JPH059203B2 - - Google Patents
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- JPH059203B2 JPH059203B2 JP62053035A JP5303587A JPH059203B2 JP H059203 B2 JPH059203 B2 JP H059203B2 JP 62053035 A JP62053035 A JP 62053035A JP 5303587 A JP5303587 A JP 5303587A JP H059203 B2 JPH059203 B2 JP H059203B2
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Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、金属切削工具、より詳しくは立方晶
窒化硼素（CBN）を主成分とした焼結体を切れ
刃部分とした複合焼結体工具に関する。
窒化硼素（CBN）を主成分とした焼結体を切れ
刃部分とした複合焼結体工具に関する。
本発明をインサートチツプ（スローアウエイチ
ツプ）に適用することができる。
ツプ）に適用することができる。
CBNはダイヤモンドに次ぐ高い硬度を有して
おり、このCBN粉末に結合剤としてTiCなどの
セラミツクスを混ぜて高温超高圧下で焼結して得
られたCBN焼結体は高硬度、高弾性係数、高熱
伝導性の長所と鉄系金属との反応が少ないことか
ら高硬度材料、焼入鋼、耐熱合金などの切削工具
に特に適している。
おり、このCBN粉末に結合剤としてTiCなどの
セラミツクスを混ぜて高温超高圧下で焼結して得
られたCBN焼結体は高硬度、高弾性係数、高熱
伝導性の長所と鉄系金属との反応が少ないことか
ら高硬度材料、焼入鋼、耐熱合金などの切削工具
に特に適している。
このCBN焼結体を用いた切削工具であるイン
サートチツプとして、第５図に示すようなものが
市販されている。このインサート工具において
は、超硬合金（例えば、WC）の基板３１に裏打
ちされたCBN焼結体層３２が超硬合金あるいは
鋼等の担持体３３のコーナー（隅）にろう付けさ
れている。超硬合金基板３１とCBN焼結体層３
２とからなる切れ刃部分は高温超高圧下で一体に
製作され、一般的にはCBN焼結体層厚さが0.5〜
1.0mmで全体厚さが2.5〜3.2mmであり、一辺が４〜
５mmであつた。また、第５図のインサートチツプ
の担持体への密着力を高めたものが特公昭60−
54362号公報にて提案されている。
サートチツプとして、第５図に示すようなものが
市販されている。このインサート工具において
は、超硬合金（例えば、WC）の基板３１に裏打
ちされたCBN焼結体層３２が超硬合金あるいは
鋼等の担持体３３のコーナー（隅）にろう付けさ
れている。超硬合金基板３１とCBN焼結体層３
２とからなる切れ刃部分は高温超高圧下で一体に
製作され、一般的にはCBN焼結体層厚さが0.5〜
1.0mmで全体厚さが2.5〜3.2mmであり、一辺が４〜
５mmであつた。また、第５図のインサートチツプ
の担持体への密着力を高めたものが特公昭60−
54362号公報にて提案されている。
上述したようにCBN焼結体の切削工具は切削
において卓越した性能を有しているにもかかわら
ず、まだ限定された分野でしか用いられない。そ
の基本的原因は超硬合金又はセラミツク等の在来
インサートチツプと比べて高コストであるためで
ある。在来のインサートチツプは安価なのでコー
ナーの切れ刃を全て使用すると使い捨てとなる
が、CBN工具では使用したコーナーを再研摩し
て再使用するのが一般的な使い方である。再研摩
したとしてもCBN工具は在来インサートチツプ
よりも１コーナー当りの価格が10〜100倍も高い。
において卓越した性能を有しているにもかかわら
ず、まだ限定された分野でしか用いられない。そ
の基本的原因は超硬合金又はセラミツク等の在来
インサートチツプと比べて高コストであるためで
ある。在来のインサートチツプは安価なのでコー
ナーの切れ刃を全て使用すると使い捨てとなる
が、CBN工具では使用したコーナーを再研摩し
て再使用するのが一般的な使い方である。再研摩
したとしてもCBN工具は在来インサートチツプ
よりも１コーナー当りの価格が10〜100倍も高い。
第５図のインサートチツプの場合で、CBN焼
結体層３２を４〜５回再研摩して使用するのが一
般的である。この再研摩の際にはCBN層３２が
厚くないので、すくい面（チツプ上面）は研摩し
