JPH0592269U - 折りたたみ式ボビン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長尺素材または製品が巻き付けられて保管も
しくは運搬等に供されるボビンを、空状態では折りたた
んでコンパクトにする。 【構成】 一対のフランジ板３を連結する連結胴部７
は、それらフランジ板３から曲げ起こされた放射状の複
数の分割胴部片５が互いに結合されることにより構成さ
れ、これによりボビン中心線方向において折りたたみ可
能である。そして、伸展状態の連結胴部７の外側に、巻
胴２の外周を形成する胴部外周形成シート８が着脱可能
な状態で円筒状に巻き付けられている。空状態のボビン
１の保管や輸送には、そのシート８が取り外され、連結
胴部７が折りたたまれる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、所定の長尺部材が巻き付けられて保持されるボビンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、例えばゴム製の長尺異形材やホース類等の長尺素材もしくは製品を 保管したり、運搬したりするために、その長尺部材を巻き付けるボビンが使用さ れている。

【０００３】 従来のボビンは、例えば図９に符号１００で示すように、巻胴１０１の両側に フランジ板１０２が固定され、それの軸孔１０３において所定の軸部材に取り付 けられて回転するようにされる。ここで、ボビン１００は、例えば段ボール紙等 の紙製品からなり、巻胴１０１の両端に組立用のフランジ片１０４が多数設けら れ、これらがホッチキス等で各フランジ板１０２に接合されたものである。この ようなボビンは、実開平２−４８６４号、実開平２−４８６５号、実開平２−１ ３５５７７号等にも開示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のボビンは、長尺部材が巻き付けられていない非使用時における 取扱い、保管、運搬等に際し、その空のボビンがかさ張り、そのため多くの在庫 スペース、運搬スペースを必要とし、その在庫コストや運搬コストが高くなる問 題がある。

【０００５】 本考案の課題は、空状態のボビンの体積を小さくすることができ、かつ組立も ごく短時間に行うことのできる折りたたみ式ボビンを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このような課題を解決するために、本考案においては、次のような一対のフラ ンジ板、折りたたみ式の連結胴部および胴部外周形成部材を備えることを特徴と する。

【０００７】 一対のフランジ板は互いに対向して設けられる。折りたたみ式の連結胴部 は、その一対のフランジ板を連結するとともに、ボビン中心線方向において折り たたみ可能に形成され、その折りたたみ状態で一対のフランジ板を接近させる一 方、伸展状態で一対のフランジ板を設定間隔まで離間させるものである。胴部 外周形成部材は、その伸展状態における連結胴部の外側に着脱可能に装着され、 前記一対のフランジ板を前記設定間隔に維持して、連結胴部とともに巻胴を構成 する。

【０００８】

【作用】

このような本考案に係るボビンでは、折りたたみ式の連結胴部と胴部外周形成 部材とが巻胴を構成する。そして、組立に際しては、折りたたみ式の連結胴部を 伸展させ、一対のフランジ板を設定間隔まで離間させた状態で、胴部外周形成部 材がその連結胴部の外側に装着されることにより、ボビン形態が保持される。一 方、空ボビンの状態で保管したり、運搬したりする際には、胴部外周形成部材を 取り外し、連結胴部を折りたためば、その大きさはごくコンパクトなものとなる 。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。 図３は、その一実施例である折りたたみ式ボビン１の外観を示すものである。 このボビン１は、巻胴２の両端に一対のフランジ板３が設けられたもので、各フ ランジ板３には、互いに同心的な軸孔４が形成されている。

【００１０】 フランジ板３は、図４に示すように、円形で同じ大きさの段ボール紙もしくは 厚紙等からなるフランジ内板３ａとフランジ外板３ｂとが、互いに同心的に接合 されたもので、各フランジ内板３ａには複数の分割胴部片５が形成されている。 これら分割胴部片５は、図６に示すように形成されたものである。すなわち、フ ランジ内板３ａの中心部には中心孔６が形成され、この中心孔６から８分割の等 角度間隔で放射状に同寸法の切れ目Ｓが入れられている。さらに、これら切れ目 Ｓの先端を正八角形状につなぐように、それぞれ折り目Ｔが形成され、それら折 り目Ｔにしたがって内側に曲げ起こされた８枚の片部分が、上述の分割胴部片５ とされている。そして、図４に示すように、内向きに対向する各フランジ板３ａ に形成された８枚の分割胴部片５の互いに対向する先端同士が重ね合わされ、ホ ッチキスまたは接着剤等の結合手段によりそれぞれ結合され、これによって、ボ ビン中心線方向において折りたたみ可能な連結胴部７が形成されている。この連 結胴部７は、最も伸展した状態で中央部が浅くＶ字状に凹んだ形態となる（これ は段ボール紙等の折曲げ部や結合部の曲げ抵抗に基づく）。その際、一対のフラ ンジ板３は、予め設定された間隔Ｗまで離間させられる一方、この連結胴部７が 折りたたまれた状態では、各フランジ内板３ａから曲げ起こされていた各分割胴 部片５は、図５に示すように、各フランジ内板３ａとほぼ面一となって、あたか も一枚の円板を形成する形態となるようにされている。言い換えれば、一対のフ ランジ板３は、この連結胴部７によって互いに接近・離間可能に連結されている のである。

