JPH0591481A - 多重信号受信装置 - Google Patents

多重信号受信装置

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JPH0591481A
JPH0591481A JP3020476A JP2047691A JPH0591481A JP H0591481 A JPH0591481 A JP H0591481A JP 3020476 A JP3020476 A JP 3020476A JP 2047691 A JP2047691 A JP 2047691A JP H0591481 A JPH0591481 A JP H0591481A
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signal
input
scanning line
image
signals
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JP3020476A
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Inventor
Yoshio Sugimori
吉夫 杉森
Yoshihide Kimata
省英 木俣
Seijirou Yasuki
成次郎 安木
Yoshihiko Ogawa
佳彦 小川
Kiyoyuki Kawai
清幸 川井
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Toshiba Corp
Nippon Television Network Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Nippon Television Network Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レターボックス処理を工夫し、現行方式受像機
に妨害が発生することなく、高画質再現用の付加信号を
十分に伝送し再現できるようにする。 【構成】予めアスペクト比が現行方式の信号よりも横長
となるワイドアスペクト信号に対して垂直高域成分の時
間方向の帯域制限を行った画像信号が伝送されている。
またこの手段からの画像信号の上下の複数の走査線を用
いて補間を行って得た補間走査線と、前記画像信号を実
際に構成して前記補間走査線に対応する走査線との差信
号(LD信号)が伝送されている。このLD信号をデコ
ーダ側は、補間走査線を補償するための情報として用い
る手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、現行方式のテレビジ
ョンシステムで扱われている画像信号により映出される
画面よりも横長の画面を形成することができるワイドア
スペクト信号を伝送することができ、しかもその伝送信
号は、現行方式のテレビジョン受像機であっても受信し
て再生することができるように伝送方式を工夫した多重
信号の受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、現行方式のテレビジョン信号によ
り映出される画面のアスペクト比(4:3)よりも横長
のアスペクト比(例えば16:9)のワイド画面のテレ
ビジョン信号(ワイドアスペクト信号)を、現行テレビ
ジョン方式と両立性を保ちながら伝送できるテレビジョ
ンシステムの研究、開発が行われている。
【0003】このようなワイドアスペクト信号伝送方式
を大別すると、サイドパネル方式とレターボックス方式
とがある。以下、この2つの方式について説明を行う。
【0004】図11(a)は、サイドパネル方式を説明
するための画面説明図である。アスペクト比16:9の
画像信号は、センターパネルと左右のサイドパネルに分
割される。そして、センターパネルが水平方向へ時間伸
張され4:3のアスペクト比に設定され、サイドパネル
は時間圧縮され、水平オーバースキャン部等の部分に多
重される。このようにエンコードされた画像信号は、現
行方式のテレビジョン受像機で再生するとセンターパネ
ルが4:3の画面一杯に映出されることになる。一方、
ワイドアスペクト信号のデコーダでは、エンコード時と
は逆の処理がセンターパネル、サイドパネルに施され、
センターパネルとサイドパネルとが繋ぎ合わせられ、1
6:9のアスペクト比の画像を映出できるように処理さ
れる。
【0005】サイドパネル方式を記載した文献として
は、テレビジョン学会技術報告(1989年8月 Vo
l.13,No.41,pp.19 〜24)の“アスペクト比拡大のため
の多重手法の検討”がある。
【0006】図12は、サイドパネル方式を実現するエ
ンコーダとデコーダの例を示している。同図(a)はエ
ンコーダを示している。入力端子1001に導入された
ワイドアスペクト信号は、分割回路1002にてセンタ
ーパネルとサイドパネルに分割され。センターパネル
は、4/3倍伸張回路1003にて時間伸張され、現行
方式のテレビジョン受像機で表示されたときに図形歪み
のない画像信号に変換される。サイドパネルは、水平高
域通過フィルタ(H−HPF)1007と減算器100
6に入力される。減算器1006には、水平高域通過フ
ィルタ1007の出力が供給されている。従って、減算
器1006からは、水平の低域成分が得られる。水平低
域成分は、1/5倍圧縮回路1004に入力されて時間
圧縮され、現行方式のテレビジョン受像機に入力された
場合、水平オーバースキャン部に対応するように変換さ
れる。1/5倍圧縮回路1004の出力と、4/3倍伸
張回路1003の出力とはセレクタ1008に入力され
る。ここでは、有効表示領域ではセンターパネルの信号
が選択され、水平オーバースキャン部ではサイドパネル
の信号が選択される。このセレクタ1008の出力は、
セレクタ1009に入力される。セレクタ1009の他
方の入力部には、先の水平高域成分が並び替えられて垂
直オーバースキャン部に多重できるように処理される。
この処理は、並び替え回路1005によって行われる。
よってセレクタ1009は、垂直オーバースキャン部で
並び替え回路1005からの出力を選択し、それ以外の
期間ではセレクタ1008からの出力を選択して出力端
子1010に導出する。
【0007】図12(b)において、入力端子1011
には、上記のように処理され、現行方式と両立性を保つ
画像信号が入力される。この画像信号は、セレクタ10
12において、垂直オーバースキャン部とそれ以外の部
分とが分離される。垂直オーバースキャン部の信号は、
並び替え回路1016に入力され元の配列になるように
並び替え処理される。一方、垂直オーバースキャン部以
外の信号は、セレクタ1013に入力される。セレクタ
1013は、水平オーバースキャン部とそれ以外の信号
とを分離する。水平オーバースキャン部の信号は、5倍
伸張回路1015に入力されて水平方向へ5倍に伸張さ
