JPH0590927A - 電界効果トランジスタおよびそれを用いる整流回路 - Google Patents
電界効果トランジスタおよびそれを用いる整流回路Info
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- JPH0590927A JPH0590927A JP3249939A JP24993991A JPH0590927A JP H0590927 A JPH0590927 A JP H0590927A JP 3249939 A JP3249939 A JP 3249939A JP 24993991 A JP24993991 A JP 24993991A JP H0590927 A JPH0590927 A JP H0590927A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】電界効果トランジスタをダイオードとして動作
させて整流回路等のスイッチング損失を減少させる。 【構成】一方の導電形のドレイン領域と,その上側の複
数のゲートと,その相互間のドレイン領域内に拡散され
た他方の導電形のサブストレート層と,その表面に拡散
された一方の導電形のソース層とにより縦形の電界効果
トランジスタを構成して、サブストレート層の電位をソ
ース層から分離した状態でダイオードとしてオンオフ動
作させる。これを用いる整流回路では、ドレインを交流
電源のコイルにソースを整流出力側に接続して、ゲート
に交流電源電圧の極性に応じた正負の電位が掛かるよう
にゲートを交流電源コイルに接続する。
させて整流回路等のスイッチング損失を減少させる。 【構成】一方の導電形のドレイン領域と,その上側の複
数のゲートと,その相互間のドレイン領域内に拡散され
た他方の導電形のサブストレート層と,その表面に拡散
された一方の導電形のソース層とにより縦形の電界効果
トランジスタを構成して、サブストレート層の電位をソ
ース層から分離した状態でダイオードとしてオンオフ動
作させる。これを用いる整流回路では、ドレインを交流
電源のコイルにソースを整流出力側に接続して、ゲート
に交流電源電圧の極性に応じた正負の電位が掛かるよう
にゲートを交流電源コイルに接続する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波でオンオフさせ
ながらダイオードとして動作させるに適する電界効果ト
ランジスタおよびそれを用いる整流回路に関する。
ながらダイオードとして動作させるに適する電界効果ト
ランジスタおよびそれを用いる整流回路に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえ小容量でも電力を扱う回路装置,
例えばスイッチング電源やインバータ装置には交流を直
流に変換する整流回路が含まれる場合が多く、この整流
用には周知のようにダイオードが用いられるのが通例で
あるが、交流電源用の変圧器や整流出力の平滑化用のキ
ャパシタを小形化するには、交流の周波数を高めるのが
有利でこの際の整流用にはいわゆる高速ダイオードが用
いられる。よく知られていることではあるが、かかる整
流回路を含む例としてスイッチング電源を図5を参照し
て以下に簡単に説明する。
例えばスイッチング電源やインバータ装置には交流を直
流に変換する整流回路が含まれる場合が多く、この整流
用には周知のようにダイオードが用いられるのが通例で
あるが、交流電源用の変圧器や整流出力の平滑化用のキ
ャパシタを小形化するには、交流の周波数を高めるのが
有利でこの際の整流用にはいわゆる高速ダイオードが用
いられる。よく知られていることではあるが、かかる整
流回路を含む例としてスイッチング電源を図5を参照し
て以下に簡単に説明する。
【0003】図5のスイッチング電源は、その入力端子
Tiに受ける直流電源40の元の電圧を一般にはそれと異な
る電圧値の安定化された直流電圧に変換して出力端子To
から負荷50に給電するもので、電源40からその変圧器30
の一次コイル31に流れる電流をトランジスタを用いるス
イッチ33により高いスイッチング周波数で断続させ、二
次コイル32に発生する交流電圧をダイオード34により整
流しかつキャパシタ35により平滑化して直流電圧とする
が、その電圧値を安定化するため制御回路60を設けて抵
抗61と62で検出した出力電圧の実際値vが一定になるよ
うにスイッチ33による一次コイル31の電流の断続デュー
ティ比を制御する。
Tiに受ける直流電源40の元の電圧を一般にはそれと異な
る電圧値の安定化された直流電圧に変換して出力端子To
から負荷50に給電するもので、電源40からその変圧器30
の一次コイル31に流れる電流をトランジスタを用いるス
イッチ33により高いスイッチング周波数で断続させ、二
次コイル32に発生する交流電圧をダイオード34により整
流しかつキャパシタ35により平滑化して直流電圧とする
が、その電圧値を安定化するため制御回路60を設けて抵
抗61と62で検出した出力電圧の実際値vが一定になるよ
うにスイッチ33による一次コイル31の電流の断続デュー
ティ比を制御する。
【0004】上述のスイッチング周波数, すなわち二次
コイル32の電圧の周波数は数百kHzなので、整流用ダイ
オード34にはふつう図6に示す pin構造の高速ダイオー
ドを用いる。これは図のようにp形層34aとi形層34b
とn形層34cからなる構造をもち、周知のように白金等
のライフタイムキラーをこれらの半導体層に導入するこ
とによりその動作を高速化したものである。
コイル32の電圧の周波数は数百kHzなので、整流用ダイ
オード34にはふつう図6に示す pin構造の高速ダイオー
ドを用いる。これは図のようにp形層34aとi形層34b
とn形層34cからなる構造をもち、周知のように白金等
のライフタイムキラーをこれらの半導体層に導入するこ
とによりその動作を高速化したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来か
ら整流ダイオードとしてライフタイムキラーを導入した
