JPH0593654A - 色彩計測装置 - Google Patents

色彩計測装置

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JPH0593654A
JPH0593654A JP8768891A JP8768891A JPH0593654A JP H0593654 A JPH0593654 A JP H0593654A JP 8768891 A JP8768891 A JP 8768891A JP 8768891 A JP8768891 A JP 8768891A JP H0593654 A JPH0593654 A JP H0593654A
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  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、R,G,Bフィルターでは分類しに
くい波長範囲の特定色を正確に分類でき、その分類に用
いられる色分類フィルターの設計が容易な色彩計測装置
を提供することを目的とする。 【構成】本発明は、測定対象物を照明するための照明光
を発生する光源と、測定対象物からの反射光を電気的な
信号に変換する撮像手段と、光源と測定対象物との間の
光路上に配置され照明光から測定対象物の反射スペクト
ル光を所定のクラスに分類するのに適した波長特性を抽
出するように設定された色分類フィルターと、光源と測
定対象物との間の光路上に配置され三原色のカラー情報
を入力するのに適した透過特性を有するカラーフィルタ
ーと、色分類フィルターとカラーフィルターとを必要に
応じて切換えるフィルター制御手段とを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種工業の生産現場に
おける塗装色,染色度の管理、または生産物の色測定、
あるいは医療、学術分野における被検体の色測定等に用
いることのできる色彩計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりある色彩計測装置としては、主
に赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色を表わす波長
領域の反射光強度を測定し、国際照明委員会(CIE)
で標準化されている色彩座標系、例えばXYZ素色系や
素色系などで色を数値として表示して色の
識別を行っているものが知られている。
【0003】このような色彩計測装置は、物体色を人間
の感覚に近いとされている素色系によって絶対的な値と
して表現することができる。
【0004】ところが物体色のわずかな違いを検出する
ための色識別能力は、素色系の特性によるものであり、
結局はR,G,Bの値により決まってしまう。従って、
このような色彩計測装置は識別したい色の違い、つまり
分類を行なうところの反射分光スペクトルの違いをはっ
きりと識別できない。例えばGの等色関数の波長領域内
でスペクトルが異なるような色は、Gの測定値で分類す
ることはできない。
【0005】また、この種の装置としては、対象物の反
射分光スペクトルを測定し、そのスペクトルの違いから
色の違いを識別するマルチチャンネル分光光度計があ
る。ところが、この装置は、回析格子や高感度なディテ
クタアレイなど高価な装置を必要とし、しかもスペクト
ルを測定する場合は、1個のデータ当たりの次元数が多
くなるため、それを処理し解析する装置の規模が大きく
なり、装置の構成が複雑になると共にコスト高になると
いう不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、分類を行な
うスペクトルの各クラスのデータ例が予め用意できれ
ば、統計的な手法により分類に有効なデータの入力法、
つまり先のR,G,B入力に代わって目的に依存した入
力波長領域を決定する方法が考えられる。
【0007】このような方法に適した統計的手法として
は文献1「D.H.Foley and J.W.Sammon.Jr,IEEE Trans.C
ompp,C-24,281 (1975)」に記載されている手法を応用す
る事が考えられる。この文献1には、2つのクラスを分
類するのに適した空間の直支軸をFisher Ratioと呼ばれ
る評価基準を最大化するように求める方法が記載されて
