JPH059124Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、耐火物坏土の解砕機付ホツパーに関
し、特にテーパー付耐火物製造用の耐火物坏土の
解砕機付ホツパーに関する。

従来の技術 従来、耐火物の坏土を秤量して投入ホツパーで
攪拌することなしに、金型に落下するテーパー付
耐火物を製造する場合、計量コンベヤー上に所定
のテーパー付きの切り出し鉄板を設けて流れ落ち
る坏土にテーパーを付け、投入ホツパーを介して
金型内に落下して、所定のテーパーの成形厚さの
耐火物を自動成形するようにしていた。

考案が解決しようとする問題点 しかし、上記の方法では、計量コンベヤー上の
切り出し鉄板で坏土のテーパー付けは行えるが、
金型内に落下した坏土には、下部に耐火物原料の
粗粒が、また上部には微粉が偏り、耐火物の品質
に問題があつた。

そこで、投入ホツパーに攪拌羽根を設けて攪拌
するようにすると、金型内での坏土の偏析は解消
できるが、投入ホツパー内で坏土が平坦な状態と
なつてしまい、金型内へ落下した坏土の上面は平
坦になつたり、山なりの状態になつてしまうもの
であつた。そのため、金型内の坏土の表面を人力
でならして所定のテーパー付けをしなければなら
ず、連続して自動成形することが不可能となつ
て、生産効率が低下するものであつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記のような点に鑑みたもので、耐火
物成形用の金型へ耐火物の坏土を投入自在とした
ホツパーに坏土をホツパー全体にわたつて均一状
に攪拌するための螺旋状の攪拌羽根をもつ解砕機
を枢着して配設するとともに、金型へ投入するホ
ツパーの底面の落し口を上記螺旋状の攪拌羽根の
曲率半径にそつた断面円弧形状とし、坏土を所定
のテーパーの付いた堆積状態に攪拌するように螺
旋状の解砕機を正逆転駆動自在に設定してテーパ
ーの付いた堆積状態の坏土をそのまま金型へ落下
投入自在に形成して、坏土の粒子が偏析すること
なくホツパーで攪拌でき、所望のテーパーの付い
た状態の坏土を金型へ投入できて、連続的に自動
成形でき、テーパー付耐火物の生産性の飛躍的な
向上がはかれる耐火物坏土の解砕機付ホツパーを
提供するにある。

実施例 以下、本考案を実施例にもとづいて説明する。

第１図以下は、本考案の一実施例である。ホツ
パー１は、第１図、第２図のように金型２の上方
に配設していて、図外の計量コンベヤー、計量ホ
ツパーで秤量した所定の坏土３を落下供給され、
真下の金型２に落下投入できるようにしている。
このホツパー１は、所定寸法の耐火物に合わせた
横断面形状の箱状に構成していて、底面を第２図
のように半円弧状とし、内部に図のように底面に
そつた一定半径の螺旋状の攪拌羽根４をホツパー
１の全体にわたつて配設した解砕機５に水平状に
枢着している。そして、解砕機５の軸端部には、
ギヤードモータ等の所定の回転数に回転制御でき
る回転駆動装置（図示せず）を連結していて、第
３図のように１分間に30〜100回転位の低速で正
転および逆転駆動自在とし、投入した坏土３に偏
析が生じることなく均一状に攪拌できるようにし
ているとともに、第４図のように正転方向、逆転
方向にシーケンスプログラム等によるタイマー設
定でそれぞれ所定時間駆動して坏土３を所望のテ
ーパーの付いた堆積状態にできるようにしてい
る。このように、テーパーの付いた堆積状態の坏
土３を底面の落し口６を開いて、真下の金型２に
落下し、テーパーの付いた所定の形状に成型でき
るようにしている。

作 用 しかして、所定の耐火物の成形プロセスシステ
ムにもとづいて計量コンベヤー、計量ホツパーに
よつて秤量して、所定量の坏土３がホツパー１に
投入されると、第４図のように回転駆動装置が作
動して、解砕機５を正転方向と逆転方向にそれぞ
れほぼ10秒間づつ交互に同じ回数繰り返して駆動
し、投入された坏土３を左右および上下にわたつ
て均一状によく混合攪拌し、表面を平坦な初期化
状態にする。底面が半円弧状で、ホツパー１の全
長にわたつた螺旋状の攪拌羽根４を配設している
ため、ホツパー１のコーナー部に停滞することな
く、隅々まで坏土３を十分に攪拌でき、偏析が生
じるのを確実に防止できるものである。このよう
に初期化状態とした坏土３は、次に、たとえば正
転側に20秒間駆動して攪拌しながら前進側へ移動
させ、ついで逆転して10秒間駆動して坏土３を後
進側へやや戻し、また正転して20秒間駆動して坏
土３を前進攪拌して所定のテーパーの付いた堆積
状態とする。この堆積状態の形成については、坏
土３に応じて予めシユミレーシヨンテストによつ
てデーターを採取し、成形１サイクル時間内に攪
拌が完了するようにその結果を分析して、第４図
のように所要の回転数、正逆駆動時間を決定する
ものである。このようにして、所定のテーパーの
付いた堆積状態とした坏土３を、底面の落し口６
を開いて金型２内へそのまま落下すると、目標の
成形厚さのテーパーの付いた坏土３を金型２に装
填でき、金型２を閉鎖して第５図のようにテーパ
ーの付いた所定形状の耐火物の成形体７を成形す
るものである。

