JPH04102994U - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯水に含まれるリントを、その洗濯水を通
す水路の出口部に設けたフィルタにより捕獲するものに
あって、そのフィルタが目詰まりしたときの洗濯水のス
プラッシュをなくし、且つ、そのフィルタの掃除の必要
性を使用者に有効に知らしめるようにする。 【構成】 フィルタ２８を、常時は水路１１の出口部１
４から出る洗濯水の圧力に抗する力で該出口部１４に連
通する位置に保持されるように設け、目詰まりしたとき
には、捕獲したリントやこれに含まれた水の重量並びに
そのリントにかかる洗濯水の圧力で降下して水路の出口
部を少なくとも一部開放するように設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 ［考案の目的］

【０００２】

【産業上の利用分野】

本考案は、洗濯水に含まれるリントを、その洗濯水を通す水路の出口部に設け たフィルタにより捕獲する構成の洗濯機に関する。

【０００３】

【従来の技術】

従来より、洗濯機においては、洗濯槽に水路を設け、洗濯水をその水路を通し 循環させて、該水路の出口部に設けたフィルタによりリントを捕獲するようにし たものが供されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記構成のものの場合、フィルタにはリントが逐次捕獲されるから、フィルタ が次第に目詰まりするようになる。しかして、フィルタが目詰まりすると、フィ ルタに対する洗濯水の通過性が悪くなって、水路出口部のフィルタが接した部分 から洗濯水のスプラッシュを生じ、それが床に飛び散って、床を濡らすことにな る。又、この場合、リントの捕獲についても、それが満足にできない状態が続く ことになる。

【０００５】 本考案は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、フィル タが目詰まりしたときの洗濯水のスプラッシュをなくし、且つ、そのフィルタの 掃除の必要性を使用者に有効に知らしめることのできる優れた洗濯機を提供する にある。

【０００６】 ［考案の構成］

【０００７】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案の洗濯機においては、リントを捕獲するフ ィルタを、洗濯水を通す水路の出口部に連通する位置から該出口部を少なくとも 一部開放する位置へ降下可能に設け、且つ、このフィルタを常時は上記水路の出 口部から出る洗濯水の圧力に抗する力で該出口部に連通する位置に保持しフィル タが目詰まりしたときの状態でその保持を解除する保持手段を設けたことを特徴 とする。

【０００８】

【作用】

上記手段によれば、フィルタが目詰まりするまでは、フィルタが水路の出口部 に連通する位置に保持されて、該水路の出口部から出る洗濯水を通し、リントを 捕獲する。

【０００９】 そして、フィルタが目詰まりすると、該フィルタは捕獲したリントやこれに含 まれた水の重量並びにそのリントにかかる洗濯水の圧力で降下し、水路の出口部 を少なくとも一部開放するようになる。すると、その出口部の開放された部分か ら洗濯水が逃がされ、スプラッシュの発生が避けられる。又、この場合、その逃 がされた洗濯水や降下したフィルタを見ることによって、使用者が異状に気付く ようになる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例につき、図１ないし図５を参照して説明する。

【００１１】 まず図２には洗濯機全体の外箱１を示しており、これの内部に外槽２を弾性吊 持機構３（一部のみ図示）により支持して配設している。外槽２の内部には、洗 濯槽であり又脱水槽でもある内槽４を配設しており、内槽４の内部には底部に撹 拌体５を配設している。又、外槽２の外下方部には、モータ６を主体とする駆動 機構７を配設しており、この駆動機構７によって、洗濯時に内槽４を制止させて 撹拌体５を回転させ、脱水時に内槽４を撹拌体５と共に回転させるようにしてい る。このほか、外槽２の外下方部には、外槽２内（内槽４内）の水を機外に排出 するための排水弁８及び排水ホース９をも配設している。

【００１２】 上記撹拌体５の裏側にはポンプ羽根１０を設けており、これに水路１１の入口 部１２を臨ませている。水路１１は内槽４の内周側部の一か所に上下に延ばして 形成しており、その内槽４内に面する開放部にカバー１３を装着している。又、 水路１１は出口部１４を内槽４の上端開口縁部に装着したバランスリング１５の 凹部１６下に有しており、この出口部１４を形成したカバー１３の上部両側には 、図３及び図４に示すように、上下に延びる溝部１７，１８を形成している。

【００１３】 しかして、上記溝部１７，１８には、フィルタベース１９のそれぞれ例えば赤 色のコロ２０，２１を取着した基盤部２２両側部を上下摺動可能（コロ２０，２ １は転動可能）に嵌合しており、又、そのコロ２０，２１に対応して、フィルタ ベース１９の降下時に該コロ２０，２１が現われる切欠部２３，２４を、溝部１ ７，１８のそれぞれ下部に形成している。

【００１４】 フィルタベース１９の上記基盤部２２上部には角形の筒部２５を形成しており 、この筒部２５の先端部両側に溝部２６，２７を形成していて、この溝部２６， ２７に、密目の網袋から成るフィルタ２８の開口縁部を取着したフィルタ枠２９ の両側部を着脱可能に摺動装着している。

【００１５】 そして、フィルタベース１９の上記筒部２５上面部に設けたスプリング掛け部 ３０と、前記バランスリング１５の凹部１６天井部にねじ３１によって取着した スプリング掛けリング３２との間には、保持手段であるスプリング３３を張架し ており、これによって、フィルタベース１９の筒部２５、ひいてはこの筒部２５ にフィルタ枠２９でもって上述のごとく装着したフィルタ２８を、常時は水路１ １の出口部１４から出る洗濯水の圧力に抗する力で該出口部１４に連通する位置 に保持するようにしている。なお、このスプリング３３は、フィルタ２８が目詰 まりしたときの状態では、フィルタ２８の保持を後述のごとく解除するようにな っている。

