JPH059478B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH059478B2
JPH059478B2 JP4223089A JP4223089A JPH059478B2 JP H059478 B2 JPH059478 B2 JP H059478B2 JP 4223089 A JP4223089 A JP 4223089A JP 4223089 A JP4223089 A JP 4223089A JP H059478 B2 JPH059478 B2 JP H059478B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test
test piece
sliding
flat plate
ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4223089A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02219894A (ja
Inventor
Hirobumi Michioka
Yoshio Fuwa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP4223089A priority Critical patent/JPH02219894A/ja
Publication of JPH02219894A publication Critical patent/JPH02219894A/ja
Publication of JPH059478B2 publication Critical patent/JPH059478B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hydraulic Motors (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、互いに摺動する部材の組み合わせに
関する。 (従来の技術) 摺動部材の摩擦摩耗特性を改良するために、
種々の処理が提案されている。例えば、デフアレ
ンシヤル装置内のすべり摺動部材においては、ギ
ア側の部材としてスチール製部材に浸炭処理を施
してなるものを使用し、その相手材(スラストワ
ツシヤー)として、タフトライド法またはガス軟
窒化法等の方法により窒化処理を施したものが使
用されている。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、摺動部材においては、摩擦面間
の微視的な付着、滑りにより引き起こされるブレ
ーキの鳴き、クラツチのビビリ等の原因となるス
テイツクスリツプ現象が問題となることがある。
特に、上記のデフアレンシヤル装置のギアとスラ
ストワツシヤーにおいては、潤滑条件等使用環境
が厳しくなると、該部材間で油膜切れを生じ、そ
の結果、ステイツクスリツプ現象が生じ、異音を
発生する等の問題となる。また、そのような摺動
部材においては、焼付きが生じやすいという問題
もあつた。 従つて、本発明は、異音等の原因となるステイ
ツクスリツプ現象が防止され、耐焼付き性に優れ
た摺動部材を提供することを目的とする。 (課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明の摺動部
材は、互いに摺動する二つの鉄系部材であつて、
第一の部材の摺動面に、浸炭焼入処理及びリユー
ブライト処理が施され、第二の部材の摺動面に、
15〜35容量%のポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)分散されたNi−2〜13重量%Pめつき
層が形成されていることを特徴とする。 好ましくは、第二の部材に前記めつき層を形成
した後、熱処理を行うことにより、該めつき層の
Ni2Pを変化させてNi3Pの結晶を析出させ、該め
つき層の硬さをHv450以上とする。 PTFEの分散量は、15容量%未満ではステイツ
クスリツプ現象の防止効果が充分でなく、また、
耐焼付き性の点でも充分でなく、逆に35容量%を
超えると、めつき層の耐摩耗性が大幅に低下する
ため、15〜35容量%とするのが好ましい。 PTFEの粒径は、好ましくは0.2〜0.6μmであ
る。 めつき層中のPの含有量は、2重量%未満では
熱処理を行つても充分な硬さが得られず、めつき
層の耐摩耗性が悪く、逆に13重量%を超えるとめ
つき層の靭性が低下して、めつき層の剥離が発生
しやすくなるため、2〜13重量%とするのが好ま
しい。 めつき層の硬さは、耐摩耗性、耐焼付性の面か
ら、上述の各要因、即ち、PTFE分散量、P量、
及び熱処理条件を組み合わせることにより、
Hv450以上とするのが好ましい。 (作用) 本発明の摺動部材は、第一の部材の摺動面に浸
炭処理及びリユーブライト処理が施され、第二の
部材の摺動面にPTFE分散めつき層が形成されて
