JPH059337Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、流動物収納用の容器、特に瞬間接着
剤用の塗布具兼用の容器に関するものである。

従来の技術 シアノアクリレート系接着剤用の容器として、
ノズルを備えた可撓性を有する容器に接着剤を収
納し、そのノズル先端を開口してから容器胴部を
指で挟持して押圧することにより、接着剤をノズ
ルから接着個所に吐出するようにしたものが知ら
れている。

また、注射器に相当する工具にカートリツジ式
の接着剤容器を挿入した接着工具も知られてい
る。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、前者の容器は、指による挟持圧
のみで吐出量をコントロールするものであるた
め、押圧のタイミングと圧力とに細心の注意を払
わないと、一度に数滴分の接着剤が吐出してしま
うおそれがあつた。

また、後者の接着工具は、シリンダーへのピス
トンの挿入量を指でコントロールするものである
ため、やはり細心の注意を払わないと一度に数滴
分の接着剤が吐出してしまうおそれがあつた。

そこで本考案者らは、このような従来の接着剤
容器または接着工具の持つ問題点を解決すべく、
基端側および先端側が開口した外筒、該外筒に内
嵌する内容器、および上記外筒に上記内容器の背
後から係合または内嵌して内容器を外筒に支持す
る支持体から構成されたワンプツシユ・ワンドロ
ツプ方式の容器について発明し、すでに特願昭59
−11664号として出願しているが、このものは注
意を払わないと、ノズルの開口時または開口後に
該ノズルに軸方向の圧力が加わつたとき、内容器
に押圧力がかかつて内容物がノズル先端から吐出
することがあつた。

本考案は、この先に出願したワンプツシユ・ワ
ンドロツプ方式の容器をさらに改良したものであ
る。

問題点を解決するための手段 本発明の容器は、 大径の胴部１ａ、小径のノズル支持部１ｃおよ
びこれらの胴部１ａ−ノズル支持部１ｃをつなぐ
肩部１ｂからなり、胴部１ａ基端側およびノズル
支持部１ｃ先端側が開口し、かつ径方向からの圧
力に対しても変形しない構造を有する外筒１、 上記外筒１に内嵌するものであつて、先端側に
ノズル２ｇ、基端側に屈曲部２ｂを備えると共
に、胴部２ｅの外周には上記屈曲部２ｂより先端
側の位置に突起状の凸部２ｈを備え、外筒１への
内嵌時には外筒１のノズル支持部１ｃにノズル２
ｇの部分が当接して支えられ、基端側への外部か
らの押圧により上記屈曲部２ｂの屈曲により内側
へ窪むが、押圧解除により上記屈曲部２ｂの復元
力により原形に復元する液体封入用の内容器２、 上記外筒１に上記内容器２の背後から係合また
は内嵌して内容器２を外筒１内に支持するもので
あつて、指圧を加えたとき内容器２の基端側を背
後から押す押圧部３ａ、指圧をやめたときこれを
非押圧姿勢に復元させる屈曲部３ｂ、および外筒
１の基端側に係合または内嵌するための縁部３ｃ
を有し、かつ後述の内リング４の他端側４ｂとの
接当部位である屈曲部３ｂ−縁部３ｃ間のリング
状の部位は屈曲しないように構成されている支持
体３、 および、内容器２と外筒１との間に挿入される
ものであつて、その一端側４ａは上記内容器２の
胴部２ｅ外周に設けた凸部２ｈに接当し、他端側
４ｂは支持体３に接当する内リング４よりなり、 もつて、支持体３背後からの１回の指圧により
内容器２のノズル２ｇ先端から１滴の内容物が吐
出するように構成してなるものである。

外筒１、内容器２、支持体３、内リング４の材
質は、金属、プラスチツクス、ガラスをはじめ任
意のものを選択することができるが、封入液体が
光により変質するものであるときは、外筒１、支
持体３は不透明のものを用いることが好ましい。
内容器２は内容物を透視できるように透明または
半透明のものを用いることが好ましい。内リング
４は透明でも不透明でも差し支えはない。

本考案の容器は、瞬間接着剤用の塗布具兼用の
容器として特に有用であり、そのほか、他の各種
の接着剤用の容器、医薬・診断薬・検査用薬品・
電子部品用封止剤・香料等の流動物（液体やペー
スト状物）の容器としても用いることができる。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

実施例 実施例 １ 第１図は本考案の実施例の一例を示した縦断面
図、第２図はその分解図である。

外筒１ １は外筒で、光を遮ぎるため不透明のものを用
いている。この外筒１は、第２図のように、大径
の胴部１ａ、小径のノズル支持部１ｃ、およびこ
れらの胴部１ａ−ノズル支持部１ｃをつなぐ肩部
１ｂからなる。胴部１ａ基端側およびノズル支持
部１ｃ先端側は、共に開口している。外筒１は、
径方向からの圧力に対しても変形しない構造とし
てある。

ノズル支持部１ｃは、先端側に向かうほど狭く
なるようにテーパーを付してある。肩部１ｂも勾
配を持たせてあり、この肩部１ｂは内容物の吐出
作業時に指を引掛ける部分ともなる。なお胴部１
ａの基端側外周には、後述の支持体３との係合を
図るための突条１ｄを設けてある。

内容器２ ２は上記外筒１に内嵌する内容器であり、本実
施例では内容物が見えるように透明のものを用い
ている。

この内容器２は、第２図のように、基端側ブロ
ツク２Ａと先端側ブロツク２Ｂとよりなり、両ブ
ロツク２Ａ，２Ｂで囲まれた空間内に瞬間接着剤
などの流動物が封入される。両ブロツク２Ａ，２
Ｂは、超音波接合などの手段により、前者のフラ
ンジ部２ｃと後者のフランジ部２ｄにおいて接合
され、一体化されている。なお場合によつては、
両フランジ部２ｃ，２ｄを接合せず、単にはめこ
み式にすることもできる。

２ａは突出部、２ｂは蛇腹状の多段の屈曲部、
２ｅは胴部、２ｆは肩部である。２ｇはノズルで
あつて、２段構造となつている。２ｈは、胴部２
ｅの外周の上記屈曲部２ｂより先端側の位置に設
けた突条状の凸部である。

外筒１への内嵌時には、内容器２は外筒１のノ
ズル支持部１ｃにノズル２ｇの部分が当接して支
えられる。

突出部２ａは、これに外側から圧力が加わると
上記屈曲部２ｂの屈曲により内側に窪むが、圧力
がなくなれば屈曲部２ｂによる弾性回復力により
元の状態に復帰する。

支持体３ ３は支持体で、光を遮ぎるため不透明のものを
用いている。この支持体３は、第２図のように、
押圧部３ａ、屈曲部３ｂおよび縁部３ｃより構成
されており、押圧部３ａは、第１図の矢印の方向
から力が加わると同方向に動き、力が除かれると
屈曲部３ｂによる弾性回復力により元の状態に復
帰する。なお、縁部３ｃには、前述の外筒１との
係合を図るための突条３ｄが設けてある。

屈曲部３ｂ−縁部３ｃ間のリング状の部位は、
後述の内リング４の他端側４ｂとの接当部位とな
るが、この部位は屈曲しないように構成してあ
る。

内リング４ ４は内リングであつて、内容器２と外筒１との
間に挿入される。

この内リング４の役割は、内容器２のノズル２
ｇの開口時または開口後に該ノズル２ｇに軸方向
の圧力が加わつたときに、内容器２の突出部２ａ
に押圧力がかかつて内容物がノズル２ｇの先端か
ら吐出されるのを防ぐためのものである。

すなわち、内リング４の一端側４ａは、内容器
２の胴部２ｅに設けた凸部２ｈに接当し、かつ他
端側４ｂは支持体３に接当するため、ノズル２ｇ
の軸方向に圧力に加わつても、内容器２の屈曲部
２ｂには押圧力はかかわらず、従つて、内容物は
吐出されないのである。

実施例 ２ 第３図は、本考案の容器のうち内容器２の他の
一例を示した縦断面図である。

図中の符号の意味は実施例１の場合と同様であ
るが、この例では基端側ブロツク２Ａに設けた屈
曲部２ｂは蛇腹状ではなく、１段構造としてあ
る。また胴部２ｅおよび肩部２ｆは先端側ブロツ
ク２ｂに設けてあり、この胴部２ｅの外周に凸部
２ｈを設けてある。

作 用 次に、本考案の作用を上記実施例の場合につい
て説明する。

内容器２の基端側から内リング４を外挿し、つ
いでこれを外筒１内にその基端側から嵌入する
と、内容器２および内リング４は外筒１内に納め
られて安定する。

次に、この内容器２の背後から、支持体３の縁
部３ｃを外筒１の胴部１ａの基端側の縁に嵌め込
むと、外筒１の胴部１ａに設けた突条１ｄと支持
体３の縁部３ｃに設けた突条３ｄとが嵌入係合
し、支持棒３は外筒１に固定されると共に、支持
体３の押圧部３ａは内容器２の突出部２ａに軽く
接触する。

