JPH059283A - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JPH059283A
JPH059283A JP3159142A JP15914291A JPH059283A JP H059283 A JPH059283 A JP H059283A JP 3159142 A JP3159142 A JP 3159142A JP 15914291 A JP15914291 A JP 15914291A JP H059283 A JPH059283 A JP H059283A
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JP
Japan
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compound
polycarbonate
acid
amount
mol
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JP3159142A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sakashita
下 健 阪
Tomoaki Shimoda
田 智 明 下
Koji Nagai
井 孝 司 長
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
Original Assignee
GE Plastics Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、機械的特性、耐熱性、透明性に優
れるとともに溶融成形時の流動性、成形性も向上された
ポリカーボネートを、ホスゲンを用いることなく製造し
うるポリカーボネートの製造方法を提供する。 【構成】本発明に係るポリカーボネートの製造方法は、
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを、末端
封止剤の存在下に、溶融重縮合させてポリカーボネート
を製造するに際して、末端封止剤として、得られるポリ
カーボネートの分子末端のうち5〜99%に、下記一般
式[I]で表される脂肪族炭化水素ユニットを導入可能
な量で脂肪族モノカルボキシ化合物を用いることを特徴
とするポリカーボネートの製造方法: 【化1】 (式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキル基であ
り、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、またハ
ロゲンで置換されていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明はポリカーボネートの製造方
法に関し、さらに詳しくは、耐衝撃性などの機械的特性
に優れるとともに、透明性、色相安定性に優れ、さらに
溶融成形時の流動性も向上されたポリカーボネートを効
率よく製造しうるポリカーボネートの製造方法に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などにも
優れており、各種機械部品、光学用ディスク、自動車部
品などの用途に広く用いられている。そして、このポリ
カーボネートには、各用途に応じて、より一層向上され
た性能が求められている。
【0003】ところで、上記のような特性を有する従来
のポリカーボネートは、通常、ビスフェノル−Aなどの
芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲンとを直接反応さ
せる界面重合法によって製造されている。この方法で
は、通常、反応時に塩化メチレンが用いられている。
【0004】このように、塩化メチレンや毒性物質であ
るホスゲンを用いることは、環境衛生上好ましくない。
また、塩化メチレンは得られるポリカーボネート中に残
留して、ポリカーボネートの熱安定性や、色相に影響を
及ぼすことがある。すなわち、ポリカーボネートを溶融
成形する際、残留塩素によって、熱安定性が低下した
り、黄色化したりすることがある。
【0005】ところで、このようなポリカーボネート
は、通常、ガラス転移温度(Tg)が高く、該ポリカー
ボネートをたとえば光学用ディスクなどに成形するに
は、流動性を上げるため高温で溶融しなければならな
い。
【0006】一般的に、ポリマーは高温における溶融時
間が長い程、透明性あるいは色相が低下するなど、その
成形品に影響を受けやすい。このため、ポリカーボネー
トの流動性を向上させることができれば、成形時に受け
る熱の影響が少ない成形品が得られるようになるととも
に、成形サイクルが早くなり、生産歩留りも上がるなど
成形性も向上する。
【0007】このため、ポリカーボネートが本来有する
特性を損なうことなく、しかも流動性、成形性により優
れたポリカーボネートを、ホスゲンを用いることなく製
造しうる方法の出現が望まれていた。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
なされたものであって、機械的特性、耐熱性、透明性に
優れるとともに溶融成形時の流動性、成形性も向上され
たポリカーボネートを、ホスゲンを用いることなく製造
しうるポリカーボネートの製造方法を提供することを目
的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリカーボネートの製造方
法は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
を、末端封止剤の存在下に、溶融重縮合させてポリカー
ボネートを製造するに際して、末端封止剤として、得ら
れるポリカーボネートの分子末端のうち5〜99%に、
下記一般式[I]で表される脂肪族炭化水素ユニットを
導入可能な量で脂肪族モノカルボキシ化合物を用いるこ
とを特徴としている。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Rは炭素原子数10〜30のアル
キル基であり、直鎖状であっても、分岐状であってもよ
く、またハロゲンで置換されていてもよい。)本発明に
係るポリカーボネートの製造方法では、触媒として、
(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物を、芳香族ジヒドロキシ化合物総量1モルに対
して、1×10-8〜1×10-3モルの量でおよび必要に
応じて、(b) 含窒素塩基性化合物 および/または(c)
ホウ酸またはホウ酸エステルを用いることが好ましい。
【0012】また、本発明では、上記のように溶融重縮
合して得られる反応生成物に、酸性化合物さらにエポキ
シ化合物を添加することが好ましい。
【0013】
【発明の具体的説明】以下に本発明に係るポリカーボネ
ートの製造方法を具体的に説明する。まず、本発明でポ
リカーボネートを製造する際に用いられる芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸ジエステルについて説明する。
【0014】本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化
合物としては、特に限定されないが、下記式[II]で示
される化合物を挙げることができる。
【0015】
【化4】
【0016】R1 およびR2 は水素原子または1価の炭
化水素基であり、R3 は2価の炭化水素基である。また
4、R5 は、ハロゲンまたは1価の炭化水素基であ
り、これらは、同一であっても異なっていてもよい。
p、qは0〜4の整数を表す。)このような芳香族ジヒ
ドロキシ化合物としては、具体的には、ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス
(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス
(4-ヒドロキシ-1- メチルフェニル)プロパン、1,1-ビ
ス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-
ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパンなど
のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス
(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス
(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4'-ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'
-ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリー
ルエーテル類、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスル
フィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,
4'- ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'- ジヒ
ドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキシドなどの
ジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4'-ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-
ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリ
ールスルホン類などを挙げることができる。
【0017】これらのうちでは、特に2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)プロパンが好ましく用いられる。ま
た、芳香族ジヒドロキシ化合物として、下記一般式[II
I]で表される化合物を用いることもできる。
【0018】
【化5】
【0019】式中、R6 は、それぞれ炭素数1〜10の
炭化水素基またはそのハロゲン化物、またはハロゲンで
あり、同一であっても異なっていてもよい。nは0〜4
の整数である。
【0020】上記一般式[III]で表される芳香族ジヒ
ドロキシ化合物としては、具体的に、レゾルシンおよび
3-メチルレゾルシン、3-エチルレゾルシン、3-プロピル
レゾルシン、3-ブチルレゾルシン、3-t-ブチルレゾルシ
ン、3-フェニルレゾルシン、3-クミルレゾルシン、2,3,
4,6-テトラフルオロレゾルシン、2,3,4,6-テトラブロム