ないで、両逃げ面（チツプ側面）およびノーズＲ
部を研摩することになり、再研摩の手数と費用が
かかる。また、再研摩の程度によつてインサート
チツプのサイズが不定となるために多数個のイン
サートチツプを一度に使用するフライス加工等に
は使用できなくなる。そこで、再研摩しないで使
い捨てにするためにCBN焼結体層３２および超
硬合金基板３１の切れ刃部分を小さくすることが
考えられる。しかしながら、この場合に、切れ刃
部分素材コストは低減されかつ再研摩コストはな
くなるが、初期の研削コストおよび工具化のため
のコストは大きな切れ刃部分の場合と変わりな
く、コーナーの再使用がないことのために、総合
的にみて１コーナー当たりのコストは下がらな
い。また、小さな切れ刃部分にすると、当然ろう
付け面積が小さくなり、工具使用時（切削時）に
ろう付剥離が起り易くなつてしまう。
結体層３２を４〜５回再研摩して使用するのが一
般的である。この再研摩の際にはCBN層３２が
厚くないので、すくい面（チツプ上面）は研摩し
ないで、両逃げ面（チツプ側面）およびノーズＲ
部を研摩することになり、再研摩の手数と費用が
かかる。また、再研摩の程度によつてインサート
チツプのサイズが不定となるために多数個のイン
サートチツプを一度に使用するフライス加工等に
は使用できなくなる。そこで、再研摩しないで使
い捨てにするためにCBN焼結体層３２および超
硬合金基板３１の切れ刃部分を小さくすることが
考えられる。しかしながら、この場合に、切れ刃
部分素材コストは低減されかつ再研摩コストはな
くなるが、初期の研削コストおよび工具化のため
のコストは大きな切れ刃部分の場合と変わりな
く、コーナーの再使用がないことのために、総合
的にみて１コーナー当たりのコストは下がらな
い。また、小さな切れ刃部分にすると、当然ろう
付け面積が小さくなり、工具使用時（切削時）に
ろう付剥離が起り易くなつてしまう。
さらに、高温超高圧下で一体に作製したCBN
焼結体層および超硬合金基板の素材板を第５図の
場合よりも多く分割して切れ刃部分を得て（切れ
刃部分のコスト低減を図つて）、第６図および第
７図のように担持体にろう付けすることも考えら
れる。第６図ではCBN焼結体層３２を有する超
硬合金基板３１が工具すくい面と直角な面で担持
体３３にろう付けされることになる。第７図では
切れ刃部分をもつと小さくするように担持体３３
にチツプ中央へ向つて延びる溝を形成しておいて
そこへ切れ刃部分を挿入して超硬合金基板３１を
第４図と同様に工具すくい面を直角にろう付けす
る。しかしながら、これらの場合には、CBN焼
結体層３２が約1.0mm厚としても切れ刃の大きさ
が制限されて切削工具としての切込み（深さ）を
0.5mm程度までしかとれず、軽切削ないし仕上切
削にしか使えず、適用範囲が狭い。CBN焼結体
層をより厚くすることは技術的に困難ではない
が、CBN層を厚くし、他方、超硬合金層を薄く
する場合には問題がある。それは、このような
CBN層と超硬合金層との積層構造では熱応力が
素材製造の冷却時あるいはろう付け時にCBN層
にクラツク発生を招くからである。そのために、
切れ刃のCBN焼結体層をより厚くするときには、
同時に超硬合金基板も厚くしなければならない。
その結果として、超高圧装置で素材板を作る際
に、装置の高さ方向での制約から製造できる枚数
が減少することになる。したがつて、一枚の素材
板からの切れ刃部分の取数は増加する（例えば、
２〜３倍となる。）が、素材板の枚数が1/2〜2/3
に減少し、又相殺されて切れ刃部分のコストはそ
れほど下がらない。一方、第６図および第７図か
らわかるようにCBN焼結体層３２の底面は超硬
合金又は鋼等の担持体３３に対してろう付けされ
るわけであるが、CBN焼結体はろう材に対して
ぬれ性が悪くろう付けできていない状態にある。
これのために、CBN焼結体層と担持体との間に
隙間が出来易く、工具使用時に振動等によつて欠
損が起き易い等の重大欠陥が生じることになる。
焼結体層および超硬合金基板の素材板を第５図の
場合よりも多く分割して切れ刃部分を得て（切れ
刃部分のコスト低減を図つて）、第６図および第
７図のように担持体にろう付けすることも考えら
れる。第６図ではCBN焼結体層３２を有する超
硬合金基板３１が工具すくい面と直角な面で担持
体３３にろう付けされることになる。第７図では
切れ刃部分をもつと小さくするように担持体３３
にチツプ中央へ向つて延びる溝を形成しておいて
そこへ切れ刃部分を挿入して超硬合金基板３１を
第４図と同様に工具すくい面を直角にろう付けす