そして、非使用時は、通常容器を第１図の縦断
面図とは天地逆転して載置しておくが、使用時
は、内容器２のノズル２ｇをピンやカツターによ
り開口させてから、第１図のようにノズル２ｇの
側を下に向けて外筒１の胴部１ａを親指、中指、
薬指、小指で（またはタバコを持つように人差指
と薬指で）つかむと共に、人差指の腹で（または
親指の腹で）支持体３の押圧部３ａを外側から押
すようにする。この指圧動作により支持体３の押
圧部３ａは内容器２側に向けて動き、内容器２の
突出部２ａを押す。これにより内容器２の内は加
圧状態となるので、その中の内容物はノズル２ｇ
の先端から１滴だけ滴下する。指による押圧をや
めると、支持体３の屈曲部３ｂによる弾性回復力
により押圧部３ａは引退し、それに伴つて内容器
２の屈曲部２ｂの弾性回復力によりその突出部２
ａも元の位置に戻り、ノズル２ｇ先端から若干顔
を出している接着剤は陰圧により内容器２の内部
に引退する。支持体３への指圧動作をｎ回繰り返
せば、ノズル２ｇから接着剤が正確にｎ滴滴下す
るわけである。このように１回の押し操作に応じ
て１滴の内容物が吐出できる。すなわち、いわゆ
るワンプツシユ・ワンドロツプ方式が可能にな
る。

なお、上記において、開口したノズル２ｇの先
端にキヤピラリーノズル（ひげノズル）を装着し
て、液滴を小さくしたり、細部接着を容易にした
りすることもできる。

考案の効果 本考案の効果を以下に列挙する。

１ 指による１回の押圧で、確実に１滴の内容物
を吐出できる。

２ 指による押圧を解除すると、ノズル先端に付
着した内容物が陰圧によりノズル内に入り込む
ので、内容物が不測に滴下するというようなト
ラブルを生じない。

３ 内容器２と外筒１との間に内リング４を設け
たため、この内リング４の一端側４ａは内容器
２の胴部２ｅに設けた凸部２ｈに接当し、かつ
内リング４の他端側４ｂは支持体３に接当する
ため、ノズル２ｇの軸方向に圧力が加わつて
も、内容器２の屈曲部２ｂには押圧力はかから
ない。そのため、ノズル２ｇの開口時または開
口後に該ノズル２ｇに軸方向の圧力が加わる結
果、内容器２に押圧力がかかつても、内容物が
ノズル２ｇ先端から吐出することがない。

４ 組立は、嵌合や係合だけで行えるので、簡単
である。

５ 全体の形状が簡素であるため、取り扱いに際
し使いやすく、運搬・保存・包装の点からも有
利であり、美感的にも好ましい。

６ 内容器２中の内容物を使いきつたときは、こ
の内容器２のみをカートリツジ式に取換えるこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の一例を示した縦断面
図、第２図はその分解図である。第３図は、本考
案の容器のうち内容器２の他の一例を示した縦断
面図である。 １……外筒、１ａ……胴部、１ｂ……肩部、１
ｃ……ノズル支持部、１ｄ……突条、２……内容
器、２Ａ……基端側ブロツク、２Ｂ……先端側ブ
ロツク、２ａ……突出部、２ｂ……屈曲部、２
ｃ，２ｄ……フランジ部、２ｅ……胴部、２ｆ…
…肩部、２ｇ……ノズル、２ｈ……凸部、３……
支持体、３ａ……押圧部、３ｂ……屈曲部、３ｃ
……縁部、３ｄ……突条、４……内リング、４ａ
……一端側、４ｂ……他端側。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 大径の胴部１ａ、小径のノズル支持部１ｃおよ
   びこれらの胴部１ａ−ノズル支持部１ｃをつなぐ
   肩部１ｂからなり、胴部１ａ基端側およびノズル
   支持部１ｃ先端側が開口し、かつ径方向からの圧
   力に対しても変形しない構造を有する外筒１、 上記外筒１に内嵌するものであつて、先端側に
   ノズル２ｇ、基端側に屈曲部２ｂを備えると共
   に、胴部２ｅの外周には上記屈曲部２ｂより先端
   側の位置に突起状の凸部２ｈを備え、外筒１への
   内嵌時には外筒１のノズル支持部１ｃにノズル２
   ｇの部分が当接して支えられ、基端側への外部か
   らの押圧により上記屈曲部２ｂの屈曲により内側
   へ窪むが、押圧解除により上記屈曲部２ｂの復元
   力により原形に復元する液体封入用の内容器２、 上記外筒１に上記内容器２の背後から係合また
   は内嵌して内容器２を外筒１内に支持するもので
   あつて、指圧を加えたとき内容器２の基端側を背
   後から押す押圧部３ａ、指圧をやめたときこれを
   非押圧姿勢に復元させる屈曲部３ｂ、および外筒
   １の基端側に係合または内嵌するための縁部３ｃ
   を有し、かつ後述の内リング４の他端側４ｂとの
   接当部位である屈曲部３ｂ−縁部３ｃ間のリング
   状の部位は屈曲しないように構成されている支持
   体３、 および、内容器２と外筒１との間に挿入される
   ものであつて、その一端側４ａは上記内容器２の
   胴部２ｅ外周に設けた凸部２ｈに接当し、他端側
   ４ｂは支持体３に接当する内リング４よりなり、 もつて、支持体３背後からの１回の指圧により
   内容器２のノズル２ｇ先端から１滴の内容物が吐
   出するように構成してなる容器。