いるため、摺動によるステイツクスリツプ現象が
起こりにくい。これは、ステイツクスリツプ現象
は、摩擦係数がすべり速度の増加に伴つて減少す
る場合に起こりやすいが、上記の処理が施された
摺動部材では、摩擦係数が、すべり速度の増加に
伴つて増加するか、または一定であるためと考え
られる。また、本発明の摺動部材は耐焼付き性の
点でも優れている。 (実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1: 長さ70mm×幅15mm×厚さ10mmのスチール(JIS
規格:SPCC)製平板を、粒径0.2〜0.3μmの
PTFE、硝酸ニツケル、次亜リン酸ソーダ、アル
キルヒドロキシカルボン酸(錯化剤)、アルキル
ジカルボン酸(反応促進剤)、安定剤及びPH調整
剤を含む、浴温85〜90℃のめつき液に約90分程度
浸漬することにより、PTFEが25容量%分散され
たNi−8%P合金めつき層を約15μmの厚さで形
成した。その後、300℃×1時間の熱処理を行う
ことにより、上記合金めつき層の硬さをHv550と
した。このようにして、平板試験片を作成した。
該平板試験片は、70×15mmの面を試験面(摺動
面)とする。 一方、鋼製(JIS:SCM415H)5/32インチ
ボールに、浸炭焼入処理及びリユーブライト処理
を施して、ボール試験片を作成した。なお、浸炭
焼入後のボール試験片の硬さはHv750である。 比較例 1: 上記実施例1と同素材及び同寸法の平板及びボ
ールを用い、ボールには浸炭焼入を行い、平板に
は実施例1と同様の処理を施すことにより、ボー
ル試験片及び平板試験片を作成した。なお、浸炭
焼入により達成されるボール試験片の硬さは
Hv750である。 比較例 2: 上記実施例1と同素材及び同寸法の平板及びボ
ールを用い、ボールには比較例1と同様の浸炭焼
入を行い、平板にはタフトライド処理を施すこと
により、ボール試験片及び平板試験片を作成し
た。なお、タフトライド処理により達成される平
板試験片の硬さはHv650である。 比較例 3: 上記実施例1と同素材及び同寸法の平板及びボ
ールを用い、ボールには実施例1と同様の浸炭焼
入及びリユーブライト処理を施し、平板には比較
例2と同様のタフトライド処理を施すことによ
り、ボール試験片及び平板試験片を作成した。 比較例 4: 上記実施例1と同素材及び同寸法の平板及びボ
ールを用い、ボールには実施例1と同様の浸炭焼
入及びリユーブライト処理を施し、また平版には
めつき液がPTFEを含まないこと以外は実施例1
と同様の処理を施し、ボール試験片及び平板試験
片を作成した。
【表】 試験例 1: 摩擦試験 上記実施例1及び比較例1〜4で作成した平板
試験片及びボール試験片の各組み合わせを、順次
バウンデン式摩擦試験機にセツトし、約80℃に加
熱した平板試験片の試験面に潤滑油(ATF:商
品名「デクスロン」)を塗布した後、ボール試
験片を接触させ、荷重2Kgを負荷しながら、0.06
〜2mm/秒のすべり速度にて平板試験片側を往復
摺動させることにより、摩擦試験を行つた。 なお、平板試験片の表面粗さは、2〜3μmRZ
である。 該試験により求められた摩擦係数μとすべり速
度vとの関係(μ−v特性)を第1図のグラフに
示す。 第1図より明らかなように、実施例1の試験片
は、v=0の場合、比較例1〜4の試験片に比べ
て摩擦係数が一番低くなつており、しかもμ−v
特性は、速度の増加とともに摩擦係数が高くなる
右上がり傾向を示している。これに対しその他の
比較例は、全てμ−v特性が右下がりとなつてい
る。一般にステイツクスリツプ現象は、摩擦係数
が高く、しかもμ−v特性が右下がりとなる場合
に発生することが知られている。このことから、
実施例1の材料組み合わせの場合には、ステイツ
クスリツプ現象による異音発生を良好に防止しう
ることがわかる。 実施例 2 鋼板(JIS:SPCC)製の30mm×30mm×厚さ10
mmの平板に、実施例1と同様の方法により、
PTFEが25容量%分散されたNi−8%P合金め
つき層を約15μmの厚さで形成した。その後、
300℃×1時間の熱処理を行うことにより、上記
合金めつき層の硬さをHv550とした。得られた平
板試験片の30×30mmの面を試験面(摺動面)とす
る。外径25.4mm×内径20mm×長さ10mmの円筒に、
浸炭焼入処理及びリユーブライト処理を施して、
円筒試験片を作成した。 比較例 5〜8 上記実施例2と同様の平板及び円筒に、下記の
表2に示した組み合わせ記号B、C、D、Eに対
応して、比較例1〜4において平板及びボールに
対して行われた処理を行い、比較例5〜8の平板
試験片及び円筒試験片を作成した。 試験例 2: 焼付試験 実施例2及び比較例5〜8の平板試験片及び円
筒試験片を組み合わせて焼付試験機にセツトし、
平板試験片(30mm×30mm)の摺動面に潤滑油
(ATF:商品名「デクスロン」)を塗布した後、
同試験片を回転数500rpmにて回転させ、それに
円筒試験片を押し付け、10Kgfより500Kgfまで
