JP2014226176A - 洗濯機用ろ過装置及びこれを取り付けた洗濯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】捕集した糸屑等のゴミを簡単に廃棄でき、かつ、その捕集性能を向上させた洗濯機用ろ過装置及びこれを取り付けた洗濯機を提供する。
【解決手段】互いに対向し合うように装着可能な表面板30と裏面板40を有し、当該表面板30と当該裏面板40との間に洗濯水を導入する導入開口41が形成され、前記表面板40にはフィルタ部が設けられた洗濯機用ろ過装置において、前記表面板30と前記裏面板40の少なくとも一方に凸部を設けて、前記表面板30と前記裏面板40とを互いに対向し合うように装着した状態のときに複数の前記凸部を形成し、複数の前記凸部のうち二つ以上は、上下方向および幅方向の両方向について、異なる場所に独立して位置させた。
【選択図】図13
【解決手段】互いに対向し合うように装着可能な表面板30と裏面板40を有し、当該表面板30と当該裏面板40との間に洗濯水を導入する導入開口41が形成され、前記表面板40にはフィルタ部が設けられた洗濯機用ろ過装置において、前記表面板30と前記裏面板40の少なくとも一方に凸部を設けて、前記表面板30と前記裏面板40とを互いに対向し合うように装着した状態のときに複数の前記凸部を形成し、複数の前記凸部のうち二つ以上は、上下方向および幅方向の両方向について、異なる場所に独立して位置させた。
【選択図】図13
Description
本発明は、洗濯水に含まれる糸屑等のごみをろ過する洗濯機用ろ過装置及びこれを取り付けた洗濯機に関する。
従来、洗濯槽内の洗濯水に含まれる糸屑等を捕集する捕集装置としては、袋状のフィルタの開放側を枠状の取付部材に取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この捕集装置は、洗濯槽の内壁に取付部材を介して袋状のフィルタが取り付けられる構成となっている。具体的には、枠状の取付部材の四隅から突出する鉤状爪を洗濯槽側に形成した孔に引っ掛けるように差し込んで取り付ける構成となっている。
この捕集装置では、洗濯時に洗濯槽内で流れる洗濯水に同伴する糸屑等が袋状のフィルタ内に捕集されることとなる。
しかしながら、この捕集装置では、袋状の内側のフィルタ面に付着した糸屑等は、袋状のフィルタを裏返して、袋状の外側(裏返した内側)のフィルタ面にあてがった一方の手指上で、当該糸屑等を他方の手指にて摘み取る必要があり、捕集した糸屑等の廃棄が極めて煩雑であった。また、従来の捕集装置は、フィルタで一度捕集した糸屑等が再び捕集装置の外に逃げ、洗濯水へと戻ってしまい易い構造であった。
そこで、本発明の課題は、捕集した糸屑等のゴミを簡単に廃棄でき、かつ、その捕集性能を向上させた洗濯機用ろ過装置及びこれを取り付けた洗濯機を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の洗濯機用ろ過装置は、表面板と裏面板とが対向し合うように配置され、前記表面板及び前記裏面板のうちの少なくとも前記表面板にはフィルタ部と指掛部とが設けられると共に、前記表面板及び前記裏面板のうちの少なくとも前記裏面板には、当該表面板と当該裏面板との間に洗濯水を導入する導入開口が形成され、前記表面板と前記裏面板との一端同士が回動軸を介して軸支されて当該表面板及び当該裏面板が相対的に前記回動軸周りに回動自在になっており、当該表面板及び当該裏面板の少なくとも一方は、当該回動軸に対して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の洗濯機は、前記の洗濯機用ろ過装置が洗濯槽に取り付けられた洗濯機であって、前記指掛部が前記洗濯槽の深さの半分の位置よりも上方に位置していることを特徴とする。
本発明によれば、捕集した糸屑等のゴミを簡単に廃棄でき、かつ、その捕集性能を向上させた洗濯機用ろ過装置及びこれを取り付けた洗濯機を提供することが可能となる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る洗濯機は、後記する洗濯機用ろ過装置を取り付けたものであり、以下では、洗濯機の全体構成について説明した後に、本実施形態の洗濯機用ろ過装置について詳細に説明する。
<洗濯機>
図1は、本発明の実施形態に係る洗濯機1の構成説明図である。洗濯機、特に全自動洗濯機は、鋼板製の外枠5内に、吊り棒8およびコイルバネや弾性ゴムからなる防振装置4によって、洗濯兼脱水槽3を回転自在に内置した、合成樹脂製の外槽6を、吊架した構成となっている。外枠5上部には、制御手段であるコントロールユニット7、給水手段である電磁給水弁8を備えた合成樹脂製の上面カバー9が設けられ、外枠5下部には、合成樹脂製のベース部材10を有する。
図1は、本発明の実施形態に係る洗濯機1の構成説明図である。洗濯機、特に全自動洗濯機は、鋼板製の外枠5内に、吊り棒8およびコイルバネや弾性ゴムからなる防振装置4によって、洗濯兼脱水槽3を回転自在に内置した、合成樹脂製の外槽6を、吊架した構成となっている。外枠5上部には、制御手段であるコントロールユニット7、給水手段である電磁給水弁8を備えた合成樹脂製の上面カバー9が設けられ、外枠5下部には、合成樹脂製のベース部材10を有する。