れ加算器1017に入力される。よって加算器1017
では、サイドパネルの高域成分と低域成分とが合成され
ることになる。一方、水平オーバースキャン部以外の信
号は、3/4倍圧縮回路1014に入力され、合成回路
1018に供給される。この合成回路1018には、加
算器1017からの信号も入力されている。これにより
合成回路1018では、ワイドアスペクト信号が復元さ
れ、出力端子1019に導出される。
【0008】次に、レターボックス方式について説明す
る。
【0009】図11(b)はレターボックス方式を説明
するために示した画面説明図である。アスペクト比1
6:9の画像信号は、上下(垂直方向)に圧縮され、
4:3のアスペクト比の画面に納まるように処理され
る。また圧縮により、画面上下部分には上下マスク部が
生じる。この上下マスク部には、圧縮処理によりセンタ
ー部から欠落した高解像度用の信号が多重され、ワイド
アスペクト比信号を復元する際に利用できるようになっ
ている。従って、デコーダでは、センター部が上下に伸
張され、かつ上下マスク部に多重されている高解像度用
の信号が再生され伸張された画像信号に加算される。
【0010】レターボックス方式を記載した文献として
は、テレビジョン学会技術報告(1989年9月 Vo
l.13,No.41,pp.37 〜42)の“レターボックス方式によ
る垂直周波数特性向上の一手法”がある。
【0011】図13はレターボックス方式を実現するた
めの説明図である。16:9の原画像信号を480[テ
レビ本]の順次走査の信号とする。画像を歪み無く4:
3のアスペクト比の画面で表示するためには、上下方向
に3/4倍に圧縮し360[テレビ本]の信号にしなけ
ればならい。さらに現行方式のテレビジョン受像機でも
受信し映出できるようにするためにはインターレース化
しなければならない。すると、1フィールドあたり18
0[テレビ本]の信号に変換する必要がある。上記文献
には、480[テレビ本]の順次走査のワイドアスペク
ト信号を360[テレビ本]のインターレースの信号に
変換する手法が示されている。
【0012】図13(a)に示すように、480[テレ
ビ本]の順次走査信号を8本毎にマトリックス演算し、
その結果の3本をセンター部へ、残り5本を上下マスク
部に多重するようにしている。従って1/60秒で48
0[テレビ本]の信号は、1/60秒で180[テレビ
本]の信号に変換され、上下方向に圧縮されたインター
レース信号となる。同図(b)には、マトリックス演算
式を示している。8×8のマトリックス演算を施す場
合、係数を適当に選ぶことで現行受像機と両立性のある
信号に変換することができる。また5本の上下マスク部
多重用信号は、水平帯域を0.8MHz に制限され、1/
5倍時間圧縮されることにより、1/60秒で60本の
領域に多重伝送することができる。
【0013】図14は、上記のレターボックス方式を実
現するためのエンコーダ、図15はデコーダを示してい
る。
【0014】図14のエンコーダを説明する。入力端子
1201、1202、1203には、カメラ等からの
R,G,B信号が入力される。この信号はアスペクト比
16:9、480[テレビ本]の順次走査信号である。
R,G,B信号は、マトリックス回路1204に導か
れ、輝度信号Y、I信号、Q信号に変換された後、アナ
ログデジタル(A/D)変換器1205に入力される。
デジタル化された輝度信号Yは、シリアルパラレル(S
−P)変換器1206に供給され、I信号とQ信号は画
素単位で選択動作を行うセレクタに供給される。S−P
変換器1206では、8本の走査線の信号を並列に出力
し、マトリックス回路1207に供給しマトリックス演
算を実行させる。得られた演算結果のうち3本の信号は
並列に出力されてパラレルシリアル(P−S)変換器1
208に供給され、直列変換されセンター部信号として
出力される。残り5本の信号はP−S変換器1211に
供給され、直列変換され、水平低域通過フィルタ(H−
LPF)1212にて0.8MHz に帯域制限される。帯
域制限された信号は、1/5倍圧縮回路1213に入力
されて時間方向へ1/5倍に圧縮され、上下マスク部に
多重するために並び替え回路1214に入力される。
0.8MHz の信号が1/5に圧縮されると0.8MHz ×
5=4MHz となるが、これは現行方式のテレビジョン信
号帯域で伝送できる周波数である。センター部信号は、
インターレース変換器1209にてインターレース信号
に変換されてセレクタ1210に供給される。セレクタ
1210は、上下マスク部では、並び替え回路1214
からの出力を選択し、センター部ではインターレース変
換器1209からの信号を選択し出力端子1220に導
出している。
【0015】I,Q信号は、セレクタ1215にて時分
割多重された信号となり、S−P変換器1216に入力
され8本の並列信号となりマトリックス回路1217に
入力される。ここでも輝度信号と同様なマトリックス演
算が行われる。マトリックス回路1217のうち3本の
信号は、P−S変換器1218に入力され直列信号とな
りインターレース変換器1219に入力され、インター
レース変換される。インターレース変換されたI,Q信
号は出力端子1221に導出される。
【0016】図15は上記のように伝送されてきた画像
信号をワイドアスペクト信号にデコードするデコーダを
示している。入力端子1301には輝度信号Y、入力端
子1302にはI及びQ信号が入力される。輝度信号Y
は、セレクタ1302に入力され、センター部と上下マ
スク部の信号とに分割される。センター部は、倍速変換
器1303に入力され順次走査信号に変換され、S−P
変換器1307に入力され1本から3本の信号に変換さ
れる。S−P変換器1307の出力は、逆マトリックス
回路1309に入力される。上下マスク部の信号は、並
び替え回路1304に入力されて送り側とは逆の処理の
並び替えが行われ、5倍伸張回路1305に入力され
る。そして5倍伸張回路1305の出力は、倍速変換器
1306にて倍速変換され、S−P変換器1208に入
力され1本から5本に変換され逆マトリックス回路13
09に入力される。逆マトリックス回路1309に入力
された8本の信号は、送り側とは逆のマトリックス演算
が行われ、P−S変換器1310に入力される。これに
よりP−S変換器1310からは、ワイドアスペクト信
号が得られる。他方、入力端子1311に入力された
I,Q信号は、倍速変換器1312に入力されて倍速変
換され、S−P変換器1313に入力される。並列変換
された信号は逆マトリックス回路1314に入力され輝
度信号と同様に逆変換される。ここで、3本の信号が入
力されているので残り5本分の信号は例えば零信号が利
用される。逆マトリックス回路1314か得られた信号
は、P−S変換器1315に入力される。これによりワ
イドアスペクト信号用のI及びQ信号が得られるが、送
信側で処理したように時分割多重されている。そこでこ
の変換器の出力は、セレクタ1316に入力されて分離