高速ダイオードを利用することによってスイッチング電
源等の動作の高周波化を進めて来たが、動作周波数を数
MHzないしそれ以上の高周波領域にまで高めると高速ダ
イオードでも逆回復特性が充分でなくなり、ダイオード
のオンオフ動作に伴うスイッチング損失が著しく増加す
る問題がある。
ら整流ダイオードとしてライフタイムキラーを導入した
高速ダイオードを利用することによってスイッチング電
源等の動作の高周波化を進めて来たが、動作周波数を数
MHzないしそれ以上の高周波領域にまで高めると高速ダ
イオードでも逆回復特性が充分でなくなり、ダイオード
のオンオフ動作に伴うスイッチング損失が著しく増加す
る問題がある。
【0006】ダイオードの動作の高速化には、よく知ら
れているようにそれがオン状態から完全なオフ状態にな
るまでの逆回復時間, 図6でいえばオン時に流れていた
電流の正負のキャリアがi形層34b内からp形層34aや
n形層34cに移動して完全に消失するまでの時間を短縮
する必要があり、上述のライフタイムキラーはかかるキ
ャリアをi形層34bのバルク内で捕捉消滅させて逆回復
時間を短縮するものであるが、その導入量を増やすとダ
イオードのオン時の順方向電圧が増加して来るので、あ
る限度以上にライフタイムキラー効果を高めることは許
されない。このため、ダイオードの逆回復特性を現水準
以上に大幅に改善するのは非常に困難と考えられている
のが現状である。
れているようにそれがオン状態から完全なオフ状態にな
るまでの逆回復時間, 図6でいえばオン時に流れていた
電流の正負のキャリアがi形層34b内からp形層34aや
n形層34cに移動して完全に消失するまでの時間を短縮
する必要があり、上述のライフタイムキラーはかかるキ
ャリアをi形層34bのバルク内で捕捉消滅させて逆回復
時間を短縮するものであるが、その導入量を増やすとダ
イオードのオン時の順方向電圧が増加して来るので、あ
る限度以上にライフタイムキラー効果を高めることは許
されない。このため、ダイオードの逆回復特性を現水準
以上に大幅に改善するのは非常に困難と考えられている
のが現状である。
【0007】また、上述のダイオードの逆回復動作中は
その内部キャリアの変位電流とオフ動作時に掛かる回路
中の回復電圧との積を時間積分した電力がスイッチング
損失として発生し、この損失はもちろんダイオードのオ
ンオフ動作のつどに発生するので、動作周波数が高くな
ればなるほどこのスイッチング損失により整流回路の効
率, 従ってスイッチング電源等の装置の変換効率が低下
することになる。このため、ダイオードの逆回復時間を
短縮してそのスイッチング損失を低減するのがそれを用
いる種々な回路の動作周波数を高める上の隘路を開拓す
るための重要な課題になっている。
その内部キャリアの変位電流とオフ動作時に掛かる回路
中の回復電圧との積を時間積分した電力がスイッチング
損失として発生し、この損失はもちろんダイオードのオ
ンオフ動作のつどに発生するので、動作周波数が高くな
ればなるほどこのスイッチング損失により整流回路の効
率, 従ってスイッチング電源等の装置の変換効率が低下
することになる。このため、ダイオードの逆回復時間を
短縮してそのスイッチング損失を低減するのがそれを用
いる種々な回路の動作周波数を高める上の隘路を開拓す
るための重要な課題になっている。
【0008】このような事情から、本発明の目的は整流
回路等のオンオフ動作に伴う上述のようなスイッチング
損失を低減することにある。
回路等のオンオフ動作に伴う上述のようなスイッチング
損失を低減することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的は本発明によれ
ば、一方の導電形のドレイン領域と、ドレイン領域の表
面上に配設された複数個のゲートと、ゲート相互間のド
レイン領域の表面から周縁部がゲート下に入り込むよう
に拡散された他方の導電形のサブストレート層と、その
表面の少なくとも一部からゲートの周縁下に周縁がもぐ
り込むよう浅く拡散された一方の導電形のソース層とを
備え、サブストレート層をドレイン領域とソース層のい
ずれからも電位上は分離した状態でダイオードとして動
作させることを特徴とする電界効果トランジスタにより
達成される。
ば、一方の導電形のドレイン領域と、ドレイン領域の表
面上に配設された複数個のゲートと、ゲート相互間のド
レイン領域の表面から周縁部がゲート下に入り込むよう
に拡散された他方の導電形のサブストレート層と、その
表面の少なくとも一部からゲートの周縁下に周縁がもぐ
り込むよう浅く拡散された一方の導電形のソース層とを
備え、サブストレート層をドレイン領域とソース層のい
ずれからも電位上は分離した状態でダイオードとして動
作させることを特徴とする電界効果トランジスタにより
達成される。
【0010】なお、この電界効果トランジスタをダイオ
ードとして動作させる際には、最も簡単にはそのゲート
の電位をドレイン領域とソース層のいずれか,とくに前
者と同電位に置いた状態で整流回路等に接続することで
よい。このダイオードとしてのオン動作を速める上で
は、サブストレート層の周縁部のゲート下の表面に一方
の導電形のチャネル導通層を拡散するのが有利で、この
ための拡散にはゲートを通して不純物をイオン注入法に
より導入するのが便利である。
ードとして動作させる際には、最も簡単にはそのゲート
の電位をドレイン領域とソース層のいずれか,とくに前
者と同電位に置いた状態で整流回路等に接続することで
よい。このダイオードとしてのオン動作を速める上で
は、サブストレート層の周縁部のゲート下の表面に一方
の導電形のチャネル導通層を拡散するのが有利で、この
ための拡散にはゲートを通して不純物をイオン注入法に
より導入するのが便利である。
【0011】本発明のこのようにサブストレートの電位
がソースとドレインのいずれからも分離された電界効果
トランジスタをダイオードとして用いる整流回路では、
電界効果トランジスタのドレインとソースの一方を交流
電源のコイルに,他方を整流出力側にそれぞれ接続する
とともに、ゲートをその電位が交流電源電圧の極性に応