る。しかしながら、これらの場合には、CBN焼
結体層３２が約1.0mm厚としても切れ刃の大きさ
が制限されて切削工具としての切込み（深さ）を
0.5mm程度までしかとれず、軽切削ないし仕上切
削にしか使えず、適用範囲が狭い。CBN焼結体
層をより厚くすることは技術的に困難ではない
が、CBN層を厚くし、他方、超硬合金層を薄く
する場合には問題がある。それは、このような
CBN層と超硬合金層との積層構造では熱応力が
素材製造の冷却時あるいはろう付け時にCBN層
にクラツク発生を招くからである。そのために、
切れ刃のCBN焼結体層をより厚くするときには、
同時に超硬合金基板も厚くしなければならない。
その結果として、超高圧装置で素材板を作る際
に、装置の高さ方向での制約から製造できる枚数
が減少することになる。したがつて、一枚の素材
板からの切れ刃部分の取数は増加する（例えば、
２〜３倍となる。）が、素材板の枚数が1/2〜2/3
に減少し、又相殺されて切れ刃部分のコストはそ
れほど下がらない。一方、第６図および第７図か
らわかるようにCBN焼結体層３２の底面は超硬
合金又は鋼等の担持体３３に対してろう付けされ
るわけであるが、CBN焼結体はろう材に対して
ぬれ性が悪くろう付けできていない状態にある。
これのために、CBN焼結体層と担持体との間に
隙間が出来易く、工具使用時に振動等によつて欠
損が起き易い等の重大欠陥が生じることになる。
本発明はより低コストのCBN焼結体利用イン
サートチツプ（切削工具）を提供すべく、(a)
CBN焼結体を含む切れ刃部分の素材コストの低
減、(b)切れ刃部分を有効に使用しうるインサート
チツプ構成、および(c)CBN焼結体切れ刃の再研
摩コストの低減の面から研究開発を行なつた。
サートチツプ（切削工具）を提供すべく、(a)
CBN焼結体を含む切れ刃部分の素材コストの低
減、(b)切れ刃部分を有効に使用しうるインサート
チツプ構成、および(c)CBN焼結体切れ刃の再研
摩コストの低減の面から研究開発を行なつた。
本発明は上述の研究開発から得られたものであ
つてその要旨とするところは、切れ刃部分が立方
晶窒化硼素を主成分とする焼結体片と、該焼結体
片の焼結時に該焼結体片の一側面に密着させられ
かつ0.1〜0.5mmの厚さを有する下記(1)〜(4)：(1)20
〜50wt％Ni、０〜30wt％Co、残部Feの鉄合金
層；(2)タングステン層Ｗ層；(3)20〜50wt％Ni、
０〜30wt％Co、残部Feの鉄合金層と前記焼結体
片側に配置したモリブデン（Mo）、タンタル
（Ta）またはニツケル（Ni）の層とからなる複
合金属層；および(4)タングステンまたはモリブデ
ンの層と焼結体片側に配置したタンタルまたはニ
オブ（Nb）の層とからなる複合金属層；のいず
れかの金属層とからなり、さらに金属層のみをろ
う付けによつて担持体の側面に該担持体の厚さに
わたつて接着させて、焼結体片が該担持体と接す
ることなく、切れ刃部分を該担持体と一体化して
いる複合焼結体工具にある。
つてその要旨とするところは、切れ刃部分が立方
晶窒化硼素を主成分とする焼結体片と、該焼結体
片の焼結時に該焼結体片の一側面に密着させられ
かつ0.1〜0.5mmの厚さを有する下記(1)〜(4)：(1)20
〜50wt％Ni、０〜30wt％Co、残部Feの鉄合金
層；(2)タングステン層Ｗ層；(3)20〜50wt％Ni、
０〜30wt％Co、残部Feの鉄合金層と前記焼結体
片側に配置したモリブデン（Mo）、タンタル
（Ta）またはニツケル（Ni）の層とからなる複
合金属層；および(4)タングステンまたはモリブデ
ンの層と焼結体片側に配置したタンタルまたはニ
オブ（Nb）の層とからなる複合金属層；のいず
れかの金属層とからなり、さらに金属層のみをろ
う付けによつて担持体の側面に該担持体の厚さに
わたつて接着させて、焼結体片が該担持体と接す
ることなく、切れ刃部分を該担持体と一体化して
いる複合焼結体工具にある。
CBN焼結体を厚くして、従来の超硬合金基板
の代わりに薄い金属層を高温超高圧の焼結時に
CBN焼結体に密着させて素材板を製作し、この
素材板から切り出して所定サイズの切れ刃部分が
得られる。超硬合金又は鋼等の側面、例えば、一
隅（コーナー）をその厚さ全体にわたつて面取り
してその側面に金属層をろう付けすることによつ
て切れ刃となるCBN焼結体片が担持体に取り付
けられる。したがつて、切削工具の上下両面に
CBN焼結体片の切れ刃が形成され、切れ刃のた
めの再研摩は切削工具の上面又は下面を研削すれ
