JPH0590660A - 磁気抵抗素子 - Google Patents

磁気抵抗素子

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Publication number
JPH0590660A
JPH0590660A JP3247538A JP24753891A JPH0590660A JP H0590660 A JPH0590660 A JP H0590660A JP 3247538 A JP3247538 A JP 3247538A JP 24753891 A JP24753891 A JP 24753891A JP H0590660 A JPH0590660 A JP H0590660A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
protective film
thin film
resin
inorganic
Prior art date
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Pending
Application number
JP3247538A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Onaka
和弘 尾中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication of JPH0590660A publication Critical patent/JPH0590660A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄膜磁気抵抗素子において、薄く、機械的強
度と表面硬度が大きく、アルカリや塩素の混入がなく、
ガラスやセラミックまたニッケル合金との密着性がよ
く、更に安価で簡単に成膜できる保護膜を提供すること
を目的とする。 【構成】 基板11表面に形成されたニッケル合金の強
磁性薄膜12と、この強磁性薄膜12を保護する保護膜
から構成されるものであり、まず基板表面に窒素原子を
含むカップリング剤をアンダーコートして、その上より
金属アルコキシドを主原料とする無機高分子コーティン
グ材を成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、位相や変位量等の位置
情報を検出する磁気式位置検出装置に用いられるニッケ
ル合金の強磁性薄膜からなる磁気抵抗素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在おもに用いられている回転検出装置
の中で、光半導体を用いた光式回転検出装置や、ホール
ICを用いた磁気式回転検出装置は、耐熱温度が125
℃以下であり、産業機器に対して使用する際には大きな
障害となっているのが現状である。そこで200℃以上
の耐熱温度のある強磁性磁気抵抗素子の産業機器への利
用がますます高まってきている。特に電装品分野では、
180℃以上の耐熱性を要求される電子部品が多く、検
出体の物性から見て、強磁性磁気抵抗素子以外の回転検
出装置は使用できないことは明らかであり、その期待度
は高まる一方である。
【0003】従来の方式は、図2,図3に示すごとくニ
ッケル合金からなる磁気抵抗素子に示すように、基板1
にほう珪酸ガラス,シリコンまたはグレーズドアルミナ
を用い、前記基板1上にニッケル合金の強磁性薄膜2を
形成し、さらに前記基板と強磁性薄膜2上に保護膜を形
成する。ここで3は電極、5はポリイミド樹脂、6は無
機膜、7は樹脂膜である。周知のように、強磁性薄膜2
を用いた磁気センサの保護膜は、その感度を上げるため
に膜厚を薄くする必要があり、また前記保護膜表面は磁
気記録媒体と接近させるため接触の可能性もあり、表面
硬度と機械的強度を大きくする必要がある。これらの要
求特性を満たす材料としてSiO,SiN,ポリイミド
樹脂膜,フェノール樹脂膜,エポキシ樹脂膜のうち、1
種類または数種類を保護膜として形成する。この場合、
最も重要なことは、強磁性薄膜は250℃以上の熱エー
ジングではその特性に不可逆な変化を来すため、成膜す
る場合の加熱温度は350℃以下にしなければならず、
低融点ガラス等を保護膜として使用することはできな
い。加えて200℃以上の耐熱性を確保するためにはフ
ェノール樹脂やエポキシ樹脂を使用することは不可能で
あった。また、ニッケル合金である強磁性薄膜2を腐食
せしめる不純物、例えばNa,Ka,Cl等の保護膜材
料中の混入は、これを数ppm以下に抑える必要がある。
さらに、ポリイミド樹脂のような硬化時の収縮率の大き
な樹脂は、その収縮時に発生する応力によって、強磁性