いる。この方法を色の分類に適用するためには、まずあ
る波長領域をn個にサンプリングし、各波長における反
射光強度を要素としたn次元ベクトルをデータと考え、
予め2つのクラスのいずれかに属することがわかってい
るデータ例(以下、「トレーニングセット」と呼ぶ)を
複数用意する。このトレーニングセットから、前記Fish
er Ratioを計算し、前記2つのクラスを分類するのに適
したn次元ベクトルを算出する。このn次元ベクトルは
分光フィルターの特性を表わすことになる。このように
して統計的な手法により、クラス分類のための分光フィ
ルターの特性を算出できるものと考えられる。
【0008】ところが、この手法で求めた分光特性はク
ラスの分類には適しているが、対象物本来の色までは知
ることができないという欠点がある。
【0009】また、統計的手法により色を認識する方法
が文献2「J.Parkkinen and T.Jaaskelainen,Appl Opt,
26,4240 (1987)」に述べられている。この文献2に記載
された方法は、まずクラスごとにトレーニングセットに
ついて主成分分析を行ない、各々のクラスについて部分
空間を設定する。そして、各々の部分空間をクラス間で
重なりがなくなるように回転操作を行なうものである。
この方法では、統計的な手法により算出した分光フィル
ターによりクラス間の分類が可能となる。
【0010】また、各部分空間に投影されたベクトルか
ら、元のn次元スペクトルデータを推定する方法につい
ても論じられており、その方法によれば本来の色を推定
することができる。
【0011】ところが、この手法は分光フィルターの特
性を決定するまでに何回も主成分分析、つまり共分散行
列を求めて固有値問題を解くといった操作をくり返し行
なう必要があり、膨大な演算量を要する。また、クラス
ごとに部分空間を設定するため、測定値がいずれのクラ
スに属するかを判定するためには投影操作、つまり分光
フィルターを通して光強度を測定するという操作をクラ
ス数だけくり返さなければならないため極めて繁雑な処
理が必要となる。
【0012】したがって、従来の色彩計測装置では、
R,G,Bの波長領域の光強度を測定するものであるた
め、分類を行なう対象に対して最適な入力法ではなく、
不都合が生じる場合がある。また、統計的な手法を応用
した場合には、分類には適するが対象物の本来の色まで
は識別することができず、また色の識別機能まで付加さ
せると演算量が大きく実用に適さないといった問題があ
った。
【0013】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たもので、R,G,Bフィルターでは分類しにくい波長
範囲の特定色を分類でき、その分類に用いられる色分類
フィルターの設計が容易な色彩計測装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、測定対象物を照明するための照明光を発生
する光源と、前記測定対象物からの反射光を電気的な信
号に変換する撮像手段と、前記光源と前記測定対象物と
の間の光路上に配置され前記照明光から前記測定対象物
の反射スペクトル光を所定のクラスに分類するのに適し
た波長特性を抽出するように設定された色分類フィルタ
ーと、前記光源と前記測定対象物との間の光路上に配置
され三原色のカラー情報を入力するのに適した透過特性
を有するカラーフィルターと、前記色分類フィルターと
前記カラーフィルターとを必要に応じて切換えるフィル
ター制御手段とを具備した構成とした。
【0015】
【作用】本発明によれば、色分類を行う場合には、フィ
ルター制御手段によって色分類フィルターを光路上に配
置する。色分類フィルターによって測定対象物の反射ス
ペクトル光を所定のクラスに分類するのに適した波長特
性が抽出される。したがって、このような波長特性の照
明光によって照明された測定対象物からの反射スペクト
ル光によれば、ある等色関数の波長領域内でスペクトル
が異なるような色であっても、抽出された波長特性に応
じて効率よく色分類されるものとなる。
【0016】また、対象物の絶対的色彩測定を行う場合
には、フィルター制御手段によってカラーフィルターが
光路上に配置され、通常の色彩計測が行われる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【0018】図1には本発明の第1実施例に係る色彩計
