JP3454881B2 - 色彩計測装置 - Google Patents

色彩計測装置

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JP3454881B2
JP3454881B2 JP25700193A JP25700193A JP3454881B2 JP 3454881 B2 JP3454881 B2 JP 3454881B2 JP 25700193 A JP25700193 A JP 25700193A JP 25700193 A JP25700193 A JP 25700193A JP 3454881 B2 JP3454881 B2 JP 3454881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種産業における生産物
の色彩測定あるいは医療学術分野における被検体の色彩
測定において、含有成分の割合によって生じる色の違い
を測定することを目的とした色彩計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりある色彩計測装置としては、主
に赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の
3原色を表わす波長領域の反射光強度を測定し、国際照
明委員会(CIE)で標準化されている色彩座標系、例
えば、XYZ表色系やL*** 表色系などで色を数
値として表示して色の識別を行なうものが知られてい
る。
【0003】このような色彩計測装置は物体色を人間の
感覚に近いとされている表色系によって絶対的な値とし
て表現することができる。ところが物体色のわずかな違
いを検出するための色識別能力は、表色系の特性による
ものであり、結局はR,G,B値により決定されてしま
う。従って、このような色彩計測装置は識別したい色の
違い、つまり分類を行なうところの反射分光スペクトル
の違いをはっきりと識別できない。例えばGの等色関数
の波長領域内でスペクトルが異なるような色はGの測定
値で分類することはできない。
【0004】また、この種の装置としては対象物の反射
分光スペクトルを測定し、そのスペクトルの違いから色
の違いを識別するマルチチャンネル分光光度計がある。
ところが、この装置は回折格子や高感度なディテクタア
レイなど高価な装置を必要とし、しかもスペクトルを測
定する場合は1個のデータ当たりの次元数が多くなるた
め、それを処理し解析する装置の規模が大きくなり、装
置の構成が複雑になると共にコスト高になるという不都
合がある。
【0005】一方、対象物における含有成分比によって
反射分光スペクトルが変化する場合に、特定の波長にお
ける反射光強度を測定することにより含有成分比を推定
する方法が試みられている。例えば医療の分野において
体内臓器の表面における組織ヘモグロビンの特性分布を
求めることは様々な疾患の病態解析に重要であるとされ
ている。そこで文献「佐藤、“生体の光学特性”、医用
電子と生体工学、24、22−27、(1986)」で
は胃、十二指腸などの臓器散乱反射スペクトルの解析か
ら2〜3の特定波長の反射光強度分布を測定することに
より、ヘモグロビンの酸素飽和度分布を推定する方法が
提案されている。つまり酸素を結合したヘモグロビンの
吸収スペクトルは波長577、542nmに二峰性の吸
収ピークを持ち、脱酸素化されたヘモグロビンは波長5
55nmに1本の吸収帯を示すことから、これらのピー
ク波長あるいはこれらと酸素飽和度に影響されない波長
569nmの組み合わせによって組織ヘモグロビンの酸
素飽和度を推定するものである。
【0006】ところがこのような方法を実用化するため
にはバンド幅の狭い干渉フィルタやモノクロメータを用
いて特定波長の反射光強度を測定することになるが、そ
の場合、入力光エネルギーが大変弱くなるので測定デー
タのS/Nが悪く定量測定が困難になる恐れがある。
【0007】このような問題を解決するために、文献
「佐藤ら、“レーザーによるスペクトル診断”、人工臓
器、16、1806−1810、(1987)」では波
長選択性が高く、かつ高輝度なレーザー光源を用いた装
置が提案されている。しかし所定の複数波長にチューニ
ングされたレーザー光を発生するためには色素レーザ等
による高価な光源装置を用意しなければならず実用上簡
便な装置を構成するのは難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の色彩計