レゾルシンなどの置換レゾルシン、カテコール、ハイド
ロキノンおよび3-メチルハイドロキノン、3-エチルハイ
ドロキノン、3-プロピルハイドロキノン、3-ブチルハイ
ドロキノン、3-t-ブチルハイドロキノン、3-フェニルハ
イドロキノン、3-クミルハイドロキノン、2,3,5,6-テト
ラメチルハイドロキノン、2,3,5,6-テトラ-t-ブチルハ
イドロキノン、2,3,5,6-テトラフルオロハイドロキノ
ン、2,3,5,6-テトラブロムハイドロキノンなどの置換ハ
イドロキノンを挙げることができる。
【0021】また、本発明では芳香族ジヒドロキシ化合
物として、下記一般式で表される2,2,2',2'-テトラヒド
ロ-3,3,3',3'-テトラメチル-1,1'-スピロビ-[IH-イン
デン]-6,6'-ジオールを用いることもできる。
【0022】
【化6】
【0023】これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単
独であるいは組み合わせて用いることができる。また炭
酸ジエステルとしては、具体的には、ジフェニルカーボ
ネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニ
ル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチ
ルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチル
カーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどを挙
げることができる。
【0024】これらのうち特にジフェニルカーボネート
が好ましく用いられる。これらの炭酸ジエステルは、単
独であるいは組み合わせて用いることができる。
【0025】また上記のような炭酸ジエステルは、好ま
しくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以
下の量で、ジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステル
を含有していてもよい。
【0026】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルなど
の芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セバシン酸ジフェ
ニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二酸ジフェニル
などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロプロパンジカルボ
ン酸、1,2-シクロブタンジカルボン酸、1,3-シクロブタ
ンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,
3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジ
カルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シ
クロヘキサンジカルボン酸、シクロプロパンジカルボン
酸ジフェニル、1,2-シクロブタンジカルボン酸ジフェニ
ル、1,3-シクロブタンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シ
クロペンタンジカルボン酸ジフェニル、1,3-シクロペン
タンジカルボン酸ジフェニル、1,2-シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジフェニル、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸
ジフェニル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ジフェニ
ルなどの脂環族ジカルボン酸類を挙げることができる。
【0027】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルは、単独であるいは組み合わせて含有され
ていていてよい。上記のような炭酸ジエステルは、芳香
族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常、1.0〜
1.30モル、好ましくは1.01〜1.20モルの量で
用いられることが望ましい。
【0028】また本発明では、ポリカーボネートを製造
するに際して、上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物
と炭酸ジエステルとともに、1分子中に3個以上の官能
基を有する多官能化合物とを用いることもできる。
【0029】このような多官能化合物としては、フェノ
ール性水酸基またはカルボキシル基を有する化合物が好
ましく、特にフェノール性水酸基を3個含有する化合物
が好ましい。具体的には、たとえば、1,1,1-トリス(4-
ヒドロキシフェニル) エタン、2,2',2"-トリス(4-ヒド
ロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、α-メチル-
α,α',α'-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジエチ
ルベンゼン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニ
ル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼン、フロログリシ
ン、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニ
ル)-ヘプタン-2、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル)
ベンゼン、2,2-ビス-[4,4-(4,4'-ジヒドロキシフェニ
ル)-シクロヘキシル]-プロパン、トリメリット酸、1,
3,5-ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸などが挙
げられる。
【0030】これらのうち、1,1,1-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル) エタン、α, α',α"-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが好
ましく用いられる。
【0031】多官能化合物が用いられる場合には、多官
能化合物は芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、
通常、0.03モル以下、好ましくは0.001〜0.0
2モル、さらに好ましくは0.001〜0.01モルの量
で用いられる。
【0032】本発明では、ポリカーボネートを製造する
に際して、上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
酸ジエステルとともに、末端封止剤を使用する。本発明
では、末端封止剤として、得られるポリカーボネートの
分子末端に下記一般式[I]で表される脂肪族炭化水素
ユニットを導入可能な脂肪族モノカルボキシ化合物が用
いられる。
【0033】
【化7】
【0034】式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキ
ルであり、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、
またハロゲンで置換されててもよい。本発明において、
得られるポリカーボネート分子の末端に、上記式[I]
で表わされる脂肪族炭化水素ユニット(脂肪族カルボキ
シル基)を導入しうる化合物としては、具体的に、脂肪
族モノカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸エステルを挙
げることができる。
【0035】このような化合物として、具体的には、ウ
ンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ペンタデカン
酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノ
ナデカン酸、ヘネイコサノイック酸、トリコサノイック
酸、メリシック酸などのアルキルモノカルボン酸、ステ
アリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸フ
ェニルなどの上記アルキルモノカルボン酸のメチルエス
テル、エチルエステル、フェニルエステルなどのアルキ
ルモノカルボン酸エステルを挙げることができる。
【0036】これらは、単独で用いてもよく、これらを
組み合わせて用いてもよい。これらのうち、ステアリン
酸、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステア
リン酸フェニルなどが好ましく用いられる。
【0037】上記のような脂肪族モノカルボキシ化合物
は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して
0.01〜0.20モルの量で、好ましくは0.02〜
0.15モルの量で、さらに好ましくは0.02〜0.
10モルの量で用いられる。
【0038】末端封止剤として、脂肪族カルボキシ化合
物を上記のような量で用いることにより、得られるポリ
カーボネートの分子末端は、5〜99%、好ましくは1
0〜95%、さらに好ましくは20〜90%の割合で、
上記一般式[I]で表わされる末端基で封止されうる。
【0039】上記のように、一般式[I]で表される末
端基が上記割合で導入されたポリカーボネートは、耐衝
撃性などの機械的特性を保持したまま、溶融成形時の流
動性が向上されている。
【0040】本発明では、末端封止剤として、上記のよ
うな脂肪族モノカルボキシ化合物とともに、得られるポ
リカーボネートの分子末端に、下記一般式[IV]で表さ
れる芳香族炭化水素ユニットを導入可能なアルコキシ化
合物を用いることができる。
【0041】ArO− …[IV] 式中、Arは炭素原子数6〜50の芳香族炭化水素基を
表す。芳香族炭化水素基は特に限定されず、フェニル基
およびナフチル基、アンスラニル基などの縮合環であっ
てもよく、さらにこれら芳香環と飽和炭化水素および/
または複素原子とで環を形成していてもよい。また、こ
れらの芳香族環は、ハロゲン、炭素原子数1〜9のアル
キル基で置換されていてもよい。
【0042】このような式[IV]で表わされる末端基と
しては、具体的に、たとえば、下記各式で表わされるよ
うな骨格を有するフェノキシ基、p-tert-ブチルフェノ