以下、上述した各部材の詳細について説明する。
図1に示すように、洗濯機1は内部機構を内包する略箱形の鋼板製の外枠5と、外枠5の下部に合成樹脂製のベース部材10を有し、ベース部材10の4隅には脚部10aが4箇所嵌挿されており、床面と直接接して洗濯機1本体を支えている。ベース部材10の後部には、排水ホース11を引き出すホース引き出し口11aを設ける。
外枠5の上部には、合成樹脂で形成された上面カバー9が取り付けられ、上面カバー9の中央部には洗濯物12等を出し入れする洗濯物投入口9aを有しており、この洗濯物投入口9aを開閉するための蓋体9bが設けられている。上面カバー9の内部に有する電気部品は、上面カバー9の前側と後側の2箇所に設けられており、前側裏面に前部保護カバー9c、後側裏側に後部保護カバー9dを装着している。上面カバー9と前部保護カバー9cにて構成される空間部分には、電源スイッチ13、洗濯等の各工程などを操作する入力スイッチ部14、各工程の進行状況を表示する進行表示部14aなどを収納している。
上面カバー9と後部保護カバー9dにて構成される空間部分には、制御手段であるコントロールユニット7、水位を検知する感圧式の水位センサー15、洗濯水を外槽6に給水する電磁給水弁16等が収納されている。コントロールユニット7は、前部保護カバー9cによって構成される空間内、後部保護カバー9dによって構成される空間内のどちらに配置されていても構わない。また上面カバー9の後部外側には、水道の蛇口に接続された給水ホース17が設けられ、その他端は電磁給水弁16に接続されている。
尚、裏面に設けられた、前部保護カバー9c及び後部保護カバー9dは上面カバー9の表面から取り付けられる構成であって、電源スイッチ13や入力スイッチ部14が表面から取り付けられた部材に設けられた構造でも良い。上面カバー9は外枠5の上方開口部を包括するように、外枠5の上部に前部保護カバー9c,後部保護カバー9dを介し、上方または側面からネジ9eにて外枠5に固着されている。
外枠5の枠体内には、洗濯水を溜める有底略円筒状の外槽6を有し、外槽6は外枠5の上端から吊り下げ支持する吊り棒8および、コイルバネや弾性ゴムからなる防振装置4により垂下防振支持されている。外槽6は合成樹脂で形成されており、その下部壁面には水位検出のためのエアートラップ6aが形成されている。
外槽6内の洗濯水の水位の検出は、このエアートラップ6aから、エアーチューブ6bを介し水位検出手段である感圧式の水位センサー15にて行われる。洗濯工程等を行う際、コントロールユニット7の指令により、電磁給水弁16を開き、外槽6内に洗濯水が給水される。所定の水位になると水位センサー15により検知し、コントロールユニット7の指令により電磁給水弁16を閉め、給水を停止する。
外槽6の底部外側には排水装置である排水弁17、および排水ホース11が設けられ、外槽6底部に有する外槽排水口6cと排水弁17、排水弁17と排水ホース11は嵌着されている。脱水工程等を行う際、コントロールユニット7の指令により排水弁17が開かれ、外槽6内の洗濯水は、排水ホース11の他端から洗濯機1の機外へ排水する。排水ホース11は表面に蛇腹を有しており、合成樹脂にて一体成型したものである。
また外槽6内周と洗濯兼脱水槽3外周との間には隙間があり、この隙間に洗濯物等が入らなくするとともに、外槽6全体の剛性を保つために、外槽6上面には洗濯兼脱水槽3に設けた流体バランサ19の上面を覆うような槽カバー20を備えている。
また、外槽6の底部外側には、鋼板製の取付けベース21を介して、駆動用モータ22、および駆動用モータ22の回転数を減速する減速機構24が取り付けられている。駆動用モータ22には誘導電動機または、同期電動機が用いられる。駆動機構は、駆動用モータ22でVベルト(図示せず)および減速機構24を介して攪拌翼2を駆動するものであっても、駆動用モータ22の駆動軸が減速機構24と同一軸上に構成されたものであっても良い。
回転数を減速する減速機構24の内部には、洗濯動作と脱水動作の切替えを行う電動操作クラッチ機構24aと遊星歯車減速機構24bを備えている。電動操作クラッチ機構24aにより、洗濯兼脱水槽3を静止させた状態で攪拌翼2を左右に回転させたり(攪拌モード)、洗濯兼脱水槽3と攪拌翼2を一体的に同一方向に回転させたり(脱水モード)を選択できる。
コイルバネや弾性ゴムからなる防振装置4は吊り棒8,吊り棒保持具8a,摺動筒4c,防振バネ4d,バネ受4e等から構成されている。吊り棒8の上端には凸球面を持った吊り棒保持具8aが固着され、吊り棒保持具8aは外枠5の上部4隅に設けられたコーナープレート5aの凹球面に嵌着されている。摺動筒4cは、外槽6に設けられた摺動筒受け6dの凹球面に嵌着されるよう凸球面を有し、内部には防振バネ4d,バネ受4eを設け、外槽6の振動を抑制している。
外枠5の下部に有する合成樹脂製のベース部材10は、外枠5とネジを用いて固定されており、外枠5の鋼板下端部の露出を防止し耐食性を向上させているとともに、外枠5全体の剛性を向上させることにより、洗濯機1の外部障害からの保護を図っている。