段階的に押付荷重を増加させて焼付限度荷重を測
定することにより焼付試験を行つた。結果を表2
に示す。
【表】 表2より明らかなように、実施例2の試験片は
各比較例のものに比べて耐焼付性に優れている。 試験例 3: 摩耗試験 上記試験例2の焼付試験と同じ試験機を用い、
上記実施例2及び比較例5ないし8と同様の試験
片を用いて、摩耗試験を行つた。まず、平板試験
片の摺動面に潤滑油(ATF:商品名「デクスロ
ン」)を0.8c.c./分で滴下しながら、同試験片を
回転数500rpmにて回転させ、それに円筒試験片
を200Kgfで押付け、60分間摩耗試験を行つた。
平板試験片側の摺動痕の深さ(摩耗深さ)を測定
した。結果を表3に示す。
【表】 表3より実施例2による試験片における摩耗深
さは比較例5、6、7に比べて浅いことがわか
る。比較例8は、平板試験片の摩耗深さに関して
は実施例2より浅くなつているが、相手側部材で
ある円筒試験片の摩耗が大きいため、全体として
は、実施例2が最も耐摩耗性に優れていた。 試験例 4: 平板試験片にめつきするNi−8P+PTFE層中
のPTFE量を、10容量%、15容量%、25容量%、
35容量%、40容量%としたこと以外は上記実施例
1または実施例2と同様の方法により作成した試
験片について、μ−v特性、摩擦係数(μレベ
ル)、摩耗深さ及び耐焼付き性を試験した。結果
を表4に示す。
【表】 表4に示すように、PTFE量は15〜35容量%と
するのが好ましい。 実施例 3 第2図はデフアレンシヤル装置1を示す断面図
である。該デフアレンシヤル装置1においては、
本発明の第一の部材に相当するものとしてサイド
ギヤ2及びピニオンギヤ3を、鋼製(JIS:
SCM415H)で表面に浸炭焼入後、リユーブライ
ト処理を施してなるもので作成し、第二の部材と
して、スラストワツシヤー5及び球面ワツシヤー
6を、鋼板(JIS:SPCC)製で、表面にPTFE
分散(25容量%)Ni−8P合金めつき層(Hv550)
を形成してなるものとした。なお、図中、3はピ
ニオンギヤ、4はピニオンシヤフト、7はスプラ
インを示す。 比較例 9〜11: 上記比較例において、組み合わせ記号B、C、
Eのボール試験片に相当する材料により、上記の
サイドギヤ2及びピニオンギヤ3を製造し、組み
合わせ記号B、C、Eの平板試験片に相当する材
料によりスラストワツシヤー5及び球面ワツシヤ
ー6を製造し、これらの部品を組み合わせて製造
されたデフアレンシヤル装置を車両に組み付け、
旋回走行試験を行つた。該試験において測定され
たステイツクスリツプ現象による異音発生の有無
を表5に示す。
【表】 比較例9、10、11(組み合わせB、C、E)は
初期からステイツクスリツプによる異音の発生が
確認されたのに対し、実施例3の組み合わせでは
初期だけでなく、1000Km走行テスト後においても
ステイツクスリツプによる異音の発生はなく、良
好な成積を示した。 (発明の効果) 本発明の摺動部材においては、ステイツクスリ
ツプ現象の発生が良好に防止されるため、ブレー
キ鳴き、クラツチのビビリ等が防止される。耐焼
付性が約1.75倍高くなる。従つて、本発明の摺動
部材を使用して製造された製品の品質、耐久性は
著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例及び比較例で製造され
た摺動部材のμ−v特性を示すグラフ、第2図は
本発明の一実施例の摺動部材が適用されたデフア
レンシヤル装置を示す断面図である。 1…デフアレンシヤル装置、2…サイドギヤ、
3…ピニオンギヤ、5…スラストワツシヤー、6
…球面ワツシヤー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 互いに摺動する二つの鉄系部材であつて、第
    一の部材の摺動面に、浸炭焼入処理及びリユーブ
    ライト処理が施され、第二の部材の摺動面に、15
    〜35容量%のポリテトラフルオロエチレンが分散
    されたNi−2〜13重量%Pめつき層が形成され
    ていることを特徴とする摺動部材。
JP4223089A 1989-02-22 1989-02-22 摺動部材 Granted JPH02219894A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4223089A JPH02219894A (ja) 1989-02-22 1989-02-22 摺動部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4223089A JPH02219894A (ja) 1989-02-22 1989-02-22 摺動部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02219894A JPH02219894A (ja) 1990-09-03