じてドレインとソースの一方に対し正負に切り換わるよ
うに交流電源コイルに接続して、この正負のゲート電圧
の極性に応じ電界効果トランジスタのオンオフ状態を切
り換えることにより前述の目的を達成する。
がソースとドレインのいずれからも分離された電界効果
トランジスタをダイオードとして用いる整流回路では、
電界効果トランジスタのドレインとソースの一方を交流
電源のコイルに,他方を整流出力側にそれぞれ接続する
とともに、ゲートをその電位が交流電源電圧の極性に応
じてドレインとソースの一方に対し正負に切り換わるよ
うに交流電源コイルに接続して、この正負のゲート電圧
の極性に応じ電界効果トランジスタのオンオフ状態を切
り換えることにより前述の目的を達成する。
【0012】さらにこの整流回路では、電界効果トラン
ジスタのサブストレートから端子を導出し、このサブス
トレート端子をサブストレートとドレインおよびソース
の間に寄生するダイオードを非導通状態に保つ電位をサ
ブストレートに賦与するようダイオードを介して交流電
源コイルに接続するのが望ましい。
ジスタのサブストレートから端子を導出し、このサブス
トレート端子をサブストレートとドレインおよびソース
の間に寄生するダイオードを非導通状態に保つ電位をサ
ブストレートに賦与するようダイオードを介して交流電
源コイルに接続するのが望ましい。
【0013】
【作用】ダイオードはもちろんバイポーラ形であって、
そのオフ状態では空乏層が図6のような pin構造ではi
形層内に,直接pn接合形の場合でも接合面からp形層や
n形層内にそれぞれ広がるが、この空乏層の形成にはオ
ン時に流れていた電流の正負のキャリアがバルク内で移
動ないし消滅する必要があるので、バイポーラ形である
限りこのオフ動作時のキャリアの移動等に要する時間分
だけは場合により長短の差はあっても逆回復時間が必ず
発生する。
そのオフ状態では空乏層が図6のような pin構造ではi
形層内に,直接pn接合形の場合でも接合面からp形層や
n形層内にそれぞれ広がるが、この空乏層の形成にはオ
ン時に流れていた電流の正負のキャリアがバルク内で移
動ないし消滅する必要があるので、バイポーラ形である
限りこのオフ動作時のキャリアの移動等に要する時間分
だけは場合により長短の差はあっても逆回復時間が必ず
発生する。
【0014】本発明はチャネル伝導性の電界効果トラン
ジスタがダイオードのバイポーラ形に対しユニポーラ形
として動作する点に着目して、これをダイオードとして
動作させることによって逆回復時間を大幅に減少させ
る。これを整流ダイオード等に用いるにはかなりの電流
容量が必要なので、本発明では電界効果トランジスタを
電力用に適する縦形に構成する。しかし、通常の縦形電
界効果トランジスタではソースとドレインの間に寄生ダ
イオードが存在するので、オフ動作にその逆回復時間が
必要になって課題は解決されない。
ジスタがダイオードのバイポーラ形に対しユニポーラ形
として動作する点に着目して、これをダイオードとして
動作させることによって逆回復時間を大幅に減少させ
る。これを整流ダイオード等に用いるにはかなりの電流
容量が必要なので、本発明では電界効果トランジスタを
電力用に適する縦形に構成する。しかし、通常の縦形電
界効果トランジスタではソースとドレインの間に寄生ダ
イオードが存在するので、オフ動作にその逆回復時間が
必要になって課題は解決されない。
【0015】このため、一方の導電形のドレイン領域
と、その表面上に配設された複数個のゲートと、ゲート
相互間のドレイン領域の表面から拡散された他方の導電
形のサブストレート層と、サブストレート層内に拡散さ
れた一方の導電形のソース層とからこの縦形電界効果ト
ランジスタを構成するのは従来と同じであるが、本発明
では前項の構成にいうようソース層をサブストレート層
の表面の少なくとも一部から拡散し、サブストレート層
をドレイン領域とソース層のいずれからも電位上分離し
た状態でダイオードとしてのオンオフ動作をさせる。こ
れにより本発明の電界効果トランジスタでは、ドレイン
領域とソース層との間にそれらから電位上独立したサブ
ストレート層が介在して通常の縦形電界効果トランジス
タのようにソース・ドレイン間に直接接続された寄生ダ
イオードが存在しなくなり、従ってオフ動作時にその内
部のいずれの接合に寄生するダイオードからも逆回復時
間の悪影響を受けることがなくなる。
と、その表面上に配設された複数個のゲートと、ゲート
相互間のドレイン領域の表面から拡散された他方の導電
形のサブストレート層と、サブストレート層内に拡散さ
れた一方の導電形のソース層とからこの縦形電界効果ト
ランジスタを構成するのは従来と同じであるが、本発明
では前項の構成にいうようソース層をサブストレート層
の表面の少なくとも一部から拡散し、サブストレート層
をドレイン領域とソース層のいずれからも電位上分離し
た状態でダイオードとしてのオンオフ動作をさせる。こ
れにより本発明の電界効果トランジスタでは、ドレイン
領域とソース層との間にそれらから電位上独立したサブ
ストレート層が介在して通常の縦形電界効果トランジス
タのようにソース・ドレイン間に直接接続された寄生ダ
イオードが存在しなくなり、従ってオフ動作時にその内
部のいずれの接合に寄生するダイオードからも逆回復時
間の悪影響を受けることがなくなる。
【0016】本発明の整流回路は、このようにサブスト
レートの電位がソースとドレインのいずれからも分離さ
れた電界効果トランジスタに整流ダイオードとしての確
実な動作をさせるものであって、前項中の構成にいうよ
うに電界効果トランジスタのドレインとソースの一方を
交流電源コイルに,他方を整流出力側にそれぞれ接続す
るとともに、ゲートをその電位が交流電源電圧の極性に
応じドレインやソースに対し正負に切り換わるよう交流
電源コイルに接続することにより、このゲート電圧の正
負の極性に応じて電界効果トランジスタのオンオフの状
態を確実に切り換えながらダイオードとして動作させる
ようにしたものである。
レートの電位がソースとドレインのいずれからも分離さ
れた電界効果トランジスタに整流ダイオードとしての確