されD/A変換器1317に入力される。D/A変換器
1317には、P−S変換器1310からの輝度信号も
入力されている。D/A変換器1317から出力された
輝度信号、I,Q信号は、逆マトリックス回路1318
に入力され、R,G,B信号に変換され、それぞれの信
号は出力端子1319、1320、1321に導出され
る。
【0017】上述したように、サイドパネル方式あるい
はレターボックス方式を用いて伝送及び受信することに
より、伝送途中のテレビジョン信号は現行方式と両立性
があり、現行方式のテレビジョン受像機においても受信
再生することが可能である。しかしながら、これらの方
式はそれぞれ問題点を備えている。
【0018】サイドパネル方式では、現行方式のテレビ
ジョン受像機でみると、カットされたサイドパネルを見
ることができず、また放送側においてもサイドパネルが
カットされることを前提として番組を制作しなければな
らい。またサイドパネルがカットされることは、番組制
作側の著作権上で問題である。
【0019】一方、レターボックス方式は、ワイド画面
のすべてを現行方式のテレビジョン受像機でみることは
できるが、現行方式のテレビジョン受像機でみた場合、
上下マスク部が画面を占める割合が大きく、スクリーン
全体の利用効率が悪いという問題がある。
【0020】そこで最近では、ワイド画面のテレビジョ
ン信号をレターボックス方式で上下圧縮するその圧縮率
を小さくして画面の有効利用を図り、かつ4:3のアス
ペクト比にあわせるためにサイド部を少しカットして伝
送するという中間方式が提案されている。この方式によ
ると、現行方式のテレビジョン受像機で画像を見た場
合、上下マスク部のスクリーン占有割合は、レターボッ
クス方式単独を利用した場合よりも少なくなり、かつサ
イド部のカットの割合は、サイドパネル方式単独を利用
した場合よりも少なくて済み、双方の欠点を緩和し妥協
点を見出だした方式となる。
【0021】従って、中間方式は、ワイドアスペクト信
号を処理する場合、レターボックス方式による処理とサ
イドパネル方式による処理が合わせて採用される。
【0022】図16は、中間方式によるエンコーダ及び
デコーダの処理経路を示している。アスペクト比16:
9、480本の順次走査信号のメイン信号は、まずレタ
ーボックスエンコーダ1401に入力され上下圧縮さ
れ、次にサイドパネルエンコーダ1402に入力されて
水平方向の伸張が行われ伝送される。デコーダ側では、
まずサイドパネルデコーダ1403によりサイドパネル
のデコード処理が行われ、次にレターボックスデコーダ
1404により上下伸張が行われる。これにより480
本、順次走査、アスペクト比16:9のワイドアスペク
ト信号を再生することができる。
【0023】図17は、上記の中間方式により処理され
ていく画面の移り変わりを示している。同図(a)に示
すアスペクト比16:9の画像を4:3の画面に表示す
ると、同図(b)に示すように縦長となる。そこでま
ず、レターボックス方式により上下方向に5/6倍に圧
縮し(同図(c))、次にサイドパネル方式により水平
方向に10/9倍に伸張(同図(d))すれば歪みのな
い画像となる。この場合、レターボックス方式の処理に
より480[テレビ本]のワイドアスペクト信号は40
0[テレビ本]のセンター部と上下40本づつのマスク
部の信号となる。これに対してレターボックス方式単独
によりシステムを構成する場合は、センター部は360
[テレビ本]、上下マスク部は60本づつの信号に変換
されている。従って、中間方式の場合、上下マスク部の
走査線数は、上下20本少なく、代わりにセンター部の
走査線が上下20本増大したことになる。つまり、セン
ター部の画像は、スクリーン全体を占める割合が増大さ
れている。さらにこの信号に対して、サイドパネル方式
を適用した場合、カットされるサイド部の割合は少なく
て済む。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記したように中間方
式は、レターボックス方式とサイドパネル方式の処理を
組み合わせることにより実現される。ここでサイドパネ
ル方式の処理に注目すると、サイドパネル方式単独を採
用したシステムに比べて中間方式で処理するサイドパネ
ルは大幅に狭くなっている。従って、図12に示したサ
イドパネル処理システムのパラメータを変更することに
より、容易に中間方式に図12のシステムを組み込むこ
とができる。例えば、図12ではセンターパネルの伸
張、圧縮率を4/3、3/4としているが、中間方式で
は10/9、9/10に変更し、またサイドパネルの伸
張、圧縮率は、図12の場合と同じ5、1/5でよい。
また、サイドパネル方式において処理する高域成分につ
いても、上下パネルマスク部や垂直オーバースキャン部
を利用できる。
【0025】ところが、レターボックス方式の処理に着
目すると、センター部の信号が単独システムの場合に比
べて360[テレビ本]から400[テレビ本]に増加
しており、さらに上下マスク部が60本から40本に減
少している。これは、多重すべき信号が増加しているに
もかかわらず、多重可能な領域が狭くなっていることで
ある。
【0026】このため、中間方式におけるレターボック
スエンコーダ及びデコーダとしては、図14、図15に
示したエンコーダ、デコーダをそのまま採用することは
困難である。
【0027】単独システムにおける480[テレビ本]
から360[テレビ本]変換処理を、単純に480[テ
レビ本]から400[テレビ本]変換処理に変更したと
すると以下のような問題が生じる。
【0028】単独システムでは、480本/(1/60
秒)の信号を180本/(1/60秒)と300本/
(1/60秒)の信号にマトリックス変換している。そ
して、300本/(1/60秒)の信号を1/5倍に圧
縮して60本/(1/60秒)の信号とすることによ
り、上下マスク部に多重し、センター部180本/(1
/60秒)と合わせて、240本/(1/60秒)の信
号を作成して伝送している。
【0029】しかし、中間方式では、480本/(1/
60秒)の信号を200本/(1/60秒)と240本
/(1/60秒)の信号にマトリックス変換している。
そして、240本/(1/60秒)の信号を1/5倍に
圧縮して48本/(1/60秒)の信号としている。従
って、上下マスク部が48本/(1/60秒)、センタ
ー部が200本/(1/60秒)の信号となるが、この
信号は、240本/(1/60秒)の容量よりも大き
い。また、サイドパネルの高域成分の多重領域を確保し
ようとすると、上下マスク部の多重領域が不足してしま
う。
【0030】さらにまた、図14、図15で示したレタ
ーボックス方式の単独システムでは、8ライン毎にブロ
ック化してマトリックス演算を行うために、8ラインブ
ロックの境目に画像の変化点があると、ブロック毎の歪
みが生じる。中間方式ではセンター部が大きく表示され
るために、このブロック毎の歪みがみえやすく現行方式