測装置の機能ブロックを示す。
【0019】この色彩計測装置は、単色光を発生させる
光源ボックス1と、この光源ボックス1で発生させた単
色光を所定の光強度(スペクトル)を有する照明光に変
換して出力する光源色作成器2と、この光源色作成器2
から出力される照明光を所定箇所まで導くライトガイド
3と、照明光を対象物に照射すると共に対象物からの反
射光が電気信号に変換されて出力されるディテクタヘッ
ド4と、このディテクタヘッド4で検出された電気信号
が入力し色識別のための各種演算が実行されるプロセッ
サ5と、このプロセッサ5にオペレータの指示を入力す
るためのマン=マシーンインターフェース6とから構成
されている。
【0020】図2に、光源ボックス1および光源色作成
器2の構成が示されている。光源ボックス1内には、ラ
ンプ用電源7、この電源により電力が供給される白色ラ
ンプ8が設けられている。白色ランプ8から発せられる
白色光はレンズ9によってコリメートされて光源色作成
器2に導かれる。
【0021】光源色作成器2内には、光源側からの光が
入射するレンズ11が設置されている。このレンズ11
の集光位置にスリット12が設けられている。凹面鏡1
3,回折格子14,凹面鏡15は公知の分光器の構成と
同様に配置されている。凹面鏡15の集光面、つまり通
常の分光器では出力側のスリットが配置される所に液晶
フィルタ16が配置されている。この液晶フィルタ16
は、プロセッサ5によって制御される液晶フィルタドラ
イバ17によって所望の透過率に設定される。また各波
長の結像位置に透過率が設定できる構成となっている。
この液晶フィルタ16が後述する色分類フィルターを実
現する。回折格子14による1次回折光である所定の波
長の光が、液晶フィルタ16で減衰されて、所望のスペ
クトルを有する照明光に変換される。この照明光が、ラ
イトガイド3内に導かれる光ファイバー束の入射端側コ
ネクタ19の端面上に集光される。
【0022】ディテクタヘッド4は図3に示すように構
成されている。ライトガイド3により導かれた照明光が
ディテクタヘッド4の先端部に設置された照明レンズ2
1を介して測定対象物に照射される。対象物からの反射
光はディテクタヘッド4に設けられた対物レンズ22に
よりフォトディテクタ23の受光面上に集光される。こ
のフォトディテクタ23からの出力信号はアンプ24を
介してプロセッサ5へ送られる。
【0023】図4はプロセッサ5の内部構成を示す図で
ある。このプロセッサ5は、CPU25が内部バス26
を介してROM27,CPUメモリ28,A/D変換器
29,統計解析プロセッサ31,液晶フィルタードライ
バインターフェース32,マン=マシーンインターフェ
ース33,外部記録装置インターフェース34がそれぞ
れ接続されている。
【0024】CPU25は、各構成要素の制御を行なう
と共に、本装置全体の制御を行なう。ROM27は、オ
ペレーティングシステムおよびこのオペレーティングシ
ステムの管理下におかれている実行プログラムなどが記
録されており、必要に応じて実行プログラムが読み出さ
れ実行される。CPUメモリ28は、RAMで構成さ
れ、処理実行時にプログラムやデータが記録される。A
/D変換器29は、ディテクタヘッド4からの出力信号
をディジタル入力するものである。統計解析プロセッサ
31は、積和演算器、メモリ等で構成され、行列演算を
高速に行ない得る構成となっており、後述する前処理に
おいて統計解析を行なうための専用プロセッサである。
液晶フィルタードライバインターフェース32は、フィ
ルタードライバ17に対してアドレスと透過率を決定す
る指令信号を送るためのインターフェースである。マン
=マシーンインターフェース33は、プログラムのメニ
ューや測定結果を表示する表示装置への出力においてキ
ーボードからの信号入力のためのインターフェースであ
る。外部記録装置インターフェース34は、ハードディ
スクやフロッピーディスクなどの記録媒体にプログラム
や測定結果を記録し、かつそれらからプログラムやデー
タを読み込む際に使用する外部記録装置35つまりハー
ドディスクドライバやフロッピーディスクドライバとの
インターフェースである。
【0025】特定色の色分類に適した色分類フィルター
は、以下のようにして設計することができる。