ば良く、逃げ面（工具側面）の研削の必要はな
い。
の代わりに薄い金属層を高温超高圧の焼結時に
CBN焼結体に密着させて素材板を製作し、この
素材板から切り出して所定サイズの切れ刃部分が
得られる。超硬合金又は鋼等の側面、例えば、一
隅（コーナー）をその厚さ全体にわたつて面取り
してその側面に金属層をろう付けすることによつ
て切れ刃となるCBN焼結体片が担持体に取り付
けられる。したがつて、切削工具の上下両面に
CBN焼結体片の切れ刃が形成され、切れ刃のた
めの再研摩は切削工具の上面又は下面を研削すれ
ば良く、逃げ面（工具側面）の研削の必要はな
い。
従来の超硬合金基板に代わる薄い密着金属層は
次の条件を満たしている。
次の条件を満たしている。
(イ) 常温〜500℃の平均熱膨張率αが８×10-6／
℃以下であること、 (ロ) 超硬合金、高速度鋼、鋼などの担持体となる
材料と大気中でろう付けでき、十分実用可能な
接着強度が得られること、および (ハ) CBN焼結のための高温超高圧（通常1300〜
1500℃、30〜60kb）で溶解しないしかつ有害
な反応をしないこと。
℃以下であること、 (ロ) 超硬合金、高速度鋼、鋼などの担持体となる
材料と大気中でろう付けでき、十分実用可能な
接着強度が得られること、および (ハ) CBN焼結のための高温超高圧（通常1300〜
1500℃、30〜60kb）で溶解しないしかつ有害
な反応をしないこと。
さらに本発明では薄い密着金属層で２および４
の場合に、Ｗ層あるいはMo層を焼結時に炭素と
反応させて化合物層とした場合も含む。上述した
金属層のいずれを用いるのかについては、ろう付
強度、膨張係数さらには反応性などで違いがあり
かつインサートチツプとしての切削工具の使用条
件に応じて適宜選択される。一般に、切削時に大
きな負荷がかかつてろう付強度が問題になる場合
には１項の鉄合金層が好ましく、また、軽切削の
場合又は焼結時に高温度を用いるCBN焼結体組
成の場合には４項の複合金属層（ＷまたはMoの
層とTaまたはNbの層との組合わせ金属層）が好
ましい。そして、金属層の厚さは0.1〜0.5mmの範
囲が望ましい。
の場合に、Ｗ層あるいはMo層を焼結時に炭素と
反応させて化合物層とした場合も含む。上述した
金属層のいずれを用いるのかについては、ろう付
強度、膨張係数さらには反応性などで違いがあり
かつインサートチツプとしての切削工具の使用条
件に応じて適宜選択される。一般に、切削時に大
きな負荷がかかつてろう付強度が問題になる場合
には１項の鉄合金層が好ましく、また、軽切削の
場合又は焼結時に高温度を用いるCBN焼結体組
成の場合には４項の複合金属層（ＷまたはMoの
層とTaまたはNbの層との組合わせ金属層）が好
ましい。そして、金属層の厚さは0.1〜0.5mmの範
囲が望ましい。
以下、添付図面を参照して本発明の実施態様例
によつて本発明を詳しく説明する。
によつて本発明を詳しく説明する。
例 １
まず、CBN粉末60wt％、TiC粉末30wt％およ
びAl粉末10wt％の割合の混合粉原料6.0g、厚さ
60μmでサイズ32mm直径のTa箔、厚さ0.2mmでサ
イズ32mmの直径のFe−29Ni−17Co合金板および
厚さ５mmでサイズ32mm直径のAl2O3板を用意し
た。これらを第２図に示すようにAl2O3板１上に
Fe−Ni−Co合金板２、Ta箔３そしてCBN混合
粉原料４を順に積層して積層体とし、この積層体
を金属カプセル（図示せず）内に４組配置し、最
上にあるCBN混合粉原料４の上にAl2O3板１を載
せてから密封した。また、CBN原料層４とAl2O3
板１との間に焼結後両者を容易に分離するために
Zr箔（図示せず）を配置した。この金属カプセ
ルを高温超高圧発生装置である通常のベルト装置
内に配置して、1300℃の温度で40kbの圧力を１
時間保持してCBN混合粉を焼結した。金属カプ
セルから取出し、Al2O3板を外して、高温超高圧
によつてCBN焼結体にFe−Ni−Co合金板および
Ta箔の金属層が密着した円板状の素材板を４枚
問題なく得ることができた。各素材板の上下面の
変質層を研削除去して、CBN焼結体の厚さが約
2.0mmで、金属層の厚さが0.15mmであつた。
びAl粉末10wt％の割合の混合粉原料6.0g、厚さ
60μmでサイズ32mm直径のTa箔、厚さ0.2mmでサ
イズ32mmの直径のFe−29Ni−17Co合金板および
厚さ５mmでサイズ32mm直径のAl2O3板を用意し
た。これらを第２図に示すようにAl2O3板１上に
Fe−Ni−Co合金板２、Ta箔３そしてCBN混合