の受像機では妨害となる。
【0031】そこでこの発明は、中間方式で採用される
レターボックス処理を工夫し、現行方式受像機に妨害が
発生することなく、高画質再現用の付加信号が十分に伝
送された信号を再現することができる多重信号受信装置
を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】この発明は、現行テレビ
ジョン信号による画面よりも横長の画面用の第1の画像
信号を、現行方式の受像機で再生可能な信号に変換して
伝送されきた多重信号を受信しデコードする受信装置に
おいて、前記多重信号は、前記第1の画像信号の垂直高
域成分が時間方向に帯域制限されて第2の画像信号とさ
れ、かつこの第2の画像信号がインターレース変換され
て画面のセンター部と上下マスク部を有するように処理
されて伝送されたものであり、前記画面のセンター部と
上下マスク部を分割する手段と、前記センター部の信号
を倍速変換して、変換された直接走査線とこの直接走査
線を用いて作成した補間走査線とを交互に選択して順次
走査の信号を導出する変換手段と、前記上下マスク部の
信号から、前記補間走査線を補償するための高画質再生
用の補償信号を再生する手段であって、送信側で前記第
2の画像信号の上下の複数の走査線を用いて補間を行っ
て得た補間走査線とこの補間走査線に対応し前記第2の
画像信号を実際に構成する原走査線との差信号(LD信
号)を再生する補償信号再生手段と、この手段で再生さ
れた前記LD信号を前記補間走査線に加算する補償信号
合成手段とを備える。
【0033】またこの発明では、前記上下マスク部に
は、前記第1の画像信号の垂直高域成分の時間方向を帯
域を制限することにより得られた第2の画像信号の静画
に関する垂直高域成分(Vh信号)も多重されている。
【0034】さらにこの発明では、前記補償信号再生手
段は、前記LD信号と前記Vh信号を再生する手段を有
し、補償信号合成手段は、再生されたVh信号を垂直方
向へ伸張しこの信号を、前記順次走査の信号を垂直方向
へ伸張した信号に画像動き検出手段からの制御信号に応
じて合成する手段を有する。
【0035】
【作用】上記の手段によると、予め垂直高域成分の時間
方向の帯域制限を施して伝送しているので、特に動画に
ついて重要となるLD信号(デコーダ側で補間により得
られるであろう補間走査線とこれに対応する原画像の原
走査線との差分を表している。)は、時間方向に圧縮し
て伝送される。つまりLD信号は、1/60秒毎でなく
1/30秒毎に伝送できる。またこのように帯域制限を
行ってもデコーダ側における画質劣化はなくこれは実験
によっても確認できている。よって、LD信号は、1/
30秒毎に伝送され、この信号は200〜400[テレ
ビ本]つまり200本分の情報を補うことができる。中
間方式では上下マスク部にそれぞれ40本の多重領域が
あるが、200本分のLD信号を1/5に圧縮すると4
0本に変換されるので、上下マスク部の片方のマスク部
で十分余裕をもって伝送できることになる。そして他方
のマスク部では、サイドパネルの情報を伝送することが
できる。このLD信号は、デコーダ側における補間走査
線の補償を行うことになる。
【0036】また動き適応処理により、動画処理時には
400[テレビ本]、静画処理時には400[テレビ
本]以上480[テレビ本]までの信号が伝送されるの
で、動画の垂直解像度をおとしても画質劣化はほとんど
ない。
【0037】またデコーダ側においては、マスク部から
再生されたLD信号を利用して補間走査線の補償を行う
が、第1フィールドと第2フィールドでは補間走査線の
位置が異なる。そこで、第1のフィールドの補償として
はマスク部から再生されたLD信号を用いるが、第2の
フィールドではデコーダ側で順次走査に変換した信号か
ら再びLD信号を生成して、これを第2のフィールドの
補間走査線の補償用として用いるようにしている。
【0038】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0039】図1はこの発明の一実施例における、エン
コーダを示している。入力端子101、102、103
にはカメラ等からのR,G,B信号が入力される。この
入力信号は480[テレビ本]の順次走査であり、アス
ペクト比16:9の画像信号である。R,G,B信号
は、マトリックス回路104により輝度信号Y、I信
号、Q信号に変換される。変換された輝度信号Y、I信
号、Q信号は、A/D変換器105によりデジタル化さ
れる。デジタル輝度信号Yは、1/60秒遅延器10
7、加算器108、動き検出器109に入力される。
【0040】加算器108は、1/60秒遅延器107
の入力と出力輝度信号を加算して平均化している。つま
り1/60秒つまり順次走査のフレーム間での平均をと
り、時間方向の帯域制限を行っている。加算器108の
出力は、セレクタ112の一方に入力されるとともに、
1/60秒遅延器111を介してセレクタ112の他方
に入力されている。セレクタ112は、1/60秒毎に
一方と他方の入力信号を選択して導出し、静画信号とし
て混合器116に供給している。またセレクタ112の
出力は、垂直高域通過フィルタ(V−HPF)113に
も供給されている。V−HPF113の出力は、水平低
域フィルタ(H−LPF)114に入力される。H−L
PF114の出力(垂直高域成分でかつ水平低域成分)
は、加算器115に入力される。
【0041】一方、先の1/60秒遅延器107の出力
は、垂直低域通過フィルタ(V−LPF)110にも供
給されている。V−LPF110の出力は、加算器11
5に入力されている。加算器115の出力は、動画信号
として混合器116に入力されている。混合器116
は、動き検出器109から出力される動き検出信号に応
じて、両入力信号の混合割合を可変されるもので、動画
部では動画信号の割合を多くし、静画部では静画信号の
割合を多くして出力する。
【0042】混合器116の出力は、V−LPF117
と減算器118に供給される。減算器118は、V−L
PF117の入力側の信号から出力側の信号を減算する
ので、垂直高域成分(400[テレビ本]以上)を導出
する。V−LPF117の出力(400[テレビ本]以
下に制限されている)は、6−5変換器121に入力さ
れる。6−5変換器121は、垂直方向へ走査線数を5
/6倍に圧縮するもので、これにより480[テレビ
本]の信号は400[テレビ本]の信号に変換される。
6−5変換器121の出力は、セレクタ128と、LD
生成回路122、動き検出器123に入力される。LD
生成回路122は、上下走査線(6−5変換後の信号)
を補間した補間走査線と、これに対応する原走査線(6
−5変換前の信号)との差信号を作成している。LD生
成回路122の出力は、混合器124に入力される。
【0043】一方、減算器118の出力は、垂直シフト
回路119に入力されて400/480[テレビ本]の
周波数領域から0〜80[テレビ本]の周波数領域にシ