次に、本実施形態における洗濯兼脱水槽3について説明する。洗濯兼脱水槽3は、ステンレス鋼板で形成され、周壁に洗濯物12に含まれている洗濯水を遠心力にて洗濯物12と分離し排出するための脱水孔3bを複数個有している胴体部3aと、洗濯物12の偏りと反対方向にバランス用の流体が移動して、洗濯物12の偏りによる外槽6の振動を抑制する流体バランサ19を胴体部3aの上縁部に備えている。また、胴体部3aの底部には、上向きに湾曲した断面形状を持つ底板25が下端部に止着され、軸方向に長い有底円筒形状に形成されている。前記底板25の底面には、外槽6に通じる吸水口25aを複数個備えている。
洗濯兼脱水槽3の底部であって底板25の内周側には、回転自在な攪拌翼2を有している。この攪拌翼2は、底板25の大部分を覆う大径であって、周縁部を迫り上げるように上向きに湾曲させて、皿状形態に形成されており、洗濯物12を受け支える状態で回転するような構成となっている。尚、攪拌翼2の裏面には、裏羽根2aを放射状に一体に設けてある。また、攪拌翼2は、表面と裏面を連通する孔2bを湾曲した部分に多数有している。
攪拌翼2は、駆動用モータ22の回転数を減速機構24に設けた遊星歯車減速機構24bにより減速され、攪拌翼2の回転数は例えば、毎分90〜150回転で回転される。この攪拌翼2はコントロールユニット7の指令により正転/逆転を繰り返し、洗濯兼脱水槽3に有する洗濯物12を上下動に攪拌することにより、洗濯,すすぎ等を行う。
また、図2に示すように、本実施形態では、洗濯兼脱水槽3の内周面に、周方向に4箇所の循環流路部材26,27,28,29が設けられている。そして、各循環流路部材の裏面において、洗濯兼脱水槽3との間に独立した循環水路26b,27b,28b,29bをそれぞれ形成している。また、各循環流路部材の下部には、洗濯液を各循環水路へ流入させるための流入口が設けられ、各循環流路部材の上部には流路の出口としてシャワーを散水するための開口部26c,27c,28c,29cがそれぞれ設けられている。
さらに、底板25の内周側と、攪拌翼2の裏面に設けられた裏羽根2aの外周側とで形成されたポンプ室25bに、各循環水路が連通して設けられている。そして、洗濯液が攪拌翼2の裏側に設けた裏羽根2aの回転により発生する遠心力で外側に押し出されることによって、各循環水路を経由して洗濯液が上昇し、各循環流路部材の上部に設けた開口部から洗濯液が間欠的に注がれる。
次に、上述した4箇所の循環流路から洗濯兼脱水槽3内に向かって洗濯液を流入するときの動作について説明する。まず、洗濯物12を洗濯兼脱水槽3の中に投入し、電源スイッチ13をオンし、入力スイッチ部14に設けたスタートスイッチ(図示せず)をオンすると、コントロールユニット7の指令により、電磁給水弁16を制御して所定水位まで給水し、洗濯工程に入る。洗濯工程に入ると、駆動用モータ22は洗濯水流に応じて右回転・休止・左回転・休止とコントロールユニット7によって制御されて回転する。この制御された駆動用モータ22の回転は、減速機構24を介して攪拌翼2に伝えられる。したがって、駆動用モータ22の回転に応じて攪拌翼2および攪拌翼2の裏羽根2aが回転し、洗濯兼脱水槽3の中の洗濯物12と洗濯液が撹拌され、洗濯物12が洗浄される。
一方、攪拌翼2の裏羽根2aと各循環流路部材との間の洗濯液は、攪拌翼2の回転に応じて裏羽根2aの回転により遠心力で外側に押し出され、各循環水路を通って循環水路に設けた開口部またはろ過装置Fから洗濯兼脱水槽3内に間欠的に注がれる。尚、攪拌翼2の裏羽根2aによって各循環水路に押し出された洗濯液の後には、攪拌翼2の裏羽根2aの下部にある底板25に設けた外槽6に通じる吸水口25aから新しい洗濯液が供給される。すなわち、外槽6と洗濯兼脱水槽3の間の洗濯液が供給されることになり、外槽6と洗濯兼脱水槽3の間の液面は、洗濯液を循環流路部材から吐出される瞬間は、洗濯兼脱水槽3内の洗濯液水位のほうが一時的に低くなる。ただし、洗濯兼脱水槽3の脱水用の穴3bおよび洗濯兼脱水槽3と攪拌翼2の間の隙間から、洗濯液が外槽6に流れるので、液面の差はある値でバランスし、一定となる。
このように洗濯液は、洗濯兼脱水槽3より攪拌翼2の裏羽根2a,各循環水路を通って開口部等より吐出され、洗濯物12を通して洗濯兼脱水槽3へ達する経路で循環し、洗剤の溶解を助けると同時に、洗濯物12へ洗剤液を充分に浸透させることができるので、洗浄効果を大幅に高めることができる。
<ろ過装置収容ケース及び洗濯機用ろ過装置>
図1に示すように、本実施形態の洗濯機1は、2組の洗濯機用ろ過装置F(以下、単に「ろ過装置F」という)を備えており、ろ過装置F,F同士は、互いに対向するように、洗濯兼脱水槽3の内周面に取り付けられている。更に詳しく説明すると、ろ過装置Fは、ろ過装置収容ケースを兼ねる第1の循環流路部材27や第2の循環流路部材26を介して、洗濯兼脱水槽3の内周面に取り付けられている。本実施形態での循環流路部材及びろ過装置Fは、樹脂で形成されているが、所定の機械的強度、加工性が得られればこれに限定されることなく、金属等の他の材料で形成することもできる。
図1に示すように、本実施形態の洗濯機1は、2組の洗濯機用ろ過装置F(以下、単に「ろ過装置F」という)を備えており、ろ過装置F,F同士は、互いに対向するように、洗濯兼脱水槽3の内周面に取り付けられている。更に詳しく説明すると、ろ過装置Fは、ろ過装置収容ケースを兼ねる第1の循環流路部材27や第2の循環流路部材26を介して、洗濯兼脱水槽3の内周面に取り付けられている。本実施形態での循環流路部材及びろ過装置Fは、樹脂で形成されているが、所定の機械的強度、加工性が得られればこれに限定されることなく、金属等の他の材料で形成することもできる。
