JPH0592403A - 木材の可塑化処理方法及び該木材を用いた木製品の製造 方法 - Google Patents

木材の可塑化処理方法及び該木材を用いた木製品の製造 方法

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JPH0592403A
JPH0592403A JP33883591A JP33883591A JPH0592403A JP H0592403 A JPH0592403 A JP H0592403A JP 33883591 A JP33883591 A JP 33883591A JP 33883591 A JP33883591 A JP 33883591A JP H0592403 A JPH0592403 A JP H0592403A
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JP
Japan
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lumber
wood
water content
pressure
plasticity
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Application number
JP33883591A
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English (en)
Inventor
Masanobu Fujii
賢信 藤井
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Eidai Co Ltd
Original Assignee
Eidai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 約30〜60%の含水率まで自然乾燥または
人工乾燥させた後に蒸煮処理あるいは加熱処理などの手
段により加熱処理を施した木材を、木材の繊維軸方向に
圧縮後、解圧、養生することことにより可塑化された木
質材料を得る。また、その塑化された木質材料を製品の
形状に成形した後に、含水率を約5〜10%程度まで乾
燥させ木製品を得る。 【効果】 得られる可塑性が永続的であり、曲げ加工な
どの加工時に再度熱処理する必要がなく常温の状態での
加工が可能となると共に、非常に小さい曲率にまで曲げ
ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、木材の可塑化処理方法
及び該木材を用いた木製品の製造方法に関し、特に、木
材に永久的な可塑性を容易に与えることのできる木材の
処理方法及びそのような木材を用いた木製品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】木材を一般に可塑性に乏しいために、木
製品として成形加工する場合、その製品の形状に合わせ
て切削加工をするかまたは切削加工したものを複数個接
着することにより、あるいはその組合せにより形状加工
を行っているのが現状である。木材を金属材料やプラス
チック材料のように容易に曲げたり変形したりすること
ができるようにすることを目的として、木材に可塑性を
付与するための処理法が、現在まで種々検討されてきて
いる。
【0003】その処理方法としては、例えば、(1)蒸
煮処理(熱水に浸漬又は高温の水蒸気を用いる蒸煮)、
(2)飽水木材にマイクロ波で加熱処理、(3)液体ア
ンモニア又はアンモニアガスによる処理、(4)エチレ
ンジアミン、テトラエチレンペンタンなどの膨潤剤によ
る処理、(5)アシル化やエーテル化などによる木材の
プラスチック化技術の応用、などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法によって得られた可塑化木材は一般に次のよ
うな欠点を有している。 (1)可塑化された状態が一時的なものが多く、そのほ
とんどのものが曲げ加工など製品への加工時に再度加熱
蒸気の吹きつけなどによる加熱状態での加工を必要とす
る。 (2)そのために、曲げ加工などの加工に必要な補助金
具がどうしても必要となり、加工装置自体が大型化する
と共に加工時に大きな力を必要としている。 (3)また、曲率半径にも限度があり、小さな曲率を得
ることは困難である。 (4)化学的処理を施す可塑化方法にあっては、その処
理の結果として木材素材の風合いが損なわれてしまい商
品価値の低下を引き起こしがちである。 (5)水分と加熱による可塑化法にあっては、最終乾燥
(ドライセット)後も水分の吸収によりスプリングバッ
クが起こることがある。 (6)いずれの方法による場合であっても木材の強度の
低下が著しい。
【0005】本発明は、従来方法によって得られる可塑
化木材の持つ上記のような欠点を解消することを目的と
しており、より具体的には、木材に永久的な可塑性を付
与することのできる木材の処理方法及びそのように可塑
化された木材を用いた木製品の製造方法を得ることを目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決しかつ目的を達成するために、約30〜60%の含
水率まで自然乾燥あるいは人工乾燥させた後に蒸煮処理
あるいは加熱処理などの手段により加熱処理を施した木
材を、木材の繊維軸方向に圧縮後、解圧、養生すること
を特徴とする木材の可塑化処理方法を開示する。
【0007】本発明はまた、約30〜60%の含水率ま
で自然乾燥あるいは人工乾燥させた後に蒸煮処理あるい
は加熱処理などの手段により加熱処理を施した木材を、
木材の繊維軸方向に圧縮後、解圧、養生することことに
より得た可塑化された木材を製品の形状に成形した後
に、含水率を約5〜10%程度まで乾燥させることを特
徴とする木製品の製造方法をも開示する。
【0008】加工に使用する原木はどのような木材でも
適用可能であるが、ブナ、ナラ、エンジュ、トネリコ、
ケヤキ、シデ、タモ、ミオジ、オーク、ビーチ、アッシ
ュなどが好適に用いられる。この種の原木を通常の木材
加工と同様に角材などにカットし、その含水率が約30
〜60%になるまで乾燥させる。乾燥の方法は、桟積み
などによる自然乾燥によってもよく、自然循環式、強制
循環式あるいは焔管式などの従来知られた熱気乾燥装
置、さらには低温乾燥、太陽熱利用乾燥、真空乾燥など
の人為的手段を施した乾燥方法(本明細書においてはそ
れらを総称して、「人工乾燥」という)を用いて行って
もよい。
【0009】自然乾燥あるいは人工乾燥させた木材を次
いで好ましくはプレーナーなどを用いて正寸の角材とし
た後、蒸煮室内に入れ蒸気により加熱するか、煮沸槽の
高温水中で加熱するか、あるいはマイクロ波の照射によ
る加熱するかなどの適宜の手段により加熱処理を施す。
なお、ここまでの処理手段は、木材を可塑化するための
処理手段として従来から行われている手段であって特に
新規な手段は含まれていない。
【0010】本発明においては、蒸煮あるいはマイクロ
波などによる加熱処理後に直ちに角材をその長手方向、
すなわち、木材の繊維軸方向と同方向に圧力をかけ、縦
圧縮を行い、その状態で一定期間保持しておき、解圧の
後、養生する。好ましい圧縮率は、対象となる木材の種
類により多少変化があり実験的にその最適値が定められ
るが、最初に15〜25%圧縮し、解圧後に3〜8%程
度収縮した状態となるような圧縮率で圧縮するのが平均
して好ましいことが実験的に確かめられている。また、
圧縮に際しては、角材自体の形状に変化が生じないよう
に角材の側面及び端面を固定圧力で保持して置くことは
きわめて望ましい。
【0011】この圧縮されかつ養生された木材は、高い
可塑性を有しており、かつその可塑性は永久的なもので
あった。その理由は、木材の繊維軸方向と同方向に圧力
をかけることにより細胞間層にズレが生じることにある
と解される。従って、圧縮させる圧力は、細胞層間にズ
レは生じさせるが木材そのものは破壊しないような値の
圧力であることが必要である。
【0012】上記の方法によって得られた可塑化された
木材を用いて木製品を製造するに際しては、得られた可
塑化処理木材を要求される寸法と形状に切断加工し、次
いで必要な曲げ加工、型押し加工などを行い所定形状に
成形する。木材に付与された可塑性が永久的にものであ
ることから、この形状加工には格別の金型を必要とせず
簡単に装置を補助的に用いることにより手作業で容易に
行うことが可能である。得られた成形品を適宜の乾燥装
置に入れ、含水率がほぼ5〜10%となるまで乾燥さ
せ、いわゆるドライング・セットを行う。その後に、サ
ンディング、塗装などの表面処理、あるいは組付けなど
を行い、最終製品としての木製品が製造される。
【0013】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明
する。
【0014】
【実施例1】ブナ原木を350x350x4000(mm)
の角材にカットし、含水率がほぼ30%になるように自
然乾燥を行った。その後、プレーナーにより300x3
00x4000(mm)の角材に研削した。得られた角材を
150℃の蒸煮室内で2時間放置した後取り出し、直ち
に角材の長手方向すなわち繊維軸の方向から50kgf/cm
2 の圧力で縦圧縮を行った。この時、角材は長さで20
%収縮していた。この時、上下左右からは寸法変化のな
いように固定圧力で保持していた。
【0015】10分間圧力保持後、徐々に解圧を行い最
終的に5%の長さ方向の収縮率となった。最終含水率は
40%であった。得られた可塑化処理後の角材から、3
5m/m 直径の丸棒を造り、椅子用の部材として簡単な曲
げ装置を用いて、常温下で150Rの曲率の曲げ木を作
成した。得られた曲げ木部材を熱風乾燥機により含水率
8%になるまで乾燥を行った。形状はもとに戻ることな
く当初の状態でセッティングされていた。手で容易に曲
げることが可能であった処理材は、乾燥後は容易には曲
げることができない部材となっていた。その後、通常の