フトされる。垂直シフト回路119の出力は、水平低域
通過フィルタ(H−LPF)140に入力され0.8MH
z 以下に制限され、6−5変換器120に入力される。
6−5変換器120は、5/6倍に垂直方向への圧縮を
行い、その出力を静画用の多重信号(以下Vh信号と記
す)として出力し混合器124に供給する。6−5変換
器120の出力は、また動き検出器123に供給されて
いる。混合器124は、動き検出器123からの動き検
出信号に応じて両入力信号の利得と選択制御を行い出力
する。この部分の動き制御については、さらに後述す
る。
【0044】混合器124の出力は、H−LPF125
に入力されて0.8MHz 以下に帯域制限され、次に1/
5倍圧縮回路126にて圧縮される。さらにこの圧縮さ
れた信号は、上下マスク部に対応するように並び替え回
路127にて並び替え処理されセレクタ128に供給さ
れる。セレクタ128は、センター部では6−5変換器
121からの信号を選択し、上下マスク部では並び替え
回路127からの信号を選択導出し、インターレース変
換器129に供給する。インターレース変換器129
は、順次走査信号をインターレース信号に変換して出力
端子130に導出する。
【0045】一方、A/D変換器105からのI信号及
びQ信号は、セレクタ131にて時分割多重され、V−
LPF132において垂直に帯域制限される。V−LP
F132の出力信号は、6−5変換器133にて垂直方
向に圧縮され、輝度信号との時間合わせのための遅延器
134を介してインターレース変換器135に入力され
る。インターレース変換されたI/Q信号は、出力端子
136に導出される。
【0046】次に、図1の破線で囲んだ部分の動作を説
明する。
【0047】図7は、ワイドアスペクト信号を帯域制限
した後の3次元スペクトルを示しており、同図(a)は
動画の場合のスペクトル、同図(b)は静画の場合のス
ペクトルを示している。1/60秒遅延器107と加算
器108により、加算器108の出力は、時間方向が3
0Hz以下に帯域制限される。
【0048】動画の場合のスペクトルにおいて、垂直高
域成分(200[テレビ本]以上)は、水平帯域が0.
8MHz 以下、時間方向が15Hz以下に制限されている。
これは、1/60秒遅延器111と、加算器108によ
りフレーム2度振りを実現しており、またV−HPF1
13とH−LPF114により垂直方向高域成分、水平
方向低域成分を抽出するようにしているからである。H
−LPF114から得られる信号は、動画の高画質用成
分(VT 信号)である。しかし、このシステムは、VT
信号を伝送するのではなく、先に説明したLD信号とし
て伝送するようにしている。加算器115では、VT信
号と、V−LPF110から抽出された200[テレビ
本]以下の信号とが加算される。
【0049】静画の場合は、セレクタ112の出力が混
合器116を介して導出される。セレクタ112からの
信号は、時間方向が15Hz以下に制限されている。静画
のスペクトルでは、水平高域を制限した垂直高域成分で
あるVh信号を示しているが、混合回路116の出力の
段階ではこの制限はなく、実際の制限は、減算器118
から取り出された垂直高域成分に対してこのような制限
が行われる。つまり400[テレビ本]以上の垂直高域
成分は、垂直シフト回路119、H−LPF140を通
過することによりVh信号に変換される。
【0050】上記のように本システムでは、ワイドアス
ペクト信号が帯域制限されかつ現行方式と両立性を保つ
ように垂直圧縮され、VT 信号はLD信号に変換され、
Vh信号とともに上下マスク部に多重されて伝送され
る。以下、このような帯域制限を行ったとしてもデコー
ダ側で画質劣化が生じない事を説明する。
【0051】図8の(a)は主観評価実験系統図を示し
ている。高品位VTR601を信号源として用いてい
る。ここから出力される高品位信号(1125本の走査
線を持つ)を変換器602により525本の順次走査信
号(480[テレビ本])に変換する。525本順次走
査信号は、フレーム遅延器603と加算器604により
フレーム間和を取られ、フレーム遅延器608と減算器
609によりフレーム間差を取られる。各信号は、スイ
ッチ605、610にフィールド間引きされる。スイッ
チ605の出力は、フレームバッファ606とスイッチ
607によりフレームが補間され再度480[テレビ
本]の順次走査信号に変換され加算器615に入力され
る。一方、スイッチ610の出力は、2次元フィルタ6
11を介した後、フレームバッファ612、インバータ
613、スイッチ614によりフレーム補間され再度4
80[テレビ本]の順次走査信号に変換され加算器61
5に入力される。これによりモニタ617には、スイッ
チ616を介してフレーム間和処理を行った信号とフレ
ーム間差処理を行った信号との合成信号を帯域制限処理
を施した信号として供給することができる。またスイッ
チ616を介して、フレーム間処理を行わない信号を基
準信号として入力することができる。従ってモニタでは
帯域制限処理を施した信号と基準信号との画質を比べる
ことにより、評価を行うことができる。
【0052】フレーム間差成分については2次元フィル
タ611により帯域制限を行うことができる。2次元フ
ィルタ611の特性を図8の(b)に示すように垂直帯
域を360、240、120、0[テレビ本]と切り替
えたときの画像と、処理行わない基準信号の画像とを比
較した場合、図9に示すような評価を得ることができ
た。評価カテゴリーとしては、同じ、やや悪い、悪い、
非常に悪いという項目を作っている。240[テレビ
本]に帯域制限を行っても図9のように360[テレビ
本]の帯域制限の場合とほとんど変わっていないことが
わかる。
【0053】従って、本システムにおいても図7で示す
ような帯域制限を行っても、デコーダ側で再生した場合
画質劣化はほとんど生じない。
【0054】図2は、上記のように処理されて伝送され
る信号を元のワイドアスペクト信号に復元するデコーダ
を示している。
【0055】入力端子201には輝度信号Y、入力端子
202にはI/Q信号が導入される。輝度信号Yはセレ
クタ203に入力され、センター部と上下マスク部とが
分割される。センター部の信号は遅延器204を介して
倍速変換器205に入力され倍速変換され、インターレ
ース信号から順次走査信号に変換するための処理が行わ
れる。倍速変換器205の出力は、ライン補間回路20
6、セレクタ208、ライン補間回路212、セレクタ
241に入力される。上記倍速変換器205の出力は、
1/60秒遅延器217、セレクタ216及び動き検出
器218にも入力されている。
【0056】一方、セレクタ203で分割された上下マ
スク部の信号は、並び替え回路222に入力されて、送
り側での並び替え前の状態に変換される。並び替えられ
た信号は5倍伸張回路223により元の時間長さに伸張
され倍速変換器224にてインターレース信号から順次
走査信号に変換するための処理が行われる。倍速変換器
224の出力信号は、1/60秒遅延器225、セレク
タ226に入力される。セレクタ226は、フィールド
毎に切り替えられ、復元されたLD信号を2度使用でき
るように導出している。つまり、送信側ではLD信号を
1フィールドおきに伝送しているからである。セレクタ
226からは、動画の場合はLD信号が得られ、静画の
場合はVh信号が得られる。
【0057】センター部が静画の場合の処理を行う経路
について説明する。
【0058】倍速変換器205の出力は、1/60秒遅
延器217にて1フィールド遅延されセレクタ216に
入力されている。セレクタ216は、ライン毎に直接信
号と遅延信号を選択導出するのでその出力は、順次走査
信号となり混合器215に入力される。倍速変換器20
5の出力は、動き検出器218にも入力されている。動
き検出器218で検出された動き検出信号が静画を示す
場合、その程度に応じて混合器215はセレクタ216
からの信号を利得増大あるいは選択して導出し、5−6
変換器219に供給する。5−6変換器219は、入力
信号を上下方向に6/5倍に伸張する回路である。一
方、静画の場合は、上下マスク部に多重されている信号
は、Vh信号である。Vh信号は、5−6変換器227
において、6/5倍上下方向に伸張され、垂直シフト回
路228に入力され、もとの周波数領域(400〜48
0[テレビ本]の領域)にシフトされる。そして係数器
229において利得制御され加算器220に入力され
る。係数器229の利得は、5−6変換器219の出力
を用いて画像動きを検出している動き検出器221から
の信号に基いて制御されている。
【0059】次にセンター部が動画の場合の処理を行う
経路について説明する。
【0060】この場合は、LD信号が1フィールドおき
に伝送されいること、及び補間信号を作成した場合、第
1フィールドと第2フィールドでは、補間信号の上下位
置が異なることを考慮して第1と第2フィールドでLD
信号の加算タイミングを調整する必要がある。
【0061】セレクタ226からのLD信号は、加算器
207に入力され、ライン補間回路206から出力され
た補間信号(第1フィールドの補間信号とする)に加算
される。これは、ライン補間により作成された補間走査
線の不足成分を補うことに相当する。加算器207の出
力(補間走査線)はラインパルスで選択動作するセレク
タ208に供給される。よって、セレクタ208から
は、倍速変換器205からの直接信号と加算器207か
らの補間信号とが交互に選択され順次走査信号が得られ
る。順次走査信号は、セレクタ214、LD生成回路2
09に供給されている。セレクタ214は、第1フィー
ルドではセレクタ208からの直接の順次走査信号を選
択するように制御されている。
【0062】倍速変換器205の出力は、ライン補間回
路212、セレクタ241にも供給されている。補間回
路212の出力は、加算器213に入力されて第2フィ
ールド用のLD信号と加算されセレクタ241に入力さ
れる。セレクタ241は、ライン毎に両入力を交互に選
択導出し順次走査信号を得てセレクタ214に供給して
いる。セレクタ214は、第2フィールドではセレクタ
241からの順次走査信号を選択する。第2フィールド
用のLD信号は次のように作成されている。LD生成回
路209は、セレクタ208からの順次走査信号を用い
て再度LD信号を生成する。このLD生成回路209か
らのLD信号は、第2フィールドでかつライン毎にオン
するスイッチ210(安全のためであり特に設けなくて
もよい)を介して1/60秒遅延器211で時間調整
(第1フィールドから第2フィールドまで遅延)され加
算器213に入力されている。
【0063】セレクタ214の出力は、混合器215に
入力されている。この混合器215は、動き検出器21
8からの動き検出信号に応じてセレクタ214と216
からの出力信号の利得制御及び選択を行って導出してい
る。混合器215の出力は、5−6変換器219に入力
され垂直方向に6/5倍に伸張され加算器220及び動
き検出器221に入力される。動画の場合は、係数器2
29の利得は零であり、5−6変換器219からの動画
信号が加算器220からそのまま出力される。
【0064】加算器220の出力は、マトリックス回路
230に入力される。このマトリックス回路230で
は、復元された輝度信号とI,Q信号とが混合される。
【0065】I,Q信号の再生について説明する。I/
Q信号は、遅延器231に入力され輝度信号Yとの時間
合わせのために遅延され、倍速変換器232に入力され
る。倍速変換器232では、I/Q信号の倍速変換が行
われ順次走査に変換するための処理が行われる。倍速変
換器232の出力は、ライン補間回路233とセレクタ
234に入力される。セレクタ234は、ライン毎にラ
イン補間回路233からの補間信号と倍速変換器232
からの直接信号とを交互に選択導出して順次走査信号を
出力する。順次走査信号は、5−6変換器235に入力
され走査線が6/5倍にされ垂直方向へ伸張される。そ
してこの変換出力は、画素単位(I及びQ信号単位)で
選択動作を行うセレクタに入力され、I信号とQ信号と
に分離されマトリックス回路230に入力される。マト
リックス回路230では、入力信号を用いてワイドアス
ペクト比のR,G,B信号を作成してD/A変換器23
7に供給する。アナログ信号に変換されたR,G,B信
号は、それぞれ出力端子238、239、240に導出
される。
【0066】図3は、上述したシステムにおいて、特に
特徴のあるLD信号の処理を説明するために示した図で
ある。
【0067】このシステムでは、図3の(a)に示すよ
うな順次走査信号を同図(b)に示すインターレース信
号に変換して伝送し、受信側でインターレース信号を用
いて補間走査線を作成している(同図(b)の斜線を付
したライン)。しかしこの補間走査線は、必ずしも送り
側の対応する走査線L0に等しいとはかぎらない。そこ
で、補間走査線L0´と、原走査線L0との差信号つま
りLD信号を補助信号として伝送し、受信側で補間走査
線を補うようにしている。
【0068】つまり、補間走査線L0´は、次のように
上下の複数の走査線に所定の重み付けを行って生成され
る。 L0´=a−3−3+a−1−1+a+a …(1) ただしaは重み、Lは伝送されてくる走査線を示
す。従って、送信側の走査線L0と補間走査線L0´と
には差が生じている。この差分がLD信号であり LD=L0−L0´ …(2)である。 このLD信号は、(1)式を代入すると LD=−a−3−3−a−1−1+L0−a−a …(3) となる。このLD信号は上下マスク部で利用されて伝送
される。受信側で再度LD信号を再現し、これを補間走
査線L0´に加算すれば、原走査線L0を正確に復元す
ることができる。
【0069】図6(a)はLD生成回路122、209
の具体的構成例であり、図6(b)はライン補間回路2