次に参照する図3は、第1の循環流路部材に組み付けたろ過装置の正面図である。図4は、第1の循環流路部材27と、この第1の循環流路部材27から取り外されたろ過装置の斜視図である。
図3に示すように、第1の循環流路部材27は、洗濯兼脱水槽3の上下方向(深さ方向)に延在する正面視で矩形の略板状体で形成されている。この第1の循環流路部材27は、洗濯兼脱水槽3の内周面との間に洗濯水が通流可能な間隙50(図4参照)を残して洗濯兼脱水槽3の内周面を所定幅Bで覆うように配置されている。そして、ろ過装置Fは、この第1の循環流路部材27の所定幅B方向(洗濯兼脱水槽3の周方向)の中央部下方寄りに配置されている。
図4に示すように、第1の循環流路部材27は、ろ過装置Fが組み付けられる部分に、このろ過装置Fが収まる形状の凹部51が形成されている。そして、凹部51の深さは、ろ過装置Fの厚さに応じて設定されている。これにより、この凹部51に収められたろ過装置Fの前面は、凹部51の周囲で第1の循環流路部材27と略面一となる。
凹部51には、この凹部51に収められたろ過装置Fにおける後記の洗濯水の導入開口41(図5参照)に対応するように、ケース側開口52が形成されている。このケース側開口52は、第1の循環流路部材27と、洗濯兼脱水槽3の内周面との間に形成される間隙50に連通している。この間隙50の断面形状は、洗濯兼脱水槽3の周方向の円弧と、第1の循環流路部材27の後面の直線とで区画される、薄い三日月形状を呈している。そして、この間隙50は、第1の循環流路部材27の下端の洗濯水導入口60と連通し、洗濯水導入口60の開口部は、洗濯兼脱水槽3の中央側を向いている。
また、凹部51内の上側には、ろ過装置Fの後記する係止爪32が嵌入されて係止される係止穴53が形成されている。凹部51内の下側には、ろ過装置Fの下端を受け止める位置に、ろ過装置FのヒンジHが嵌入される嵌入穴42が形成されている。なお、この凹部51内に次に説明するろ過装置Fが配置された際に、ろ過装置Fの後側で凹部51との間に僅かな間隙70(図6参照)が形成されることとなる。
次に、ろ過装置Fについて説明する。なお、以下のろ過装置Fの説明における上下左右前後の方向は、洗濯兼脱水槽3の内周面に取り付ける状態で洗濯兼脱水槽3の中央側から見た手前側をろ過装置Fの前側、向かって洗濯兼脱水槽3の周方向左側をろ過装置Fの左側、洗濯兼脱水槽3の上側をろ過装置Fの上側とした、図4の前後左右上下を基準とする。
図4に示すように、ろ過装置Fは、薄く上下に長い略直方体形状を有し、その内側は中空になっている。ろ過装置Fの上部中央には係止爪32を有し、下部中央にはヒンジHを有している。係止爪32は、第1の循環流路部材27の前記係止穴53に嵌入されることにより、ろ過装置Fの上端を第1の循環流路部材27に支持する。この係止爪32は、板体を屈曲させて形成されており、ろ過装置Fの上端に接続される板体が後側に向けて延出する途中で前側に向けて折り返されるように形成され、断面視で略U字状を呈している。この係止爪32は、バネ弾性を有しており、U字を形成する上板及び下板が上下方向に弾発力をもって変位可能となっている。また、係止爪32の上板の上面には、突起32aが形成されている。なお、図示しないが、第1の循環流路部材27の係止穴53の上壁(天井)には、凹部51にろ過装置Fが配置された際に、係止爪32の突起32aを受け入れる穴が形成されている。
ヒンジHは、下方に突出するように形成されている。このヒンジHは、後に詳しく説明するように、ろ過装置Fの表面板30の下端と、裏面板40の下端とを軸支することで、このヒンジH周りにこれら表面板30と裏面板40とを相対的に回動させる構成となっている。そして、ヒンジHは、前記のとおり、第1の循環流路部材27に形成される前記嵌入穴42に嵌入されることにより、ろ過装置Fの下端を第1の循環流路部材27に支持する。
また、ろ過装置Fの前側には、上下方向の少なくとも下半分を占めるようにフィルタ部33が形成され、フィルタ部33が形成されていないろ過装置Fの前側の上部には、左右横長の窪みで指掛部31が形成されている。フィルタ部33は、略格子状の枠部33aで複数の孔部33bが区画され、これらの孔部33bは、中空のろ過装置Fの内外を連通させている。そして、各孔部33bを遮るようにメッシュ状のフィルタ材料33cが配置されている。ちなみに、ろ過装置Fの前側に設けられるフィルタ部33の略格子状の枠部33aは、洗濯時に洗濯物が洗濯兼脱水槽3内で攪拌される際にこれに擦れることで、いわゆる洗濯板効果を発揮する。
本実施形態での指掛部31は、ろ過装置Fの正面視で横長楕円形状を呈しているが、その形状は特に制限はなく、横長の矩形であってもよい。また、本実施形態での指掛部31は、第1の循環流路部材27に対するろ過装置Fの着脱時に、ユーザの親指の腹を前記の係止爪32にあてがった際に、少なくとも人さし指を挿し入れる幅及び深さのものを想定している。この指掛部31の横幅は、人さし指及び中指の二指、ないしは親指及び小指を除く他の三指が挿し入れ可能な程度に設定されることが望ましいがこれに限定されるものではない。