粉原料４を順に積層して積層体とし、この積層体
を金属カプセル（図示せず）内に４組配置し、最
上にあるCBN混合粉原料４の上にAl2O3板１を載
せてから密封した。また、CBN原料層４とAl2O3
板１との間に焼結後両者を容易に分離するために
Zr箔（図示せず）を配置した。この金属カプセ
ルを高温超高圧発生装置である通常のベルト装置
内に配置して、1300℃の温度で40kbの圧力を１
時間保持してCBN混合粉を焼結した。金属カプ
セルから取出し、Al2O3板を外して、高温超高圧
によつてCBN焼結体にFe−Ni−Co合金板および
Ta箔の金属層が密着した円板状の素材板を４枚
問題なく得ることができた。各素材板の上下面の
変質層を研削除去して、CBN焼結体の厚さが約
2.0mmで、金属層の厚さが0.15mmであつた。
得られた素材板をワイヤーカツトにより一辺
5.0mmの正方形の素材片５（第３図）を24個切出
すことができた。第１図および第３図に示したよ
うに、一隅（コーナー）を研削除去した担持体６
に大気中で800℃の銀ろう付で素材片５を接着し
て（第３図）平面研削盤および工具研削盤を用い
て第１図に示すSNMN432であるインサートチツ
プ７に加工した。CBN焼結体片８と金属層９と
からなる切れ刃部分１０がインサートチツプ７の
厚さにわたつてろう付け層１１で接着されたチツ
プの一隅（コーナー）となつている。この切れ刃
部分１０ではCBN焼結体片８の厚さ（チツプの
対角線上で）が2.0mmであり、金属層９の幅が4.6
mmであつた。
5.0mmの正方形の素材片５（第３図）を24個切出
すことができた。第１図および第３図に示したよ
うに、一隅（コーナー）を研削除去した担持体６
に大気中で800℃の銀ろう付で素材片５を接着し
て（第３図）平面研削盤および工具研削盤を用い
て第１図に示すSNMN432であるインサートチツ
プ７に加工した。CBN焼結体片８と金属層９と
からなる切れ刃部分１０がインサートチツプ７の
厚さにわたつてろう付け層１１で接着されたチツ
プの一隅（コーナー）となつている。この切れ刃
部分１０ではCBN焼結体片８の厚さ（チツプの
対角線上で）が2.0mmであり、金属層９の幅が4.6
mmであつた。
得られたインサートチツプ７を使用して圧延ロ
ールのジヤーナル部の外旋を下記条件にて行なつ
た。
ールのジヤーナル部の外旋を下記条件にて行なつ
た。
切削速度Ｖ＝200m／min
送りｆ＝0.2mm／rev
切込み（深さ）ｄ＝1.5mm
切込み角ｋ＝45°
ロール３本分の切削加工で逃げ面摩耗幅VBが0.3
mmとなつた。従来の第５図に示したインサートチ
ツプの場合と同じであつた。
mmとなつた。従来の第５図に示したインサートチ
ツプの場合と同じであつた。
次に、インサートチツプ７をひつくり返して裏
面側の切れ刃を同様に切削加工に使用した。そし
て、CBN焼結体片５の再研摩を平面研削盤で表
裏両面を約0.4mmずつ研削することで行ない、結
局チツプ厚さ約３mmで廃棄するまで３回の再研摩
して合計８コーナー使用できた。
面側の切れ刃を同様に切削加工に使用した。そし
て、CBN焼結体片５の再研摩を平面研削盤で表
裏両面を約0.4mmずつ研削することで行ない、結
局チツプ厚さ約３mmで廃棄するまで３回の再研摩
して合計８コーナー使用できた。
従来の第５図に示すようなインサートチツプで
のCBN焼結体層（厚さ１mm）と超硬合金基板
（厚さ2.2mm）の場合には、焼結体素材から一辺約
５mmの三角形素材片を切出して製作した素材片コ
ストは本発明の場合の約1/2であるが、インサー
トチツプとしたときにはそのコストは本発明より
も20〜30％安価であるに過ぎない。さらに、上述
した切削条件での使用では従来のインサートチツ
プは再研摩が２回しかできずかつ再研摩費用が本
発明の場合よるも高いことなどを考慮すると、結
局、総合的にみて１コーナー当りのコストは本発
明の場合のほうが約1/3〜2/5と格段に安くなる。
のCBN焼結体層（厚さ１mm）と超硬合金基板
（厚さ2.2mm）の場合には、焼結体素材から一辺約
５mmの三角形素材片を切出して製作した素材片コ
ストは本発明の場合の約1/2であるが、インサー
トチツプとしたときにはそのコストは本発明より
も20〜30％安価であるに過ぎない。さらに、上述
した切削条件での使用では従来のインサートチツ
プは再研摩が２回しかできずかつ再研摩費用が本
発明の場合よるも高いことなどを考慮すると、結
局、総合的にみて１コーナー当りのコストは本発
明の場合のほうが約1/3〜2/5と格段に安くなる。