実な動作をさせるものであって、前項中の構成にいうよ
うに電界効果トランジスタのドレインとソースの一方を
交流電源コイルに,他方を整流出力側にそれぞれ接続す
るとともに、ゲートをその電位が交流電源電圧の極性に
応じドレインやソースに対し正負に切り換わるよう交流
電源コイルに接続することにより、このゲート電圧の正
負の極性に応じて電界効果トランジスタのオンオフの状
態を確実に切り換えながらダイオードとして動作させる
ようにしたものである。
【0017】
【実施例】以下、図を参照しながら本発明の実施例を説
明する。図1に本発明の電界効果トランジスタの実施
例,図2にその適用回路例,図3に本発明の電界効果ト
ランジスタを用いる整流回路の実施例をそれぞれ示し、
図3中の前に説明した図5に対応する部分には同じ符号
が示されている。
明する。図1に本発明の電界効果トランジスタの実施
例,図2にその適用回路例,図3に本発明の電界効果ト
ランジスタを用いる整流回路の実施例をそれぞれ示し、
図3中の前に説明した図5に対応する部分には同じ符号
が示されている。
【0018】図1(a) および(b) は本発明の電界効果ト
ランジスタ20の断面図で、同図(c)に示すその上面図の
A−AおよびB−B矢視断面にそれぞれ相当する。図1
(a)と(b) に示すそのチップ10ないしウエハは、この例
では強いn形の半導体基板1の上にドレイン領域2とし
てn形のエピタキシャル層を成長させたもので、このド
レイン領域2の不純物濃度はふつう1013〜1014原子/cm
3 程度とされ、厚みはトランジスタの耐圧値に応じて数
〜数十μmに設定される。このドレイン領域2の上側に
薄いゲート酸化膜3aを介して配設される多結晶シリコン
のゲート3は、図1(c) に部分ハッチングを付して示す
ように図の上下方向に細長い数十μm幅のストライプ状
パターンに形成され、数十μmの相互間隔を隔てて図の
左右方向に複数個並べて設けられる。ベース層とも呼ば
れるサブストレート層4は通例のようにゲート3をマス
クとするイオン注入法によりその相互間のドレイン領域
2の表面部にそれと逆のp形で拡散され、例えばその不
純物濃度は1017原子/cm3程度,拡散深さは1〜数μm
とされる。
ランジスタ20の断面図で、同図(c)に示すその上面図の
A−AおよびB−B矢視断面にそれぞれ相当する。図1
(a)と(b) に示すそのチップ10ないしウエハは、この例
では強いn形の半導体基板1の上にドレイン領域2とし
てn形のエピタキシャル層を成長させたもので、このド
レイン領域2の不純物濃度はふつう1013〜1014原子/cm
3 程度とされ、厚みはトランジスタの耐圧値に応じて数
〜数十μmに設定される。このドレイン領域2の上側に
薄いゲート酸化膜3aを介して配設される多結晶シリコン
のゲート3は、図1(c) に部分ハッチングを付して示す
ように図の上下方向に細長い数十μm幅のストライプ状
パターンに形成され、数十μmの相互間隔を隔てて図の
左右方向に複数個並べて設けられる。ベース層とも呼ば
れるサブストレート層4は通例のようにゲート3をマス
クとするイオン注入法によりその相互間のドレイン領域
2の表面部にそれと逆のp形で拡散され、例えばその不
純物濃度は1017原子/cm3程度,拡散深さは1〜数μm
とされる。
【0019】以上までは通常の縦形電界効果トランジス
タと同構造であるが、本発明の電界効果トランジスタで
はこれ以降が異なって来る。すなわち、ゲート3の相互
間のサブストレート層4の表面の大部分に図1(a) に示
すようにn形のソース層5を拡散するとともに、その一
部分にこの実施例ではサブストレート層4から端子を導
出するため同図(b) に示すようにp形のサブストレート
接続層6を拡散する。これらの層はいずれも1019原子/
cm3 程度以上の高不純物濃度とされ、拡散深さは例えば
前者が 0.5μm,後者が1μm強とされる。サブストレ
ート接続層6の拡散は同図(c) に示すような小さいパタ
ーンでよく、ゲート3の相互間の細長いサブストレート
層4の例えば中央部の図のような1個所のみに拡散し
て、残部のほとんどにはソース層6を拡散することでよ
い。なお、サブストレート層4から端子を導出しない場
合はその全面にソース層5が拡散される。
タと同構造であるが、本発明の電界効果トランジスタで
はこれ以降が異なって来る。すなわち、ゲート3の相互
間のサブストレート層4の表面の大部分に図1(a) に示
すようにn形のソース層5を拡散するとともに、その一
部分にこの実施例ではサブストレート層4から端子を導
出するため同図(b) に示すようにp形のサブストレート
接続層6を拡散する。これらの層はいずれも1019原子/
cm3 程度以上の高不純物濃度とされ、拡散深さは例えば
前者が 0.5μm,後者が1μm強とされる。サブストレ
ート接続層6の拡散は同図(c) に示すような小さいパタ
ーンでよく、ゲート3の相互間の細長いサブストレート
層4の例えば中央部の図のような1個所のみに拡散し
て、残部のほとんどにはソース層6を拡散することでよ
い。なお、サブストレート層4から端子を導出しない場
合はその全面にソース層5が拡散される。
【0020】上述のサブストレート4は拡散時にその周
縁部がゲート3の下側に入り込み、ソース層5はその周
縁がゲート3の周縁下に僅かにのぞき込み、ゲート3の
下側のp形のサブストレート層4の表面がn形のチャネ
ル形成面となるが、この図1の実施例では電界効果トラ
ンジスタをノーマリオンないしディプレッション形にし
てダイオードとしてのオン動作を速めるため、図1(a)
に示すようにゲート3の下のサブストレート層4の表面
にそのp形を打ち消すようにチャネル導通層7をn形で
ごく浅く拡散する。これ用の不純物は高加速電圧のイオ
ン注入法によりゲート5を通して導入するのがよい。な
お、図1(c) ではこのチャネル導通層は図の複雑化を避
けるため省略されていることを了承されたい。
縁部がゲート3の下側に入り込み、ソース層5はその周
縁がゲート3の周縁下に僅かにのぞき込み、ゲート3の
下側のp形のサブストレート層4の表面がn形のチャネ
ル形成面となるが、この図1の実施例では電界効果トラ