また、第1の循環流路部材27対するろ過装置Fの位置、ないしはろ過装置Fにおける指掛部31の位置Pは、図3に示すように、洗濯兼脱水槽3(洗濯槽)の深さD1の半分の位置よりも上方であることが望ましい。また、洗濯兼脱水槽3の開口からの距離D2は、20cm以内とすることが望ましい。ちなみに、本実施形態での指掛部31の位置Pは、指掛部31の縦幅の中央位置で規定している。
図5に示すように、ろ過装置Fは、前側に配置される表面板30と、後側に配置される裏面板40と、を備えて構成されている。つまり、表面板30は、ろ過装置Fの前側半体を形成し、裏面板40は、ろ過装置Fの後側半体を形成している。これら表面板30及び裏面板40同士は、互いに貝合わせされることによりその内側に中空部を形成している。
表面板30には、前記の係止爪32と、指掛部31と、フィルタ部33と、後記する裏面板40の軸部43と協働してヒンジHを構成するフック部34と、が形成されている。 フック部34は、表面板30と裏面板40とが重ね合わせられた状態で、軸部43の後半周面と当接するようにU字状を形成している。このフック部34については、裏面板40の軸部43と共に後に詳しく説明する。
また、表面板30の係止爪32の基端部には、次に説明する裏面板40の第1の係合凹部44aと嵌合する第1の係合突起35aを有している。また、表面板30のフック部34の基端部には、次に説明する裏面板40の第2の係合凹部44bと嵌合する第2の係合突起35bを有している。
裏面板40には、ろ過装置Fが第1の循環流路部材27に収容された際に前記のケース側開口52(図4参照)に対応する位置に、洗濯水の導入開口41が形成されている。この導入開口41は、中空のろ過装置Fの内外を連通させている。本実施形態での導入開口41は、裏面板40の上下方向の略中央に形成されている。
また、裏面板40は、表面板30との間に洗濯水の逆流防止壁45を有している。本実施形態での逆流防止壁45は、表面板30のフィルタ部33と対向する裏面板40の内壁から表面板30側に向けて立ち上がるように形成されている。具体的には、逆流防止壁45は、導入開口41の直ぐ下方で隣接するように裏面板40の内壁に立設されている。つまり、逆流防止壁45は、導入開口41を介してろ過装置F内に導入された洗濯水が、フィルタ部33からろ過装置F外に抜けて流れていく流路途中に形成されている。このような逆流防止壁45は、導入開口41からろ過装置Fの内側に導入された洗濯水が、再び導入開口41に向けて流れようとする逆流を遮ることとなる。
また、裏面板40は、表面板との間に案内板36を有している。本実施形態での案内板36は、導入開口41の直ぐ上方で隣接するように裏面板40の内壁に立設されている。具体的には、導入開口41の直ぐ上方からフィルタ部33の上端に向けて延出している。ちなみに、本実施形態での導入開口41の上縁は、フィルタ部33よりも上方に位置しているので、案内板36は、裏面板40の内壁から下り勾配となるように傾斜して形成されている。このような案内板36は、導入開口41からろ過装置Fの内側に導入された洗濯水をフィルタ部33に向けて流れるように案内することとなる。
また、裏面板40の下端には、表面板30のフック部34に支承させる、軸部43が形成されており、この軸部43は、フック部34と共に前記のヒンジHを構成している。そして、フック部34は、前記したように、裏面板40と表面板30とが重ね合わせられた状態で、軸部43の後側から当接するU字状を呈している。つまり、裏面板40と表面板30とが重ね合わせられた状態では、軸部43からフック部34を離反させることはできないが、後記するように裏面板40に対して表面板30を180°反転させると(図9参照)、U字の開放側から軸部43が離脱可能となって、軸部43からフック部34を離反できるようになっている。
裏面板40は、図11に示す通り、表面板30(特にフィルタ部33)と対向する場所の内側面に、補強リブ49が形成されている。この補強リブは、水流と平行な方向であって裏面板40の幅方向略中央に1本、水流と垂直な方向に2本、がそれぞれ設けられている。この補強リブ49よりも高く、少なくとも3mm以上の凸部を形成する複数のピン46a,46b,46c,46dが裏面板40の内側に形成されている。そして、裏面板40の幅方向両端側であって導入開口41に近い側には、外側上部ピン46a,46bが位置し、裏面板40の幅方向中央側であって導入開口41から遠い側には、内側下部ピン46c,46dが位置している。
一方で、表面板30の内側面にも、図12に示す通り、3mm以上の凸部を形成する複数のピン47a,47b,47c,47dが取り付けられている。そして、表面板30の幅方向両端側であって上方側には、外側上部ピン47a,47bが位置し、表面板30の幅方向中央側であって下方側には、内側下部ピン47c,47dが位置している。なお、表面板30の内側面にも、ピンより寸法の短い補強リブを形成して良い。