例 ２
上述した例１でのTa箔の代わりに50μm厚の
Mo箔を用いることのみを変えて例１と同様に焼
結素材板を製作し、インサートチツプを製造し
た。このインサートチツプでの切削結果は例１の
場合と同様であつた。
Mo箔を用いることのみを変えて例１と同様に焼
結素材板を製作し、インサートチツプを製造し
た。このインサートチツプでの切削結果は例１の
場合と同様であつた。
例 ３
平均粒径2μmのCBN粉末にAl粉末を5wt％混
合したCBN混合粉末6.0g、Co粉末1.5g、厚さ0.1
mmでサイズ32mm直径のTa箔、厚さ0.3mmでサイズ
32mm直径のMo板、および例１と同じAl2O3板を
用意した。これらを第４図に示すようにAl2O3板
２１上にMo板２２、Ta箔２３、CBN混合粉末
層２４そしてCo粉末層２５を順に積層して積層
体とし、金属カプセル内に３組配置し、Al2O3板
２１を載せて密封した。また、焼結後のCoの含
有CBN層とAl2O3板との分離を容易にするために
Zr箔（図示せず）をCo粉末層２５とAl2O3板２１
との間に配置しておいた。この金属カプセルをベ
ルト装置内に配置して、1500℃の温度で55kbの
圧力を１時間維持して粉末を焼結した。金属カプ
セルから取出し、Al2O3板を外して、高温超高圧
によつて焼結体素材板３枚が得られた。この焼結
体はAl4.5〜5.0wt％および15〜20wt％を含む
CBN焼結体であり、Ta箔およびMo板の金属層
が密着しいてた。各素材板の上下面の変質層を研
削除去して、CBN焼結体の厚さが2.0mmで、金属
層の厚さが0.3mmであつた。
合したCBN混合粉末6.0g、Co粉末1.5g、厚さ0.1
mmでサイズ32mm直径のTa箔、厚さ0.3mmでサイズ
32mm直径のMo板、および例１と同じAl2O3板を
用意した。これらを第４図に示すようにAl2O3板
２１上にMo板２２、Ta箔２３、CBN混合粉末
層２４そしてCo粉末層２５を順に積層して積層
体とし、金属カプセル内に３組配置し、Al2O3板
２１を載せて密封した。また、焼結後のCoの含
有CBN層とAl2O3板との分離を容易にするために
Zr箔（図示せず）をCo粉末層２５とAl2O3板２１
との間に配置しておいた。この金属カプセルをベ
ルト装置内に配置して、1500℃の温度で55kbの
圧力を１時間維持して粉末を焼結した。金属カプ
セルから取出し、Al2O3板を外して、高温超高圧
によつて焼結体素材板３枚が得られた。この焼結
体はAl4.5〜5.0wt％および15〜20wt％を含む
CBN焼結体であり、Ta箔およびMo板の金属層
が密着しいてた。各素材板の上下面の変質層を研
削除去して、CBN焼結体の厚さが2.0mmで、金属
層の厚さが0.3mmであつた。
得られた素材板を例１と同じくワイヤーカツト
によつて一辺５mmの正方形素材片を切出した。そ
して、素材板を例１と同様にして超硬スローアウ
エイチツプSNMN432の隅（コーナー）にろう付
けし、研削によりインサートチツプに加工した。
によつて一辺５mmの正方形素材片を切出した。そ
して、素材板を例１と同様にして超硬スローアウ
エイチツプSNMN432の隅（コーナー）にろう付
けし、研削によりインサートチツプに加工した。
得られたインサートチツプを使用して圧延用チ
ルドロールの外旋を下記条件にて行なつた。
ルドロールの外旋を下記条件にて行なつた。
切削速度Ｖ＝50m／min
送りｆ＝0.4mm／rev
切込み（深さ）ｄ＝0.8mm
切込み角ｋ＝45°
合計切削時間90分で２本のロールを問題なく仕
上げた。この切削加工で逃げ面摩耗幅VBが0.5mm
となつた。なお、この切削加工は従来の第５図に
示したようなCBN焼結体層が0.5〜1.0mmのろう付
インサートチツプでは行なえないものであり、超
硬合金基板をもCBN焼結体とした「ソリツドタ
イプ」と呼ばれるCBN焼結体のみからなる切れ
刃部分のインサートチツプを使用することになつ
てしまう。
上げた。この切削加工で逃げ面摩耗幅VBが0.5mm
となつた。なお、この切削加工は従来の第５図に
示したようなCBN焼結体層が0.5〜1.0mmのろう付
インサートチツプでは行なえないものであり、超
硬合金基板をもCBN焼結体とした「ソリツドタ
イプ」と呼ばれるCBN焼結体のみからなる切れ
刃部分のインサートチツプを使用することになつ
てしまう。
ただし、本発明のインサートチツプであつても
切込みを1.0mm以上としたり、送りをより大きく
するとろう付け箇所が剥れることが起こる。