【0026】分類されるべき各色(反射スペクトル光)
を有するサンプルを各クラスごとに複数個用意し統計解
析を行う。
【0027】統計解析を行うために、先ずトレーニング
セットを作成する。これは、図5に示すように、液晶フ
ィルター16の透過率分布を、ある特定の波長領域R1
だけが最大となるように設定する。そして、このように
設定された液晶フィルター16を有する光源色作成器2
からの単色光に近い照明光によってサンプルを照明す
る。このような照明光によって照明されたサンプルから
の反射光強度を測定して、プロセッサ5内のCPUメモ
リ28に記録する。
【0028】次に上記波長領域R1を移動し、上記と同
様の動作をくり返す。設定波長範囲に対してn領域(n
は数十程度)に分割した各波長領域の反射光強度を記録
する。このようにして計測したスペクトルデータ例を図
6に示す。ここに示すデータ例は、450〜700nmの
波長範囲にわたって、25nmおきに合計11個の波長領
域について反射光強度を測定して得られたスペクトルデ
ータである。
【0029】用意した全てのサンプルについて、各クラ
スのスペクトルデータを測定し、トレーニングセットを
作る。なお、総データ量が大きくなる場合は、一時的に
外部記録装置35によって、ハードディスクやフロッピ
ーディスクなどに記録しておく。
【0030】次に、以上のようにして作成したトレーニ
ングセットからクラスを分類するのに適した分光特性を
有する色分類フィルターを設計するための手法について
説明する。なお、クラスの数をk、および各クラスのト
レーニングセットのデータ数をmi(i=1,…k)と
する。
【0031】第1の設計手法を説明する。これは、クラ
ス数k=2の場合にそのクラス分類(色分類)を最適に
できるフィルター特性の設計方法である。
【0032】2つのクラスをクラス1、クラス2と呼ぶ
ことにし、クラス1の色が基準の色であり、クラス2の
色はクラス1の色に少し別の色みが加わったものである
とする。それぞれのクラスのトレーニングセットを、次
のように表わす。クラス1およびクラス2のトレーニン
グセットは(1)式で示される。
【0033】
【数1】 ただし、各データは(2)式で示されるn次元ベクトル
で表される。
【0034】
【数2】 このトレーニングセットに対して(3)式で表されるFi
sher Ratio(以下、「評価基準F」と呼ぶ)が最大にな
るようなベクトルdを求める。
【0035】
【数3】 ただし、S1 はクラス間共分散行列であり、(4)式に
より計算される。
【0036】
【数4】 ここで、Piはi番目のクラスの生起確率、
【0037】
【数5】 はi番目のクラスの平均スペクトル、
【0038】
【数6】 は全トレーニングセットの平均スペクトル、
【0039】
【数7】
【0040】
【数8】 の生起確率である。
【0041】また、S2 はクラス内共分散行列の平均で
あり、(5)式で表される。
【0042】
【数9】 ただし、クラス内共分散行列S2 (i) は(6)式で定義
される。
【0043】
【数10】 前記ベクトルdは最終的には(7)式で導出される。
【0044】
【数11】 ただし、
【0045】
【数12】
【0046】
【数13】
【0047】
【数14】 とするための正規化定数である。
【0048】次に前記ベクトルd1 と直交する空間で評
価基準Fを最大化するベクトルd2 を求める。このベク
トルd2 は(8)式で導かれる。
【0049】
【数15】 ただし、
【0050】
【数16】
【0051】
【数17】 とするための正規化定数である。
【0052】前記評価基準Fは、トレーニングセットの
データをベクトルdに投影したときのクラス間の分離の
程度を表す評価基準である。すなわち、クラス間の分離
の程度を最大にするベクトルdとは、クラス1とクラス
2とを最も効率よく分類できるフィルターの特性(分類
ベクトル)を表すことになる。なお、ベクトルd1 ,d
2 はn次元空間に於いて評価基準Fを最大化する最初の
2つの直交ベクトルであり、理論的には評価基準Fの大
きい順に(n−1)個の直交ベクトルを算出することが
できる。しかし、2つのクラスの分類のためには、1つ
の分類ベクトルd1 もしくは2つの分類ベクトルd1,
2 で十分である。
【0053】次に、第2の方法として、任意のクラス数
k(k≧2)に対する分類ベクトルの導出方法について
説明する。
