JPH0591321A - 画像出力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パタ−ン・マッチング・データを記憶してお
くことなく２値画像データを多値画像データに変換し、
しかも文字や画像の輪郭のぎざぎざをなくし高品質の画
像を生成することが可能な画像出力装置を提供する。 【構成】２値にて表わされた画像データの濃度を示すビ
ット値の「０」を「０」にまたビット値「１」を所定の
数に変換する手段と、該変換した画像の対象領域濃度を
空間フィルタによって平滑化する手段と、画像をガンマ
変換する手段とを備え、または前記平滑化した画像デー
タの濃度状態に応じ、ガンマ変換特性を変更する手段を
付加するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は画像出力装置に関し、詳
細には極めて少ない情報を記憶しておくのみで画像の輪
郭のスム−ジング処理等の画質向上、特に文字印字品質
の向上を図ることのできる画像出力装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来技術】ワ−ドプロセッサやコンピュ−タシステム
或はその他の画像処理装置のプリンタ等の印字装置或は
ＣＲＴ、ＬＣＤ等の画像表示装置によって生成した文
字、画像を表示する際、出力画像の品質を向上するため
に種々の処理が行なわれる。

【０００３】その処理の一つとして、通常２値画像とし
て出力される画像の輪郭の曲線部を自然にする処理や、
文字画像の輪郭部分のぎざぎざを無くしスム−ズな曲線
又は直線で表わす処理等が行なわれる。

【０００４】このための手段としては、例えば特開平２
−１１２９６６に示されたように、着目画像の周辺のｍ
＊ｎ画素領域を、予め夫々の文字又は図形に対応して記
憶したｍ＊ｎ画素領域の比較パターンとのマッチング処
理を行ない、該当する比較パターンデータに従って、着
目画素領域の２値画像を多値画像に変換するものが存在
する。

【０００５】しかしながら上記従来の方法では、ｍ＊ｎ
領域の全てについてパターンデータを記憶する必要があ
るが、そのためには２の「ｍ＊ｎ」乗の極めて多くのデ
ータを必要とし、漢字や多くの図形に関するパターンを
記憶する場合は膨大なメモリが必要となり装置の高価格
化を招いていた。

【０００６】また、メモリ容量を少なくするために文字
や簡単な線画のみについてパターンデータを記憶する場
合は、当然のことながら複雑な画像については画像品質
向上を図ることができない。

【０００７】更には、上記従来の方法において出力装置
の印字濃度等のばらつきや、経時変化、環境変化に対応
して一定の画質向上効果を保つために、パターンマッチ
ングの結果得られた変換画素データを変更する処理を行
なえばよいが、たとえこの処理を実施したとしても、出
力装置が表現可能な多値レベルに限界がある場合にはき
め細かい対応が不可能であった。

【０００８】

【発明の目的】本発明は上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、パターンデータを必要とせず、従
ってこれらを記憶するメモリが不要となりその分低価格
化が可能である上、出力装置のばらつき、経時変化、環
境変化にきめ細かく対応することが可能な画像出力装置
を提供することを目的とする。

【０００９】

【発明の構成】この目的を達成するため本発明の画像出
力装置は、２値で表わされた画像データの濃度を示すビ
ット値の「０」を「０」に、またビット値「１」を所定
の数、例えば４ビットの場合は２５５のようにビット数
で表わされる最大値、或はそれ以下の数に変換する手段
と、該変換した画像の対象領域濃度を空間フィルタによ
って平滑化する手段と、平滑化した画像をガンマ変換す
る手段を備えることによって、パタ−ン・マッチングデ
ータを格納することなく画像データを多値化し、しかも
画像の輪郭のぎざぎざをなくし、高品質の画像を生成す
ることを特徴とする。更に、前記平滑化した画像データ
の濃度状態に応じ、ガンマ変換特性を変更する手段を備
えることによって、画像の種類に適応して細かい対応を
可能としたことを特徴としている。

【００１０】以下、図示した実施例に基づき、本発明の
画像出力装置について詳細に説明する。

【００１１】図１は本発明の画像出力装置を適用する画
像生成装置の一実施例を示すシステムブロック構成図で
ある。この図において１００はホスト・コンピュ−タで
あって各種の文書、画像が生成され、ここで作成された
文字、図形、イメ−ジデータ等は例えばセントロニクス
のＲＳ２３２Ｃ等の汎用インタ−フェ−スを介してプリ
ンタ・コントロ−ラ２００に送信される。

【００１２】プリンタ・コントローラ２００では受信し
た画像データを２値の画像データに変換した後、内部の
ペ−ジメモリに蓄積し、１頁分が記憶される毎にペ−ジ
プリンタ３００に出力する。ペ−ジプリンタ３００では
受信したイメ−ジデータを多値のデータに変換し、夫々
の値に応じて画素ドットを発生しつつ内部の感光体面上
に形成した潜像にトナ−を付着させた後、用紙に転写・
定着する諸工程を経て画像の印刷を実行する。

【００１３】本発明の画像出力装置は上記システムにお
いては上記ペ−ジプリンタ３００は、その内部にて受信
した２値の画像データを多値のデータに変換した後、こ
れに対応した多値ドット、即ち画素濃度値に応じてドッ
トの径が変更できる機能をもったものを使用する。

【００１４】図２は上記システムのプリンタ・コントロ
−ラ２００の内部を構成を示すブロック図であり、符号
２０１は上記ホストコンピュ−タ１００から画像データ
を受信する受信装置、２０２は制御の中心となるＣＰ
Ｕ、２０３は上記ＣＰＵを動作させるためのプログラム
が記憶されたＲＯＭ、２０４は制御の途中で一時的にデ
ータ等を記憶するＲＡＭ、２０５は文字のフォントを記
憶したフォントメモリ、２０６は一頁分の画像データを
記憶するペ−ジメモリ、２０７は受信した２値データを
多値データに変換する多値化装置、２０８は多値データ
の夫々を補正するガンマ変換装置を含んでおり、これら
は内部バス２０９によって互いに接続されている。

【００１５】この装置は上記ＣＰＵがＲＯＭに記憶した
プログラムに従って制御され、受信した画像データをＲ
ＡＭ２０４に一旦記憶し、文字コ−ドであればフォント
メモリ２０５からの情報を使用してイメ−ジデータを生
成した後ペ−ジメモリ２０６に順次格納する。また画像
データが図形である場合はＲＯＭ２０３に格納された描
画処理プログラムによりイメ−ジデ−タに変換した後上
記ペ−ジメモリ２０６に格納する。このようにして１頁
分のデータがペ−ジメモリに格納されるとプリンタ３０
０からの要求に従って、順次格納したデータを出力する
が、その際２値の画像データは上記多値化装置２０７に
よって多値化され、更にガンマ変換装置２０８により夫
々の値が補正された後プリンタに出力される。

【００１６】図３は上記多値化装置２０７の内部構成例
を示したもので、この多値化装置はペ−ジメモリ２０６
から出力された２値データの「１」を「２５５」に、ま
た「０」を「０」とした上で、３＊３（＝９）の空間フ
ィルタ（または平滑化フィルタと云う）によって落差の
ある濃淡画像輪郭を平滑化し、更にガンマ変換し画像品
質向上をはかる。

【００１７】ここで、空間フィルタやガンマ変換につい
ては従来からよく知られているので詳細な説明を省略す
るが、空間フィルタは一般に画像信号に混入した雑音成
分を除去する処理としても使用されるもので、例えば図
５に示す３＊３のマトリクスを処理対象画像について夫
々の画素濃淡値に対応させ、平均値を求めて新たな画素
値として並べる操作で、実施例の場合は図６に示すよう
な値となる。

【００１８】またガンマ変換は夫々の画素濃度値を補正
する操作で、例えば上記図６を図７に示す三つの換特性
（ａ）、（ｂ）、（ｃ）を使用してガンマ変換を行なっ
た結果が図８の夫々（ａ）、（ｂ）、（ｃ）となる。
このように処理対象の画像領域について、空間フィルタ
によって画素周辺の濃度との関係を加味し濃度値を補正
した上で、所要のガンマ変換を施せば図８に示すように
隣り合う画素の濃度値の差が小さくなる。

【００１９】そこで、この結果を多段階にドットの径を
変化することの可能なプリンタにより印刷すれば上記図
８の濃度値に対応した画像が得られる。図９は一実施例
として５段階にドットの径を変化し得るプリンタにて印
刷した場合を示す図で、この図の（ａ）、（ｂ）、
（ｃ）は夫々図８の（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に対応して
いる。

【００２０】この結果からも分かるように、コンピュ−
タ等によって作成された２値の画像データの「０」を
「０」に、また「１」を取り扱うビット数の最大値また
はそれ以下の所定の数値に置き換え、次に分割した画像
領域を所要数の空間フィルタにて画素濃度を平均化した
後、画像の種類に対応したガンマ変換を行なうことによ
って、画像の濃淡がスム−ジングし、文字画像における
輪郭のぎざぎざを除去して自然な画像を得ることができ
る。

【００２１】又、上記説明で三種類のガンマ変換特性を
示したが、対象とする画像の種類によって最も適したガ
ンマ変換があり、上記多値化した画像の状態に応じてい
ずれかのガンマ変換特性を選択する手段を設ければ、よ
り一層細かく画像品質の向上が可能となる。

【００２２】また、本発明は上述した機能を持った独立
した装置として構成することは勿論のこと、実施例に説
明したようにホストコンピュ−タやプリンタ等を備えた
画像生成装置の一部に組み込むことが好適であろう。

【００２３】尚、本発明を従来のパタ−ン・マッチング
方式と併用することも有効である。即ち、簡単なもので
あってメモリ容量が多大にならないものについては、従
来通りのパタ−ン・マッチング・データを記憶してお
き、それ以外のものについて上記手段を使用すればよ
い。その際、先ずパタ−ン・マッチング処理を行ない、
該当するデータが無い場合に本発明による手段を使用す
れば、処理時間を短縮する上で都合がよいであろう。ま
た、本発明の実施に際しては上記実施例に限定すること
なく、幅広い変形応用が可能であり、例えば空間フィル
タやガンマ変換手段等については上記実施例以外に、種
々異なった実現方法が存在するから、適宜選択して適用
し得る。

【００２４】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、パタ−ン
・マッチング・デ−タを記憶することなく文字や各種画
像の２値データを多値データに変換し、しかも文字や画
像の輪郭もギザギザ無く高品質の画像を得ることができ
るので、画像出力装置の小型化、低価格化及び処理の迅
速化を計る上で効果があり、更には、簡単な処理によっ
て処理対象となる画像の種類に対応して細かい補正がで
き、より一層の画像品質向上に有効である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の画像出力装置を使用した画像生成装置
の一実施例を示すブロック構成図である。

【図２】本発明を適用したプリンタ・コントロ−ラの一
実施例を示すブロック構成図である。

【図３】本発明を適用した多値化装置の一実施例を示す
構成図である。

【図４】（ａ）は２値画像の画素配列の一例を示す図で
あり、（ｂ）は多値化した画像の濃度値を示す図であ
る。

【図５】空間フィルタの一例を示す図である。

【図６】図４の（ａ）を空間フィルタによって平滑化し
た場合の画像濃度図である。

【図７】ガンマ変換特性図であり、（ａ）、（ｂ）、
（ｃ）は夫々異なったガンマ変換特性である。

【図８】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）はガンマ変換した結果
を示す画像の画素濃度配列図である。

【図９】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）はドット直径が変更可
能なプリンタにて印刷した画像の一部を示す図である。

【符号の説明】

１００ ホスト・コンピュ−タ、２００ プリンタ・コ
ントロ−ラ、３００ ペ−ジプリンタ、２０１ 受信装
置、２０２ ＣＰＵ、２０３ ＲＯＭ、２０４ ＲＡ
Ｍ、２０５ フォント・メモリ、２０６ ペ−ジ・メモ
リ、２０７ 多値化装置、２０８ ガンマ変換装置、２
０９ システムバス、

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２値で表わされた画像データの濃度を示
   すビット値の「０」を「０」に、ビット値「１」を所定
   の数に変換する手段と、該変換した画像の対象領域濃度
   を空間フィルタによって平滑化する手段と、平滑化した
   画像をガンマ変換する手段とを備えたことを特徴とする
   画像出力装置。
2. 【請求項２】 ２値で表わされた画像データの濃度を示
   すビット値の「０」を「０」に、ビット値「１」を所定
   の数に変換する手段と、該変換した画像の対象領域濃度
   を空間フィルタによって平滑化する手段と、平滑化した
   画像をガンマ変換する手段と、前記平滑化した画像デー
   タの濃度状態に応じ、ガンマ変換特性を変更する手段を
   備えたことを特徴とする画像出力装置。