切込みを1.0mm以上としたり、送りをより大きく
するとろう付け箇所が剥れることが起こる。
例 ４
例１にて得られたインサートチツプを例３の切
削を行なつたところ、切込み深さが1.5mmでもろ
う付けは剥離しなかつた。しかしながら、逃げ面
摩耗幅が大きくなつており、例１でのCBN焼結
体の材質はチルドロールの切削に適していないと
思われる。
削を行なつたところ、切込み深さが1.5mmでもろ
う付けは剥離しなかつた。しかしながら、逃げ面
摩耗幅が大きくなつており、例１でのCBN焼結
体の材質はチルドロールの切削に適していないと
思われる。
例 ５
例３の積層体において、Mo板とAl2O3板との
間に厚さ0.5mmで直径32mmの黒鉛板を配置してか
らベルト装置にて焼結を行なつた。この場合には
金属層のMo板がほぼMo2Ｃとなつていた。そし
て、例３と同じようにインサートチツプを作り、
切削速度および送りを同一として切込みを1.2mm
と例３の場合の0.8mmより50％大きくしてチルド
ロールを外旋することができた。これ以上大きな
切込みとするとろう付剥離が発生するようにな
る。
間に厚さ0.5mmで直径32mmの黒鉛板を配置してか
らベルト装置にて焼結を行なつた。この場合には
金属層のMo板がほぼMo2Ｃとなつていた。そし
て、例３と同じようにインサートチツプを作り、
切削速度および送りを同一として切込みを1.2mm
と例３の場合の0.8mmより50％大きくしてチルド
ロールを外旋することができた。これ以上大きな
切込みとするとろう付剥離が発生するようにな
る。
本発明によれば、CBN焼結体片を金属層と密
着させて作製したものを切れ刃部分として切削工
具、特に、インサートチツプの隅（コーナー）の
厚さにわたつて付着させているので、CBN焼結
素材からの切出し数の増加、再研摩作業の容易化
およびチツプ両面切れ刃の構成によつてコーナー
当りのコストを大幅に低減することができる。
着させて作製したものを切れ刃部分として切削工
具、特に、インサートチツプの隅（コーナー）の
厚さにわたつて付着させているので、CBN焼結
素材からの切出し数の増加、再研摩作業の容易化
およびチツプ両面切れ刃の構成によつてコーナー
当りのコストを大幅に低減することができる。
第１図は、本発明に係るインサートチツプの複
合焼結体工具の斜視図であり、第２図は、高圧超
高圧下での焼結時の積層体を示す概略断面図であ
り、第３図は、第１図のインサートチツプを製作
する途中での複合焼結体工具の斜視図であり、第
４図は、高圧超高圧下での焼結時の別の積層体を
示す概略断面図であり、第５図は、従来のインサ
ートチツプの斜視図であり、第６図および第７図
は、想定されるインサートチツプの斜視図であ
る。 ５……焼結体素材片、６……担持体（超硬スロ
ーアウエイチツプ）、７……インサートチツプ、
８……CBN焼結体片、９……金属層、１０……
切れ刃部分、１１……ろう付け層。
合焼結体工具の斜視図であり、第２図は、高圧超
高圧下での焼結時の積層体を示す概略断面図であ
り、第３図は、第１図のインサートチツプを製作
する途中での複合焼結体工具の斜視図であり、第
４図は、高圧超高圧下での焼結時の別の積層体を
示す概略断面図であり、第５図は、従来のインサ
ートチツプの斜視図であり、第６図および第７図
は、想定されるインサートチツプの斜視図であ
る。 ５……焼結体素材片、６……担持体（超硬スロ
ーアウエイチツプ）、７……インサートチツプ、
８……CBN焼結体片、９……金属層、１０……
切れ刃部分、１１……ろう付け層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ 切れ刃部分が立方晶窒化硼素を主成分とする
焼結体片と、該焼結体片の焼結時に該焼結体片の
一側面に密着させられかつ0.1〜0.5mmの厚さを有
する下記(1)〜(4)： (1) 20〜50wt％Ni、０〜30wt％Co、残部Feの
鉄合金層； (2) タングステン層； (3) 20〜50wt％Ni、０〜30wt％Co、残部Feの
鉄合金層と前記焼結体片側に配置したモリブデ
ン、タンタルまたはニツケルの層とからなる複
合金属層；および (4) タングステンまたはモリブデンの層と前記焼
結体片側に配置したタンタルまたはニオブの層
とからなる複合金属層； のいずれかの金属層とからなり、さらに前記金属
層のみをろう付けによつて担持体の側面に該担持
体の厚さにわたつて接着させて、前記焼結体片が
該担持体と接することなく、前記切れ刃部分を該