JPH059478B2 true JPH059478B2 (ja) 1993-02-05

Family

ID=12630231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4223089A Granted JPH02219894A (ja) 1989-02-22 1989-02-22 摺動部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02219894A (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0774079B2 (ja) * 1991-10-31 1995-08-09 象印チエンブロック株式会社 捲上、牽引機用メカニカルブレーキ
JPH07247949A (ja) * 1994-03-14 1995-09-26 Hiroshi Imamura ロータリベーン形エアモータ
JP2826959B2 (ja) * 1994-08-08 1998-11-18 テクノロール株式会社 印刷装置
JP3496286B2 (ja) * 1994-09-05 2004-02-09 日本精工株式会社 タペットローラ軸受
JP3918516B2 (ja) * 2001-11-07 2007-05-23 株式会社豊田自動織機 斜板式圧縮機
NL1025088C2 (nl) * 2003-12-19 2005-06-28 Skf Ab Wentellager met nikkel-fosforbekleding.
JP2018028343A (ja) * 2016-08-17 2018-02-22 Jfeスチール株式会社 油井管のネジ継手

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02219894A (ja) 1990-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE102004043550B4 (de) Verschleißfeste Beschichtung, ihre Verwendung und Verfahren zur Herstellung derselben
DE19950813A1 (de) Wälzlager
CN101010442A (zh) 耐磨涂层和用于制造这种耐磨涂层的方法
JPH0364431A (ja) 転がり軸受
EP1462669A2 (en) Rolling bearings
EP3371335B1 (en) Solid lubricant-coated steel articles, method and apparatus for manufacturing thereof and quenching oil used in the manufacturing
US6858096B2 (en) Rolling element for a continuously variable transmission (CVT), a CVT using the rolling element and a method for producing the rolling element
JPH11101247A (ja) 転がり軸受部品
JPH059478B2 (ja)
JP2006097096A (ja) 浸炭または浸炭窒化した軸受鋼部品
US6814685B2 (en) Rolling element for a continuously variable transmission (CVT), a CVT using the rolling element and a process for producing the rolling element
JPH06341442A (ja) 耐食性転がり軸受
US2707159A (en) Wear-resistant ferrous metal articles and their production
JPH06173967A (ja) 等速ジョイント用アウターレース
JP2000257697A (ja) 耐高面圧歯車およびその製造方法
WO2000077265A1 (en) Wear-and fracture-resistant steel
JP7186772B2 (ja) 摺動式スプライン軸装置
JP4229313B2 (ja) 湿式クラッチ用摺動部材および湿式クラッチ装置
CA2549526A1 (en) Rolling bearing having a nickel-phosphorus coating
JP2002188643A (ja) 針状ころ軸受
JP2001330101A (ja) 無段変速機用転動体
JP2857946B2 (ja) 摩擦部材
JPS60165369A (ja) セミオ−トマチツクトランスミツシヨン用のプラネタリリングギヤ
JPH0148388B2 (ja)
JP4107556B2 (ja) 無段変速機用転動体およびその製造方法