ンジスタをノーマリオンないしディプレッション形にし
てダイオードとしてのオン動作を速めるため、図1(a)
に示すようにゲート3の下のサブストレート層4の表面
にそのp形を打ち消すようにチャネル導通層7をn形で
ごく浅く拡散する。これ用の不純物は高加速電圧のイオ
ン注入法によりゲート5を通して導入するのがよい。な
お、図1(c) ではこのチャネル導通層は図の複雑化を避
けるため省略されていることを了承されたい。
【0021】以降はゲート3上を含む全面を覆うように
燐シリケートガラス等の絶縁膜11を成膜し、その要所に
窓を開口した上でアルミ膜を被着してフォトエッチング
することにより、図1(a) に示すようにソース層5に接
続された電極膜12と同図(b)に示すようにサブストレー
ト接続層6と接続された電極膜13とを同図(c) に示すよ
うなパターンに形成する。チップ10の裏面にも基板1を
介してドレイン領域2と接続されたアルミの電極膜14を
被着する。
燐シリケートガラス等の絶縁膜11を成膜し、その要所に
窓を開口した上でアルミ膜を被着してフォトエッチング
することにより、図1(a) に示すようにソース層5に接
続された電極膜12と同図(b)に示すようにサブストレー
ト接続層6と接続された電極膜13とを同図(c) に示すよ
うなパターンに形成する。チップ10の裏面にも基板1を
介してドレイン領域2と接続されたアルミの電極膜14を
被着する。
【0022】以上のように構成された電界効果トランジ
スタ20では、サブストレート層4の電位がソース層5か
ら動作上分離される。本発明のこの特徴を明確にするた
め、図4を参照して通常の縦形電界効果トランジスタ70
を説明する。図4(a) はその断面図であり、図1との対
応部分には同じ符号が付されている。この通常の電界効
果トランジスタ70の本発明の図1(a) や(b) の構造と異
なる所は、ゲート3の相互間の中央部にサブストレート
接続層6を露出させるようにソース層5が拡散され、導
電形の異なるこれらの両層5と6の表面がソース端子S
用の電極膜8により図のように短絡されている点にあ
る。
スタ20では、サブストレート層4の電位がソース層5か
ら動作上分離される。本発明のこの特徴を明確にするた
め、図4を参照して通常の縦形電界効果トランジスタ70
を説明する。図4(a) はその断面図であり、図1との対
応部分には同じ符号が付されている。この通常の電界効
果トランジスタ70の本発明の図1(a) や(b) の構造と異
なる所は、ゲート3の相互間の中央部にサブストレート
接続層6を露出させるようにソース層5が拡散され、導
電形の異なるこれらの両層5と6の表面がソース端子S
用の電極膜8により図のように短絡されている点にあ
る。
【0023】図4(b) はこの縦形電界効果トランジスタ
70のドレイン端子Dとゲート端子Gを含む等価回路であ
る。図示のように、サブストレート層4がソース層5と
同じ電位に置かれた内部接続になっており、ソース端子
Sとドレイン端子Dの相互間にサブストレート層4とド
レイン領域2の間のpn接合である寄生ダイオード21が介
在している。従って、この電界効果トランジスタ70をオ
ンオフ動作させながらダイオードとして用いようとして
もこの寄生ダイオード21を利用するに過ぎなくなって、
従来からの問題はなんら解決されない。
70のドレイン端子Dとゲート端子Gを含む等価回路であ
る。図示のように、サブストレート層4がソース層5と
同じ電位に置かれた内部接続になっており、ソース端子
Sとドレイン端子Dの相互間にサブストレート層4とド
レイン領域2の間のpn接合である寄生ダイオード21が介
在している。従って、この電界効果トランジスタ70をオ
ンオフ動作させながらダイオードとして用いようとして
もこの寄生ダイオード21を利用するに過ぎなくなって、
従来からの問題はなんら解決されない。
【0024】図2に本発明の電界効果トランジスタ20の
等価回路とその最も簡単な適用例を示す。ただし、図示
の等価回路はサブストレート端子の導出用の図1のサブ
ストレート接続層6が拡散されておらず、かつチャネル
導通層7を設けずにノーマリオフないしはエンハンスメ
ント形とした本発明の電界効果トランジスタ20の最も簡
単な構造に対応するものである。図示のように本発明で
は図4(b) とは異なりサブストレート層4の電位がソー
ス層5から分離されており、等価回路上は前述の寄生ダ
イオード21のほかサブストレート層4とソース層5の間
のpn接合に相当する寄生ダイオード22を含む。この電界
効果トランジスタ20を図5の整流回路のダイオード34の
かわりに用いるには、図2のように例えばドレイン端子
Dを交流電圧を発生する二次コイル32に,ソース端子S
を出力端子Toにそれぞれ接続し、かつゲート端子Gをド
レイン端子Dと接続することでよい。
等価回路とその最も簡単な適用例を示す。ただし、図示
の等価回路はサブストレート端子の導出用の図1のサブ
ストレート接続層6が拡散されておらず、かつチャネル
導通層7を設けずにノーマリオフないしはエンハンスメ
ント形とした本発明の電界効果トランジスタ20の最も簡
単な構造に対応するものである。図示のように本発明で
は図4(b) とは異なりサブストレート層4の電位がソー
ス層5から分離されており、等価回路上は前述の寄生ダ
イオード21のほかサブストレート層4とソース層5の間
のpn接合に相当する寄生ダイオード22を含む。この電界
効果トランジスタ20を図5の整流回路のダイオード34の
かわりに用いるには、図2のように例えばドレイン端子
Dを交流電圧を発生する二次コイル32に,ソース端子S
を出力端子Toにそれぞれ接続し、かつゲート端子Gをド
レイン端子Dと接続することでよい。
【0025】この図2の適用例では、電界効果トランジ
スタ20のオフ状態で二次コイル32の電圧が正方向に立ち
上がると、ゲート3の電位がサブストレート層4よりも
高くなるので電界効果トランジスタ20がオン動作し、こ
のオン状態で二次コイル32の電圧が負方向に立ち下がる
と、ゲート3の電位がサブストレート層4よりも低くな
るので電界効果トランジスタ20がオフ動作するので、電
