における従来技術の種々の問題点に鑑
み、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、適
正な含有成分および成分割合に調整し、オーステナイト
再結晶温度域における圧延条件を適正に制御することに
より、高温加熱を行っても優れた靭性を有する加速冷却
型490N/mm2級鋼板の製造方法を開発したのであ
る。
た加速冷却型鋼板における従来技術の種々の問題点に鑑
み、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、適
正な含有成分および成分割合に調整し、オーステナイト
再結晶温度域における圧延条件を適正に制御することに
より、高温加熱を行っても優れた靭性を有する加速冷却
型490N/mm2級鋼板の製造方法を開発したのであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高靭性鋼板
の製造方法の特徴とするところは、 C 0.13〜0.20wt%、Si 0.05〜0.50
wt%、 Mn 0.5〜1.0wt%、Al0.005〜0.050
wt% を含有し、残部鉄および不可避不純物からなる鋼を12
00〜1300℃の温度に加熱し、オーステナイト再結
晶温度域において全圧下率60%以上の圧下を行った
後、速やかにAr3+100℃の温度に水冷を行い、そ
の後Ar3+100℃〜Ar3−50℃の温度において全
圧下率50%以上の圧下を行って圧延を完了させた後、
400〜650℃の温度まで2〜15℃/secの冷却
速度で冷却することにある。
の製造方法の特徴とするところは、 C 0.13〜0.20wt%、Si 0.05〜0.50
wt%、 Mn 0.5〜1.0wt%、Al0.005〜0.050
wt% を含有し、残部鉄および不可避不純物からなる鋼を12
00〜1300℃の温度に加熱し、オーステナイト再結
晶温度域において全圧下率60%以上の圧下を行った
後、速やかにAr3+100℃の温度に水冷を行い、そ
の後Ar3+100℃〜Ar3−50℃の温度において全
圧下率50%以上の圧下を行って圧延を完了させた後、
400〜650℃の温度まで2〜15℃/secの冷却
速度で冷却することにある。
【0008】本発明に係る高靭性鋼板の製造方法につい
て、以下詳細に説明する。
て、以下詳細に説明する。
【0009】先ず、本発明に係る高靭性鋼板の製造方法
において、使用する鋼の含有成分および成分割合につい
て説明する。
において、使用する鋼の含有成分および成分割合につい
て説明する。
【0010】Cは強度を確保するために不可欠の元素で
あり、含有量が0.13wt%未満では強度不足にな
り、また、0.20wt%を越えて過剰に含有させると
溶接性が著しく低下する。よって、C含有量は0.13
〜0.20wt%とする。
あり、含有量が0.13wt%未満では強度不足にな
り、また、0.20wt%を越えて過剰に含有させると
溶接性が著しく低下する。よって、C含有量は0.13
〜0.20wt%とする。
【0011】Siは含有量が0.05wt%未満では脱
酸効果が期待できず、また、0.50wt%を越えて過
剰に含有させると溶接性が劣化し、かつ、製造費用の上
昇を招来する。よって、Si含有量は0.05〜0.50
wt%とする。
酸効果が期待できず、また、0.50wt%を越えて過
剰に含有させると溶接性が劣化し、かつ、製造費用の上
昇を招来する。よって、Si含有量は0.05〜0.50
wt%とする。
【0012】Mnは強度および靭性を高くするのに有効
な元素であり、含有量が0.5wt%未満ではこのよう
な効果を期待することができず、また、1.0wt%を
越えて含有させると溶接性を劣化し、かつ、製造費用の
上昇を招来する。よって、Mn含有量は0.5〜1.0w
t%とする。
な元素であり、含有量が0.5wt%未満ではこのよう
な効果を期待することができず、また、1.0wt%を
越えて含有させると溶接性を劣化し、かつ、製造費用の
上昇を招来する。よって、Mn含有量は0.5〜1.0w
t%とする。
【0013】Alは脱酸のために必要な元素であり、
0.005wt%未満ではこの効果は少なく、また、0.
050wt%を越えて過剰に含有させると非金属介在物
が増加して靭性が低下し、かつ、製造費用の上昇を招来
する。よって、Al含有量は0.005〜0.050wt
%とする。
0.005wt%未満ではこの効果は少なく、また、0.