測装置では、R,G,Bの波長領域の光強度を測定する
ものであるため、分類を行なう対象に対して最適な入力
法であるとは限らず、不都合が生じる場合がある。ま
た、マルチチャンネル分光光度計は装置規模が大きく高
価になり、実用的で簡便な装置を構成するのには適さな
い。一方、対象物の含有成分比を2〜3の特徴的な波長
における反射光強度から推定するような方法は非常に狭
い波長領域の光強度を測定しなければならないため、装
置として実現するためにはS/N上の問題がある。
【0009】本発明の色彩計測装置はこのような課題に
着目してなされたものであり、その目的とするところ
は、含有成分比によって反射光スペクトルが変化するよ
うな対象物に対して高いS/Nで光強度を入力でき、し
かも効率良く定量的に色分類を行なう実用上有用な色彩
計測装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明に係る色彩計測装置は、測定対象物を
照明するための照明光を発生する光源と、前記測定対象
物からの反射光を電気的な信号に変換する受光素子と、
前記光源と前記測定対象物との間の光路上に設置され、
前記反射光の、ベクトルとして表わされるスペクトルに
おけるスペクトル成分の含有率の違いに基づいて決めら
れた複数のクラスのうち、最も色の異なる2つの前記
ラスに分類される複数の前記スペクトルの各平均ベクト
ル間の差ベクトルを透過特性として持つ色分類フィルタ
とを具備する。また、第2の発明は、第1の発明に係る
色彩計測装置において、前記色分類フィルタは、前記差
ベクトルの正負成分の2種類の分光透過特性となるよう
に設定された2枚の色分類フィルタによって構成され、
前記差ベクトルの正成分に相当する前記色分類フィルタ
を透過した照明光下で測定された反射光信号と、前記差
ベクトルの負成分に相当する前記色分類フィルタを透過
した照明光下で測定された反射光信号との電気的な差分
を演算する演算手段を更に有する。また、第3の発明
は、第1の発明に係る色彩計測装置において、前記色彩
計測装置は、内視鏡装置に対して用いられる。
【0011】
【作用】すなわち、第1の発明に係る色彩計測装置は、
測定対象物からの反射光の、ベクトルとして表わされる
スペクトルにおけるスペクトル成分の含有率の違いに基
づいて決められた複数のクラスのうち、最も色の異なる
2つの前記クラスに分類される複数の前記スペクトルの
平均ベクトル間の差ベクトルを透過特性として持つ色
分類フィルタを、測定対象物を照明するための照明光を
発生する光源と、前記測定対象物との間の光路上に配置
して色彩計測を行うものである。また、第2の発明は、
第1の発明に係る色彩計測装置において、前記色分類フ
ィルタを、前記差ベクトルの正負成分の2種類の分光透
過特性となるように設定された2枚の色分類フィルタに
よって構成し、前記差ベクトルの正成分に相当する前記
色分類フィルタを透過した照明光下で測定された反射光
信号と、前記差ベクトルの負成分に相当する前記色分類
フィルタを透過した照明光下で測定された反射光信号と
の電気的な差分を演算するようにする。また、第3の発
明は、前記色彩計測装置を内視鏡装置に対して用いるよ
うにする。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。まず、本実施例の概略を説明する。本発明
の色彩計測装置は、測定対象物を照明するための照明光
を発生する光源と、前記測定対象物からの反射光を電気
的な信号に変換する受光素子と、前記光源と前記測定対
象物との間の光路上に設置された色分類フィルタとを具
備する。
【0013】この色分類フィルタの透過特性は、測定対
象物からの反射光のスペクトル成分の含有率の違いに基
づいて決められた複数のクラス毎に用意された複数のサ
ンプルのスペクトルデータ例であるトレーニングセット
から統計的手法により設計される。すなわち、前記反射
光のスペクトル成分の含有率の違いに基づいて決められ
た複数のクラスのうち、最も色の異なるクラスの平均ベ
クトル間の差ベクトルを透過特性とする。
【0014】すなわち、本実施例は、色分類を行なう対
象が限定される場合に、あらかじめ分類を行なうところ
の各クラスに属するサンプルのスペクトルデータ例(ト
レーニングセット)に対して上記したような統計的手法
により色分類に最適なフィルタ特性を導出するものであ