したがつて、坏土を人手によるテーパー付けで
なく、機械的に所定のテーパーを付けられて連続
的に自動的に金型成形でき、テーパー付耐火物の
生産性の飛躍的な向上がはかれるものである。

上記で、MgOクリンカーを78％、黒鉛を19％、
有機バインダー外を３％とした配分の坏土で、長
さ720mm、幅150mm、成形厚さが一端側を100mm、
他端側を120mmとしたテーパー付の耐火れんがを
成形した。その測定結果、テーパーの付いた端部
の寸法が、一端側が平均値100.5mmで、標準偏差
0.15、他端側が平均値120.3mmで、標準偏差0.12で
あつた。また、成形し乾燥処理した耐火れんが内
の嵩比重のばらつきについては、両端部と中央部
の上下部をそれぞれ計測した結果、拡がり幅が
0.04であつた。従来のホツパー内で攪拌せずに、
金型内に坏土を落下した場合には、拡がり幅は
0.10であり、耐火れんが内の偏析程度は非常に減
少しているものである。

上記実施例で、ホツパーから金型への落下距離
はできるだけ少なく、またホツパーの落し口の長
さや幅は、成形耐火物の寸法と同じか、やや大き
くするのが、金型内への坏土のテーパー付けの安
定や偏析防止に対して好ましいものである。

また、上記実施例では、リボンタイプの攪拌羽
根としたが、バドルタイプ等とすることもでき、
坏土の種類により、攪拌効果が小さい場合には、
必要によりフラツトバーの攪拌羽根を併用するこ
ともできるものである。

なお、上記実施例では、計量ホツパーと金型へ
の投入用のホツパーとを別々に配設したが、投入
用のホツパーに計量装置を設けて、計量を兼ねた
投入ホツパーとすることもできるものであり、さ
らに坏土のテーパー状態を検出するためのレベル
センサーを必要数ホツパーに配設して、レベルセ
ンサーにもとづいて回転駆動装置を正逆それぞれ
所定時間駆動してテーパー付けを行うようにもで
きるものである。

本考案の装置で、テーパーの付いていないスト
レート形状の場合にも、同様の方法で表面を平坦
な初期化状態にすることにより成形することがで
きるのはいうまでもない。

考案の効果 以上のように本考案にあつては、ホツパーに供
給した坏土を偏析なく均一状に混合攪拌でき、し
かもホツパー内に所定のテーパーの付いた堆積状
態に坏土を攪拌できて、そのまま金型内へ落下投
入して耐火物を成型できるもので、テーパー付耐
火物を連続して自動的に製造でき、省力化が行え
て生産性の飛躍的な向上がはかれる優れた効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の一実施例の一部省略
した概略説明用正断面図と側断面図、第３図、第
４図は同上の解砕機の正逆駆動説明用図とタイマ
ー設定図、第５図は同上による成形体の側面図で
ある。 １……ホツパー、２……金型、３……坏土、４
……攪拌羽根、５……解砕機、６……落し口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 耐火物成形用の金型へ耐火物の坏土を投入自
   在としたホツパーに坏土をホツパー全体にわた
   つて均一状に攪拌するための螺旋状の攪拌羽根
   をもつ解砕機を枢着して配設するとともに、金
   型へ投入するホツパーの底面の落し口を上記螺
   旋状の攪拌羽根の曲率半径にそつた断面円弧形
   状とし、坏土を所定のテーパーの付いた堆積状
   態に攪拌するように螺旋状の解砕機を正逆転駆
   動自在に設定してテーパーの付いた堆積状態の
   坏土をそのまま金型へ落下投入自在に形成した
   ことを特徴とする耐火物坏土の解砕機付ホツパ
   ー。 (2) 螺旋状の解砕機を正転、逆転、正転等の奇数
   回にわたつてタイマー設定で正逆転駆動制御自
   在とした実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   耐火物坏土の解砕機付ホツパー。 (3) 坏土のテーパーの付いた状態をレベルセンサ
   ーで検出自在として螺旋状の解砕機を駆動制御
   自在とした実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の耐火物坏土の解砕機付ホツパー。