界効果トランジスタ20はダイオードと同等の動作をする
ことになる。寄生ダイオード21と22はいずれもソース端
子Sとドレイン端子Dの相互間に直接接続されていない
ので、電界効果トランジスタ20のオフ動作に悪影響を及
ぼすことがない。
スタ20のオフ状態で二次コイル32の電圧が正方向に立ち
上がると、ゲート3の電位がサブストレート層4よりも
高くなるので電界効果トランジスタ20がオン動作し、こ
のオン状態で二次コイル32の電圧が負方向に立ち下がる
と、ゲート3の電位がサブストレート層4よりも低くな
るので電界効果トランジスタ20がオフ動作するので、電
界効果トランジスタ20はダイオードと同等の動作をする
ことになる。寄生ダイオード21と22はいずれもソース端
子Sとドレイン端子Dの相互間に直接接続されていない
ので、電界効果トランジスタ20のオフ動作に悪影響を及
ぼすことがない。
【0026】本発明の電界効果トランジスタ20は最も簡
単にはこの図2のようにダイオードとして適用が可能で
あるが、ゲートしきい値を充分に低めないと導通角が低
下しやすいために大電流回路に不向きであり、かつサブ
ストレート層4の電位を上述のように浮かせた状態で動
作させるとオフ時の回路電圧がドレイン領域2とサブス
トレート層4とソース層5で構成されるオープンベース
トランジスタに掛かるので高電圧回路に不向きである。
図3に示す本発明の整流回路はかかる問題点を解決した
ものである。
単にはこの図2のようにダイオードとして適用が可能で
あるが、ゲートしきい値を充分に低めないと導通角が低
下しやすいために大電流回路に不向きであり、かつサブ
ストレート層4の電位を上述のように浮かせた状態で動
作させるとオフ時の回路電圧がドレイン領域2とサブス
トレート層4とソース層5で構成されるオープンベース
トランジスタに掛かるので高電圧回路に不向きである。
図3に示す本発明の整流回路はかかる問題点を解決した
ものである。
【0027】図3の整流回路ではスイッチング電源の変
圧器の二次コイル等である交流電源コイル32にタップを
設けて、電界効果トランジスタ20の例えばドレイン端子
Dをこの交流電源コイル32に,ソース端子Sを整流出力
To側にそれぞれ接続し、かつゲート端子Gをその電位が
ドレイン端子Dに対して正負に切り換わるように交流電
源コイル32に接続する。これにより、交流電源コイル32
の発生交流電圧の極性に応じた正負のゲート制御電圧が
ゲート端子Gに充分に掛かるようになるので、電界効果
トランジスタ20のゲートしきい値をとくに低くしなくて
もオンオフ動作が確実になり、かつオン期間で大きな導
通角が得られる。また、この実施例では図1のようにチ
ャネル導通層7を拡散することにより、電界効果トラン
ジスタ20を図3のその等価回路に示すようにノーマリオ
ン形に構成してオン動作を速め、導通角の一層の向上を
図っている。
圧器の二次コイル等である交流電源コイル32にタップを
設けて、電界効果トランジスタ20の例えばドレイン端子
Dをこの交流電源コイル32に,ソース端子Sを整流出力
To側にそれぞれ接続し、かつゲート端子Gをその電位が
ドレイン端子Dに対して正負に切り換わるように交流電
源コイル32に接続する。これにより、交流電源コイル32
の発生交流電圧の極性に応じた正負のゲート制御電圧が
ゲート端子Gに充分に掛かるようになるので、電界効果
トランジスタ20のゲートしきい値をとくに低くしなくて
もオンオフ動作が確実になり、かつオン期間で大きな導
通角が得られる。また、この実施例では図1のようにチ
ャネル導通層7を拡散することにより、電界効果トラン
ジスタ20を図3のその等価回路に示すようにノーマリオ
ン形に構成してオン動作を速め、導通角の一層の向上を
図っている。
【0028】さらに、この図3の実施例では、電界効果
トランジスタ20に図1のようにサブストレート接続層6
を拡散してそれからサブストレート端子Sbを導出し、こ
れに寄生ダイオード21と22を常に非導通状態に保つ電
位, 電界効果トランジスタ20がこの実施例のようにnチ
ャネル形の場合は負の電位を与える。このため、図示の
例では交流電源コイル32にタップを設け、サブストレー
ト端子Sbをダイオード36を介してこれに接続することに
よって、ダイオード36の整流作用によりサブストレート
端子Sbをドレイン端子Dに対して例えば10V程度の負の
電位に固定する。キャパシタ37はこの電位の安定化用で
あるがごく小容量のものでよく、寄生ダイオード21の接
合容量21aにこの役目を持たせてもよい。
トランジスタ20に図1のようにサブストレート接続層6
を拡散してそれからサブストレート端子Sbを導出し、こ
れに寄生ダイオード21と22を常に非導通状態に保つ電
位, 電界効果トランジスタ20がこの実施例のようにnチ
ャネル形の場合は負の電位を与える。このため、図示の
例では交流電源コイル32にタップを設け、サブストレー
ト端子Sbをダイオード36を介してこれに接続することに
よって、ダイオード36の整流作用によりサブストレート
端子Sbをドレイン端子Dに対して例えば10V程度の負の
電位に固定する。キャパシタ37はこの電位の安定化用で
あるがごく小容量のものでよく、寄生ダイオード21の接
合容量21aにこの役目を持たせてもよい。
【0029】サブストレート端子Sbにかかるバイアス電
位を賦与することにより、寄生ダイオード21と22を常に
非導通状態に置き、その逆回復特性の悪影響をなくし、
かつサブストレート領域4の電位を固定することによ
り、電界効果トランジスタ20の耐圧を向上することがで
きる。なお、図3の例ではゲート端子Gと整流出力Toと
の間にゲート保護用のツェナーダイオード38aと38b
が, 交流電源コイル32との間にツェナー電流制限用の抵
抗39がそれぞれ接続される。
位を賦与することにより、寄生ダイオード21と22を常に
非導通状態に置き、その逆回復特性の悪影響をなくし、
かつサブストレート領域4の電位を固定することによ
り、電界効果トランジスタ20の耐圧を向上することがで
きる。なお、図3の例ではゲート端子Gと整流出力Toと