仕上げ同様、サンディングとシーラーと着色を行い椅子
の製品を作成できた。
【0016】
【実施例2】オーク木材を350x350x4000(m
m)の角材にカットし、含水率がほぼ50%になるように
自然乾燥を行った。その後、プレーナーにより300x
300x4000(mm)の角材に研削した。得られた角材
を200V、2.4kw出力のマイクロウェーブ加熱装
置内で5分間加熱処理後取り出し、直ちに角材の長手方
向すなわち繊維軸の方向から50kgf/cm2 の圧力で縦圧
縮を行った。この時、角材は長さで24%収縮してい
た。この時も実施例1と同様に、上下左右からは寸法変
化のないように固定圧力で保持していた。
【0017】10分間圧力保持後、徐々に解圧を行い最
終的に6%の長さ方向の収縮率となった。最終含水率は
32%であった。得られた可塑化処理後の角材から、5
x35x3200mmの棒材をカットし、変形丸テーブル
の縁にウレタンホットメルト接着剤とともに常温下で曲
げながら接着していった。最小R20m/m のコーナー部
においても曲率に沿い容易に曲げることができた。その
後熱風乾燥機により含水率8%になるまで乾燥を行い、
通常の方法で着色、塗装を行い、テーブル天板を作成し
た。
【0018】
【実施例3】オーク木材を350x350x4000(m
m)の角材にカットしたものを、加熱管によって空気を加
熱しその加熱空気を自然循環させる従来知られている自
然循環式熱気乾燥室内にセットして、含水率がほぼ50
%になるように人工乾燥させた。以降の工程を実施例2
と同様に行ったところ、収縮率、含水率はすべて実施例
2の場合と同じ値のものを得た。
【0019】得られた可塑化処理後の角材から、実施例
2と同様にして容易にテーブル天板を作成することがで
きた。
【0020】
【発明の効果】本発明の方法により得られた可塑化処理
木材は、(1)その可塑性が永続的であり、曲げ加工な
どの加工時に再度熱処理する必要がなく常温の状態での
加工が可能である、(2)非常に小さい曲率にまで曲げ
ることが可能である、(3)化学処理をしていないので
木材の風合いを損なうことがない、(4)曲げ加工後の
ドライセッティングも曲げ装置に固定したままで行う必
要はなく、常温で曲げ加工後、フリーの状態で乾燥し、
ドライセッティングを行うことが可能である、など顕著
な効果を有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約30〜60%の含水率まで乾燥させた
    後に蒸煮処理あるいは加熱処理などの手段により加熱処
    理を施した木材を、木材の繊維軸方向に圧縮後、解圧、
    養生することを特徴とする木材の可塑化処理方法。
  2. 【請求項2】 約30〜60%の含水率まで乾燥させた
    後に蒸煮処理あるいは加熱処理などの手段により加熱処
    理を施した木材を、木材の繊維軸方向に圧縮後、解圧、
    養生することことにより得た可塑化された木材を製品の
    形状に成形した後に、含水率を約5〜10%程度まで乾
    燥させることを特徴とする木製品の製造方法。
JP33883591A 1991-08-05 1991-12-20 木材の可塑化処理方法及び該木材を用いた木製品の製造 方法 Withdrawn JPH0592403A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-195564 1991-08-05
JP19556491 1991-08-05

Publications (1)

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JPH0592403A true JPH0592403A (ja) 1993-04-16

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ID=16343221

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JP33883591A Withdrawn JPH0592403A (ja) 1991-08-05 1991-12-20 木材の可塑化処理方法及び該木材を用いた木製品の製造 方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109366656A (zh) * 2018-09-18 2019-02-22 华南农业大学 一种单侧压缩木密度峰型形态的控制方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109366656A (zh) * 2018-09-18 2019-02-22 华南农业大学 一种单侧压缩木密度峰型形态的控制方法
CN109366656B (zh) * 2018-09-18 2021-01-19 华南农业大学 一种单侧压缩木密度峰型形态的控制方法

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