JPH059171A - 光学活性カルボン酸の蒸留法 - Google Patents
光学活性カルボン酸の蒸留法Info
- Publication number
- JPH059171A JPH059171A JP15900491A JP15900491A JPH059171A JP H059171 A JPH059171 A JP H059171A JP 15900491 A JP15900491 A JP 15900491A JP 15900491 A JP15900491 A JP 15900491A JP H059171 A JPH059171 A JP H059171A
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- JP
- Japan
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- carboxylic acid
- optically active
- active carboxylic
- distillation
- formula
- Prior art date
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- Pending
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】一般式(I)
【数1】
(式中 R1 はアルキル基、アラルキル基またはアリル
基、 R2 はアルキル基、nは1または2を示す)で表わ
される光学活性カルボン酸を次式 (II) を満足する条件
で該カルボン酸を蒸発させることを特徴とする光学活性
カルボン酸の蒸留法。 【数2】 (式中、tは滞留時間(分)、T は蒸留温度(k) を示
す。) 【効果】 光学活性カルボン酸を98%以上の純度で効率
的に蒸留、採取することができる。
基、 R2 はアルキル基、nは1または2を示す)で表わ
される光学活性カルボン酸を次式 (II) を満足する条件
で該カルボン酸を蒸発させることを特徴とする光学活性
カルボン酸の蒸留法。 【数2】 (式中、tは滞留時間(分)、T は蒸留温度(k) を示
す。) 【効果】 光学活性カルボン酸を98%以上の純度で効率
的に蒸留、採取することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般式(I)
【0002】
【数3】
【0003】(式中 R1 はアルキル基、アラルキル基、
またはアリール基、 R2 はアルキル基、nは1または2
を示す)で表わされる光学活性カルボン酸の蒸留法に関
する。
またはアリール基、 R2 はアルキル基、nは1または2
を示す)で表わされる光学活性カルボン酸の蒸留法に関
する。
【0004】
【従来の技術】上記一般式 (I) で表わされる光学活性
を有するカルボン酸は種々の生理活性物質を合成するた
めの中間原料として有用である。一般式 (I) で表わさ
れる光学活性カルボン酸の製造法としては特開昭 55-11
8455号公報、同56-81557号公報および同57-188563 号公
報に示されているようなあらかじめ有機合成的にラセミ
体のカルボン酸を合成したのち各種の光学分割剤を用い
て分割する方法、あるいは特開昭60-12992号公報、同60
-12993号公報に示されているような式 (III)の構造をも
つエステルに不斉加水分解酵素を作用させて得る方法が
知られている。
を有するカルボン酸は種々の生理活性物質を合成するた
めの中間原料として有用である。一般式 (I) で表わさ
れる光学活性カルボン酸の製造法としては特開昭 55-11
8455号公報、同56-81557号公報および同57-188563 号公
報に示されているようなあらかじめ有機合成的にラセミ
体のカルボン酸を合成したのち各種の光学分割剤を用い
て分割する方法、あるいは特開昭60-12992号公報、同60
-12993号公報に示されているような式 (III)の構造をも
つエステルに不斉加水分解酵素を作用させて得る方法が
知られている。
【0005】
【数4】
【0006】(式中 R1 はアルキル基、アラルキル基、
またはアリール基、 R2 ,R3 はアルキル基、nは1また
は2を示す)ここで得られた光学活性物質を反応液から
分離精製する手段としては抽出、再結晶、カラムクロマ
トグラフィー、蒸留等の操作が知られているが、高品質
の確保という観点から、最終的には蒸留精製手段が通常
用いられている。
またはアリール基、 R2 ,R3 はアルキル基、nは1また
は2を示す)ここで得られた光学活性物質を反応液から
分離精製する手段としては抽出、再結晶、カラムクロマ
トグラフィー、蒸留等の操作が知られているが、高品質
の確保という観点から、最終的には蒸留精製手段が通常
用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記一般式(I)で表
わされる光学活性カルボン酸は一般に高沸点であり、蒸
留の過程で 200℃以上のような高温に保持されると急激
に加水分解あるいは熱分解を起こしたり、また 150℃程
度でも長時間その温度に保持されると徐々にではあるが
分解を起こしたりして不純物の増加など品質の劣化を引
き起こすという問題点がある。
わされる光学活性カルボン酸は一般に高沸点であり、蒸
留の過程で 200℃以上のような高温に保持されると急激
に加水分解あるいは熱分解を起こしたり、また 150℃程
度でも長時間その温度に保持されると徐々にではあるが
分解を起こしたりして不純物の増加など品質の劣化を引
き起こすという問題点がある。
【0008】また一般式(I)で表わされる光学活性カ
ルボン酸は主として医薬品等の合成原料として供せられ
るものであり、上記のように不純物の増加による品質の
低下は医薬品の製造に際し、得られる薬品に副作用等好
ましくない影響を与えることとなり、より純度の高い光
学活性カルボン酸の供給が望まれている。本発明者らは
このような事情に鑑み、上記一般式(I)で表わされる
光学活性カルボン酸を品質劣化を来さないで蒸留精製す
る方法について鋭意検討の結果、蒸留温度と滞留時間と
が特定の関係を満足するような条件を選択して薄膜蒸留