の間にゲート保護用のツェナーダイオード38aと38b
が, 交流電源コイル32との間にツェナー電流制限用の抵
抗39がそれぞれ接続される。
【0030】以上説明したいずれの実施例でも、本発明
の電界効果トランジスタはゲートに与える電圧を回路電
圧の状態に関連付けて適宜に制御することによりダイオ
ードとしてオンオフ動作させることができ、チャネル伝
導性ないしはユニポーラ形の特長としてオフ動作時に通
常のダイオードのようなpn接合に起因する逆回復動作が
不要なので、逆回復時間ないしはそれに相当するオフ動
作時間を従来より1桁程度以上短縮することができる。
また、逆回復特性に優れるショットキーバリアダイオー
ドと比べても、オフ動作特性に遜色はなく、逆漏れ電流
がそれより格段に少なく、かつサブストレート層用のエ
ピタキシャル層の厚みを増すことにより容易に高耐圧化
できる利点を有する。とくにノーマリオン形に構成した
電界効果トランジスタではダイオードとしてのV−I特
性の立ち上がり電圧を0にできるので、オン動作を速め
てオン損失を低減できる利点が得られる。
の電界効果トランジスタはゲートに与える電圧を回路電
圧の状態に関連付けて適宜に制御することによりダイオ
ードとしてオンオフ動作させることができ、チャネル伝
導性ないしはユニポーラ形の特長としてオフ動作時に通
常のダイオードのようなpn接合に起因する逆回復動作が
不要なので、逆回復時間ないしはそれに相当するオフ動
作時間を従来より1桁程度以上短縮することができる。
また、逆回復特性に優れるショットキーバリアダイオー
ドと比べても、オフ動作特性に遜色はなく、逆漏れ電流
がそれより格段に少なく、かつサブストレート層用のエ
ピタキシャル層の厚みを増すことにより容易に高耐圧化
できる利点を有する。とくにノーマリオン形に構成した
電界効果トランジスタではダイオードとしてのV−I特
性の立ち上がり電圧を0にできるので、オン動作を速め
てオン損失を低減できる利点が得られる。
【0031】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の電界効果トラン
ジスタでは、それがチャネル伝導性のユニポーラ形でオ
フ動作時にバイポーラ形のダイオードのように電荷キャ
リアをバルク内で移動させて空乏層を形成する逆回復動
作が不要な点に着目し、これをダイオードとして動作さ
せるため、縦形電界効果トランジスタのソース層をサブ
ストレート層の表面の少なくとも一部から拡散し、サブ
ストレート層をドレイン領域からはもちろんソース層か
ら電位上分離した状態でオンオフ動作させることによ
り、ドレイン領域とソース層の間に独立した電位をもつ
サブストレート層を介在させてソース・ドレイン間に寄
生ダイオードが存在しないようにし、従ってオフ動作時
に内部のいずれの接合に寄生するダイオードからも逆回
復時間の影響を受けないようにすることにより、オフ動
作時間を従来のダイオードよりも1桁以上短縮してスイ
ッチング損失を減少させ、その適用回路の回路動作の高
周波化を一層進めることを可能にするものである。
ジスタでは、それがチャネル伝導性のユニポーラ形でオ
フ動作時にバイポーラ形のダイオードのように電荷キャ
リアをバルク内で移動させて空乏層を形成する逆回復動
作が不要な点に着目し、これをダイオードとして動作さ
せるため、縦形電界効果トランジスタのソース層をサブ
ストレート層の表面の少なくとも一部から拡散し、サブ
ストレート層をドレイン領域からはもちろんソース層か
ら電位上分離した状態でオンオフ動作させることによ
り、ドレイン領域とソース層の間に独立した電位をもつ
サブストレート層を介在させてソース・ドレイン間に寄
生ダイオードが存在しないようにし、従ってオフ動作時
に内部のいずれの接合に寄生するダイオードからも逆回
復時間の影響を受けないようにすることにより、オフ動
作時間を従来のダイオードよりも1桁以上短縮してスイ
ッチング損失を減少させ、その適用回路の回路動作の高
周波化を一層進めることを可能にするものである。
【0032】本発明による電界効果トランジスタを用い
る整流回路では、サブストレートの電位がソースから分
離された電界効果トランジスタのドレインとソースの一
方を交流電源のコイルに,他方を整流出力側にそれぞれ
接続するとともに、ゲートをその電位が交流電圧の極性
に応じてドレインとソースの一方に対して正負に切り換
わるよう交流電源コイルに接続し、この正負のゲート電
圧の極性に応じて電界効果トランジスタをオンオフさせ
ながらダイオードとして利用することにより、オンオフ
動作をゲートの動作しきい値に関せず確実にし、回路動
作を高速化し、かつオン時の電流導通角を向上させて、
電界効果トランジスタにその電流容量を充分に発揮させ
るものである。
る整流回路では、サブストレートの電位がソースから分
離された電界効果トランジスタのドレインとソースの一
方を交流電源のコイルに,他方を整流出力側にそれぞれ
接続するとともに、ゲートをその電位が交流電圧の極性
に応じてドレインとソースの一方に対して正負に切り換
わるよう交流電源コイルに接続し、この正負のゲート電
圧の極性に応じて電界効果トランジスタをオンオフさせ
ながらダイオードとして利用することにより、オンオフ
動作をゲートの動作しきい値に関せず確実にし、回路動
作を高速化し、かつオン時の電流導通角を向上させて、
電界効果トランジスタにその電流容量を充分に発揮させ
るものである。
【0033】本発明のかかる効果はスイッチング電源装
置やインバータ装置に含まれる整流回路に適用してとく
に有利に発揮され、スイッチング損失を減少させて変換
効率や動作効率を向上させ、動作速度を高めて装置の性
能を向上し、かつ動作周波数を高めて装置を一層小形化
できる著効を奏し得るものである。
置やインバータ装置に含まれる整流回路に適用してとく
に有利に発揮され、スイッチング損失を減少させて変換
効率や動作効率を向上させ、動作速度を高めて装置の性
能を向上し、かつ動作周波数を高めて装置を一層小形化
できる著効を奏し得るものである。
【図1】本発明による電界効果トランジスタの実施例を
示し、同図(a) と(b) とはその一部の拡大断面図、同図
(c) は上面図であり、同図(a) および(b) は同図(c) の
それぞれA−AおよびB−B矢視断面に相当する。
示し、同図(a) と(b) とはその一部の拡大断面図、同図
(c) は上面図であり、同図(a) および(b) は同図(c) の
それぞれA−AおよびB−B矢視断面に相当する。
【図2】本発明の電界効果トランジスタの等価回路とそ
の基本的な適用例を示す回路図である。
の基本的な適用例を示す回路図である。
【図3】本発明の電界効果トランジスタを用いる整流回
路の実施例回路図である。
路の実施例回路図である。
【図4】本発明の電界効果トランジスタの特徴を説明す
るための参考として通常の縦形電界効果トランジスタを
示し、同図(a) はその一部拡大断面図、同図(b) はその
等価回路図である。
るための参考として通常の縦形電界効果トランジスタを
示し、同図(a) はその一部拡大断面図、同図(b) はその
等価回路図である。
【図5】本発明の適用対象例としてのスイッチング電源
の構成回路図である。
の構成回路図である。
【図6】図5に用いられる整流ダイオードの構造例を示
す断面図である。
す断面図である。
2 ドレイン領域 3 ゲート 4 サブストレート層ないしはベース層 5 ソース層 6 サブストレート接続層 7 チャネル導通層 10 電界効果トランジスタのチップ 20 電界効果トランジスタ 32 交流電源コイルないしは変圧器の二次コイル 36 ダイオード D ドレイン端子 G ゲート端子 S ソース端子 Sb サブストレート端子 To 整流出力端子
Claims (5)
- 【請求項1】ダイオードとして動作させる電界効果トラ
ンジスタであって、一方の導電形のドレイン領域と、ド
レイン領域の上側に配設された複数のゲートと、ゲート
相互間のドレイン領域の表面から周縁部がゲートの下に
入り込むよう深く拡散された他方の導電形のサブストレ
ート層と、サブストレート層の表面の少なくとも一部か
らゲートの周縁下に周縁がもぐり込むよう浅く拡散され
た一方の導電形のソース層とを備え、サブストレート層
をソース層から電位上分離した状態で動作させるように
したことを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 【請求項2】請求項1に記載のトランジスタにおいて、
サブストレート層の周縁部のゲート下の表面部に一方の
導電形のチャネル導通層が拡散されたことを特徴とする
電界効果トランジスタ。 - 【請求項3】請求項1に記載のトランジスタにおいて、
ゲートの電位をドレイン領域とソース層のいずれかと同
電位に置いた状態でダイオードとして動作させることを
特徴とする縦形電界効果トランジスタ。 - 【請求項4】サブストレートの電位がソースとドレイン
のいずれからも分離された電界効果トランジスタをダイ
オードとして用いる整流回路であって、電界効果トラン
ジスタのドレインとソースの一方を交流電源のコイル
に,他方を整流出力側にそれぞれ接続するとともに、ゲ
ートをその電位が交流電源電圧の極性に応じてドレイン
とソースの一方に対し正負に切り換わるように交流電源
コイルに接続し、この正負のゲート電圧の極性に応じて
電界効果トランジスタのオンオフの状態を切り換えるよ
うにしたことを特徴とする電界効果トランジスタを用い
る整流回路。 - 【請求項5】請求項4に記載の回路において、電界効果
トランジスタのサブストレートから端子を導出し、この
サブストレート端子を電界効果トランジスタのサブスト
レートとドレインおよびソース間との寄生ダイオードを
非導通状態に保つ電位をサブストレートに賦与するよう
にダイオードを介して交流電源コイルに接続したことを
特徴とする電界効果トランジスタを用いる整流回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3249939A JPH0590927A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 電界効果トランジスタおよびそれを用いる整流回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3249939A JPH0590927A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 電界効果トランジスタおよびそれを用いる整流回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0590927A true JPH0590927A (ja) | 1993-04-09 |
Family
ID=17200423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3249939A Pending JPH0590927A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 電界効果トランジスタおよびそれを用いる整流回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0590927A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11195788A (ja) * | 1997-10-31 | 1999-07-21 | Siliconix Inc | 保護用ダイオードを備えるトレンチゲート形パワーmosfet |
-
1991
- 1991-09-30 JP JP3249939A patent/JPH0590927A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11195788A (ja) * | 1997-10-31 | 1999-07-21 | Siliconix Inc | 保護用ダイオードを備えるトレンチゲート形パワーmosfet |
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