JPH0592594A - サーマルヘツド - Google Patents

サーマルヘツド

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JPH0592594A
JPH0592594A JP25628391A JP25628391A JPH0592594A JP H0592594 A JPH0592594 A JP H0592594A JP 25628391 A JP25628391 A JP 25628391A JP 25628391 A JP25628391 A JP 25628391A JP H0592594 A JPH0592594 A JP H0592594A
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JP
Japan
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common electrode
scanning direction
thermal head
head substrate
protrusion
Prior art date
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Pending
Application number
JP25628391A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsumoru Inagaki
積 稲垣
Minoru Ogawa
実 小川
Tokuhito Mochizuki
徳人 望月
Takashi Harakawa
崇 原川
Hiroyuki Kushida
博之 櫛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Tokyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0592594A publication Critical patent/JPH0592594A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーマルプリンタの小型化や省電力化及び生
産性向上を実現する。 【構成】 ヘッド基板28の表面に発熱ライン37が頂
部の平面30上に位置する凸部29を形成し、この凸部
29に離接する平面34上に共通電極39を分厚く形成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルプリンタや感
熱孔版形成装置などに利用されるサーマルヘッドに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現在では各種形態のプリンタが実用化さ
れており、簡易な構造で静粛な印刷が行なえるプリンタ
としてはサーマルプリンタなどが実用化されている。そ
こで、このようなサーマルプリンタの第一の従来例を図
6に基づいて説明する。まず、このサーマルプリンタ1
では、記録媒体2の搬送路を介してプラテンローラ3と
サーマルヘッド4とを対向配置した構造となっており、
このサーマルヘッド4はアルミニウム等からなる放熱板
5上にヘッド基板6と回路基板7とを並設した構造とな
っている。
【0003】そして、前記ヘッド基板6上には、主走査
方向に連設された多数の発熱抵抗体8からなる発熱ライ
ン9が設けられており、この発熱ライン9の副走査方向
の両側の各々に多数の前記発熱抵抗体8に共通に導通す
る共通電極10と個々に導通する個別電極11とが設け
られている。さらに、前記ヘッド基板6の一縁部には、
前記電極10,11とボンディングワイヤ12で接続さ
れたドライバIC(Integrated Circuit)13が実装
されており、このドライバIC13が前記回路基板7に
ボンディングワイヤ12で結線されている。
【0004】なお、このサーマルプリンタ1では、前記
プラテンローラ3は前記発熱ライン9上に位置してお
り、前記ドライバIC13やボンディングワイヤ12を
被う保護カバー14が前記回路基板7上に設けられてい
る。
【0005】このような構成において、このサーマルプ
リンタ1では、入力される印刷データに対応してドライ
バIC13が選択的にスイッチされることで発熱ライン
9の所定の発熱抵抗体8に駆動電力が印加され、この発
熱抵抗体8の発熱走査に同期してプラテンローラ3の回