することによって所期の目的を達成し得ることを見出し
本発明を完成した。
ルボン酸は主として医薬品等の合成原料として供せられ
るものであり、上記のように不純物の増加による品質の
低下は医薬品の製造に際し、得られる薬品に副作用等好
ましくない影響を与えることとなり、より純度の高い光
学活性カルボン酸の供給が望まれている。本発明者らは
このような事情に鑑み、上記一般式(I)で表わされる
光学活性カルボン酸を品質劣化を来さないで蒸留精製す
る方法について鋭意検討の結果、蒸留温度と滞留時間と
が特定の関係を満足するような条件を選択して薄膜蒸留
することによって所期の目的を達成し得ることを見出し
本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【0010】
【数5】
【0011】(式中 R1 はアルキル基、アラルキル基、
またはアリール基、 R2 はアルキル基、nは1または2
を示す)で表わされる光学活性カルボン酸を蒸留する際
に、滞留時間と蒸留温度の関係が次式(II)を満足する
条件で該カルボン酸を蒸発させることを特徴とする光学
活性カルボン酸の蒸留法にある。
またはアリール基、 R2 はアルキル基、nは1または2
を示す)で表わされる光学活性カルボン酸を蒸留する際
に、滞留時間と蒸留温度の関係が次式(II)を満足する
条件で該カルボン酸を蒸発させることを特徴とする光学
活性カルボン酸の蒸留法にある。
【0012】
【数6】
【0013】(式中、 tは滞留時間(分)、 Tは蒸留温
度(k)を示す)以下、本発明を詳細に説明する。一般に
温度一定における化合物の分解速度式は次式(IV)で表
わされることが知られている。
度(k)を示す)以下、本発明を詳細に説明する。一般に
温度一定における化合物の分解速度式は次式(IV)で表
わされることが知られている。
【0014】
【数7】
【0015】(式中、 Cは純度、 kは速度定数を示す)
本発明においては上記式(IV)に鑑み蒸留温度一定で、
滞留時間を変更していった場合の光学活性カルボン酸の
純度を種々測定することにより上記分解速度式は一次式
であることを見出したものである。そして、かかる分解
速度式とアレニウスの式より、例えば光学活性カルボン
酸を薄膜蒸留により精製するに際し、その純度を98%以
上に保つための蒸留温度と滞留時間との関係式を導びく
べく検討した。その結果、前記両者の関係が上記式(I
I)の関係式を満足する範囲であれば光学活性カルボン
酸の純度が98%以上に保たれ品質劣化をもたらさないこ
とを見出したものである。
本発明においては上記式(IV)に鑑み蒸留温度一定で、
滞留時間を変更していった場合の光学活性カルボン酸の
純度を種々測定することにより上記分解速度式は一次式
であることを見出したものである。そして、かかる分解
速度式とアレニウスの式より、例えば光学活性カルボン
酸を薄膜蒸留により精製するに際し、その純度を98%以
上に保つための蒸留温度と滞留時間との関係式を導びく
べく検討した。その結果、前記両者の関係が上記式(I
I)の関係式を満足する範囲であれば光学活性カルボン
酸の純度が98%以上に保たれ品質劣化をもたらさないこ
とを見出したものである。
【0016】すなわち、式(II)の関係を図で表すと、
縦軸に蒸留温度(絶対温度)、横軸に蒸留時の滞留時間
をとり、式(I)の化合物の化学純度が98%になるよう
な温度−滞留時間曲線で示され、図1の通りである。図
1において、曲線より下の領域の蒸留条件をとると化学
純度98%以上の式(I)が得られ、逆にこの曲線より上
の領域の蒸留条件では化学純度98%以下のものしか得ら
れない。
縦軸に蒸留温度(絶対温度)、横軸に蒸留時の滞留時間
をとり、式(I)の化合物の化学純度が98%になるよう
な温度−滞留時間曲線で示され、図1の通りである。図
1において、曲線より下の領域の蒸留条件をとると化学
純度98%以上の式(I)が得られ、逆にこの曲線より上
の領域の蒸留条件では化学純度98%以下のものしか得ら
れない。
【0017】一般式(I)で表わされる光学活性カルボ
ン酸は先に示した特許公報に記載されている方法により
調製されるが、例えば一般式(I)で R1 および R2 が
それぞれCH3 , nが1で示される化合物はメチルメタク
リレートをチオ酢酸から有機合成反応により合成したDL
-(±)-β-Acethylthio isobutylic acid methylester
を、酵素を用いて、不斉加水分解する方法、あるいは、
ラセミ体のDL-(±)-β-Acethylthio isobutylic acidを
合成し、各種の光学分割剤、例えばキラルな固定相を有
する高速液体クロマトグラフィーにより、光学分割する
ことで得ることができる。
ン酸は先に示した特許公報に記載されている方法により
調製されるが、例えば一般式(I)で R1 および R2 が
それぞれCH3 , nが1で示される化合物はメチルメタク
リレートをチオ酢酸から有機合成反応により合成したDL
-(±)-β-Acethylthio isobutylic acid methylester
を、酵素を用いて、不斉加水分解する方法、あるいは、
ラセミ体のDL-(±)-β-Acethylthio isobutylic acidを
合成し、各種の光学分割剤、例えばキラルな固定相を有
する高速液体クロマトグラフィーにより、光学分割する
ことで得ることができる。
【0018】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。但し、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
する。但し、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0019】
【発明の効果】本発明により生理活性物質の合成中間体
として有用な光学活性カルボン酸を98%以上の純度で効
率的に蒸留、採取することができる。以下、実施例によ
り本発明を具体的に説明する。但し、これら実施例によ
り本発明が限定されるものではない。
として有用な光学活性カルボン酸を98%以上の純度で効
率的に蒸留、採取することができる。以下、実施例によ