キシ基、p-クミルフェノキシ基(p-フェニルイソプロピ
ルフェノキシ基)、クロマニルフェノキシ基などを挙げ
ることができる。
【0043】
【化8】
【0044】で表わされるフェノキシ基、
【0045】
【化9】
【0046】で表わされるp-tert-ブチルフェノキシ
基、
【0047】
【化10】
【0048】で表わされるp-クミルフェノキシ基(p-フ
ェニルイソプロピルフェノキシ基)、
【0049】
【化11】
【0050】で表わされるクロマニルフェノキシ基。本
発明では、得られるポリカーボネート分子に上記のよう
な末端基を導入しうる化合物として、具体的に以下のよ
うな化合物を挙げることができる。なお、以下に例示す
る化合物では、芳香族環は、ハロゲン、炭素原子数1〜
9のアルキルで置換されていてもよい。
【0051】上記式[V]で表されるフェノキシ基を導
入しうる化合物としては、たとえば、フェノールおよび
ジフェニルカーボネートなどを挙げることができる。上
記式[VI]で表されるp-tert-ブチルフェノキシ基を導
入しうる化合物としては、たとえば、p-tert-ブチルフ
ェノール、p-tert-ブチルフェニルフェニルカーボネー
ト、p-tert-ブチルフェニルカーボネートなどを挙げる
ことができる。
【0052】上記式[VII]で表されるp-クミルフェノ
キシ基を導入しうる化合物としては、たとえば、p-クミ
ルフェノール、p-クミルフェニルフェニルカーボネート
およびp-クミルフェニルカーボネートなどを挙げること
ができる。
【0053】また、一般式[VIII]で表わされるクロマ
ニルフェノキシ基としては、さらに詳しくは下記のよう
なクロマニルフェノキシ基を挙げることができる。
【0054】
【化12】
【0055】このような式[IX]で表わされるクロマニ
ルフェノキシ基を導入しうる化合物としては、具体的
に、以下に示すようなクロマン化合物を挙げることがで
きる。2,2,4-トリメチル-4-(4-ヒドロキシフェニル)
クロマン、2,2,4,6-テトラメチル-4-(3,5-ジメチル-4-
ヒドロキシフェニル)クロマン、2,3,4-トリメチル-2-
エチル-4-(3-ノニル-4-ヒドロキシフェニル)-7-ノニ
ル-クロマン、2,2,4-トリメチル-4-(3,5-ジエチル-4-
ヒドロキシフェニル)-6-エチルクロマン、2,2,4,6,8-
ペンタメチル-4-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)クロマン、2,2,4-トリエチル-3-メチル-4-(4-ヒド
ロキシフェニル)クロマン、2,2,4-トリメチル-4-(3-
ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,2,4-トリ
メチル-4-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロ
モクロマン、2,2,4-トリメチル-4-(3,5-ジブロモ-4-ヒ
ドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,2,4-トリメ
チル-4-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6,8-
ジブロモクロマンなどを挙げることができる。
【0056】これらのうちでは、特に2,2,4-トリメチル
-4-(4-ヒドロキシフェニル)クロマンが好ましい。ま
た、上記のような式[X]で表わされるクロマニルフェ
ノキシ基を導入しうる化合物としては、具体的に、以下
に示すようなクロマン化合物を挙げることができる。
【0057】2,2,3-トリメチル-3-(4-ヒドロキシフェニ
ル)クロマン、2,2,3,6-テトラメチル-3-(3,5-ジメチル
-4- ヒドロキシフェニル)クロマン、2,3,4-トリメチル
-2- エチル-3-(3-ノニル-4-ヒドロキシフェニル)-7-ノ
ニル・クロマン、2,2,3-トリメチル-3-(3,5-ジエチル-4
-ヒドロキシフェニル)-6-エチル-クロマン、2,2,3,6,8-
ペンタメチル-3-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)
クロマン、2,3,3-トリエチル-3メチル-3-(4-ヒドロキ
シフェニル) クロマン、2,2,3-トリメチル-3-(3-ブロモ
-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、2,2,3-ト
リメチル-3-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-
ブロモクロマン、2,2,3-トリメチル-3-(3,5-ジブロモ-4
-ヒドロキシフェニル)-6,8-ジブロモクロマンなどを挙
げることができる。
【0058】これらのうちでは、特に、2,2,3-トリメチ
ル-3(4- ヒドロキシフェニル) クロマンが好ましい。ま
た、上記のような式[XI]で表わされるクロマニルフェ
ノキシ基を導入しうる化合物としては、具体的に、以下
に示すようなクロマン化合物を挙げることができる。
【0059】2,4,4-トリメチル-2-(2-ヒドロキシフェ
ニル)クロマン、2,4,4,6-テトラメチル-2-(3,5ージメ
チルー2ーヒドロキシフェニル)クロマン、2,3,4-トリメ
チル-4-エチル-2-(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニ
ル)-7-ノニル-クロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3,5ー
ジメチルー2ーヒドロキシフェニル)-6-エチル-クロマ
ン、2,4,4,6,8-ペンタメチル-2-(3,5-ジメチル-2-ヒド
ロキシフェニル)-6-エチルクロマン、2,4,4-トリメチ
ル-2-(3-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,
4,4-トリメチル-2-(3-ブロモー2ーヒドロキシフェニル)
-6-ブロモクロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3,5ージブロ
モー2ーヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン 2,4,4-トリメチル-2-(3,5-ジブロモー2-ヒドロキシフェ
ニル)-6,8-ジブロモクロマンなどを挙げることができ
る。
【0060】これらのうちでは、特に2,2,4-トリメチル
-2-(2-ヒドロキシフェニル)クロマンが好ましい。さ
らに上記のような式[XII]で表わされるクロマニルフ
ェノキシ基を導入しうる化合物としては、具体的に、以
下に示すようなクロマン化合物を挙げることができる。
【0061】2,4,4-トリメチル-2-(4-ヒドロキシフェ
ニル)クロマン、2,4,4,6-テトラメチル-2-(3,5-ジメ
チル-4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4-トリエ
チル-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマン、2,3,4-ト
リメチル-4-エチル-2-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)-7-ノニル-クロマン、2,4,4-トリメチル-2-
(3,5-ジエチル-4-ヒドロキシフェニル)-6-エチル-ク
ロマン、2,4,4,6,8-ペンタメチル-2-(3,5-ジメチル-4-
ヒドロキシフェニル)-6-エチルクロマン、2,4,4-トリ
メチル-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)クロマ
ン、2,4,4-トリメチル-2-(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェ
ニル)-6-ブロモクロマン、2,4,4-トリメチル-2-(3,5-
ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-6-ブロモクロマン、
2,4,4-トリメチルー2ー(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェ
ニル)-6,8-ジブロモクロマンを挙げることができる。
【0062】これらのうちでは、特に2,4,4-トリメチル
-2-(4-ヒドロキシフェニル)クロマンが好ましい。上
記のような一般式[IV]で表される末端基を導入しうる
アリロキシ化合物が用いられるときは、通常、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して、0.01〜0.2モ
ル、好ましくは0.02〜0.15モル、さらに好まし
くは0.02〜0.10モルの量で用いられる。
【0063】上記のような脂肪族モノカルボキシ化合物
を含有する末端封止剤は、これら合計で芳香族ジヒドロ
キシ化合物1モルに対して、0.2モル以上の量で用い
ると、重合速度が低下する傾向にある。
【0064】本発明では、上記のような末端封止剤を用
いて、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを
溶融重縮合させる。この溶融重縮合は、以下のような
(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物を含有する触媒の存在下に行なわれる。
【0065】このようなアルカリ金属化合物およびアル
カリ土類金属化合物としては、具体的には、アルカリ金
属およびアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化
物、水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなどが好
ましく挙げられる。
【0066】より具体的には、このようなアルカリ金属
化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢
酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウ
ム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウ
ム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸
リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリ
ウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナ
トリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フェノール
のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが用いら
れる。
【0067】またアルカリ土類金属化合物としては、具
体的には、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシ
ウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸
水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロン
チウムなどが用いられる。
【0068】これら化合物は単独で、あるいは組み合わ
せて用いることができる。このような(a) アルカリ金属
化合物および/またはアルカリ土類金属化合物は、芳香
族ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-8〜1×
10-3モル、好ましくは1×10-7〜2×10-6モル、
さらに好ましくは1×10-7〜8×10-7モルの量で用
いられる。
【0069】(a) アルカリ金属化合物またはアルカリ土
類金属化合物の使用量が、芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対して1×10-8〜1×10-3モル以下である
と、重合活性を高く維持できるとともに、得られるポリ
カーボネートの性質に悪影響を及ぼさない量で酸性化合
物(後述する)を添加して、これら化合物が示す塩基性
を充分に中和するかあるいは弱めることができ、色相、
耐熱性、耐水性および耐候性に優れ、かつ長時間の溶融
安定性に優れたポリカーボネートが得られる。
【0070】本発明では、触媒として、上記のような
(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
属化合物とともに、(b) 塩基性化合物および/または
(c) ホウ酸化合物を用いることができる。
【0071】このような(b) 塩基性化合物としては、た
とえば高温で易分解性あるいは揮発性の含窒素塩基性化
合物が挙げられ、具体的には、以下のような化合物を挙
げることができる。
【0072】テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
シド(φ−CH2(Me)3NOH )などのアルキル、アリール、
アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシ
ド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン
類、R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキ
ル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)
で示される二級アミン類、RNH2 (式中Rは上記と同
じである)で示される一級アミン類、2-メチルイミダゾ
ール、2-フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、
あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボ
ロハイドライド(Bu4NBH4 )、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチル
アンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)など
の塩基性塩。
【0073】これらのうち、テトラアルキルアンモニウ
ムヒドロキシド類、特に金属不純物の少ない電子用テト
ラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が好ましく用い
られる。
【0074】また、(c) ホウ酸化合物としては、ホウ酸
およびホウ酸エステルなどを挙げることができる。ホウ
酸エステルとしては、下記一般式で示されるホウ酸エス
テルが用いられる。
【0075】B(OR)n(OH)3-n 式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルな
どのアリールなどであり、nは1,2または3である。
【0076】このようなホウ酸エステルとしては、具体
的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチ
ル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸ト
リナフチルなどが挙げられる。
【0077】上記のような(b) 含窒素塩基性化合物が用
いられるときは、(b) 含窒素塩基性化合物は、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して、1×10-6〜1×1
-1モル以下、好ましくは1×10-5〜1×10-2モル
の量で用いられる。(b) 含窒素塩基性化合物を芳香族ジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-6〜1×10
-1モルの量で用いると、エステル交換反応、重合反応が
十分な速度で進行し、さらに色相、耐熱性および耐水性
などに優れたポリカーボネートが得られる点で好まし
い。
【0078】また、(c) ホウ酸またはホウ酸エステルが
用いられるときは、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに
対して、1×10-8〜1×10-1モル、好ましくは1×
10 -7〜1×10-2モル、さらに好ましくは1×10-6
〜1×10-4モルの量で用いられる。(c) ホウ酸または
ホウ酸エステルの使用量が、芳香族ジヒドロキシ化合物
1モルに対して1×10-8〜1×10-1モルの量で用い
られると、熱老化後に分子量の低下を起こしにくく、さ
らに色相、耐熱性および耐水性に優れたポリカーボネー
トが得られる点で好ましい。
【0079】特に、(a) アルカリ金属化合物またはアル
カリ土類金属化合物と、(b) 含窒素塩基性化合物と、
(c) ホウ酸またはホウ酸エステルの三者からなる組合せ
の触媒は、透明性、耐熱性および耐水性に優れるととも
に色調も改良され、高分子量のポリカーボネートを、高
い重合活性で生成させることができる。
【0080】このような触媒の存在下、末端封止剤を用
いて行われる芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとの重縮合反応は、従来知られている重縮合反応条件
と同様な条件下で行なうことができる。
【0081】具体的には、第一段目の反応を80〜25
0℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは
120〜190℃の温度で、0〜5時間、好ましくは0
〜4時間、さらに好ましくは0〜3時間、常圧下、芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応させ
る。次いで反応系を減圧にしながら反応温度を高めて、
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を
行ない、最終的には5mmHg以下好ましくは1mmHg以
下の減圧下で240〜320℃の温度で芳香族ジヒドロ
キシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応を行なう。
【0082】上記のような重縮合反応において、末端封
止剤は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
ともに仕込むことができる。上記のような重縮合反応
は、連続式で行なってもよくまたバッチ式で行なっても
よい。また上記の反応を行なうに際して用いられる反応
装置は、槽型であっても管型であっても塔型であっても
よい。
【0083】上記のような本発明に係るポリカーボネー
トの製造方法では、上記のような原料物質中に含まれる
合計の塩素含有量を20ppm 以下、さらに好ましくは1
0ppm 以下にすることにより、特に透明性が低下しにく
いポリカーボネートを得ることができる。
【0084】本明細書でいう塩素含有量とは、塩酸など
の酸あるいは塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩と
して存在する塩素、あるいはフェニルクロロホーメイト
や塩化メチレンのような有機化合物中の塩素の含有量を
意味し、イオンクロマトグラフィーなどを用いて分析を
することによって測定することができる。
【0085】上記のような原料物質中の塩素含有量の合
計が20ppm 以下であると、特に色相の良好なポリカー
ボネートが得られるため好ましい。上記のような原料物
質中の塩素含有量の合計を20ppm 以下にするには、た
とえば、これらの原料をpH値が6.0〜9.0、好まし
くはpH値が7.0〜8.5、さらに好ましくはpH値が
7.0〜8.0であり、温度が78〜105℃、好ましく
は80〜100℃、さらに好ましくは80〜90℃の温
水、あるいは弱塩基性水溶液で洗浄すればよい。
【0086】上記のような原料物質を洗浄する際に用い
られる弱塩基性水溶液としては、たとえば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムおよびテトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシドなど塩基性を示す化合物を所定のpH
値を示すように水に溶解した水溶液が用いられる、この
うち、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムあるいは
炭酸水素カリウムの水溶液を用いることが特に好まし
い。
【0087】また原料物質、特に炭酸ジエステルを上記
のような温水で洗浄した後、さらに蒸留して用いること
が好ましい。また、本発明では、上記の原料物質中に含
まれる合計のナトリウムイオン含有量を、好ましくは
1.0ppm以下、さらに好ましくは0.5ppm 以下とする
ことにより、さらに着色のないポリカーボネートを得る
ことができる。
【0088】なお原料物質中に含まれるナトリウムイオ
ン含有量は、原子吸光分析および誘導結合プラズマ発光
分析によって決定される。上記のような原料物質中に含
まれるナトリウムイオン含有量を上記のような値以下と
するには、蒸留、再結晶、フェノールとのアダクト法な
どの精製法を採用すればよい。
【0089】このようにして得られるポリカーボネート
では、20℃の塩化メチレン中で測定した極限粘度
[η]が、通常、0.1〜1.0dl/g、好ましくは0.