転で記録媒体2が搬送されることで画像印刷が行なわれ
る。なお、このような記録媒体2としては、インクリボ
ンを重複させた普通紙や感熱紙などが利用される。
【0006】ここで、現在では上述のようなサーマルプ
リンタ1を副走査方向などに小型化することが要望され
ており、これを実現するものとして端面型などと呼称さ
れるサーマルプリンタが特開昭60-21263号公報や特開平
1-113262号公報に開示されている。
【0007】そこで、特開昭60-21263号公報に開示され
たサーマルプリンタを第二の従来例として図7及び図8
に基づいて説明する。なお、前述したサーマルプリンタ
1と同等の部分は同一の名称及び符号を用いて説明も省
略する。まず、このサーマルプリンタ15のサーマルヘ
ッド16では、図7に例示するように、ヘッド基板17
の端面上に円筒状に突出したガラスグレーズ層18が形
成されており、この頂部に位置する1.0〜2.5(mm)の幅の
平面上に発熱ライン9が形成されると共に各電極10,
11が前記ヘッド基板17の表裏面に形成されている。
なお、上記公報にはサーマルプリンタ15としての詳細
な構造は開示されていないが、図8に例示するように、
上述のような構造のサーマルヘッド16を放熱板5の端
面に立設して発熱ライン9上にプラテンローラ3を対向
配置することなどでサーマルプリンタ15を実現するこ
とができる。
【0008】さらに、特開平1-113262号公報に開示され
たサーマルプリンタを第三の従来例として図9及び図1
0に基づいて説明する。まず、このサーマルプリンタ1
9のサーマルヘッド20では、図9に例示するように、
主走査方向で大きく副走査方向で小さいヘッド基板21
の表面に平坦に成膜されたガラスグレーズ層22上に発
熱ライン9と各電極10,11とが形成されており、こ
のようなヘッド基板21が放熱板5の端面に取付けられ
ている。そして、この放熱板5の前面に実装されたドラ
イバIC13がボンディングリード23で各電極10,
11にTAB(Tape Autometed Bonding)などで接
続されている。また、このサーマルヘッド20では、各
電極10,11とボンディングリード23との接続部や
ドライバIC13等を、L字形に湾曲した保護カバー1
4で被うようになっている。
【0009】そして、このサーマルプリンタ19では、
図10に例示するように、前記サーマルヘッド20を囲
む形状のハウジング24内にインクリボン25が設けら
れており、このインクリボン25が印刷用紙からなる記
録媒体2に重複されて搬送されるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】第二の従来例として例
示したサーマルヘッド16では、円筒状に湾曲したガラ
スグレーズ層18の頂部上に発熱抵抗体8が位置するの
で、図8に例示したように、例えば、各電極10,11
を被うような形状の保護カバー14を取付けるなどして
も、この発熱抵抗体8を保護カバー14の表面よりも突
出させることができ、記録媒体2として湾曲不能なプリ
ペイドカードなどを利用することが可能である。
【0011】しかし、このサーマルヘッド16は、上述
のように円筒状に突出したガラスグレーズ層18の湾曲
面にフォトリソグラフィーや蒸着等で発熱抵抗体8や電
極10,11を形成し、これらの電極10,11をヘッ
ド基板17の表裏面の両方に延設する必要があるので生
産性が低下している。
【0012】一方、第三の従来例として例示したサーマ
ルヘッド20では、ヘッド基板21の平面上に発熱抵抗
体8や各電極10,11等を形成するので、その製作は
容易で生産性は良好である。
【0013】しかし、このサーマルヘッド20では、保
護カバー10で各電極10,11とボンディングリード
23との接続部を被うことで、この接続部にインクリボ
ン25や記録媒体2が接触することを防止している。し
かし、このような保護カバー14は発熱抵抗体8よりも
突出するため、図10に例示したように、この発熱抵抗
体8にプラテンローラ3で押圧される記録媒体2は保護
カバー14との段差で曲折されることになる。つまり、
このサーマルプリンタ19では、記録媒体2として湾曲
不能なプリペイドカードなどを利用することが困難であ
る。
【0014】ここで、このようなサーマルヘッド20で
は、一般的に各発熱抵抗体8を駆動するために共通電極
10に高電圧を常時印加した状態で個別電極11で低電
圧をスイッチングするようになっているので、例えば、
共通電極10の抵抗値が高いと、消費電力の増加や電圧
降下による発熱ライン9中央の発熱不良などが発生す
る。
【0015】例えば、解像度が7.6(dot/mm)となるよう
に384個の発熱抵抗体8で主走査方向幅が50(mm)の発熱
ライン9を形成した場合、0.6(W/dot)の電力で黒色率3
0(%)の印刷を行なうには69(W)の駆動電力が必要であ
るので、駆動電圧が24(W)で発熱抵抗体8の抵抗値が50
0(Ω)とすると、共通電極10内の電流値は約4(A)と
なる。ここで、この共通電極10が幅2.0(mm)で膜厚1.5
(μm)長さ50(mm)のアルミニウムの薄膜層で形成されて
いるならば、この共通電極10は抵抗値が約1(Ω)で消
費電力は約16(W)となる。この場合、この共通電極10
の消費電力は発熱抵抗体8の消費電力の約20(%)にもな
り、電力損失が過大であるためにドライバIC13の大
容量化などが必要となる。
【0016】そこで、このような課題を解決する手段と
しては、共通電極10の幅を拡大して抵抗値を低減する
ことが考えられる。例えば、上述のような共通電極10
の幅を50(mm)に拡大すると抵抗値は0.4(Ω)となって消
費電力は6.4(W)まで低減されるので、その電力損失は
約10(%)に軽減される。しかし、これではヘッド基板2
1を副走査方向に大型化する必要が生じ、サーマルヘッ
ド20の小型軽量化が阻害されることになる。同様に、
共通電極10の厚さを拡大することも考えられるが、こ
の場合は共通電極10が記録媒体2やインクリボン25
の搬送路に干渉することになって好ましくない。例え
ば、このような課題は第二の従来例として例示したサー
マルヘッド16には生じないが、これは前述したように
曲面に発熱抵抗体8や電極10,11を形成するので生
産性が極めて低い。
【0017】本発明は、小型化や省電力化及び生産性向
上が可能なサーマルヘッドを得るものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
主走査方向に多数の発熱抵抗体をアレイ状に連設してヘ
ッド基板上に設け、多数の前記発熱抵抗体に共通に導通
する共通電極を多数の前記発熱抵抗体の副走査方向の一
方に設けると共に他方に前記発熱抵抗体に個々に導通す
る個別電極を設けたサーマルヘッドにおいて、前記発熱
ラインが頂部の平面上に位置する凸部を前記ヘッド基板
の表面に形成し、このヘッド基板の凸部の頂部より低い
平面上に位置させた前記共通電極を前記発熱抵抗体より
表面が低い範囲で分厚く形成した。
【0019】請求項2記載の発明は、主走査方向に多数
の発熱抵抗体をアレイ状に連設してヘッド基板上に設
け、多数の前記発熱抵抗体に共通に導通する共通電極を
多数の前記発熱抵抗体の副走査方向の一方に設けると共
に他方に前記発熱抵抗体に個々に導通する個別電極を設
けたサーマルヘッドにおいて、前記発熱ラインが頂部の
平面上に位置する凸部を前記ヘッド基板の表面に形成
し、このヘッド基板の凸部の頂部より低い平面上に位置
させた前記共通電極上に前記発熱抵抗体より表面が低い
補助共通電極を一体に積層形成した。
【0020】
【作用】共通電極の幅を拡大することなく消費電力を低
減して小型軽量化や省電力化を実現することができ、分
厚い共通電極より突出した発熱ラインで記録媒体を曲折
することなく画像印刷を行なうことができ、発熱抵抗体
や各電極が平面上に形成されるので生産性も良好であ
る。
【0021】
【実施例】本発明の実施例を図1ないし図5に基づいて
説明する。まず、このサーマルプリンタ26のサーマル
ヘッド27の構造を以下に詳述する。このサーマルヘッ
ド27は、図1及び図2に例示するように、主走査方向
に細長いヘッド基板28の副走査方向の略中央に主走査
方向に細長い凸部29が形成されており、この凸部29
の頂部と両側面及び前記凸部29の副走査方向両側に位
置する前記ヘッド基板28の表面が各々平面30〜34
で形成されている。そして、このサーマルヘッド27で
は、他より突出した前記凸部29の平面30上に円筒面
状に突出したガラスグレーズ層35を介して多数の発熱
抵抗体36からなる発熱ライン37が形成されており、
この発熱ライン37の両側から前記凸部29の両側の前
記平面33,34に至る位置に個別電極38と共通電極
39とが形成されている。ここで、この共通電極39
は、例えば、アルミニウムの薄膜層からなる共通電極本
体40上に補助共通電極である導電性ペースト41を介
して補助共通電極である銅箔42を貼着した三層構造と
なっており、その上面が前記発熱抵抗体36より低くな