担持体と一体化している複合焼結体工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5303587A JPS63221906A (ja) | 1987-03-10 | 1987-03-10 | 複合焼結体工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5303587A JPS63221906A (ja) | 1987-03-10 | 1987-03-10 | 複合焼結体工具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63221906A JPS63221906A (ja) | 1988-09-14 |
| JPH059203B2 true JPH059203B2 (ja) | 1993-02-04 |
Family
ID=12931633
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5303587A Granted JPS63221906A (ja) | 1987-03-10 | 1987-03-10 | 複合焼結体工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63221906A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109894639A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-06-18 | 哈尔滨汽轮机厂有限责任公司 | 一种加工凹槽的车刀及其加工方法 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4782672B2 (ja) * | 2003-06-03 | 2011-09-28 | サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ | 割り出し可能な切削インサート及びこの切削インサートの製造方法 |
| SE535420C2 (sv) * | 2010-06-02 | 2012-07-31 | Sandvik Intellectual Property | Hårdmetallskär samt hårdmetallämne för tillverkning av dylika skär |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5473389A (en) * | 1977-11-22 | 1979-06-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Complex cutting tool |
| JPS60263601A (ja) * | 1984-06-11 | 1985-12-27 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 複合焼結体工具 |
-
1987
- 1987-03-10 JP JP5303587A patent/JPS63221906A/ja active Granted
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5473389A (en) * | 1977-11-22 | 1979-06-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Complex cutting tool |
| JPS60263601A (ja) * | 1984-06-11 | 1985-12-27 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 複合焼結体工具 |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109894639A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-06-18 | 哈尔滨汽轮机厂有限责任公司 | 一种加工凹槽的车刀及其加工方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63221906A (ja) | 1988-09-14 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |