JPH0591254U - 普通形コンバインにおける穀稈搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 普通形コンバインにおける穀稈搬送装置を穀
稈の背丈に応じて変更自在とした。 【構成】 機体フレーム(2) の前部に、穀稈を引起して
搬送する穀稈搬送装置(22)と穀稈を刈取る刈取装置(20)
を設けた普通形コンバインにおいて、上記穀稈搬送装置
(22)を上部搬送ケース(23)と下部搬送ケース(24)とによ
り構成すると共に、同上部搬送ケース(23)側の上下の高
さを変更可能に構成して上下部搬送ケース(23),(24) の
間隔を変更可能とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、大豆等の穀稈を刈取って収穫する普通形コンバインにおける穀稈搬 送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、穀稈の背丈が低い大豆等の収穫機としては、機体の前部に、穀稈を引起 して搬送する穀稈搬送装置を配設したコンバインが存在していた。

【０００３】 そして、同穀稈搬送装置は、穀稈の上部を掻込んで搬送する上搬送ケースと、 穀稈の基部側を掻込んで搬送する下搬送ケースとより構成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記穀稈搬送装置は、上部搬送ケースと下部搬送ケースとの上下の 間隔が固定されており、したがって、上下部搬送ケースの高さを圃場に植立する 作物の背丈に合致させることができない場合は、収穫作業を能率的に行うことが できなかった。

【０００５】 また、上記穀稈搬送装置は、上部搬送ケースの取外しが容易にできず、したが って、下部搬送ケースの修理や点検作業を能率的に行うことができないものであ った。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、機体フレームの前部に、穀稈を引起して搬送する穀稈搬送装置と穀 稈を刈取る刈取装置を設けた普通形コンバインにおいて、上記穀稈搬送装置を上 部搬送ケースと下部搬送ケースとにより構成すると共に、同上部搬送ケース側の 上下の高さを変更可能に構成して上下部搬送ケースの間隔を変更可能としたこと を特徴とする普通形コンバインにおける穀稈搬送装置を提供せんとするものであ る。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施例を図面に基づき具体的に説明すると、Ａは普通形コンバインで あって、下部にクローラ型走行装置１を設けていると共に、同クローラ型走行装 置１の上部には機体フレーム２を載置している。そして、機体フレーム２の前部 にはミッションケース３、及びエンジン室４、並びにキャビン５が配設されてい る。また、機体フレーム２の中央から後部にかけては、唐箕６やチャフシーブ７ 、流穀板８からなる選別装置９が載置され、同選別装置９の上部にはクリンプ網 10、及びスクリューロータ11からなる脱穀装置12が配設されている。また、キャ ビン５の後部にはグレンタンク13が配設されて穀粒を貯蔵し、同グレンタンク13 の上側には排出オーガ14が突設されている。

【０００８】 また、前記スクリューロータ11の前端にはフィーダコンベア15を内蔵したフィ ーダハウス16が連設され、同フィーダハウス16は、機体フレーム２の前端との間 に介在した油圧シリンダ17にて昇降される。そして、同フィーダハウス16の前部 にはプラットフォーム18が突設され、同プラットフォーム18内にはオーガ19が横 設されていると共に、同プラットフォーム18の前部には刈取装置20が横設され、 前端にはデバイダー21が突設されている。

【０００９】 22は圃場に植立する大豆などの作物を掻込んでオーガ19側へ搬送する穀稈搬送 装置であって、同穀稈搬送装置22は上部搬送ケース23と下部搬送ケース24とによ り構成されている。

【００１０】 25は上部搬送ケース23に設ける穀稈引起しタインで、左右一対の上部引起しケ ース26の前部に位置する下側スプロケット27,28 と後部に位置する上側スプロケ ット29との間に巻掛けられた無端状引起しチェン30に装着されている。31は、駆 動スプロケット、32は引起ケース26の後部に設ける伝動スプロケットで、同伝動 スプロケット32は、前記上側スプロケット29と同軸状に取付けられながら一体回 転自在に構成されている。31A は駆動スプロケット31と伝動スプロケット32とに 巻掛けた駆動チェン、33はチェン張り、34は駆動スプロケット31に嵌合して同駆 動スプロケット31を駆動する断面が六角状の駆動軸、35は上側スプロケット軸で ある。そして、左右一対の上部引起ケース26,26 の間には引起経路36を構成して 、同引起経路36に沿って穀稈引起タイン25を回動移動させるようにしている。

【００１１】 37は下部搬送ケース24に設ける穀稈引起しタインで、左右一対の下部引起ケー ス38,38 の前部に位置する下側スプロケット39と、後部に位置する上側スプロケ ット40との間に巻掛けられた無端状引起チェン41に装着されている。

【００１２】 42は駆動スプロケット、43引起ケース38の後部に設ける伝動スプロケットで、 同伝動スプロケット43は前記上側スプロケット40と同軸状に取付けられながら一 体回転自在に構成されている。

【００１３】 42A は駆動スプロケット42と伝動スプロケット43とに巻掛けられた駆動チェン 、44はチェン張りである。駆動スプロケット42は上記六角状の駆動軸34に嵌合し ている。45は上側スプロケット軸である。

【００１４】 そして、左右一対の下部引起ケース38,38 の間には引起経路46を構成して、同 引起経路46に沿って穀稈引起タイン37を回動移動させるようにしている。