り本発明を具体的に説明する。但し、これら実施例によ
り本発明が限定されるものではない。
【0020】
実施例1〜4 式(V)* (一般式(I)で R1 および R2 がそれぞれC
H3 , nが1である化合物)の光学活性カルボン酸を、
150℃および180℃で薄膜蒸留を行い、10分〜60分の間に
とり出したカルボン酸の化学純度を分析した。なお、化
学純度は高速液体クロマトグラフィーを用いて、以下の
条件により求めた値である。
H3 , nが1である化合物)の光学活性カルボン酸を、
150℃および180℃で薄膜蒸留を行い、10分〜60分の間に
とり出したカルボン酸の化学純度を分析した。なお、化
学純度は高速液体クロマトグラフィーを用いて、以下の
条件により求めた値である。
【0021】カラム ODS 4.6φmm×25cm 溶離液 CH3CN;H2O;85wt%H3PO4=40/60/0.1 検出器 UV210nm
【0022】
【数8】
【0023】
【表1】
【0024】比較例1〜2 前出の式(V)で表わされる光学活性カルボン酸を 200
℃10分、 180℃30分で薄膜蒸留を行い、化学純度を分析
した。
℃10分、 180℃30分で薄膜蒸留を行い、化学純度を分析
した。
【0025】
【表2】
【0026】なお、前記表1及び表2における化学純度
の計算値は分解速度式とアレニウスの式から求めた下記
式(VI)によって計算した値である。
の計算値は分解速度式とアレニウスの式から求めた下記
式(VI)によって計算した値である。
【0027】
【数9】
【図面の簡単な説明】
【図1】式(II)の関係を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 村岡 逸巳 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 崎前 明宏 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(I) 【数1】 (式中 R1 はアルキル基、アラルキル基またはアリール
基、 R2 はアルキル基、nは1または2を示す)で表わ
される光学活性カルボン酸を蒸留する際に、滞留時間と
蒸留温度の関係が次式 (II) を満足する条件で該カルボ
ン酸を蒸発させることを特徴とする光学活性カルボン酸
の蒸留法。 【数2】 (式中、tは滞留時間 (分) 、 Tは蒸留温度 (k)を示
す)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15900491A JPH059171A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 光学活性カルボン酸の蒸留法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15900491A JPH059171A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 光学活性カルボン酸の蒸留法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059171A true JPH059171A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=15684138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15900491A Pending JPH059171A (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 光学活性カルボン酸の蒸留法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH059171A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6085650A (en) * | 1998-02-13 | 2000-07-11 | Man Roland Druckmaschinen Ag | Printing unit for a web-fed rotary printing machine |
US6167610B1 (en) | 1993-11-08 | 2001-01-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Method of making a rotary motor |
-
1991
- 1991-06-28 JP JP15900491A patent/JPH059171A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6362553B1 (en) | 1989-11-08 | 2002-03-26 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Rotary motor and production method thereof, and laminated core production method thereof |
US6167610B1 (en) | 1993-11-08 | 2001-01-02 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Method of making a rotary motor |
US6085650A (en) * | 1998-02-13 | 2000-07-11 | Man Roland Druckmaschinen Ag | Printing unit for a web-fed rotary printing machine |
US6314882B1 (en) | 1998-02-13 | 2001-11-13 | Man Roland Druckmaschinen Ag | Printing unit for a web-fed rotary printing machine |
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