このような構造において、導入開口41から幅方向中央付近を通って下方へ流れた洗濯水が、ろ過装置Fの底壁面に当たって幅方向両端の側壁面に沿って上方へ向かっても、複数のピンが表面板30と裏面板40との間に位置しているため、逆流防止壁45を乗り越えて導入開口41から再びろ過装置F外へ出て行く前に、糸屑を捕集することが可能となる。本実施形態では、図13のように、表面板30側のピンも裏面板40側のピンも、幅方向両端側のピンが幅方向中央側のピンよりも上側すなわち導入開口41に近い側に形成されているため、ろ過装置Fの幅方向両端側の糸屑が通過し易い場所で、糸屑を捕集するためのスペースが広く確保されており、捕集性が向上する。仮に、幅方向両端側のピンを幅方向中央側のピンよりも下側に形成した場合、幅方向両端側のピンによる捕集がすぐに限界に達してしまう可能性がある。
また、図13のように表面板30と裏面板40を折り畳んだ状態において、幅方向中央側で隣接するピン47c,47dの間隔を、幅方向両端側で隣接するピン47a,46aの間隔やピン47b,46bの間隔よりも大きく確保している。これにより、導入開口41からろ過装置F内に流入して下方へ流れる洗濯水のルートを確保しつつ、幅方向両端側で糸屑をスムーズに捕集できる。
ここで、図14に示す通り、表面板30側に設けられた複数のピン47a,47b,47c,47dは、裏面板40側に設けられた複数のピン46a,46b,46c,46dよりも、長いものが利用されている。このため、脱水工程等で洗濯物12によって表面板30が押し付けられた場合であっても、表面板30側のピンが裏面板40に当接して表面板30が一定以上裏面板40側に近づかないよう支持できる。その結果、裏面板40側のピンが表面板30側のフィルタ部33と接触せず、フィルタ部33の破損を防ぐことが可能となる。なお、裏面板40側のピンが、各孔部33bを遮るフィルタ材料33cと対向する位置でなく、略格子状の枠部33aと対向する位置に設ければ、裏面板40側のピンを表面板30側のピンと同等以上の長さとしても、フィルタ材料33cは破れない。しかし、その場合は、裏面板40側のピンの配列が、表面板30側の枠部33aの形状に影響されてしまい、糸屑の捕集性や清掃性を十分に高められない可能性がある。
また、本実施形態では、ろ過装置Fを折り畳んだ状態のときに、その幅方向について、表面板30側の隣り合うピン47a,47cの間に、裏面板40側のピン46a,46cを位置させ、表面板30側の隣り合うピン47b,47dの間に、裏面板40側のピン46b,46dを位置させている。さらに、その上下方向について、表面板30側のピン47a,47cの間に、裏面板40側のピン46aを位置させ、表面板30側のピン47b,47dの間に、裏面板40側のピン46bを位置させている。
ここで、ピンの数を増やすと、糸屑の逆流がより抑制されて、捕集性能も向上する傾向にあるが、ピン数の増加につれてピン同士との間隔が短くなり易く、利用者が糸屑を取り除き難くなる。しかし、本実施形態のように、表面板30と裏面板40の両方にピンを4本設け、折り畳んだ時にこれらが互いに異なる位置に来るように形成することにより、例えば裏面板40だけに8本のピンを設けた場合と比べて、ろ過装置Fを展開したときのピンの間隔を広く確保でき、メンテナンス性が向上する。その結果、捕集性を高めつつ、良好なメンテナンス性を有する、ろ過装置Fを実現できる。
なお、本実施形態における複数のピンは、金型を用いて表面板30や裏面板40と一体に成形するものであるが、複数のピンを表面板30や裏面板40とは別体に取り付けても良い。
また、本実施形態では、表面板30と裏面板40の両方に4本のピンを設けているが、このような構造に限らず、表面板30と裏面板40とを折り畳んだ状態で少なくとも2つの凸部が形成されるような構造であれば、表面板30または裏面板40のどちらかだけに凸部を設けた場合であっても、いずれにも凸部が無い場合と比べ、糸屑の逆流を防いで捕集性能を高める効果が期待できる。この凸部は、断面円形の円柱形状に限らず、円錐形状、断面多角形の角柱や角錐、傾斜する形状であっても、糸屑が捕集し易ければ構わない。
なお、裏面板40の逆流防止壁45の下方で、かつ、ろ過装置F全体で最上部に位置するピンより上方に、貫通孔48を複数形成した。このため、脱水工程において、ろ過装置F内にある水分を、遠心力で貫通孔48を介してろ過装置F外へ排出でき、洗濯終了後に水滴が垂れるのを防ぐことが可能である。
このように、本実施形態では、表面板30と裏面板40との間に複数の凸部を形成し、これらの凸部が、水流に平行な方向と垂直な方向の両方向について、異なる場所に独立して位置させたので、これらの凸部に糸屑や埃が絡みながら蓄積される。そして、利用者がろ過装置Fを展開することにより、特に裏面板40に山状に付着することになる糸屑等を簡単に取り除くことができる。したがって、凸部を形成しない場合と比べ、フィルタ部33で取り除いた糸屑が逆流してろ過装置F外へ逃げてしまうのを抑制できる。
次に、本実施形態におけるろ過装置Fの操作方法について説明する。
ユーザがろ過装置Fを洗濯機1(図1参照)に取り付ける場合には、図4に示すろ過装置Fを把持する。ユーザは、例えば人さし指を指掛部31に差し込み、親指の腹を係止爪32の上面にあてがってろ過装置Fを把持する。次に、ユーザは、ろ過装置Fを把持したまま、そのヒンジHを第1の循環流路部材27の嵌入穴42に嵌入した後、係止爪32を第1の循環流路部材27の係止穴53に嵌入する。これにより、ろ過装置Fは第1の循環流路部材27に収容・支持される。そして、第1の循環流路部材27と洗濯兼脱水槽3の内周面との間に形成される間隙50(図4参照)は、ケース側開口52及び導入開口41(図5参照)を介してろ過装置Fの内側(中空部)と連通することとなる。