【0054】まず、前記した第1の方法と同様にしてk
個のクラスのデータ例によるトレーニングセットを準備
する。
【0055】
【数18】 この第2の方法では、Z.H.Gu and S.H.Lee,Opt.Eng.,2
3,727(1984)に記載されている手法を利用する。これ
は、2以上の任意のクラス数に対して、Hotering Trace
Criterion(HTC) と呼ばれる評価基準を基に最適な分類
ベクトルを求める方法である。この数学的な統計手法に
従い、(HTC)Jを最大化する行列Hを求める。
【0056】J=tr[S2 -11 ] …(10) 行列Hは次のような手順により導出される。まず、クラ
ス内共分散行列の平均S2 の固有方程式を解く。
【0057】
【数19】 次に、S2 を白色化する変換行列
【0058】
【数20】 により、S1 を変換し、行列Dを求める。
【0059】
【数21】 尚、上式(12)における
【0060】
【数22】 は(11)式の
【0061】
【数23】 におけるフルランクな部分行列であり、Tは(11)式
のT′により、固有値“0”に対応する固有ベクトルを
除いた行列である。
【0062】
【数24】 ただし、T′′は固有値0に対応する固有ベクトルによ
る部分行列である。
【0063】そして、変換行列Hを(15)式によって
求める。
【0064】
【数25】 なお、(11)式のS2 と(12)式のS1 とは、
(4),(5)式と同様にして求める。また、(15)
式の行列Hは、(k−1)個の有効なベクトルdi(i
=1,2,…k−1)を含む。
【0065】
【数26】 以上のようにして求められた分類ベクトルdは、色分類
に有効なフィルターの透過特性を表わし、例えば図7に
示すような特性曲線となる。このような透過特性を有す
る色分類フィルターおよびR,G,Bのカラー画像フィ
ルターは、液晶フィルター19によって実現される。
【0066】ただし、一般に、分類ベクトルdは図7に
示すように、正,負の成分を有するので、分類ベクトル
dを正のベクトル成分dと負のベクトル成分dとに
分けて考える。ベクトルdの特性を得るために、正の成
分と負の成分の2種類のフィルターを設け、各々のフィ
ルターによる互いの透過光強度を減算する。
【0067】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。
【0068】先ず、上述した手法により導出することの
できる透過率分布が設定された色分類フィルターによ
り、特定色の分類を行う場合について説明する。
【0069】例えば、色分類ベクトルd1,2 により色
分類を行う場合、液晶フィルター16の透過率分布を各
色分類ベクトルd1,2 の正負成分の4種類の分光透過
特性がそれぞれ実現されるように順次設定する。
【0070】このようにして設定された4枚の色分類フ
ィルターによってそれぞれ抽出された特定波長の照明光
によって対象物が照明され、その際の反射光が電気信号
に変換されて、各反射スペクトル光の正負のベクトル成
分Z1 +,Z1 −,Z2 +,Z2 −が測定される。
【0071】プロセッサ5では、各色分類ベクトルの正
負成分による測定値が以下のように減算される。
【0072】 Z1 =Z1 +−Z1 −,Z2 =Z2 +−Z2 − 上記減算結果に対しては、次のような解析が行われる。
【0073】すなわち、分類ベクトルd1,2 を直交軸
とする分類空間において、ある2種類のクラスの色の分
布が図8に示すように表せるとする。この場合、ある直
【0074】
【数27】 をスレッショルドとして、2つのクラスを分離できると
すると(なお、分類ベクトルは上記設計によってこの2
つのクラスを最も効率良く分離できるように設計されて
いる)、ある測定値ベクトルZ1 (Z1 1 ,Z1 2
と、直線Lとの幾何学的距離がクラスの分離度を表すも
のとなる。すなわち、図8においては、測定値ベクトル
1 (Z1 1 ,Z1 2 )はクラス1に属すると判断され
るが、その分離度はベクトルZ1 から直線Lに下した垂
線の交点ベクトルZ1 ′と、測定値ベクトルZ1 との距
離t1 によって表現できる。
【0075】 t1=[(Z1 1 −Z1 1 ′)2 +(Z1 2 −Z1 2 ′)2 1/2 …(17) ただし、
【0076】
【数28】 従って、測定値ベクトルZが得られたならば、上記(1
8)式により直線Lに対する垂線との交点ベクトルZ′
を計算し、その計算値の大小関係からいずれのクラスに
属するかを決定する。次に、(17)式により分離度t
1を計算し、マン・マシンインターフェイス6のディス
プレイ上に結果を表示する。なお、ディスプレイには、
図8に示すように分類空間におけるマッピングを表示
し、視覚的に把握を容易にする。
【0077】次に、対象物の絶対色を計測する場合に
は、液晶フィルタ16の透過率分布を、逐次的にR,
G,Bの各原色の等色関数を実現するように設定する。
そして、これらR,G,Bの各カラーフィルターでR,
G,B強度を入力することにより、通常の測色が行われ
る。この場合、マン・マシンインターフェイス6のディ
スプレイ上には、測定されたR,G,B値あるいはR,
G,B値より変換された(x,y,Y)値や(L,a
,b)値などCIEで標準化されている表色系に基
づく測定値が表示されるように制御する。
【0078】この様に本実施例によれば、色分類フィル
ターとカラーフィルターとを必要に応じて切り換えるこ
とができるので、色分類フィルターによって特定色を色
分類でき、通常の測色はカラーフィルターによってでき
る。そのため、色分類フィルターによって得られた測定
値から対象物の絶対色を推定する必要がなくなり、色分
類フィルターの設計に際して、絶対色の推定まで意識し
た設計を行う必要がないことから色分類フィルターの設
計が簡略化され、設計者の負担を大幅に軽減できる。
【0079】また、トレーニングセットの作成から分類
ベクトルd1,2 による色分類フィルターの設計まで
と、実際の測色を、比較的簡単な構成によって同一の装
置で一貫して行うことができる。
【0080】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0081】本実施例は、トレーニングセットの作成か
ら色分類フィルターの設計までを行う前処理装置と、実
際の測色と行う本処理装置とからなる。
【0082】図9は本実施例の前処理装置部分の構成を
示す。本実施例の前処理装置は光源装置100、対象物
の反射光が入射される光入射端101、光入射端101
から取込まれた反射光がライトガイド102を介して入
力され分光器として作用するポリクロメータ103、ポ
リクロメータ103で分光された反射光のスペクトルデ
ータが光電変換されるディテクタアレイ104、ディテ
クタアレイ104からのスペクトルデータが入力し所定
の演算が実行されるアナライザ105、アナライザ10
5に指令を入力するためのマン・マシーンインターフェ
ース106で構成される。なお、光源装置100は独立
して構成されている。また、ポリクロメータ103,ア
ナライザ105,マン・マシーンインターフェース10
6は第1実施例で示したものと同様に構成されている。
【0083】この様に構成された前処理装置では、前記
第1実施例と同様にしてトレーニングセットが作成され
ると共に、そのトレーニングセットから特定色の分類に
適した透過特性がアナライザ105において計算され
る。
【0084】また、本実施例の本処理装置の構成を図1
0に示す。
【0085】この本処理装置は、前処理時と同じ条件で
対象物を照明する光源装置100と、対象物からの反射
光を電気信号に変換するディテクタヘッド107と、上
記前処理によって計算された色分類ベクトルデータが入
力されたプロセッサ108と、マン・マシンインターフ
ェイス109とからなる。
【0086】ディテクタヘッド107の具体的な構成を
図11に示す。
【0087】このディテクタヘッド107は、入射面に
放射状に配置された7つのレンズからなるレンズアレイ
110とが設けられている。このレンズアレイ110の
各々のレンズの結像面に、7分割されたフォトディテク
タ112が設置されている。フォトディテクタ112の
各分割面の受光面には7種類のフィルター特性を有する
色フィルター111−1〜111−7が張り合わされて
いる。
【0088】色フィルター111−1〜111−7は、
それぞれ干渉フィルター、色ガラスフィルター、ラッテ
ンフィルター、またはそれらを組み合わせたものから構
成されている。そして、これらの色フィルター111−
1〜111−7のうちの4枚には、2つの色分類ベクト
ルd1,2 の正負の特性がそれぞれ設定され、残りの3
枚にはR,G,Bの特性がそれぞれ設定される。