2〜0.7dl/gである。
【0090】またガラス転移温度(Tg)は、100〜
170℃、好ましくは110〜150℃である。さらに
メルトフローレート(MFR)は、JIS K-7210の方法に
準拠し、温度300℃、荷重1.2Kgで測定し、2g/10
分以上、好ましくは5g/10分以上である。
【0091】上記のようにして得られるポリカーボネー
トは、通常、次式で表される繰り返し単位からなる主鎖
を有している。
【0092】
【化13】
【0093】ただし、X、R4 、R5 、p、qは、式
[II]において説明したとおりである。上記のような主
鎖を有するポリカーボネートは、一般にその分子中に少
なくとも2個のOH基などの末端基を有している。本発
明で得られるポリカーボネートでは、このような分子末
端のうち、上記式[I]で表される脂肪族炭化水素ユニ
ットが5〜99%、好ましくは10〜95%、さらに好
ましくは20〜90%の割合で結合している。
【0094】分子末端がこのようなユニットで封止され
たポリカーボネートは、流動性、成形性に優れるととも
に、低分子量でも耐衝撃性などの機械特性に優れてい
る。本発明で得られるポリカーボネートでは、上記のよ
うな式[I]で表されるユニットで封止された末端以外
の分子末端は、上記[IV]で表わされるユニット、さら
に原料である芳香族ジヒドロキシ化合物に由来するフェ
ノール性OH基(たとえばビスフェノル−Aに由来する
フェノール)であってもよいし、他の不活性な基で封止
されていてもよい。このような[I]]で表されるユニ
ットで封止されていない末端基は、通常、1〜95%、
好ましくは5〜90%、さらに好ましくは10〜80%
の割合で本発明のポリカーボネートを構成している。
【0095】本発明で得られるポリカーボネートには、
上述の割合で一般式[I]で表されるユニットが結合し
たすべてのポリカーボネートが包含される。すなわち、
たとえば、溶融重縮合の際に、末端封止剤として脂肪族
カルボキシル化合物とジフェニルカーボネートのような
炭酸ジエステルを使用して、同一のポリカーボネート中
に、一般式[I]で表される脂肪族炭化水素ユニット
と、炭酸ジエステルに帰因する末端基とが導入されたポ
リカーボネートであってもよいし、また、脂肪族炭化水
素ユニットで末端が封止されたポリカーボネート(1)
と、他のユニットによって末端が封止されたポリカーボ
ネート(2) とを予め別々に調製し、これらを所定の割合
で混合することにより調製されたものであってもよい。
【0096】このようなポリカーボネートのうち、末端
位に結合している上記式[I]で表される脂肪族炭化水
素ユニットの割合が、20〜90%であるポリカーボネ
ートは、流動性、成形性に優れるとともに、低分子量で
の耐衝撃性に特に優れており好ましい。
【0097】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、このようにして得られた反応生成物、すなわちポ
リカーボネートに、酸性化合物および必要に応じてエポ
キシ化合物を添加することが好ましい。
【0098】本発明で用いられる酸性化合物は、触媒と
して用いられたアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属
化合物などのアルカリ性化合物を中和することができれ
ば、ルイス酸化合物であってもブレンステッド酸化合物
あるいはイオウ原子を含む強酸のエステルであってもよ
い。
【0099】また、特にブレンステッド酸化合物は、2
5℃の水溶液中でのpKaが5以下、好ましくは3以下
である。このようなpKa値を示す酸性化合物を用いる
ことにより、触媒として用いたアルカリ金属またはアル
カリ土類金属を中和することができ、得られるポリカー
ボネートを安定化させることができるという利点があ
る。
【0100】ルイス酸化合物としては、具体的には、ホ
ウ酸亜鉛、リン酸ホウ素などのホウ素化合物、B(OC
33 、B(OEt)3 、B(OPh)3 などのホウ酸
エステル、ステアリン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニ
ウムなどのアルミニウム化合物、炭酸ジルコニウム、ア
ルコキシドジルコニウム、ヒドロキシカルボン酸ジルコ
ニウムなどのジルコニウム化合物、リン化ガリウム、ア
ンチモン化ガリウムなどのガリウム化合物、酸化ゲルマ
ニウム、有機ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、
テトラおよびヘキサオルガノスズ、PhOSn(Bu)
2OSn(Bu)2OPhなどのスズ化合物、酸化アンチ
モン、アルキルアンチモンなどのアンチモン化合物、酸
化ビスマス、アルキルビスマスなどのビスマス化合物、
(CH3COO)2Zn 、ステアリン酸亜鉛などの亜鉛化
合物、アルコキシチタン、酸化チタンなどのチタン化合
物などを挙げることができる。
【0101】なお、上記式中、Phはフェニル基、Et
はエチル基、Buはブチル基を表わす。また、ブレンス
テッド酸化合物としては、具体的には、リン酸、亜リン
酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ホウ酸、塩
酸、臭化水素酸、硫酸、亜硫酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、ドデカン12酸、L-アスコルビン酸、アスパラギン
酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、
サリチル酸、ニコチン酸、フマル酸、マレイン酸、シュ
ウ酸、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸お
よびベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ス
ルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル- スルホン化
スチレン共重合体などのスルホン酸類の化合物等を挙げ
ることができる。
【0102】イオウ原子を含む酸のエステルとしては、
ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p-トルエンスルホン酸の
メチル、エチル、ブチル、オクチルあるいはフェニルエ
ステル、ベンゼンスルホン酸のメチル、エチル、ブチ
ル、オクチル、フェニルエステルなどの酸残基部分のp
Kaが3以下の化合物が用いられる。
【0103】このような酸性化合物のうち、イオウ原
子、リン原子などを含有する酸性化合物が好ましく、特
にイオウ原子を含有する酸性化合物が好ましい。イオウ
原子を含有する酸性化合物のうちでも、特に、下記一般
式[XIV]で表わされる化合物が好ましい。
【0104】
【化14】
【0105】〔式中、R7は炭素数1〜50の炭化水素
基(水素はハロゲンで置換されていてもよい)であり、
8 は水素またはまたは炭素数1〜50の炭化水素基
(水素はハロゲンで置換されていてもよい)であり、n
は0〜3の整数である。〕このようなスルホン酸系化合
物およびこの誘導体としては、以下のような化合物を挙
げることができる。
【0106】ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン
酸などのスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベン
ゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベ
ンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニ
ル、p-トルエンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン
酸エチル、p-トルエンスルホン酸ブチル、p-トルエンス
ルホン酸オクチル、p-トルエンスルホン酸フェニルなど
のスルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸アンモニ
ウムなどのスルホン酸アンモニウム塩を挙げることがで
きる。
【0107】さらに、上記一般式[XIV]で表されるス
ルホン酸化合物以外にも、トリフルオロメタンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、
アクリル酸メチル-スルホン化スチレン共重合体などの
スルホン酸類。
【0108】これらの化合物は、単独で、あるいは組み
合わせて用いることができる。これらのうち、pKa値
が3以下であるイオウ含有酸性化合物および該酸性化合
物から形成される誘導体として、上記一般式[XIV]で
表されるスルホン酸系化合物およびこの誘導体が好まし
く用いられ、特にベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸ブチル、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホ
ン酸エチル、p-トルエンスルホン酸ブチルが好ましく用
いられる。
【0109】特に好ましくはp-トルエンスルホン酸ブチ
ルが用いられる。本発明に係るポリカーボネートの製造
方法では、上記のような酸性化合物をポリカーボネート
に対して、0.1〜10pmm 、好ましくは0.1〜8ppm
、特に好ましくは0.1〜5ppm の量で添加することが
好ましい。
【0110】本発明では、酸性化合物とともにさらにエ
ポキシ化合物を添加することが好ましい。このようなエ
ポキシ化合物として、1分子中にエポキシ基を1個以上
有する化合物が用いられる。その使用量は特に規制され
ないが、通常は、反応生成物であるポリカーボネート1
00重量部に対して、0.0001〜0.2重量部、好
ましくは0.001〜0.1重量部の量で用いられる。
【0111】このようなエポキシ化合物として、具体的
には、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、フェニ
ルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t-
ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4-エポキシシク
ロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート、3,4-エポキシ-6- メチルシクロヘキシルメチ
ル3,4-エポキシ-6- メチルシクロヘキサンカルボキシレ
ート、2,3-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、4-(3,4-エポキシ-5
- メチルシクロヘキシル)ブチル3,4-エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、3,4-エポキシシクロヘキシル
エチレンオキシド、シクロヘキシルメチル3,4-エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-6- メ
チルシクロヘキシルメチル-6- メチルシクロヘキサンカ