【００１５】 47は、上記上部搬送ケース23と下部搬送ケース24を駆動する駆動軸34の下端に 設ける駆動機構で、48は同駆動軸34に固着する傘歯車、49は同傘歯車48を駆動す る駆動ギヤ、50は同駆動ギヤ49及び刈刃駆動機構51に動力を伝達する伝動ギヤ、 52はクランクロッド53を連結するクランクギヤである。

【００１６】 また、60は穀稈搬送装置22の上部搬送ケース23を、下部搬送ケース24に対して 上下高さを変更できる上下変更手段であって、上部搬送ケース23の後部を支持す る支持カラー61を穀稈の長短杆に応じて高さを違わせて取付けると共に、同上部 搬送ケース23の前部位置は、支持板62に長孔63を穿設して、上下高さを調節自在 としている。64は固定ボルト、65は六角状の駆動軸34に駆動スプロケット31を固 定する固定リング、66は駆動軸34の上部を覆うカバー体である。

【００１７】 70は稈搬送装置22の前部に連結する分草体であって、後方に向けて分草杆71を 連結している。72は側面が略三角に形成された分草板であって、接地側下辺72-1 が水平となって常時圃場面に接地する形状となっている。73は穀稈搬送装置22を 支持する接地輪、74は分草体70を揺動自在に支持する緩衝装置である。75は分草 体70を支持する支持アーム、76は上部分草板で、後方が上部搬送ケース23の前側 上部を覆っている。

【００１８】 本考案の実施例は上記のように構成されており、上記コンバインＡにより大豆 などの作物を刈取る場合は、穀稈の背丈に応じて、穀稈搬送装置22の上部搬送ケ ース23の上下高さを調整する。この場合に、穀稈の背丈が低い場合は、駆動軸34 に設ける固定リング65を取り外すと共に、支持板62の固定ボルト64を外して上部 搬送ケース23を上方に抜き出す。そして、上部搬送ケース23を支持する支持カラ ー61を短いものに取替えた後で再び上部搬送ケース23をセットする。

【００１９】 また、逆に穀稈の背丈が高い場合は支持カラー61を長いものと取替えてセット する。

【００２０】 これによって、圃場に植立する穀稈は穀稈搬送装置22により適確に引起されて 刈刃側へ搬入される。次に穀稈は株元部を刈刃により切断されてオーガ19側に搬 入され、フィーダコンベア15によって脱穀装置12側へ送られる。

【００２１】 以上の如く、上記実施例によれば、機体フレーム２の前部に、穀稈を引起して 搬送する穀稈搬送装置22と穀稈を刈取る刈取装置20を設けた普通形コンバインに おいて、上記穀稈搬送装置22を、上部搬送ケース23と下部搬送ケース24とにより 構成すると共に、同上部搬送ケース23側の上下の高さを変更可能に構成して上下 部搬送ケース23,24 の間隔を変更可能とした穀稈搬送装置であるから、上部搬送 ケース23を上下に移動させてセットすることができ、したがって、収穫する作物 の背丈が高い長稈の場合であっても、逆に背丈が低い短稈であっても、これを支 障のない状態で確実に刈取ることができるものである。

【００２２】 また、上部搬送ケース23を容易に取外すことができるために、同上部搬送ケー ス23及び下部搬送ケース24のメンテナンスが容易である。

【００２３】 また、特に、下部搬送ケース24側において稈が詰まった場合であってもこれを 容易に取り出すことができるものである。

【００２４】

【考案の効果】

本考案によれば、機体フレームの前部に、穀稈を引起して搬送する穀稈搬送装 置と穀稈を刈取る刈取装置を設けた普通形コンバインにおいて、上記穀稈搬送装 置を、上部搬送ケースと下部搬送ケースとにより構成すると共に、同上部搬送ケ ース側の上下の高さを変更可能に構成して上下部搬送ケースの間隔を変更可能と した穀稈搬送装置であるから、上部搬送ケースを上下に移動させてセットするこ とができ、したがって、収穫する作物の背丈が高い長稈の場合であっても、逆に 背丈が低い短稈であっても、これを支障のない状態で確実に刈取ることができる ものである。

【００２５】 また、上部搬送ケースを容易に取外すことができるために、同上部搬送ケース 及び下部搬送ケースのメンテナンスが容易である。

【００２６】 また、特に、下部搬送ケース側において稈が詰まった場合であってもこれを容 易に取り出すことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】普通形コンバインにおける穀稈搬送装置。

【図２】本考案に係る穀稈搬送装置の要部側面図。

【図３】同概略平面図。

【図４】上部搬送ケースの一部断面平面図。

【図５】下部搬送ケースの一部断面平面図。

【図６】穀稈搬送装置の要部の拡大断面側面図。

【符号の説明】

２ 機体フレーム 20 刈取装置 22 穀稈搬送装置 23 上部搬送ケース 24 下部搬送ケース 60 上下変更手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体フレーム(2) の前部に、穀稈を引起
   して搬送する穀稈搬送装置(22)と穀稈を刈取る刈取装置
   (20)を設けた普通形コンバインにおいて、上記穀稈搬送
   装置(22)を上部搬送ケース(23)と下部搬送ケース(24)と
   により構成すると共に、同上部搬送ケース(23)側の上下
   の高さを変更可能に構成して上下部搬送ケース(23),(2
   4) の間隔を変更可能としたことを特徴とする普通形コ
   ンバインにおける穀稈搬送装置。