【0089】各フォトディテクタ112の出力信号は、
それぞれ対応するアンプ113を介してセレクタ114
に入力される。セレクタ114は、いずれかのアンプ1
13出力を選択して、色分類フィルターにより取り込ま
れた信号またはR,G,Bフィルターにより取り込まれ
た原色信号をプロセッサ108へ出力する。なお、セレ
クタ114は、プロセッサ108から与えられる制御信
号によって切り換えられる。
【0090】以上のように構成された本処理装置では、
対象物からの反射光はディテクタヘッド107に入力さ
れ、それぞれ上記したフィルター特性を有する色フィル
ター111−1〜111−7で抽出された波長領域の入
力光強度が検出され、それぞれのアンプ113で増幅さ
れる。各色フィルター111−1〜111−7によって
取り込まれた測定値は、セレクタ114で選択されて、
プロセッサ108に入力される。
【0091】プロセッサ108は、ディテクタヘッド1
07からの入力信号よりクラスの分類および絶対色の計
測が行われる。そして、マン・マシーンインターフェー
ス109に、測定結果や観測者による動作の選択が表示
される。
【0092】この様に本実施例によれば、それぞれ所定
の分光透過特性を有する複数の色フィルター111−1
〜111−7を設けた構成としたので、セレクタ114
による極めて簡単な電気的な切換えのみで所定の分光透
過特性を有するフィルターによる測定が可能となり、一
組の分光フィルターをある程度恒常的に使用するような
場合に効果的である。例えば、同じ処理を繰り返し大量
にあるいは長時間にわたって行うような、大量生産現場
における塗装検査や、生鮮食料品の色検査など対象物の
色分類の基準がある程度限定できる場合などである。
【0093】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、
R,G,Bフィルターでは分類しにくい波長範囲の特定
色を正確に分類でき、その分類に用いられる色分類フィ
ルターの設計が容易な色彩計測装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例となる色彩計測装置のブロ
ック図。
【図2】第1実施例に係る装置の光源ボックスおよび光
源色作成器の構成図。
【図3】第1実施例に係る装置のディテクタヘッドの構
成図。
【図4】第1実施例に係る装置のプロセッサ内の構成
図。
【図5】トレーニングセット作成動作を説明するための
図。
【図6】トレーニングセットを作成するために実際に収
集された反射光強度を示す図。
【図7】色分類ベクトルの特性を示す図。
【図8】第1実施例におけるクラス分類結果を示す図。
【図9】第2実施例における前処理装置の構成図。
【図10】第2実施例における本処理装置の構成図。
【図11】第2実施例におけるディテクタヘッドの構成
図。
【符号の説明】
1…光源ボックス、2…光源色作成器、3…ライトガイ
ド、4…ディテクタヘッド、5…プロセッサ、6…マン
・マシンインターフェイス。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物を照明するための照明光を発
    生する光源と、前記測定対象物からの反射光を電気的な
    信号に変換する撮像手段と、前記光源と前記測定対象物
    との間の光路上に配置され前記照明光から前記測定対象
    物の反射スペクトル光を所定のクラスに分類するのに適
    した波長特性を抽出するように設定された色分類フィル
    ターと、前記光源と前記測定対象物との間の光路上に配
    置され三原色のカラー情報を入力するのに適した透過特
    性を有するカラーフィルターと、前記色分類フィルター
    と前記カラーフィルターとを必要に応じて切換えるフィ
    ルター制御手段とを具備したことを特徴とする色彩計測
    装置。
  2. 【請求項2】 前記色分類フィルターは、前記反射スペ
    クトル光が属すべき複数のクラス毎に用意された複数の
    サンプルのスペクトルデータ例であるトレーニングセッ
    トから、統計的手法によって設計された透過特性が設定
    されていることを特徴とする請求項1記載の色彩計測装
    置。
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