ルボキシレート、ビスフェノール-Aジグリシジルエーテ
ル、テトラブロモビスフェノール-Aグリシジルエーテ
ル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフ
タル酸のジグリシジルエステル、ビス- エポキシジシク
ロペンタジエニルエーテル、ビス- エポキシエチレング
リコール、ビス- エポキシシクロヘキシルアジペート、
ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポ
キシド、オクチルエポキシタレート、エポキシ化ポリブ
タジエン、3,4-ジメチル-1,2- エポキシシクロヘキサ
ン、3,5-ジメチル-1,2- エポキシシクロヘキサン、3-メ
チル-5-t- ブチル-1,2- エポキシシクロヘキサン、オク
タデシル-2,2- ジメチル-3,4- エポキシシクロヘキサン
カルボキシレート、N-ブチル-2,2- ジメチル-3,4- エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート、シクロヘキシル
-2- メチル-3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート、N-ブチル-2- イソプロピル-3,4- エポキシ-5- メ
チルシクロヘキサンカルボキシレート、オクタデシル-
3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-エ
チルヘキシル-3',4'- エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート、4,6-ジメチル-2,3- エポキシシクロヘキシル
-3',4'- エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、4,
5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3-t-ブチル-4,5
- エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジエチル4,5-エ
ポキシ- シス-1,2- シクロヘキサンジカルボキシレー
ト、ジ-n- ブチル-3-t-ブチル-4,5- エポキシ- シス-1,
2- シクロヘキサンジカルボキシレート等が挙げられ、
これらを単独で用いても2種以上混合して用いてもよ
い。
【0112】このようにして反応生成物であるポリカー
ボネートに、酸性化合物と同時にエポキシ化合物を添加
すると、過剰に残存する酸性化合物がエポキシ化合物と
反応して中性化され、色調、耐熱性、耐水性などの優れ
たポリカーボネートが得られる。
【0113】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、反応生成物として得られたポリカーボネートに、
酸性化合物と必要に応じてエポキシ化合物を加える方法
に特に限定はなく、たとえば溶融状態にあるポリカーボ
ネートに酸性化合物および必要に応じてエポキシ化合物
を加え混練してもよく、ポリカーボネートの溶液に酸性
化合物と必要に応じてエポキシ化合物を加え攪拌しても
よい。
【0114】酸性化合物およびエポキシ化合物を加える
方法としては、さらに具体的には、重縮合反応が終了し
て得られる溶融状態にある反応器内または押出機内の反
応生成物であるポリカーボネートに、直接酸性化合物と
必要に応じてエポキシ化合物を別々にあるいは同時に加
え混練する方法、得られたポリカーボネートをペレット
化し、このペレットを酸性化合物と必要に応じてエポキ
シ化合物とともに一軸または二軸押出機などに供給して
溶融混練する方法、得られたポリカーボネートを適当な
溶媒、たとえば塩化メチレン、クロロホルム、トルエ
ン、テトラヒドロフランなどに溶解させて溶液を調製
し、この溶液に酸性化合物と必要に応じてエポキシ化合
物を別々にまたは同時に加え攪拌する方法などを挙げる
ことができる。
【0115】またポリカーボネートに酸性化合物とエポ
キシ化合物とを添加する順序は、酸性化合物が先であっ
ても、エポキシ化合物が先であってもよい。本発明で
は、得られたポリカーボネートに、酸性化合物およびエ
ポキシ化合物に加えて、通常の耐熱安定剤、チヌビン系
紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、アン
チブロッキング剤、滑剤、防曇剤、染料、顔料、天然
油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤な
どを本発明の目的を損なわない範囲で配合することがで
きる。
【0116】上記のような耐熱安定剤としては、具体的
には、たとえば、フェノール系安定剤、有機チオエーテ
ル系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、ヒンダードア
ミン系安定剤、エポキシ系安定剤などを挙げることがで
きる。
【0117】フェノール系安定剤としては、たとえば、
n-オクタデシル-3-(4-ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチル
フェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン-3-
(3',5'-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4- ヒドロ
キシ-5-t- ブチルフェニル)ブタン、ジステアリル(4-
ヒドロキシ-3- メチル-5-t- ブチル)ベンジルマロネー
ト、4-ヒドロキシメチル-2,6- ジ-t- ブチルフェノール
等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上混合し
て用いてもよい。
【0118】チオエーテル系安定剤としては、たとえ
ば、ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル
・チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3'-チオジプ
ロピオネート、ジトリデシル-3,3'-チオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリトール- テトラキス-(β- ラウリル
- チオプロピオネート)などが挙げられ、これらを単独
で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0119】また、リン系安定剤としては、たとえば、
ビス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ペンタエリスリチル
ジホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフ
ェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソオクチ
ルホスファイト、2-エチルヘキシルジフェニルホスファ
イトなどのアリールアルキルホスファイト、トリメチル
ホスファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホ
スファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホ
スファイト、トリデシルホスファイト、トリオクタデシ
ルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリチルジホ
スファイト、トリス(2-クロロエチル)ホスファイト、
トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスファイトなどのト
リアルキルホスファイト、トリシクロヘキシルホスファ
イトなどのトリシクロアルキルホスファイト、トリフェ
ニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリス
(エチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-
ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ヒドロキシフェニル)ホス
ファイトなどのトリアリールホスファイト、トリメチル
ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート、トリデシルホ
スフェート、トリオクタデシルホスフェート、ジステア
リルペンタエリスリチルジホスフェート、トリス(2-ク
ロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3-ジクロロプロ
ピル)ホスフェートなどのトリアルキルホスフェート、
トリシクロヘキシルホスフェートなどのトリシクロアル
キルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリク
レジルホスフェート、トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ェート、2-エチルフェニルジフェニルホスフェートなど
のトリアリールホスフェートなどが挙げられ、これらを
単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0120】またヒンダードアミン系安定剤としては、
たとえば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピ
ペリジル)セバケート、1-[2-{3-(3,5-ジ-t- ブチル
-4- ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]-4- {3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}-2,2,6,6- テトラメチルピペ
リジン、8-ベンジル-7,7,9,9- テトラメチル-3- オクチ
ル-1,2,3- トリアザスピロ 4,5 ウンデカン-2,4-ジオ
ン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリ
ジン、2-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)
-2-n- ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4
- ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4
- ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート
などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上混合
して用いてもよい。
【0121】これらの耐熱安定剤は、ポリカーボネート
100重量部に対して、0.001〜5重量部、好まし
くは0.005〜0.5重量部、さらに好ましくは0.