06、212、233の具体的構成例である。LD生成
回路は、入力端子401に導入された信号が、ライン遅
延器402〜407により順次遅延される。入力端子4
01の信号、ライン遅延器403の出力信号、ライン遅
延器405の出力信号、ライン遅延器407の出力信号
は、それぞれ重み付け用の係数器411〜415を介し
て加算器416に入力される。加算器416では、係数
器413の出力から、他の係数器411、412、41
4、415の出力を減算してその結果をLD信号として
出力端子417に導出している。LD生成回路は垂直フ
ィルタとしてい機能している。例えば、補間係数として a−1=a=(1/12) a−3=a=(7/12) を設定すると、垂直の高域通過フィルタ(V−HPF)
として機能する。ここで、垂直高域成分は、図7(a)
に示したように15Hzに帯域制限されているために各1
/60秒毎に伝送する必要はなく、1/30秒毎に伝送
すれば、受信側で動画の再生を得ることができる。この
ように伝送しても不自然がないことは、先に実験結果を
示した通りである。
【0070】ライン補間回路は、入力端子421に入力
した信号を、ライン遅延器423〜428により順次遅
延する。入力端子421の信号、ライン遅延器424、
426、428の各出力信号はそれぞれ係数器431、
432、433、434を介して加算器435に入力さ
れる。これにより加算器435からは、ライン補間され
た補間走査線が得られ出力端子436に導出される。
【0071】上記したように、このシステムにより上下
マスク部に多重するLD信号(動画再生に重要となる信
号)は、1/30秒毎に伝送すればよく、従来の半分の
伝送量である。そして上下マスク部から再生されたLD
信号は、デコーダ側において第1フィールドの補間走査
線を補償している。第2フィールドぼ補間走査線の補償
を行う場合には、第1フィールドの順次走査信号から再
度LD信号が生成され、時間合わせされて補償が行われ
る。以下この動作についてさらに説明する。
【0072】図4(a)と(b)に示すようにインター
レース信号を補間して補間走査線(図の斜線部)を作成
した場合、第1フィールドと第2フィールドとでは、補
間走査線の上下位置は1ライン分ずれている。従って、
上下マスク部から再生されたLD信号を並び替え処理し
たものをそのまま、第1フィールドと第2フィールドの
補間走査線の補償用として用いることはできない。上下
マスク部から再生されたLD信号が、例えば第1フィー
ルドに対応するものであれば、第2フィールドに対応す
るLD信号は同図(c)、(d)に示すように、デコー
ダ側で再生した第1フィールドの順次走査信号から再度
生成され、このLD信号が第2フィールドの補償用とし
て用いられる。この処理を実現している部分が、図2の
LD生成回路209、スイッチ210、1/60秒遅延
器211である。
【0073】図2に示したのデコーダはこの構成に限定
されるものではない。
【0074】図10はデコーダの他の実施例を示してい
る。図2の構成と異なる部分は、第2フィールドの補間
走査線に対してLD信号を用いて補償する経路が異な
る。セレクタ208の出力は、直接混合器215に入力
されるとともに、1/60秒遅延器801を介してLD
生成回路802に入力される。LD生成回路802で生
成されたLD信号は、セレクタ803に入力される。セ
レクタ803には、セレクタ226から導出された第1
フィールド用のLD信号が入力されている。セレクタ8
03の出力は、加算器207に入力されている。セレク
タ803は、第1フィールドではセレクタ226からの
LD信号を選択して加算器207に供給し、第2フィー
ルドではLD生成回路802からのLD信号を選択して
加算器207に供給するように制御される。
【0075】この実施例によると先の実施例よりも構成
を簡単化することができる。他の部分は先の実施例と同
じであるから同一符号を付して説明は省略する。
【0076】さらにこのシステムは、エンコーダ側にお
いて上下マスク部にLD信号とVh信号とを動画と静画
に応じて切り替えあるいは利得制御して多重している。
つまり、動き検出器123からの動き検出信号により混
合器124を制御している。この場合、動き検出信号
は、LD信号の選択を指令する領域と、Vh信号の選択
を指令する領域との間に何も選択しない中間領域を持つ
特性を設定されている。図5(a)は、動き検出信号が
静画を示す場合に、Vh信号に対して与えられる係数特
性であり、動き量が一定値M1以上になると係数は零、
つまりVh信号は混合器128より出力されない。図5
(b)は、動き検出信号が動画を示す場合に、LD信号
に対して与えられる係数特性であり、動き量が一定値M
2以上になると係数が与えられるようになり、M2以下
は係数零である。ここで、M1とM2との間には同図
(c)に示すように、何も出力されない領域が設定され
ている。これは、Vh信号とLD信号との性質がまった
く異なるからであり、この領域が存在しないと動画と静
画との境界で輪郭が乱れる可能性があり、このシステム
はこのような画質劣化の要因を除去している。この原理
は、デコーダ側においても同様であり、図2に示したデ
コーダにおける動き検出器218と221の関係も図5
(a)、(b)に示したような関係となっている。
【0077】以上説明したようにこのシステムによる
と、あらかじめ垂直高域成分の時間方向の帯域を15Hz
に制限し、ライン補間信号を補償するLD信号を伝送す
るようにしているので、動画再生に必要な補助信号(L
D信号)の伝送量を従来の半分にすることができ、しか
も帯域制限により画質劣化はほとんどない。また補助信
号の伝送量が減少するために、上下マスク部の狭い中間
方式のワイドアスペクトテレビジョンシステムに有効に
適応できる。
【0078】このシステムは、動き適応処理により動画
伝送時はLD信号を、静画伝送時は400[テレビ本]
以上の垂直高域成分を上下マスク部に多重して伝送して
いる。従って動画時は、動きが自然な画像を得ることが
でき、静画時は高解像度の画像を得ることができ、全体
として高品質な画像伝送及び再生が可能となる。
【0079】デコーダ側で、LD信号を用いて順次走査
変換した画像信号から再度LD信号の生成を行うように
している。LD信号は、1/30秒単位で伝送されくる
が、LD信号の再度の生成により1/60秒の順次走査
信号に補償が可能となり、伝送側と同品質の順次走査の
画像を再生することができる。
【0080】以上のようにこのシステムでは、多重信号
の帯域を大幅に削減することができるとともに高品位の
画像伝送及び再生を可能としている。例えば、480
[テレビ本]の信号を400[テレビ本]に変換して伝
送する中間方式のシステムに適用した場合、LD信号は
200本/5=40本を1/30秒毎に伝送すればよい
ことになり、上下マスク部の各40本の領域の半分の領
域で伝送することができる。従って残りの40本の領域
をサイドパネル方式において扱われる情報の伝送領域と