【００１６】 次に、上記構成のものの作用を述べる。洗濯時、撹拌体５が駆動機構７によっ て回転されることは既述のごとくであるが、このように撹拌体５が回転されると 、その裏側のポンプ羽根１０によって、内槽４内の洗濯水が水路１１にその入口 部１２から送り込まれ、水路１１内を通されて、更に出口部１４からフィルタベ ース１９の筒部２５，フィルタ枠２９及びフィルタ２８を順に通され、内槽４内 に戻される。これを繰返す中で、洗濯水に含まれたリントは、洗濯水がフィルタ ２８を通過する過程で該フィルタ２８により捕獲される。

【００１７】 しかして、リントの捕獲が進んでフィルタ２８が目詰まりするようになると、 図５に示すように、その捕獲したリントやこれに含まれた水の重量並びに水路１ １の出口部１４から出て捕獲リントにかかる洗濯水の圧力でスプリング３３が伸 ばされ、フィルタベース１９をフィルタ２８を伴って降下させる。かくしてフィ ルタ２８の保持が解除され、水路１１の出口部１４の上部が開放される。すると 、その出口部１４の上部からは洗濯水が逃がされるようになり、出口部１４のフ ィルタベース１９が接した部分に洗濯水が高圧でかかることがなくなるので、ス プラッシュの発生が避けられる。従って又、そのスプラッシュが床に飛び散って 床を濡らすようになることも避けられる。そして更に、この場合、上述のように 逃がされた洗濯水や降下したフィルタ２８を見ることによって、使用者が異状に 気付くようになり、フィルタ２８の掃除の必要性を有効に知らしめることができ る。よって、フィルタ２８がリントの捕獲を満足にできない状態で放置されるよ うなことも極力避けられる。

【００１８】 なお、特に上記構成のものの場合、フィルタベース１９が降下すると、溝部１ ７，１８の切欠部２３，２４から赤色のコロ２０，２１が見えるようにもなるも のであり、これによって、フィルタ２８の掃除の必要性を使用者に更に有効に知 らしめることができる。

【００１９】 又、フィルタ２８は、溝部２６，２７からフィルタ枠２９を抜き取ることによ って、フィルタ枠２９と共に単独に扱い容易に掃除することができる。そして、 このようにフィルタ２８を取外せば、フィルタベース１９はスプリング３３のば ね力で筒部２５を水路１１の出口部１４に連通させる位置に上昇復帰されるもの であり、掃除したフィルタ２８も、フィルタ枠２９を溝部２６，２７に差込むこ とによって元どおりに装着することができる。

【００２０】 ここで、図６及び図７は本考案の異なる実施例を、特に図４及び図５と同一の 部分に同一の符号を付して示しており、その相違する点のみを述べれば、前述の スプリング３３に代わる保持手段として、フィルタベース１９の両側部に例えば 赤色の突起３４，３５を、又、溝部１７，１８の内面部に突起３６，３７をそれ ぞれ設け、これらの係合によってフィルタベース１９（フィルタ２８）を常態位 置に保持するようにしたところにある。

【００２１】 このものでは、フィルタ２８が目詰まりすると、その突起３６，３７に対する 突起３４，３５の係合が解け、フィルタベース１９（フィルタ２８）が降下する 。又、フィルタ２８の取外し後や掃除したフィルタ２８の装着後、フィルタベー ス１９を押し上げれば、突起３６，３７に再び突起３４，３５が係合して、降下 前同様の状態に保持し直すことができる。

【００２２】 従って、このものでも前述同様の効果を得ることができる。

【００２３】 そして、そのほか、本考案は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定される ものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。

【００２４】

【考案の効果】

以上の記述で明らかなように、本考案の洗濯機は、洗濯水を洗濯槽に設けた水 路を通し循環させて、該洗濯水に含まれるリントをその水路の出口部に設けたフ ィルタにより捕獲するようにしたものにあって、そのフィルタを上記水路の出口 部に連通する位置から該出口部を少なくとも一部開放する位置へ降下可能に設け ると共に、このフィルタを常時は上記水路の出口部から出る洗濯水の圧力に抗す る力で該出口部に連通する位置に保持しフィルタが目詰まりしたときの状態でそ の保持を解除する保持手段を設けたことを特徴とするもので、それにより、フィ ルタが目詰まりしたときの洗濯水のスプラッシュをなくし得て、床を濡らすこと を避けることができ、又、フィルタの掃除の必要性を使用者に有効に知らしめる こともできて、フィルタがリントの捕獲を満足にできない状態で放置されるよう なことも極力避けることができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す主要部分の縦断側面図

【図２】全体の縦断側面図

【図３】主要部分の斜視図

【図４】同部分の正面図

【図５】同部分の異なる状態での正面図

【図６】本考案の異なる実施例を示す図４相当図

【図７】図５相当図

【符号の説明】

４は内槽（洗濯槽）、１１は水路、１４は出口部、２８
はフィルタ、３３はスプリング（保持手段）、３４，３
５及び３６，３７はそれぞれ突起（保持手段）を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯槽に水路を設け、洗濯水をその水路
   を通し循環させて、該水路の出口部に設けたフィルタに
   よりリントを捕獲するようにしたものであって、前記フ
   ィルタを前記水路の出口部に連通する位置から該出口部
   を少なくとも一部開放する位置へ降下可能に設けると共
   に、このフィルタを常時は前記水路の出口部から出る洗
   濯水の圧力に抗する力で該出口部に連通する位置に保持
   しフィルタが目詰まりしたときの状態でその保持を解除
   する保持手段を設けたことを特徴とする洗濯機。