01〜0.3重量部の量で用いられることが望ましい。
【0122】このような耐熱安定剤は、固体状で添加し
てもよく、液体状で添加してもよい。このような耐熱安
定剤は、ポリカーボネートが最終重合器から冷却されて
ペレタイズされる間の溶融状態にある間に添加すること
が好ましく、このようにするとポリカーボネートが受け
る熱履歴回数が少ない。また、押出成形やペレタイズな
ど再び加熱処理をする際には、ポリカーボネートは耐熱
安定剤を含有しているので、熱分解を抑制することがで
きる。
【0123】また上記のような耐熱安定剤を添加するに
際して、同時に紫外線吸収剤を添加することもできる。
このような紫外線吸収剤としては、一般的な紫外線吸収
剤でよく、特に限定されないが、たとえば、サリチル酸
系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0124】サリチル酸系紫外線吸収剤としては、具体
的には、フェニルサリシレート、p-t-ブチルフェニルサ
リシレートが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収
剤としては、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒド
ロキシ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキ
シ-4- メトキシベンゾフェノン、2,2'- ジヒドロキシ-
4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メ
トキシ-2'-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4
- メトキシ-5- スルホベンゾフェノントリヒドレート、
2-ヒドロキシ-4-n- オクトキシベンゾフェノン、2,2',
4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキ
シ-2- ヒドロキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル
-4- ヒドロキシ-2- メトキシフェニル)メタン、2-ヒド
ロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5- スルホン酸など
が挙げられる。
【0125】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチル- フェニル)ベンゾ
トリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチ
ル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキ
シ-3'-t-ブチル-5'-メチル-フェニル)-5- クロロベン
ゾトリアゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-t-ブ
チル- フェニル)-5- クロロベンゾトリアゾール、2-
(2'- ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2-(2'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- アミルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'- ヒドロキシ -
3'-(3",4",5",6"-テトラヒドロフタルイミドメチル)-
5'-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2'- メチ
レンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-
ベンゾトリアゾール-2- イル)フェノール]などを挙
げることができる。
【0126】シアノアクリレート系紫外線吸収剤として
は、2-エチルヘキシル-2- シアノ-3,3- ジフェニルアク
リレート、エチル-2- シアノ-3,3- ジフェニルアクリレ
ートなどを挙げることができる。これらを単独で用いて
も、2種以上混合して用いてもよい。
【0127】これらの紫外線吸収剤は、ポリカーボネー
ト100重量部に対して、通常0.001〜5重量部、
好ましくは0.005〜1.0重量部、さらに好ましく
は0.01〜0.5重量部の量で用いられる。
【0128】本発明においては、上記のような耐熱安定
剤を添加するに際して、同時に離型剤を添加することも
できる。このような離型剤としては、一般的な離型剤で
よく、特に限定されない。たとえば、炭化水素系離型剤
としては、天然、合成パラフィン類、ポリエチレンワッ
クス類、フルオロカーボン類などを挙げることができ
る。
【0129】脂肪酸系離型剤としては、ステアリン酸、
ヒドロキシステアリン酸などの高級脂肪酸、オキシ脂肪
酸類などを挙げることができる。脂肪酸アミド系離型剤
としては、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロ
アミドなどの脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミ
ド類などを挙げることができる。
【0130】アルコール系離型剤としては、ステアリル
アルコール、セチルアルコールなどの脂肪族アルコー
ル、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロー
ル類などを挙げることができる。
【0131】脂肪酸エステル系離型剤としては、ブチル
ステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレー
トなどの脂肪族酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価
アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル類
などを挙げることができる。
【0132】シリコーン系離型剤としては、シリコーン
オイル類などを挙げることができる。これらは単独で用
いても、2種以上混合して用いてもよい。これらの離型
剤は、ポリカーボネート100重量部に対して、通常
0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜1重量
部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部の量で用
いられる。
【0133】さらに上記のような耐熱安定剤を添加する
に際して、同時に着色剤を添加することもできる。この
ような着色剤としては、顔料であってもよく、染料であ
ってもよい。着色剤には、無機系と有機系の着色剤があ
るが、どちらを使用してもよく、また、組み合わせて用
いてもよい。
【0134】無機系着色剤として、具体的には、二酸化
チタン、ベンガラなどの酸化物、アルミナホワイトなど
の水酸化物、硫化亜鉛などの硫化物、セレン化物、紺青
などのフェロシアン化物、ジンククロ メート、モリブ
デンレッドなどのクロム酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸
塩、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、群青などの硅酸塩、
マンガンバイオレットなどのリン酸塩、カーボンブラッ
クなどの炭素、ブロンズ粉やアルミニウム粉などの金属
粉着色剤などが挙げられる。
【0135】有機系着色剤としては、具体的には、ナフ
トールグリーンBなどのニトロソ系、ナフトールイエロ
ーSなどのニトロ系、リソールレッドやボルドー10
B、ナフトールレッド、クロモフタールイエローなどの
アゾ系、フタロシアニンブルーやファストスカイブルー
などのフタロシアニン系、インダントロンブルーやキナ
クソドンバイオレット、ジオクサジンバイオレットなど
の縮合多環系着色剤などが挙げられる。
【0136】これらの着色剤は、単独で用いても組み合
わせて用いてもよい。これらの着色剤は、ポリカーボネ
ート100重量部に対して、通常1×10-6〜5重量
部、好ましくは1×10-5〜3重量部、さらに好ましく
は1×10-5〜1重量部の量で用いられる。
【0137】また本発明では、重縮合反応によって得ら
れたポリカーボネートに、酸性化合物と必要に応じてエ
ポキシ化合物とを添加した後に、減圧処理を施すことが
好ましい。
【0138】このような減圧処理をするに際しては、処
理装置は特に限定されないが、たとえば、減圧装置付反
応器が用いられてもよく、減圧装置付押出機が用いられ
てもよい。
【0139】反応器が用いられる際は、縦型槽型反応
器、横型槽型反応器いずれでもよく、好ましくは横型槽
型反応器が好ましく用いられる。減圧処理を上記のよう
な反応器において行なう際は、圧力0.05〜750mm
Hg、好ましくは0.05〜5mmHgの条件下で行なわ
れる。
【0140】このような減圧処理は、押出機を用いて行
なう場合には、10秒〜15分間程度、また反応器を用
いる場合には、5分〜3時間程度の時間で行なうことが
好ましい。また減圧処理は、240〜350℃程度の温
度で行なうことが好ましい。
【0141】また減圧処理が押出機においてなされる際
は、ベント付の一軸押出機、二軸押出機いずれが用いら
れてもよく、押出機で減圧処理をしながらペレタイズす
ることもできる。
【0142】減圧処理が押出機においてなされる際は、
減圧処理は、圧力1〜750mmHg好ましくは5〜70
0mmHgの条件下で行なわれる。このようにして反応生
成物であるポリカーボネートに、酸性化合物と必要に応
じてエポキシ化合物を添加した後に、減圧処理を施す
と、残留モノマーやオリゴマーを低減させたポリカーボ
ネートを得ることができる。
【0143】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、特定の化合物を末端封止剤として用いているの
で、ディスクグレード並みの低い分子量でも充分な耐衝
撃性を保持し、かつ耐熱性、耐水性、耐候性および透明
性に優れるとともに流動性、成形性も向上されたポリカ
ーボネートを、効率よく製造することができる。
【0144】さらに本発明では、溶融重合法によってポ
リカーボネートを製造しているので、得られるポリカー
ボネート中に塩素を残留することなくポリカーボネート
を製造することができる。
【0145】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐水性、耐候
性に優れたポリカーボネートを、ポリカーボネート中に
塩素を残留することなく製造することができる。
【0146】また、本発明では特に流動性、成形性に優
れたポリカーボネートが製造できる。このようなポリカ
ーボネートは、成形品質に優れたポリカーボネート成形
品を形成しうる。また、使用時においても長時間に亘っ
て色相安定性に優れたポリカーボネートの成形品を提供
しうるので、シートやレンズ、コンパクトディスクなど
の光学用用途や自動車などの屋外で使用される用途およ
び各種機器のハウジングなどのあらゆる用途に好適に使
用できる。
【0147】以下本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0148】
【実施例】なお、以下の実施例において得られたポリカ
ーボネートの物性は、下記のようにして測定した。
【0149】極限粘度(IV):塩化メチレン中(0.5dl
/g)20℃でウベローデ粘度計を用いて測定した。 末端基構造:サンプル0.4gを3mlのクロロホルムに
溶解し、40℃で13C−NMR(日本電子(株)製、G
B-270)を用いて、末基端の構造および割合を測定
した。
【0150】色相(YI):2mm厚のプレスシートのLab
値を日本電色工業(株)のColor and Color Defference
Meter ND-1001 DP を用い透過法で測定し、黄色度
(YI)を算出した。
【0151】
【数1】 YI =(71.53a+178.82b)/L100(1.277X−1.060Z) ガラス転移温度(Tg):パーキンエルマー社製 MODE
L DSC-2示差走査熱量計を用いて毎分10℃の昇温速度
で樹脂の示差) メルトフローレート(MFR):JIS K-7210の方法に準
拠し、280℃、荷重1.2Kgの条件で測定した。
【0152】
【実施例1】ジフェニルカーボネート(Bayer社製のジ
フェニルカーボネートを80℃、pH 7.0の温水で2回洗浄
し、収率90%で蒸留;Na含量10ppb以下、塩素含量0.05p
pm 以下)0.453キロモルと、ビスフェノールA(日本ジ
ーイープラスチック(株)製のNa含量10ppb以下、塩素
含量0.05ppm 以下)0.44キロモルと、ステアリン酸フェ
ニル0.022 キロモルとを250リットル槽型攪拌槽に仕
込み、窒素置換した後に140℃で溶融した。次にこれ
を180℃まで昇温し、30分間攪拌した。次に触媒と
してテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.11
モル-モルおよび水酸化ナトリウムを0.00044モル
添加し、温度を240℃まで上昇させると同時に圧力を
除々に20mmHgまで下げた。温度圧力を一定に保ち、
留出するフェノールの量を測定し、留出するフェノール
がなくなった時点で窒素にて大気圧に戻した。反応に要
した時間は2時間であった。得られた反応物の極限粘度
[IV]は0.14dl/gであった。
【0153】次にこの反応物をギヤポンプで昇圧し、遠
心式薄膜蒸発機に送入し、反応を進めた。薄膜蒸発機の
温度、圧力はそれぞれ290℃、2mmHgにコントロー
ルした。蒸発機下部よりギヤポンプにて抜き出したプレ
ポリマーはダイを通して窒素雰囲気下でストランド状と
し、カッターで切断し、ペレットとした。このプレポリ
マーの極限粘度[IV]は0.32dl/gであった。
【0154】次にこのプレポリマーを295℃、0.2m
mHgにコントロールされた2軸横型攪拌重合槽(L/
D=6、攪拌翼回転直径150mm、内容積40リット
ル)に押出機にて40kg/時間で送り込み滞留時間30
分にて重合させた。
【0155】次に、溶融状態のままで、このポリマーを
ギヤポンプにて2軸押出機(L/D=17.5、バレル
温度280℃)に送入し、樹脂に対して、p-トルエンス
ルホン酸ブチル1.8ppm を混練し、ダイを通してスト
ランド状とし、カッターで切断してペレットとした。
【0156】得られたポリマーの極限粘度[IV]は、
0.49dl/gであった。結果を表1に示す。
【0157】
【実施例2〜8】実施例1において、表1に記載した触
媒の種類と量、脂肪族モノカルボキシ化合物の種類と
量、添加剤の種類と量とを用いた以外は、実施例1と同
様の方法でペレットを得た。
【0158】ただし、最終重合温度は、実施例3、8で
は294℃、実施例4〜6では、297℃、実施例7で
は298℃で重合した。結果を表1に示す。
【0159】
【実施例9】実施例5において、ステアリン酸フェニル
0.011キロモル仕込む代わりにステアリン酸フェニ
ル0.011キロモルと2,2,4-トリメチル-4-(4-ヒドロ
キシフェニル)クロマン(GE社製;クロマンI)0.
011キロモルを仕込み、最終重合温度を297℃にし
た以外は、実施例5と同様の方法で、ペレットを得た。
【0160】結果を表2に示す。
【0161】
【参考例1】実施例1において、表1に記載した触媒の
種類と量、脂肪族モノカルボキシ化合物の種類と量、添
加剤の種類と量とを用いた以外は、実施例1と同様の方
法でペレットを得た。
【0162】ただし、最終重合温度は273℃で重縮合
した。結果を表1に示す。
【0163】
【表1】
【0164】
【表2】
【0165】
【表3】
【0166】
【表4】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
    ルとを、末端封止剤の存在下に、溶融重縮合させてポリ
    カーボネートを製造するに際して、 末端封止剤として、 得られるポリカーボネートの分子末端のうち5〜99%
    に、下記一般式[I]で表される脂肪族炭化水素ユニッ
    トを導入可能な量で脂肪族モノカルボキシ化合物を用い
    ることを特徴とするポリカーボネートの製造方法: 【化1】 (式中、Rは炭素原子数10〜30のアルキル基であ
    り、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、またハ
    ロゲンで置換されていてもよい。)
  2. 【請求項2】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
    ルとを、末端封止剤の存在下に、溶融重縮合させてポリ
    カーボネートを製造するに際して、 末端封止剤として、 得られるポリカーボネートの分子末端のうち5〜99%
    に、上記一般式[I]で表される脂肪族炭化水素ユニッ
    トを導入可能な量で脂肪族モノカルボキシ化合物を用い
    て、 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重
    縮合させ、 得られる反応生成物に、酸性化合物および必要に応じて
    エポキシ化合物を添加することを特徴とするポリカーボ
    ネートの製造方法。
  3. 【請求項3】溶融重縮合の際に、触媒として、 (a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
    属化合物を、 芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、1×10-8
    〜1×10-3モルの量で用いることを特徴とする請求項
    1または2に記載のポリカーボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】溶融重縮合の際に、触媒として、 (a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
    属化合物を、 芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、1×10-7
    〜2×10-6モルの量で用いることを特徴とする請求項
    1または2に記載のポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】溶融重縮合の際に、触媒として、 (a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金
    属化合物を、 芳香族ジヒドロキシ化合物総量1モルに対して、1×1
    -8〜1×10-3モルの量で用いるとともに、 (b) 含窒素塩基性化合物 および/または (c) ホウ酸またはホウ酸エステル を用いることを特徴とする請求項1または2に記載のポ
    リカーボネートの製造方法。
  6. 【請求項6】酸性化合物として、 pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化合物および/
    または該酸性化合物から形成される酸性化合物を添加す
    ることを特徴とする請求項2に記載のポリカーボネート
    の製造方法。
  7. 【請求項7】pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化
    合物および/または該酸性化合物から形成される酸性化
    合物として、 下記一般式[XIV]で表わされる化合物を用いることを
    特徴とする請求項6に記載のポリカーボネートの製造方
    法。 【化2】 〔式中、R7は1〜50の炭化水素基(水素はハロゲン
    で置換されていてもよい)であり、R8は水素または炭
    素数1〜50の炭化水素基(水素はハロゲンで置換され
    ていてもよい)であり、nは0〜3の整数である。〕
  8. 【請求項8】pKa値が3以下であるイオウ含有酸性化
    合物および/または該酸性化合物から形成される誘導体
    として、p-トルエンスルホン酸ブチルを用いることを特
    徴とする請求項6に記載のポリカーボネートの製造方
    法。
JP3159142A 1991-06-28 1991-06-28 ポリカーボネートの製造方法 Pending JPH059283A (ja)

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