JPH059482U - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯水に含まれる油分の洗濯槽内面や洗濯物
への付着を防止しながら洗濯ができ、しかも、それが、
他機能部品を有効に利用してできるようにする。 【構成】 網状のフィルタ２２を具え、このフィルタ２
２に洗濯水を通してリントを捕獲するようにしたものに
おいて、そのフィルタ２２を疎水親油性の油吸着材によ
り構成することにより、洗濯水に含まれるリントの捕獲
だけでなく、油分の吸着除去も、フィルタ２２によりで
きるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は洗濯物から出る油分の処理ができる洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、洗濯機においては、特に油汚れした洗濯物を洗濯するときに、油分 が出て、それが洗濯水に含まれるもかかわらず、その有効な処理を行なうように はなっていなかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このため、従来のものでは、洗濯水に含まれた油分が、洗濯槽の内面に付着し てそれが汚くなったり、あるいは洗濯物に再付着してその洗濯効果を損ねたりす る問題点を有していた。

【０００４】 本考案は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、洗濯水 に含まれた油分の洗濯槽内面への付着や洗濯物への付着を防止しながら洗濯がで きる洗濯機を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の洗濯機においては、網状のフィルタに洗 濯水を通してリントを捕獲するようにしたものにおいて、そのフィルタを疎水親 油性の油吸着材により構成したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

上記手段によれば、疎水親油性の油吸着材により構成したフィルタに洗濯水が 通り、その過程で、洗濯水に含まれた油分がフィルタに吸着され取除かれる。

【０００７】

【実施例】 以下、本考案の一実施例につき、図面を参照して説明する。

【０００８】 まず図１には洗濯機全体の外箱１を示しており、これの内部に外槽２を弾性吊 持機構３（一部のみ図示）により支持して配設している。外槽２の内部には、洗 濯槽であり又脱水槽でもある内槽４を配設しており、内槽４の内部には底部に撹 拌体５を配設している。又、外槽２の外下方部には、モータ６を主体とする駆動 機構７を配設しており、この駆動機構７によって、洗濯時に内槽４を制止させて 撹拌体５を回転させ、脱水時に内槽４を撹拌体５と共に回転させるようにしてい る。このほか、外槽２の外下方部には、外槽２内（内槽４内）の水を機外に排出 するための排水弁８及び排水ホース９をも配設している。

【０００９】 上記撹拌体５の裏側にはポンプ羽根１０を設けており、これに水路１１の入口 部１２を臨ませている。水路１１は内槽４の内周側部の一か所に上下に延ばして 形成しており、その内槽４内に面する開放部にはカバー１３を装着している。又 、水路１１は出口部１４を内槽４の上端開口縁部に装着したバランスリング１５ の凹部１６下に有しており、この出口部１４を形成したカバー１３の上部両側に は、図２に示すように、上下に延びる溝部１７を形成している。

【００１０】 しかして、上記溝部１７には、フィルタベース１８の基盤部１９両側部を嵌合 している。又、このフィルタベース１８の基盤部１９上部には角形の筒部２０を 形成しており、この筒部２０の先端部両側に溝部２１を形成し、この溝部２１に 、網状、この場合、密目の網袋から成るフィルタ２２の開口縁部を取着したフィ ルタ枠２３の両側部を着脱可能に装着している。そして、フィルタ２２には、水 になじまず油を吸着するという疎水親油性の繊維、例えば三井石油化学工業株式 会社の商品名でいうタフネルオイルブロッターやユニセル株式会社の商品名でい うオルソーブといった油吸着材により構成している。

【００１１】 次に、上記構成のものの作用を述べる。洗濯時、撹拌体５が駆動機構７によっ て回転されることは既述のごとくであるが、このように撹拌体５が回転されると 、その裏側のポンプ羽根１０によって、内槽４内の洗濯水が水路１１にその入口 部１２から送り込まれ、水路１１内を通されて、更に出口部１４からフィルタベ ース１８の筒部２０，フィルタ枠２３及びフィルタ２２を順に通され、内槽４内 に戻される。これを繰返す中で、洗濯水に含まれたリントは、洗濯水がフィルタ ２２を通過する過程で、該フィルタ２２により捕獲される。又、このとき、洗濯 物が油汚れしたもので、それから出た油分を洗濯水が含むときには、この洗濯水 がやはりフィルタ２２を通過する過程で、疎水親油性の油吸着材から成る該フィ ルタ２２により、油分が吸着され取除かれる。

【００１２】 このように本構成のものでは、洗濯水が通るフィルタ２２を疎水親油性の油吸 着材により構成したことで、洗濯水に含まれた油分を吸着し取除くことができる もので、それにより、洗濯槽内面や洗濯物への油分の付着を防止しながら洗濯が できるから、それら洗濯槽内面及び洗濯物を油分で汚さず、きれいに保つことが できる。しかも、この場合、フィルタ２２は、本来、洗濯水からリントを捕獲す るものであり、このように他機能部品を有効に利用して油分の吸着除去ができる ことから、コストも安く抑えることができる。

【００１３】 なお、フィルタ２２は、水路１１の出口部１４でなく、洗濯槽内の水面部分や 水中に位置されて洗濯水を通すものであっても良い。

【００１４】 そのほか、本考案は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものでは なく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。

【００１５】

【考案の効果】

以上の記述で明らかなように、本考案の洗濯機は、網状のフィルタを具え、こ のフィルタに洗濯水を通してリントを捕獲するようにしたものにおいて、そのフ ィルタを疎水親油性の油吸着材により構成したことを特徴とするものであり、そ れによって、洗濯水に含まれた油分をフィルタにより吸着除去できるから、その 油分の洗濯槽内面や洗濯物への付着を防止しながら洗濯ができ、それらをきれい に保つことができると共に、更には、それを、本来、洗濯水からリントを捕獲す るという他機能部品を有効に利用して達成できるから、コストも安く抑えること ができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す全体の縦断側面図

【図２】フィルタ部分の斜視図

【符号の説明】

７は駆動機構、１０はポンプ羽根、１１は水路、２２は
フィルタを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 網状のフィルタを具え、このフィルタに
   洗濯水を通してリントを捕獲するようにしたものであっ
   て、そのフィルタを疎水親油性の油吸着材により構成し
   たことを特徴とする洗濯機。