る範囲で厚く形成されている。なお、このサーマルヘッ
ド27では、その上面に前記発熱ライン37等を被う保
護膜43が形成されており、この保護膜43で被われる
ことなく露出した前記電極38,39の末端部が端子部
44,45となっている。
【0022】そして、このサーマルプリンタ26は、図
3に例示するように、上述のような構造のサーマルヘッ
ド27を放熱板46の端面上に取付け、この放熱板46
の側面に回路基板47を配置した構造となっている。そ
して、このサーマルプリンタ26では、前記ヘッド基板
28の端子部44,45に異方導電性フィルム(図示せ
ず)の熱圧着等でフレキシブルな配線材であるFPC(F
lexible PrintedCircuite Board)48が接続され
ており、このFPC48は略直角に曲折されて下端部が
前記回路基板47のプリント配線49に接続されてい
る。ここで、この回路基板47のプリント配線49には
ボンディングワイヤ50等でドライバIC51が接続さ
れており、このドライバIC51や前記ヘッド基板28
の端子部44,45などを被う保護カバー52が前記回
路基板47上に取付けられている。そして、このサーマ
ルプリンタ26では、図4に例示するように、前記ヘッ
ド基板28の発熱ライン37の表面が前記保護カバー5
2の上面よりも突出しているので、この発熱ライン37
上に記録媒体53の搬送路を介してプラテンローラ54
が配置されている。
【0023】このような構成において、このサーマルプ
リンタ26では、前述したサーマルプリンタ1等と同様
に発熱抵抗体36がドライバIC51により発熱走査さ
れ、これに同期してプラテンローラ54の回転で搬送さ
れる記録媒体53に画像印刷が行なわれる。
【0024】ここで、このサーマルプリンタ26では、
記録媒体53に実際に印刷を行なう発熱抵抗体36が位
置する平面30が、この前後に位置する平面31〜34
よりも突出しているので、プラスチックカード等の記録
媒体53を曲折することなく直線状に搬送することが可
能である。そして、このようにサーマルヘッド27の発
熱抵抗体36が突出する構造をヘッド基板28上に連続
的に形成した平面30〜34で実現しており、このよう
な平面30〜34上に発熱抵抗体36や各電極38,3
9を形成することは容易なので、このサーマルヘッド2
7は第二の従来例として例示したサーマルヘッド16な
どに比して生産性が極めて良好である。
【0025】さらに、このサーマルヘッド27では、共
通電極39は分厚く形成されて抵抗値が小さいので、そ
の消費電力が低減されると共に電圧降下も軽減されて発
熱ライン37中央の発熱不良なども防止されている。例
えば、このようなサーマルヘッド27で、前述のように
解像度が7.6(dot/mm)となるように384個の発熱抵抗体
36で主走査方向幅が50(mm)の発熱ライン37を形成し
た場合、0.6(W/dot)の電力で黒色率30(%)の印刷を行
なうには69(W)の駆動電力が必要であるので、駆動電圧
が24(W)で発熱抵抗体36の抵抗値が500(Ω)とする
と、共通電極39内の電流値は約4(A)となる。
【0026】そして、このサーマルヘッド27の共通電
極39において、例えば、幅2.0(mm)で膜厚1.5(μm)長
さ50(mm)のアルミニウムの薄膜層で形成された共通電極
本体40上に導電性ペースト41や銅箔42からなる補
助共通電極が形成されていない場合、この共通電極本体
40のみからなる共通電極39は抵抗値が約1(Ω)で消
費電力は約16(W)となり、その消費電力は発熱抵抗体3
6の消費電力の約20(%)にもなる。そこで、このサーマ
ルヘッド27の共通電極39は、上述のような共通電極
本体40上に所定厚さの導電性ペースト41と銅箔42
とが形成された構造となっているので、例えば、その抵
抗値が0.4(Ω)に低減されて電力損失が10(%)に軽減さ
れている。
【0027】このようにすることで、このサーマルヘッ
ド27では、消費電力を低減するために共通電極39の
幅を拡大する必要がないので、ヘッド基板28を大型化
する必要がなく、サーマルプリンタ26の小型軽量化に
寄与することができる。さらに、このサーマルヘッド2
7では、上述のように共通電極39を分厚く形成して
も、ヘッド基板28の凸部29によって発熱ライン37
が共通電極39より突出しているので、記録媒体53を
曲折させることなく画像印刷を行なうことができ、この
記録媒体53として曲折不能なプリペイドカード等を利
用することも可能である。
【0028】ここで、このサーマルプリンタ26のサー
マルヘッド27の製作方法の具体例を以下に説明する。
まず、予めグリーンシートを焼成したアルミナやセラミ
ック等からなる既製の大型基板に研磨加工や切削加工を
行なったり、或は、焼成前のグリーンシートを研磨加工
や金型プレス加工や粉体プレス加工又は射出成形加工等
で形状成形してから焼成することなどで、前記凸部29
が一体に形成されたヘッド基板28の多数個取り基板を
量産する。
【0029】そこで、このようにして形成された前記ヘ
ッド基板28の凸部29の平面30上に副走査方向幅が
1.0〜1.5(mm)程度の前記ガラスグレーズ層35を既存の
薄膜技術で形成してから洗浄し、この後に前記ヘッド基
板28の全面に前記発熱抵抗体36となるTa-SiO2
と各電極38,39となるAl層とを順次スパッタリン
グや蒸着等で成膜する。そして、この上にフォトレジス
トをスピンコートしてからフォトリソグラフィー工程で
各薄膜層をパターニングすることで前記発熱抵抗体36
と個別電極38及び共通電極39の共通電極本体40を
形成し、この共通電極本体40上に厚さ200〜400(μm)
の導電性ペースト41を印刷してから幅1.0〜1.5(mm)の
銅箔42を貼着する。つぎに、このようなヘッド基板2
8を200(℃)程度に加熱して導電性ペースト41を乾燥
させることで共通電極39を形成し、この上に各電極3
8,39の端子部44,45を被わないようにスパッタ
リングや蒸着等で保護膜43を形成することで、このサ
ーマルヘッド27は完成する。
【0030】ここで、このサーマルヘッド27では、上
述のような発熱抵抗体36や各電極38,39の製作工
程が段差を有する平面30〜34上で実行されるので、
フォトリソグラフィー工程で塗布するレジストの不均一
や露光時の焦点不一致による解像度低下から、平面30
〜34の境界部で各電極38,39に破断が生じること
が懸念される。そこで、このサーマルヘッド27のヘッ
ド基板28の各平面30〜34の副走査方向幅を、凸部
29の頂部の平面30では1.5〜2.0(mm)、個別電極38
側の傾斜した平面31と水平な平面33では2.0〜3.0(m
m)、共通電極39側の傾斜した平面32と水平な平面3
4では1.5〜2.0(mm)程度とし、凸部29の高さを0.5〜
1.0(mm)程度とし、各平面30〜34の境界部にアール
を形成することで、発熱抵抗体36や各電極38,39
が良好に形成されることを本出願人は確認した。
【0031】なお、本実施例のサーマルヘッド27で
は、発熱抵抗体36等の保護膜43を共通電極39の銅
箔42上にも一体に形成することを例示したが、このよ
うな銅箔42上には一般的な保護膜43は形成困難な場
合がある。この場合、図5に例示するように、銅箔42
上にポリイミド樹脂を厚膜印刷することで共通電極39
に専用の保護膜55を形成したサーマルヘッド56を設
けることが可能である。また、本実施例のサーマルヘッ
ド27では、本来は共通電極である共通電極本体40上
に補助共通電極として導電性ペースト41と銅箔42と
を形成した三層構造で分厚い共通電極39を形成するこ
とを例示したが、Agペーストの厚膜印刷のみで分厚い
共通電極(図示せず)を形成することも実施可能である。
このAgペーストとは、印刷後に600(℃)以上の高温で焼
成することで極めて低抵抗の電極を形成するもので商品
化されている。さらに、本実施例のサーマルヘッド27
では、ヘッド基板28の凸部29を押出成形や金型によ
るプレス成形切削などで一体に形成することを想定した
が、例えば、基板の平坦な表面上に厚膜印刷や別部材の
貼着などで凸部を形成することなども実施可能である。
また、本実施例のサーマルヘッド27では、分厚い共通
電極39をヘッド基板28の水平な平面34上に形成す
ることを例示したが、このような共通電極39を凸部2
9の傾斜した平面32上に形成することも実施可能であ
る。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、主走査方向に多
数の発熱抵抗体をアレイ状に連設してヘッド基板上に設
け、多数の前記発熱抵抗体に共通に導通する共通電極を
多数の前記発熱抵抗体の副走査方向の一方に設けると共
に他方に前記発熱抵抗体に個々に導通する個別電極を設
けたサーマルヘッドにおいて、発熱ラインが頂部の平面
上に位置する凸部をヘッド基板の表面に形成し、このヘ
ッド基板の凸部の頂部より低い平面上に位置させた共通
電極を発熱抵抗体より表面が低い範囲で分厚く形成した
ことにより、共通電極の幅を拡大することなく消費電力
を低減して小型軽量化や省電力化を実現することがで
き、分厚い共通電極より突出した発熱ラインで記録媒体
を曲折することなく画像印刷を行なうことができ、発熱
抵抗体や各電極が平面上に形成されるので生産性も良好
であり、小型化や省電力化及び生産性向上が可能なサー
マルヘッドを得ることができる等の効果を有するもので
ある。
【0033】請求項2記載の発明は、主走査方向に多数
の発熱抵抗体をアレイ状に連設してヘッド基板上に設
け、多数の前記発熱抵抗体に共通に導通する共通電極を
多数の前記発熱抵抗体の副走査方向の一方に設けると共
に他方に前記発熱抵抗体に個々に導通する個別電極を設
けたサーマルヘッドにおいて、発熱ラインが頂部の平面
上に位置する凸部をヘッド基板の表面に形成し、このヘ
ッド基板の凸部の頂部より低い平面上に位置させた共通
電極上に発熱抵抗体より表面が低い補助共通電極を一体
に積層形成したことにより、共通電極の幅を拡大するこ
となく消費電力を低減して小型軽量化や省電力化を実現
することができ、分厚い共通電極より突出した発熱ライ
ンで記録媒体を曲折することなく画像印刷を行なうこと
ができ、発熱抵抗体や各電極が平面上に形成されるので
生産性も良好であり、小型化や省電力化及び生産性向上
が可能なサーマルヘッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断側面図である。
【図2】平面図である。
【図3】サーマルプリンタの要部を示す斜視図である。
【図4】側面図である。
【図5】変形例を示す縦断側面図である。
【図6】第一の従来例を示す側面図である。
【図7】第二の従来例を示す斜視図である。
【図8】サーマルプリンタの要部を示す側面図である。
【図9】第三の従来例を示す斜視図である。
【図10】サーマルプリンタの要部を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
27,56 サーマルヘッド 28 ヘッド基板 29 凸部 30〜34 平面 36 発熱抵抗体 38 個別電極 39,40 共通電極 41,42 補助共通電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原川 崇 静岡県三島市南町6番78号 東京電気株式 会社技術研究所内 (72)発明者 櫛田 博之 静岡県三島市南町6番78号 東京電気株式 会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主走査方向に多数の発熱抵抗体をアレイ
    状に連設してヘッド基板上に設け、多数の前記発熱抵抗
    体に共通に導通する共通電極を多数の前記発熱抵抗体の
    副走査方向の一方に設けると共に他方に前記発熱抵抗体
    に個々に導通する個別電極を設けたサーマルヘッドにお
    いて、前記発熱ラインが頂部の平面上に位置する凸部を
    前記ヘッド基板の表面に形成し、このヘッド基板の凸部
    の頂部より低い平面上に位置させた前記共通電極を前記
    発熱抵抗体より表面が低い範囲で分厚く形成したことを
    特徴とするサーマルヘッド。
  2. 【請求項2】 主走査方向に多数の発熱抵抗体をアレイ
    状に連設してヘッド基板上に設け、多数の前記発熱抵抗
    体に共通に導通する共通電極を多数の前記発熱抵抗体の
    副走査方向の一方に設けると共に他方に前記発熱抵抗体
    に個々に導通する個別電極を設けたサーマルヘッドにお
    いて、前記発熱ラインが頂部の平面上に位置する凸部を
    前記ヘッド基板の表面に形成し、このヘッド基板の凸部
    の頂部より低い平面上に位置させた前記共通電極上に前
    記発熱抵抗体より表面が低い補助共通電極を一体に積層
    形成したことを特徴とするサーマルヘッド。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014193563A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルプリントヘッド、サーマルプリンタおよびサーマルプリントヘッドの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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