【００１１】 図１および図４に示すように、伸展状態の連結胴部７の外側に段ボール紙、ま たは厚紙もしくは他のシート状部材からなる胴部外周形成シート８が円筒状に巻 付けられている。このシート８は、連結胴部７に対して着脱可能な胴部外周形成 部材として機能するもので、連結胴部７の伸展時における一対のフランジ板３の 間隔Ｗにほぼ対応する幅寸法を有し、これが着脱可能に巻き付けられることによ り、一対のフランジ板３の間隔はほぼＷに維持される。

【００１２】 なお、図４および図５に示すように、一対のフランジ板３のフランジ外板３ｂ に形成された軸孔４はそれぞれ縁金具９で補強されており、この縁金具９は、図 ５に示すように、前述の連結胴部７が折りたたまれた状態における各フランジ内 板３ａの前記中心孔６より小さくされて、折りたたみ時の干渉が避けられている 。

【００１３】 以上のような折りたたみ式ボビン１は、それを使用する際は一対のフランジ板 ３を引っ張って連結胴部７を引き伸ばし、その外周に胴部外周形成シート８を巻 き付けることにより、図３に示すような状態にごく簡単に組み立てることができ 、そのシート８の外周に、ゴム製異形材等の長尺素材または製品が巻き付けられ 、保管や輸送に供される。

【００１４】 一方、空のボビン１を保管したり輸送したりする際には、胴部外周形成シート ８を連結胴部７から取り外し、図２および図５に示すように、連結胴部７を折り たためば、一対のフランジ板３がほぼ接するほどに扁平となり、全体的な体積（ かさ）は、本実施例の場合、組立時の約１３分の１に減少する。

【００１５】 以上説明した実施例では、各フランジ板３が内板３ａと外板３ｂとの二重構造 となっていたが、外板３ｂを省略することも可能である。図８に示すように、そ の場合のボビン１０を回転可能に支持するためには、例えば、回転軸１１の側に 、先端がフランジ板３に突き刺される支持ピン１２を設ける等して、対応するこ とができる。

【００１６】 また、胴部外周形成部材としては、前述のシート８に限らず、例えば円筒を縦 割に二分割した半円筒状の２部材を採用し、これを円形に合わせるようにして連 結胴部７に装着することもできる。

【００１７】 さらに、連結胴部としては、正八角形状の形態に限らず、例えば正方形の形態 （分割胴部片を４枚とする）とすることもできる。その場合、連結胴部は四角筒 状のものとなるが、胴部外周形成部材は、それに対応して四角筒状の外周を与え るもの、または円筒形状等の外周を与えるものの、いずれでも採用できる。 そ の他、本考案は当業者の知識に基づき、種々の変形を施した態様で実施し得るこ とは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例である折りたたみ式ボビンの
分解斜視図。

【図２】そのボビンの折りたたみ状態を示す分解斜視
図。

【図３】そのボビンの組立状態を示す斜視図。

【図４】図３のＡ−Ａ断面図。

【図５】図２のＢ−Ｂ断面図。

【図６】図４のフランジ内板の正面図。

【図７】図４のフランジ外板の正面図。

【図８】本発明の別の実施例の説明図。

【図９】従来のボビンの斜視図。

【符号の説明】

１、１０ 折りたたみ式ボビン ２ 巻胴 ３ フランジ板 ３ａ フランジ内板 ３ｂ フランジ外板 ５ 分割胴部片 ７ 連結胴部 ８ 胴部外周形成シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の長尺部材が巻き付けられるボビン
   であって、 互いに対向して設けられた一対のフランジ板と、 その一対のフランジ板を連結するとともに、ボビン中心
   線方向において折りたたみ可能に形成され、その折りた
   たみ状態で一対のフランジ板を接近させる一方、伸展状
   態で一対のフランジ板を設定間隔まで離間させる折りた
   たみ式の連結胴部と、 その伸展状態における連結胴部の外側に着脱可能に装着
   され、前記一対のフランジ板を前記設定間隔に維持し
   て、前記連結胴部とともに巻胴を構成する胴部外周形成
   部材と、 を含むことを特徴とする折りたたみ式ボビン。