050wt%を越えて過剰に含有させると非金属介在物
が増加して靭性が低下し、かつ、製造費用の上昇を招来
する。よって、Al含有量は0.005〜0.050wt
%とする。
【0014】次に、本発明に係る高靭性鋼板の製造方法
における加熱、圧延および冷却条件について説明する。
における加熱、圧延および冷却条件について説明する。
【0015】加熱温度は生産性を向上させるためには、
1200℃以上の温度とする必要があり、また、130
0℃を越える加熱温度では初期オーステナイト粒が粗大
化してしまい、その後の圧延および冷却の条件をどのよ
うに制御しても、最終の組織が微細化しないので、靭性
を確保することが困難となる。よって、加熱温度は12
00〜1300℃とする。
1200℃以上の温度とする必要があり、また、130
0℃を越える加熱温度では初期オーステナイト粒が粗大
化してしまい、その後の圧延および冷却の条件をどのよ
うに制御しても、最終の組織が微細化しないので、靭性
を確保することが困難となる。よって、加熱温度は12
00〜1300℃とする。
【0016】圧延は、オーステナイト再結晶温度域にお
いて全圧下率60%以上の圧下を行うこと、および、A
r3+100℃〜Ar3−50℃の温度域において全圧下
率50%以上の圧延を行うことが重要な工程である。
いて全圧下率60%以上の圧下を行うこと、および、A
r3+100℃〜Ar3−50℃の温度域において全圧下
率50%以上の圧延を行うことが重要な工程である。
【0017】オーステナイト再結晶温度域において全圧
下率を60%以上で圧下を行うのは、高温加熱により粗
大化しているオーステナイト粒を微細な再結晶オーステ
ナイト粒となし、靭性を向上させるためである。
下率を60%以上で圧下を行うのは、高温加熱により粗
大化しているオーステナイト粒を微細な再結晶オーステ
ナイト粒となし、靭性を向上させるためである。
【0018】図1にオーステナイト再結晶温度域におけ
る全圧下率と靭性の関係を示してあり、オーステナイト
再結晶温度域における全圧下率が大きい程靭性が向上す
る傾向にあり、安定して良好な靭性を確保するために
は、オーステナイト再結晶温度域における全圧下率を少
なくとも60%以上とする必要がある。なお、図1にお
いて、0.18wt%C−0.15wt%Si−0.76
wt%Mn−0.021wt%Alの鋼を使用し、板厚
25mmである。
る全圧下率と靭性の関係を示してあり、オーステナイト
再結晶温度域における全圧下率が大きい程靭性が向上す
る傾向にあり、安定して良好な靭性を確保するために
は、オーステナイト再結晶温度域における全圧下率を少
なくとも60%以上とする必要がある。なお、図1にお
いて、0.18wt%C−0.15wt%Si−0.76
wt%Mn−0.021wt%Alの鋼を使用し、板厚
25mmである。
【0019】また、Ar3+100℃〜Ar3−50℃の
温度において全圧下率50%以上の圧延を行うのは、オ
ーステナイト未再結晶温度域の低温側もしくはオーステ
ナイトとフェライトの二相域において圧下を行うことに
より、オーステナイト粒にフェライトの生成核となる変
形帯を多く導入し、フェライトを微細化して靭性を向上
させるためである。しかし、圧下を行う温度がAr3+
100℃を越えると微細なフェライトを生成させるため
に必要な変形帯がオーステナイト中に充分導入できなく
なり、Ar3−50℃未満ではフェライトが加工硬化を
受け、靭性が劣化するためである。
温度において全圧下率50%以上の圧延を行うのは、オ
ーステナイト未再結晶温度域の低温側もしくはオーステ
ナイトとフェライトの二相域において圧下を行うことに
より、オーステナイト粒にフェライトの生成核となる変
形帯を多く導入し、フェライトを微細化して靭性を向上
させるためである。しかし、圧下を行う温度がAr3+
100℃を越えると微細なフェライトを生成させるため
に必要な変形帯がオーステナイト中に充分導入できなく
なり、Ar3−50℃未満ではフェライトが加工硬化を
受け、靭性が劣化するためである。
【0020】図2に示すように圧延の温度がAr3+1
00℃〜Ar3−50℃であっても、全圧下率が50%
未満では微細なフェライトを生成させるために必要な変
形帯がオーステナイト中に充分導入できないため、目標
の靭性値を確保することができない。鋼種および板厚は
図1の場合と同じである。
00℃〜Ar3−50℃であっても、全圧下率が50%
未満では微細なフェライトを生成させるために必要な変
形帯がオーステナイト中に充分導入できないため、目標
の靭性値を確保することができない。鋼種および板厚は
図1の場合と同じである。
【0021】本発明に係る高靭性鋼板の製造方法は、生
産性を向上させるために高温加熱を行っているため、オ
ーステナイト再結晶温度域における圧延完了温度が高く
なる可能性があり、この場合には、必然的にその後の未
再結晶温度域における圧延までの時間が長くなるので、
高温加熱による生産性向上の効果が消失してしまうこと
がある。
産性を向上させるために高温加熱を行っているため、オ
ーステナイト再結晶温度域における圧延完了温度が高く
なる可能性があり、この場合には、必然的にその後の未
再結晶温度域における圧延までの時間が長くなるので、
高温加熱による生産性向上の効果が消失してしまうこと
がある。
【0022】このため、本発明に係る高靭性鋼板の製造
方法においては、圧延までの時間の短縮を図り、高温加
熱による高い生産性を維持するため、オーステナイト再
結晶温度域における圧延後には必ず水冷を行う必要があ
る。この場合、冷却停止温度がAr3+100℃未満の
温度になると、Ar3+100℃〜Ar3−50℃の温度
における圧下率を確保することが不可能となり靭性が劣
化する。よって、オーステナイト再結晶温度域における
圧延後の水冷はAr3+100℃までとする。
方法においては、圧延までの時間の短縮を図り、高温加
熱による高い生産性を維持するため、オーステナイト再
結晶温度域における圧延後には必ず水冷を行う必要があ
る。この場合、冷却停止温度がAr3+100℃未満の
温度になると、Ar3+100℃〜Ar3−50℃の温度
における圧下率を確保することが不可能となり靭性が劣
化する。よって、オーステナイト再結晶温度域における
圧延後の水冷はAr3+100℃までとする。
【0023】次に、冷却条件を説明する。冷却停止温度
は400℃未満では鋼板の平坦度の確保が困難となり、
650℃を越える冷却停止温度では強度上昇効果を得る
ことができない。よって、冷却停止温度は400〜65
0℃とする
は400℃未満では鋼板の平坦度の確保が困難となり、
650℃を越える冷却停止温度では強度上昇効果を得る
ことができない。よって、冷却停止温度は400〜65
0℃とする
【0024】冷却速度が2℃/sec未満の遅い速度で
は強度上昇効果を期待することができず、また、15℃
/secを越えるような速い速度では、鋼板の平坦度の
確保が困難となる。よって、冷却速度は2〜15℃/s
ecとする。
は強度上昇効果を期待することができず、また、15℃
/secを越えるような速い速度では、鋼板の平坦度の
確保が困難となる。よって、冷却速度は2〜15℃/s
ecとする。
【0025】
【実 施 例】本発明に係る高靭性鋼板の製造方法の実
施例を説明する。
施例を説明する。
【0026】表1に示す含有成分および成分割合の鋼を
使用して、表2に示す条件により製造を行った。表3に
機械的性質を示す。表1に示した鋼は、本発明に係る高
靭性鋼板の製造方法において使用する鋼の含有成分およ
び成分割合である。表2において、鋼記号A1、A2・
・・は、表1の鋼Aに対して異なる製造条件を適用した
ことを示しており、鋼記号B1、B2・・・等について
も同様である。表3において、A1、B1、C1、D
1、D2、E1は、何れも本発明に係る高靭性鋼板の製
造方法において規定している加熱、圧延、冷却条件によ
り製造したものであり、引張強さは490N/mm2以
上で、靭性も目標とするvTrs−20以下であり、優
れた特性であることがわかる。また、表3から、比較鋼
A2はオーステナイト再結晶温度域における全圧下率が
小さいため、比較鋼A3はAr3+100℃〜Ar3−5
0℃における全圧下率か小さいため、靭性が劣化してい
ることがわかる。比較鋼B2は冷却停止温度が高いた
め、比較鋼D3は冷却速度が遅いため引張強さが490
N/mm2以下となっている。比較鋼D4は圧延仕上温
度がAr3−50℃未満であるため、比較鋼E2は圧延
仕げ温度がAr3+100℃を越えており、Ar3+10
0℃〜Ar3−50℃における圧下が行われていないの
で、靭性が劣化している。
使用して、表2に示す条件により製造を行った。表3に
機械的性質を示す。表1に示した鋼は、本発明に係る高
靭性鋼板の製造方法において使用する鋼の含有成分およ
び成分割合である。表2において、鋼記号A1、A2・
・・は、表1の鋼Aに対して異なる製造条件を適用した
ことを示しており、鋼記号B1、B2・・・等について
も同様である。表3において、A1、B1、C1、D
1、D2、E1は、何れも本発明に係る高靭性鋼板の製
造方法において規定している加熱、圧延、冷却条件によ
り製造したものであり、引張強さは490N/mm2以
上で、靭性も目標とするvTrs−20以下であり、優
れた特性であることがわかる。また、表3から、比較鋼
A2はオーステナイト再結晶温度域における全圧下率が
小さいため、比較鋼A3はAr3+100℃〜Ar3−5
0℃における全圧下率か小さいため、靭性が劣化してい
ることがわかる。比較鋼B2は冷却停止温度が高いた
め、比較鋼D3は冷却速度が遅いため引張強さが490
N/mm2以下となっている。比較鋼D4は圧延仕上温
度がAr3−50℃未満であるため、比較鋼E2は圧延
仕げ温度がAr3+100℃を越えており、Ar3+10
0℃〜Ar3−50℃における圧下が行われていないの
で、靭性が劣化している。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高靭
性鋼板の製造方法は上記の構成であるから、高温加熱と
圧延途中における水冷を行うことにより靭性の優れた加
速冷却型490n/mm2級鋼板を高い生産性により製
造することができ、高価な合金元素を使用することがな
いという優れた効果を有するものである。
性鋼板の製造方法は上記の構成であるから、高温加熱と
圧延途中における水冷を行うことにより靭性の優れた加
速冷却型490n/mm2級鋼板を高い生産性により製
造することができ、高価な合金元素を使用することがな
いという優れた効果を有するものである。
【図1】オーステナイト再結晶温度域における全圧下率
とvTrsとの関係を示す図である。
とvTrsとの関係を示す図である。
【図2】Ar3+100℃〜Ar3−50℃における全圧
下率とvTrsとの関係を示す図である。
下率とvTrsとの関係を示す図である。
【図3】加熱時間とスラブ中心部の温度との関係を示す
図である。
図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】C 0.13〜0.20wt%、Si 0.
05〜0.50wt%、 Mn 0.5〜1.0wt%、Al 0.005〜0.05
0wt% を含有し、残部鉄および不可避不純物からなる鋼を12
00〜1300℃の温度に加熱し、オーステナイト再結
晶温度域において全圧下率60%以上の圧下を行った
後、速やかにAr3+100℃の温度に水冷を行い、そ
の後Ar3+100℃〜Ar3−50℃の温度において全
圧下率50%以上の圧下を行って圧延を完了させた後、
400〜650℃の温度まで2〜15℃/secの冷却
速度で冷却することを特徴とする高靭性鋼板の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18679191A JPH059574A (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 高靭性鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18679191A JPH059574A (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 高靭性鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059574A true JPH059574A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=16194652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18679191A Pending JPH059574A (ja) | 1991-07-01 | 1991-07-01 | 高靭性鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH059574A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EA017569B1 (ru) * | 2010-10-20 | 2013-01-30 | Республиканское Унитарное Предприятие "Минская Печатная Фабрика" Гознака | Способ формирования изображения на металлизированной алюминием поверхности рулонного полимерного материала и травильный раствор для его осуществления |
-
1991
- 1991-07-01 JP JP18679191A patent/JPH059574A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EA017569B1 (ru) * | 2010-10-20 | 2013-01-30 | Республиканское Унитарное Предприятие "Минская Печатная Фабрика" Гознака | Способ формирования изображения на металлизированной алюминием поверхности рулонного полимерного материала и травильный раствор для его осуществления |
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