して利用することができる。つまり、400本分のサイ
ドパネル信号を上下マスク部の40本の領域に多重して
伝送することができる。
【0081】また480[テレビ本]の信号を420
[テレビ本]に変換して伝送する中間方式システムに適
用した場合は、LD信号は210/5=42本分となり
これを1/30秒毎に伝送すればよい。従って上下マス
ク部30本づつの領域に十分多重することが可能であ
る。残り、18本の領域にサイドパネル信号の情報を多
重して伝送することができる。
【0082】さらにまた、上記システムは、垂直方向の
圧伸はブロック単位で行わないために、従来生じていた
ような現行受像機で生じるブロック歪みはまったくな
い。
【0083】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
中間方式で採用されるレターボックス処理を工夫し、現
行方式受像機に妨害が発生することなく、高画質再現用
の付加信号を十分に伝送し再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例におけるエンコーダを示す
図。
【図2】この発明の一実施例におけるデコーダを示す
図。
【図3】この発明装置の動作を説明するために示した走
査線説明図。
【図4】この発明装置の動作を説明するために示した走
査線説明図。
【図5】この発明装置の動作を説明するために示した動
き検出特性図。
【図6】図1及び図2のLD生成回路及びライン補間回
路の具体的構成例を示す図。
【図7】この発明装置の動作を説明するために示した3
次元スペクトル説明図。
【図8】この発明装置の帯域制限により伝送される信号
を評価するための試験装置及びこの装置に使用されてい
る2次元フィルタの特性例を示す図。
【図9】図8の試験装置でモニタ画面をみて得られた評
価結果を示す図。
【図10】この発明装置に係わるデコーダの他の実施例
を示す図。
【図11】サイドパネル方式とレターボックス方式の説
明図。
【図12】サイドパネル方式のエンコーダとデコーダを
示す図。
【図13】レターボックス方式の一例を示す原理説明
図。
【図14】レターボックス方式のエンコーダを示す図。
【図15】レターボックス方式のデコーダを示す図。
【図16】中間方式の信号処理経路をブロックで示す説
明図。
【図17】中間方式における画像処理経過を画面で示す
説明図。
【符号の説明】
104…マトリックス回路、105…A/D変換器、1
07、111…1/60秒遅延器、108、115…加
算器、109、123…動き検出器、110、132…
垂直低域通過フィルタ(V−LPF)、112、12
8、131…セレクタ、113、117…垂直高域通過
フィルタ(V−HPF)、114、125…水平低域通
過フィルタ(H−LPF)、116、124…混合器、
118…減算器、119…垂直シフト回路、120、1
21、133…6−5変換器、122…LD生成回路、
126…1/5倍圧縮回路、127…並び変え回路、1
29、135…インターレース変換器、134…遅延
器、203、208、214、216、226、23
4、236、241…セレクタ、204、231…遅延
器、205、224、232…倍速変換器、206、2
12、233…ライン補間回路、207、213、22
0…加算器、209…LD生成回路、210…スイッ
チ、211、217、225…1/60秒遅延器、21
5…混合器、218、221…動き検出器、219、2
27、235…5−6変換器、228…垂直シフト回
路、229…係数器、230…マトリックス回路、23
7…D/A変換器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安木 成次郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)発明者 小川 佳彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)発明者 川井 清幸 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現行テレビジョン信号による画面よりも
    横長の画面用の第1の画像信号を、現行方式の受像機で
    再生可能な信号に変換して伝送された多重信号を受信し
    デコードする受信装置において、 前記多重信号は、前記第1の画像信号の垂直高域成分が
    時間方向に帯域制限されて第2の画像信号とされ、かつ
    この第2の画像信号がインターレース変換されて画面の
    センター部と上下マスク部を有するように処理されて伝
    送されたものであり、前記画面のセンター部と上下マス
    ク部を分割する手段と、 前記センター部の信号を倍速変換して、変換された直接
    走査線とこの直接走査線を用いて作成した補間走査線と
    を交互に選択して順次走査の信号を導出する変換手段
    と、 前記上下マスク部の信号から、前記補間走査線を補償す
    るための高画質再生用の補償信号を再生する手段であっ
    て、送信側で前記第2の画像信号の上下の複数の走査線
    を用いて補間を行って得た補間走査線とこの補間走査線
    に対応し前記第2の画像信号を実際に構成する原走査線
    との差信号(LD信号)を再生する補償信号再生手段
    と、 この手段で再生された前記LD信号を前記補間走査線に
    加算する補償信号合成手段とを具備したことを特徴とす
    る多重信号受信装置。
  2. 【請求項2】 前記上下マスク部には、前記第1の画像
    信号の垂直高域成分の時間方向を帯域を制限することに
    より得られた第2の画像信号の静画に関する垂直高域成
    分(Vh信号)も多重されていることを特徴とする請求
    項第1項記載の多重信号受信装置。
  3. 【請求項3】 前記補償信号再生手段は、前記LD信号
    と前記Vh信号を再生する手段を有し、補償信号合成手
    段は、再生されたVh信号を垂直方向へ伸張しこの信号
    を、前記順次走査の信号を垂直方向へ伸張した信号に画
    像動き検出手段からの制御信号に応じて合成する手段を
    有したことを特徴とする請求項2記載の多重信号受信装
    置。
JP3020476A 1991-01-21 1991-01-21 多重信号受信装置 Pending JPH0591481A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10240089B2 (en) 2012-06-29 2019-03-26 The Intellectual Gorilla Gmbh Gypsum composites used in fire resistant building components

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