る。また、本実施例で扱う色の違いとは、スペクトル成
分の含有率の違いに由来するものであり、トレーニング
セットはその含有率の違いから大まかに分類されるクラ
スとして用意される。
【0015】そして、色分類を行なう場合には、フィル
タ制御手段によって色分類フィルタを光路上に配置し、
この色分類フィルタによって測定対象物の反射スペクト
ル光を分類するのに適した波長特性が抽出される。従っ
て、このような波長特性の照明光によって照明された測
定対象物からの反射スペクトル光によれば、スペクトル
成分の含有率に基づいた定量的色分類が可能となる。
【0016】このような方法によれば、特定の色分類の
対象に対しては最適なフィルタ特性が統計的に導出され
るので効率の良い色分類が行なえる。また色分類フィル
タの特性は実用的には数枚のバンドフィルタによる光強
度の測定値をディジタル演算することにより実現される
のでS/Nにも強い装置を構成できる。
【0017】図1は本発明の第1実施例に係る色彩計測
装置の構成図である。本装置は、白色光を発生させる光
源ボックス100と、光源ボックス100で発生された
白色光を所定のスペクトルを有する照明光に変換、出力
する光源色作成装置200と、光源色作成装置200か
ら出力される照明光を所定箇所まで導くライトガイド4
00と、照明光を対象物に照射すると共に対象物からの
反射光が電気信号に変換されて出力されるディテクタヘ
ッド500と、ディテクタヘッド500からの出力電気
信号を伝送する電気信号線600と、光源色作成装置2
00に対し所定の光源色が作成されるように指令信号を
送ると共にディテクタヘッド500から電気信号線60
0を介して入力された電気信号を処理するプロセッサ3
00と、プロセッサ300にオペレータの指示を入力す
ると同時に処理結果を表示するユーザインターフェース
700とから構成される。
【0018】図2は、光源ボックス100および光源色
作成装置200の構成を示す図である。光源ボックス1
00内には電球用電源101、白色ランプ102が設け
られており、白色ランプ102により発生される白色光
はレンズ103によりコリメートされて光源色作成装置
200へ導かれる。
【0019】光源色作成装置200内では、光源ボック
ス100より入射された白色光がレンズ201によりス
リット202上に集光され、スリット202を通過した
白色光は凹面鏡203により反射されて回折格子204
に導かれる。回折格子204は白色光を波長に対して特
定の方向に回折し、回折された光は凹面鏡205により
反射されて液晶フィルタ206上に集光される。液晶フ
ィルタ206はプロセッサ300によって制御される液
晶フィルタドライバ207によって所定の位置が所定の
透過率に設定されることにより、各波長の結像位置に透
過率が設定できる構成となっている。
【0020】液晶フィルタ206を通過して所定の光源
色に変換された照明光はレンズ208により集光され、
光接合器209により光ファイバー束で構成されるライ
トガイド400へ導かれる。
【0021】ディテクタヘッド500は図3のように構
成される。ライトガイド400により導かれた照明光は
レンズ501により広角度に照射される。対象物体から
の反射光はレンズ502によりディテクタ503上に集
光される。ディテクタ503はフォトダイオード等の光
電変換素子を有し、入射光強度に応じた電流信号を発生
し、その電流信号はアンプ504により増幅されて電気
信号線600に送られる。
【0022】図4は、プロセッサ300の内部構成を示
す図である。同図において、CPU301には、ROM
303、CPUメモリ302、A/D変換器(以下、A
/Dと呼ぶ)304、統計解析プロセッサ306、液晶
フィルタドライバインターフェース(I/F)307、
ユーザインターフェース(I/F)308、外部記憶装
置インターフェース(I/F)305が内部バス309
を通じてそれぞれ接続されている。CPU301は各構
成要素の制御を行なうと共に本装置全体の制御を行な
う。
【0023】ROM303には、オペレーティングシス
テム(OS)およびこのOSの管理下におかれている実
行プログラムなどが記録されており、必要に応じて実行
プログラムが読み出され、実行される。CPUメモリ3
02はRAMで構成され、処理実行時にプログラムやデ
ータが記録される。A/D304はディテクタヘッド5
00からの出力信号をディジタル入力するものである。
統計解析プロセッサ306は積和演算器、メモリ等で構
成され、パイプライン処理等により行列演算を高速に行
なうための専用プロセッサである。
【0024】液晶フィルタドライバインターフェース
(I/F)307は液晶フィルタドライバ207に対し
てアドレスと透過率を決定する指令信号を送るためのイ
ンターフェースである。ユーザインターフェース・イン
ターフェース(I/F)308はプログラムのメニュー
や測定結果を表示する表示装置への出力及びキーボード
からの信号入力のためのインターフェースである。外部
記憶装置インターフェース(I/F)305は、ハード
ディスクやフロッピー(登録商標)ディスクなどの記録
媒体にプログラムや測定結果を記録し、かつそれらから
プログラムやデータを読み込む際に使用する外部記憶装
置310つまりハードディスクドライバやフロッピーデ
ィスクドライバとのインターフェースである。
【0025】以下に上記した構成の作用を説明する。本
実施例では分類フィルタの特性を決定するための統計解
析と実際の分類処理の2つのフェーズがある。まず特定
色の色分類に適した色分類フィルターは以下のように設
計することができる。分類されるべき各色(反射スペク
トル光)を有するサンプルを各クラスごとに複数個用意
し統計解析を行なう。統計解析を行なうためにまずトレ
ーニングセットを作成する。これは図5に示すように液
晶フィルタ206の透過率分布を、ある特定の波長領域
1 だけが最大となるように設計する。そしてこのよう
に設定された液晶フィルタ206を有する光源色作成装
置200からの単色光に近い照明光によってサンプルを
照明する。
【0026】このような照明光によって照明されたサン
プルからの反射光強度を測定してプロセッサ300内の
CPUメモリ302に記録する。次に上記波長領域R1
を移動し上記と同様の動作をくり返す。設定波長範囲に
対してn領域(nは数10程度)に分割した各波長領域
の反射光強度を記録する。このようにして計測したスペ
クトルデータ例を図6に示す。ここに示すデータ例は波
長450〜700nmの範囲にわたって25nmおきに
合計11個の波長領域について反射光強度を測定して得
られたスペクトルデータである。用意した全てのサンプ
ルについて各クラスのスペクトルデータを測定し、トレ
ーニングセットを作る。
【0027】なお、総データ量が大きくなった場合は、
一時的に外部記憶装置310によってハードディスクや
フロッピー(登録商標)ディスクなどに記録しておく。
以上のようにして作成したトレーニングセットからクラ
スを分類するのに適した分光特性を有する分類フィルタ
を設計するための第1の手法について説明する。トレー
ニングセットとして2つの色成分の成分比の違いにより
色が少しづつ変化する一連のサンプルが用意されている
ものとする。
【0028】対象色スペクトルをn次元ベクトル(スペ
クトルベクトル)x=[x,x,…,xで表
わし、色の変化を基準色aに変化の要因となる別の色b
が加わることにより観測されると考える。
【0029】 x=αa+βb …(1) ただし、a,bは単位ベクトルであるとする。色の変化
は2つの色成分の成分比が変化することにより現われる
と考える。用意されたトレーニングセットはクラス間で
基準色aの絶対強度がほとんど変化ないと仮定した場
合、最も色の異なる2つのクラスの平均ベクトルの差ベ
クトルを求めることによりbが求まり、これを近似的な
分類基準とすることができる。
【0030】
【数1】
【0031】差ベクトルdの概念図を図7に示す。この
差ベクトルdと対象物体の反射光ベクトルxとの内積に
よりベクトルbの色成分比を推定することができる。
【0032】 xt ・d=(αa+βb)t ・c・b =αcat b+βcbt b=α′at b+β′ …(5) ただし、d=cb、α′=αc、β′=βcとおいた。
【0033】α′at bの値はどのデータの場合もほぼ
等しくなるのでβ′の値しいてはβの値が推定できる。
(5)式の内積はdを表わす色分類フィルタを通過して
きた反射光の強度を計測することにより求めることがで
きる。
【0034】以上の第1の方法の効果を示す概念図を図
8に示す。なお図8では簡単のために次元数を2とし、
それぞれの主軸をc1 ,c2 とした。次に、色分類フィ
ルタを設計するための第2の手法について説明する。本
手法は照明光強度が変化するなどして基準色aの絶対強
度が一定でない場合でも適用できる方法である。本手法
は、基本的にスペクトルベクトルxをaの任意の直交補
空間に投影し、その投影空間上で分類を行なうものであ
る。
【0035】
【数2】
【0036】つまり用意されたトレーニングセットのう
ち、最もaに近い、つまりbの成分を最も含まないスペ
クトルデータ例について、サンプルベクトル{x1 }を
照明光強度を変えるなどして複数測定し、これらを主成
分解析(K−L変換)する。すると第1主成分ベクトル
1 はベクトルaにほぼ近いベクトルとなり、その固有
値は強度のばらつきを表わす分散値となる。
【0037】
【数3】 なおr≦nはサンプルスペクトル{x1 }をK−L変換
したときのランクであり固有値がほぼ0になる主成分番
号よりも小さい数とする。スペクトルベクトルxを
(1)と同様に定義すると、空間Aへの投影は次のよう
に表わせる。
【0038】
【数4】
【0039】つまり空間Aへの投影により基準色aの成
分を除去することができ、bの成分強度βを推定でき
る。空間Aへの投影は内積演算が基本であるので、Aの
各成分ベクトルを表わす複数の色分類フィルタを通過し
てきた光強度を各成分値として計測することにより求め
られる。本手法の効果を図9に示す。図9では3次元空
間上で表現したスペクトルベクトルxをaと直交する2
次元空間Aへ投影した場合について示している。
【0040】
【数5】
【0041】次に色分類フィルタを設計する第3の手法
について説明する。本手法は第1の手法で述べた差ベク
トルdを、色分類により有効なベクトルにするために回
転操作するものである。具体的には以下に示すようにモ
ンテカルロアルゴリズムを用いる。
【0042】
【数6】
【0043】(3)dを任意に設定した平面Pに沿って
微小角αだけ回転し、(7)式により新たに分散vを計
算する。 (4)v>v0 ならばαだけ回転したベクトルを改めて
dとし、v0 =vとする。v≦v0 ならばdを平面Pに
沿って反対側に微小角αだけ回転し分散vを計算する。
【0044】(5)分散vが最大になるまで(3)また
は(4)をくり返す。 (6)平面Pに直交する平面Qについて(3)〜(5)
を行なう。 (7)平面Pについて求められた分類ベクトルdp と平
面Qについて求められたベクトルdq をベクトル加算し
て分類ベクトルdb とする。
【0045】 db =dp +dq …(8) なお、以上述べた手法の効果を図10に示す。次に、以
上述べた方法により求めた分類フィルタの特性を使って
実際に分類処理を行なうフェーズについて述べる。例え
ば、差ベクトルdにより色分類を行なう場合、液晶フィ
ルタ206の透過率分布を差ベクトルdの正負成分の2
種類の分光透過特性がそれぞれ実現されるように順次設
定する。このようにして設定された2枚の色分類フィル
タによってそれぞれ抽出された特定波長の照明光によっ
て対象物が照明され、その際の反射光が電気信号に変換
されて、各反射スペクトル光の正負のベクトル成分z
+ ,z- が測定される。プロセッサ300では各色分類
ベクトルの正負成分による測定値が以上のように減算さ
れる。 z=z+ −z- …(9)
【0046】
【数7】 またzの値そのものでベクトルにb成分がどれだけ含ま
れているかを定量的に評価しても良い。
【0047】上記した第1実施例によれば、トレーニン
グセットの測定から分類ベクトルの設計、さらに実際の
色分類を比較的簡単な構成による同一の装置で一貫して
行なうことができる。
【0048】以下に第2実施例を説明する。本発明の第
2実施例は、色分類を行なう本処理において光源色作成
装置200に回転フィルタを設け、より簡便な構成にし
たものである。本実施例において分類フィルタの特性を
決定する統計処理のフェーズに関する構成は第1実施例
と同様である。色分類を行なう本処理における光源色作
成装置200の内部構成を図12に示す。光源ボックス
100内の白色ランプ102から発せられた白色光はレ
ンズ103によりコリメートされて光源色作成装置20
0内に導かれミラー210およびミラー211により反
射されて回転フィルタ212を通過する。
【0049】回転フィルタ212はモータ213により
回転制御を受けるが、モータ213はプロセッサ300
からの指令信号により制御されるモータドライバ214
により制御される。また回転フィルタ212には図11
に示すように回転方向に所定の周波数透過特性を有する
数枚の色フィルタが設けられている。これら色フィルタ
は含有成分を調整することにより染色された色ガラスフ
ィルタや表面に金属コーティングを施した多層膜フィル
タ等で構成されており、前処理により決定された色分類
フィルタの特性に近い透過特性が実現されている。例え
ば色分類フィルタの特性を(3)式に示すような差ベク
トルdとする場合、図7に示すように差ベクトルdは正
負の特性を有するが、この場合上記色フィルタは各正負
の部分の特性を近似的に実現する複数のバンドフィルタ
で構成される。この回転フィルタ212を通過して所定
の周波数特性に変換された光はレンズ215により集光
され光接合器209を介してライトガイド400に導か
れる。
【0050】以下に上記した構成の作用を説明する。本
実施例では色分類フィルタの特性を決定する前処理にお
いては図2に示すような回折格子204と液晶フィルタ
206を用いた光源色作成装置200を用いるが、分類
処理では図12に示すような簡便な光源色作成装置20
0を用いる。なお、前処理においては図2に示すような
光源色作成装置200の代わりに、液晶フィルタ206
の位置にスリットを置き、回折格子204の設置角度を
回転制御できるようにした通常の分光器(モノクロメー
タ)を用いても良い。色分類処理においては、回転フィ
ルタ212に設けられている各色フィルタを通過した照
明光により照明された対象物からの反射光がディテクタ
ヘッド500により検出され、プロセッサ300におい
てディジタル記録される。
【0051】1つの対象物に対して全ての色フィルタに
よる照明光が照明され、反射光強度が検出されるとプロ
セッサ300では検出光強度値間で所定の加減算が実行
され、分類評価が行なわれる。
【0052】上記した第2実施例によれば、あらかじめ
色分類の対象が限定される場合において、色分類処理を
簡便に行なうことができ、コストが低く押さえられる
他、大量の対象物に対して高速処理ができる。
【0053】以下に第3実施例を説明する。本実施例
は、本発明の原理により色分類機能を有する画像装置を
構成する例として内視鏡装置を提示するものである。本
実施例の構成を図13に示す。構成は概略、内視鏡10
00、ライトガイド1100、光源装置と画像処理部を
含むプロセッサ1200、それにTVモニタ1300と
に分けられる。内視鏡1000の先端にはライトガイド
1100により導かれてきた照明光を照射するための照
明レンズ1001が設けられており、照明された対象物
の像は同じく内視鏡1000の先端に設置された撮影レ
ンズ1002により結像されて、CCD撮像素子100
3により撮像される。
【0054】CCD撮像素子1003は対象物体の像を
モノクロビデオ信号に変換してプロセッサ1200に送
る。プロセッサ1200内には光源ボックス1201と
光源色作成装置1202が設けられているが、これらは
第1、第2実施例における光源ボックス100および光
源色作成装置200と同様に構成される。光源ボックス
1201および光源色作成装置1202により所定のス
ペクトルを有する照明光が作成され、その照明光による
対象物の像が撮像されるとビデオ信号はA/D変換器1
203によりディジタル信号に変換され、セレクタ12
04を介してフレームメモリ1205a〜1205m
(m≧3)のうち、所定の領域に記録される。
【0055】以上の動作がくり返され、フレームメモリ
1205a〜1205mに記録された画像のうち多くと
も3つの画像信号がセレクタ1206により選択され、
マトリクス回路1207に送られる。マトリクス回路1
207では多くとも3つの画像が所定のカラー画像に変
換され、さらにビデオD/A変換器1208により所定
のアナログビデオ信号に変換されてTVモニタ1300
に映し出される。プロセッサ1200内のCPU120
7は、光源色作成装置1202で作成する照明光のスペ
クトルを指令したり、セレクタ1204,1206の制
御を行なったり、マトリクス回路1207に対してマト
リクス演算の係数を送るなど各構成要素の動作制御を行
なう。
【0056】以下に上記した構成の作用を説明する。本
実施例では内視鏡装置において通常のRGBカラー画像
を表示する機能の他に特定の症状に依存する微妙な色の
違い、例えば組織ヘモグロビンの特性分布を画像化する
機能を付加したものである。あらかじめ用意された複数
の症例について第1実施例に述べたような手法により特
定の色を分類するフィルタの特性を決定しておく。そし
て実際の診断、検診においては次のような2つのモード
による処理を行なう。
【0057】まずRGBモードでは照明光のスペクトル
をR,G,Bの特性に逐次変換して各色の画像を記録す
る。この動作はビデオフレームレートの1/30秒内に
終了し、1/30秒ごとにRGBカラー画像として表示
される。次に色分類モードではあらかじめ決定しておい
た色分類のフィルタ特性を実現するスペクトル光が照明
され、その画像が記録される。第1実施例に示したよう
に色分類フィルタは複数のバンドにより実現されるの
で、そのバンド数の画像がフレームメモリに記録される
動作がビデオフレームレートの1/30秒内に行なわれ
る。そしてそれら複数の画像間でマトリクス回路120
7により所定の演算が行なわれ、モノクロ画像もくしは
疑似カラー画像としてTVモニタ1300上に色分類の
情報が画像化されて表示される。
【0058】第3実施例によれば、本発明の原理を画像
装置に応用することにより色分類情報を画像として映し
出される領域に対する分布情報として表示できる。従っ
て色の異なった状態が混在するような対象物に対してそ
の状況が視覚的に把握できる装置を提供できる。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、含
有成分比によって反射スペクトルが変化するような対象
物に対して高いS/Nで光強度を入力でき、しかも効率
良く定量的に色分類を行なう実用上有用な色彩計測装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る色彩計測装置の構成
図である。
【図2】図1に示す光源ボックスおよび光源色作成装置
の構成を示す図である。
【図3】図1に示すディテクタヘッドの構成を示す図で
ある。
【図4】図1に示すプロセッサの内部構成を示す図であ
る。
【図5】液晶フィルタの透過率分布の設計例を示す図で
ある。
【図6】計測したスペクトルデータ例を示す図である。
【図7】差ベクトルdの概念図である。
【図8】分類フィルタを設計するための第1の方法の効
果を示す概念図である。
【図9】分類フィルタを設計するための第2の方法の効
果を示す概念図である。
【図10】分類フィルタを設計するための第3の方法の
効果を示す概念図である。
【図11】回転フィルタの構成を示す図である。
【図12】光源色作成装置の内部構成を示す図である。
【図13】第3実施例の構成を示す図である。
【符号の説明】
100…光源ボックス、101…電球用電源、102…
白色ランプ、103…レンズ、200…光源色作成装
置、201…レンズ、202…スリット、203、20
5…凹面鏡、204…回折格子、206…液晶フィル
タ、207…液晶フィルタドライバ、208…レンズ、
209…光接合器、300…プロセッサ、400…ライ
トガイド、500…ディテクタヘッド、600…電気信
号線、700…ユーザインターフェース。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物を照明するための照明光を発
    生する光源と、 前記測定対象物からの反射光を電気的な信号に変換する
    受光素子と、 前記光源と前記測定対象物との間の光路上に設置され、 前記反射光の、ベクトルとして表わされるスペクトルに
    おけるスペクトル成分の含有率の違いに基づいて決めら
    れた複数のクラスのうち、 最も色の異なる2つの前記クラスに分類される複数の前
    記スペクトルの各平均ベクトル間の差ベクトルを透過特
    性として持つ色分類フィルタと、 を具備したことを特徴とする色彩計測装置。
  2. 【請求項2】 前記色分類フィルタは、 前記差ベクトルの正負成分の2種類の分光透過特性とな
    るように設定された2枚の色分類フィルタによって構成
    され、 前記差ベクトルの正成分に相当する前記色分類フィルタ
    を透過した照明光下で測定された反射光信号と、 前記差ベクトルの負成分に相当する前記色分類フィルタ
    を透過した照明光下で測定された反射光信号との電気的
    な差分を演算する演算手段を更に有することを特徴とす
    る請求項1記載の色彩計測装置。
  3. 【請求項3】 前記色彩計測装置は、内視鏡装置に対し
    て用いられることを特徴とする請求項1記載の色彩計測
    装置。
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