図6は、第1の循環流路部材27に組み付けた洗濯機用ろ過装置における洗濯水の流れを示す側面断面図である。図7は、洗濯機用ろ過装置の逆流防止壁及び案内板付近を拡大して示す部分拡大側面断面図である。図8は、ろ過装置の表面板と裏面板とを回動軸周りに回動させて開いた様子を示す斜視図である。図9は、洗濯機用ろ過装置のヒンジにて表面板と裏面板とを分離した様子を示す部分拡大側面断面図である。
図1に示す本実施形態の洗濯機1では、外槽9内に洗濯水が溜められて洗濯兼脱水槽3内で洗濯物の洗濯が行われる際に、回転翼8bは、洗濯兼脱水槽3内の洗濯水を攪拌する。この洗濯時における回転翼8bの煽りによって、糸屑等のごみを含む洗濯水は、第1の循環流路部材27の下端の洗濯水導入口60(図4参照)を介して第1の循環流路部材27と洗濯兼脱水槽3の内周面との間の間隙50内に導かれる。そして、図6に示すように、糸屑等を同伴する洗濯水Wは、間隙50内を上行し、第1の循環流路部材27のケース側開口52及びろ過装置Fの導入開口41を通過してろ過装置F内に導入された後、フィルタ部33からろ過装置F外に送り出されていく。
この際、洗濯水Wは、図7に示すように、案内板36によって導入開口41からフィルタ部33に向かって案内されて円滑に流れていく。また、ろ過装置F内に導入された洗濯水Wは、逆流防止壁45によって導入開口41への逆流が防止される。そのため、ろ過装置F内に導入された洗濯水Wは、フィルタ部33から効率よくろ過装置F外に送り出されていく。これにより、本実施形態のろ過装置Fによれば、洗濯水Wに含まれる糸屑等のごみをフィルタ部33で効率よく捕集することができる。
次に、ろ過装置Fで捕集した糸屑等のごみを廃棄する手順について説明する。
ユーザは、ろ過装置Fを第1の循環流路部材27から取り外す。この際、ユーザは、前記した第1の循環流路部材27に対するろ過装置Fの取り付けと逆の工程を辿る。具体的には、ユーザは、例えば、人さし指を指掛部31に挿し入れ、親指の腹を係止爪32の上面にあてがう。そして、親指で係止爪32の上面を押し下げることで係止穴53に対する係止爪32の係止を解くと共に、親指と人さし指とで把持したろ過装置Fを引き上げるようにしてヒンジHを嵌入穴42から抜き出してろ過装置Fを第1の循環流路部材27から取り外す。この際、指掛部31の位置Pが洗濯兼脱水槽3(洗濯槽)の深さD1の半分の位置よりも上方となるように設定されるか、或いは指掛部31の位置Pが洗濯兼脱水槽3の開口からの20cm以内に設定されることで、ユーザは、ろ過装置Fを洗濯兼脱水槽3から容易に取り外すことができる。
次に、図8に示すように、ユーザがろ過装置Fの表面板30と裏面板40とを引き離すと、ヒンジH周りに表面板30と裏面板40とが相対的に回動して、ろ過装置Fの内部(中空部)が露出する。これにより、ユーザは、洗濯水からろ過された糸屑等のごみをフィルタ部33の内側に視認することができる。そして、表面板30自体にフィルタ部33が設けられているので、ユーザは容易にろ過された糸屑等のごみをフィルタ部33から取り除いて廃棄することができる。
ちなみに、表面板30と裏面板40とが相対的に回動して、ろ過装置Fの内部(中空部)が露出する際には、第1の係合突起35aと第1の係合凹部44aとの係合、及び第2の係合突起35bと第2の係合凹部44bとの係合は解かれる。そして、フィルタ部33のごみを除去した後、再び表面板30と裏面板40とを貝合わせにする際には、第1の係合突起35aと第1の係合凹部44aとは係合し、第2の係合突起35bと第2の係合凹部44bとは係合する。これにより表面板30と裏面板40とが閉じ合った状態が維持されることとなる。
また、ろ過装置Fは、図9に示すように、ヒンジHが軸部43とフック部34とで形成されており、前記したように、表面板30と裏面板40とが重ね合わせられた状態(図5参照)から表面板30を裏面板40に対して180°反転させることで軸部43からフック部34が離反可能となる。つまり、表面板30と裏面板40とは相互に分離することができる。これにより、フィルタ部33からのごみの除去が更に容易になると共に、漂白剤等の薬剤浸漬時、乾燥時等における取り扱いを効率よく行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
上述の実施形態では、ヒンジHは、ろ過装置Fの下端中央部に設けられているが、表面板30及び裏面板40を相対的にヒンジH周りに回動できればよくヒンジHの位置は特に制限はない。図10は、他の実施形態に係るろ過装置の斜視図であり、後側からろ過装置を見た斜視図である。図10に示すように、このろ過装置Fにおいては、ヒンジHは、ろ過装置Fの下端の両側に一対設けられている。また、図示しないが、ヒンジHは上端に設けることもできるし、左右側縁のいずれか一方に設けることもできる。
また、フィルタ部33は、表面板30と裏面板40との両方に設けることができる。ちなみに、このろ過装置Fでは、導入開口41からろ過装置F内に導入された洗濯水は、表面板30のフィルタ部33からろ過装置F外に送り出されると共に、裏面板40のフィルタ部33を通じてもろ過装置F外に送り出される。この際、裏面板40のフィルタ部33を通じてろ過装置F外に送り出される洗濯水は、第1の循環流路部材27とろ過装置Fとの間隙70(図6参照)及び導入開口41を介して、再びろ過装置F内に導入されることとなる。
なお、図10中、符号32は、係止爪であり、符号48は、表面板30の下端中央に設けられ、第1の循環流路部材27の嵌入穴42に嵌入される支持切片である。また、この支持切片48は、裏面板40の下端中央に設けることもできる。
また、前記実施形態では、洗濯水の導入開口41が裏面板40に形成されているが、導入開口41は裏面板40に加えて表面板30にも形成することができる。
次に、図15〜図18は、更に別の実施形態を示す図である。本実施形態では、裏面板40における幅方向両端側の2箇所のピンの代わりに、幅方向側面側が上方へ傾斜するリブ54a,54bを設けた。一方で、表面板30には、幅方向中央側のピン56a,56bのみを設け、幅方向両端側にはピンを設けない。また、裏面板40側のピンと表面板30側のピンとは、裏面板40に形成されたリブに対して、鉛直方向から見て重ならないよう、幅方向に異なる位置に設けられている。
本実施形態では、別途リブ54a,54bを裏面板40に取り付ける必要があるため、加工費用が増加してしまうが、糸屑の捕集性はピンの場合よりも高い。また、本実施形態では、裏面板40側のピン55aと表面板30側のピン56a、裏面板40側のピン55bと表面板30側のピン56bが、それぞれ上下方向に直線状に並ぶ配置となるので、糸屑を捕集する上での効率は高くない。しかし、裏面板40の幅方向中央側のピン55a,55bが、表面板30の格子状の枠部33aと対向する箇所に形成されるため、ピン55a,55bの寸法を長くしても、表面板30側のメッシュ状のフィルタ材料33cを破る可能性を無くす利点がある。
また、上述の実施形態におけるろ過装置Fは、表面板30と裏面板40の一端同士が回動軸を介して軸支されて、表面板30と裏面板40とを相対的に回動軸周りに回動させてろ過装置を展開可能とする構成であるが、回動軸を設けずに、別の方式で表面板30と裏面板40とを装着したり取り外したりする構造としても良い。
さらに、上述の実施形態では、攪拌翼2の裏羽根2aの回転を利用して洗濯兼脱水槽3の底にある洗濯液を循環させ、各循環水路から洗濯兼脱水槽3上部の開口部から散水する方式について説明したが、循環ポンプを別途設けて、これにより外槽6上部の開口部から散水する方式にしても良い。また、乾燥機能のある縦型式洗濯乾燥機においても、上述で述べたような構造を採用し得るのは言うまでもない。
1 洗濯機
8 洗濯兼脱水槽(洗濯槽)
30 表面板
33 フィルタ部
33a 枠部
33b 孔部
33c フィルタ材料
40 裏面板
41 導入開口
45 逆流防止壁
46a,46b,46c,46d 裏面板側のピン
47a,47b,47c,47d 表面板側のピン
48 貫通孔
F ろ過装置
H ヒンジ
W 洗濯水
8 洗濯兼脱水槽(洗濯槽)
30 表面板
33 フィルタ部
33a 枠部
33b 孔部
33c フィルタ材料
40 裏面板
41 導入開口
45 逆流防止壁
46a,46b,46c,46d 裏面板側のピン
47a,47b,47c,47d 表面板側のピン
48 貫通孔
F ろ過装置
H ヒンジ
W 洗濯水
Claims (5)
- 互いに対向し合うように装着可能な表面板と裏面板を有し、
当該表面板と当該裏面板との間に洗濯水を導入する開口部が形成され、
前記表面板にはフィルタ部が設けられた洗濯機用ろ過装置において、
前記表面板と前記裏面板の少なくとも一方に凸部を設けて、前記表面板と前記裏面板とを互いに対向し合うように装着した状態のときに複数の前記凸部を形成し、
複数の前記凸部のうち二つ以上は、上下方向および幅方向の両方向について、異なる場所に独立して位置させたことを特徴とする洗濯機用ろ過装置。 - 請求項1において、
前記表面板と前記表面板のそれぞれに凸部を設け、
前記表面板に設けた凸部の方が、前記裏面側に設けた凸部よりも高いことを特徴とする洗濯機用ろ過装置。 - 請求項1において、
複数の前記凸部のうち、幅方向両端側の凸部が、幅方向中央側の凸部よりも、上方に位置することを特徴とする洗濯機用ろ過装置。 - 請求項1において、
前記裏面板には逆流防止壁が形成されており、
複数の前記凸部のうち最も高い位置にある凸部と、前記逆流防止壁との間に、貫通孔を設けたことを特徴とする洗濯機用ろ過装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の洗濯機用ろ過装置が洗濯兼脱水槽に取り付けられた洗濯機。
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CN107385804A (zh) * | 2017-09-18 | 2017-11-24 | 合肥美菱股份有限公司 | 一种用于波轮洗衣机的弹簧式过滤装置 |
CN108951014A (zh) * | 2017-05-19 | 2018-12-07 | 青岛海尔洗衣机有限公司 | 一种线屑过滤器及洗衣机 |
-
2013
- 2013-05-20 JP JP2013105722A patent/JP2014226176A/ja active Pending
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