薄膜パターンを切断したり磁気特性に影響を及ぼすた
め、前記強磁性薄膜2パターンに直接成膜することは不
可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在用いられている最
も一般的な構成は、図2に示すようにSiOやSiN等
の無機膜6をスパッタリング法,CVD法,真空蒸着法
等により形成し、前記無機膜6上にポリイミド樹脂5
(フェノール樹脂またはエポキシ樹脂も代用できる)を
スピンコート,ロールコートまたは印刷にて形成する。
この場合の弊害としては以下のものが挙げられる。 1.無機膜6を形成するためのスパッタリング法,CV
D法,真空蒸着法の装置の維持にかかるコストが大き
い。 2.無機膜6を形成するための前記の工数が多く、コス
トの削減が困難である。 3.無機膜6の形成にはクリーンルームを使用するた
め、換気等にコストがかかる。 4.無機膜を形成する際に、基板を300℃以上に加熱
するため、前記強磁性薄膜に直接及ぼす機械的ストレス
が非常に大きかった。
【0005】また、図3に示すように前記金属アルコキ
シドを主成分とした無機高分子膜のみを樹脂膜7として
使用した場合には、以下のような欠点を持つ。 1.膜表面がポーラスであるために、耐湿性に難点があ
る。 2.表面硬度が弱い。 3.パターニングやダイシング等の加工ができない。
【0006】次に低コストの保護膜形成法としては、前
記フェノール樹脂膜,エポキシ樹脂膜を直接前記強磁性
薄膜2上に樹脂膜7として形成するという方法がある
が、この方法には以下の弊害がある。 1.樹脂の耐熱温度が120℃以下である。 2.表面硬度,機械的強度が小さい。 3.基板との密着強度が小さい。 4.樹脂中にNa,Ka,Clが含まれているため、前
記強磁性薄膜2を腐食させる恐れがある。
【0007】以上の問題点を鑑みて、簡便で、耐熱性が
高く、表面硬度や機械的強度が大きい上に、不純物濃度
の低い保護膜を有した磁気抵抗素子を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、基板の表面に形成されたニッケル合金の強
磁性薄膜と、前記強磁性薄膜を保護する保護膜とを備
え、前記保護膜は金属アルコキシドを主原料とする無機
高分子コーティング膜硬化収縮率の大きい高耐熱樹脂膜
からなることを特徴とする磁気抵抗素子を提供するもの
である。
【0009】
【作用】本発明によれば、金属アルコキシドは200℃
以下で硬化させることによって無機高分子膜を形成する
ため、他の無機薄膜より簡便にかつ磁気抵抗薄膜に及ぼ
す熱ストレスや機械的ストレスなしに成膜することがで
きる。この無機高分子膜をバッファーコートに用いて、
ポリイミド膜のような硬化収縮率の大きい高耐熱樹脂膜
を上から成膜して、耐湿性と表面硬度を向上させる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例の磁気抵抗素子を添
付の図面を用いて説明する。
【0011】図1において、11は幅5mm,長さ10m
m,厚さ0.5mmのほう珪酸ガラスからなる基板であ
り、12はスパッタリングにて500Å着膜してスパッ
タエッチングにて幅2mm,長さ5mmとなるようにパター
ン形成した強磁性薄膜であり、基板11の中央部に形成
されている。13はこの強磁性薄膜12と接続されるリ
ード線引出し用の電極、14は強磁性薄膜をを被覆する
金属アルコキシドを原料とする膜厚約5μmの無機高分
子の保護膜、15は膜厚約5μmのポリイミドからなる
高耐熱樹脂膜である。ここで無機高分子の保護膜14は
スプレーにて塗布した後、200℃にて硬化させて成膜
した。また高耐熱樹脂15は、スピンコートにて塗布し
た後、250℃にて硬化して成膜した。図1の構成によ
る本実施例の保護膜材料を変えたものと従来例の耐熱性
を示したものを(表1)に、耐湿性を比較したものを
(表2)に、密着性を比較したものを(表3)に示す。
ここで耐熱性は1000時間放置した際に膜表面に亀裂
が入っていないことが確認できる最高温度にて比較し、
耐湿性は121℃,2atmの条件下でPCT試験を行い
剥離しない時間で比較し、密着性は1cm2での剥離強度
にて比較した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】これによると、上記の形状にて耐熱温度は
すべて250℃以上であり、従来例のSiNからなる無
機膜のものと比較して、密着強度は1.9倍以上、耐湿
性は2倍以上であった。また保護膜形成に係るトータル
コストは1/3以下であった。また従来例のエポキシ,
フェノールからなる樹脂膜のものと比較して密着強度は
1.5倍以上、耐湿性は4倍以上、表面硬度は1.5倍
以上であった。
【0016】また図4は、実施例と従来例の磁気抵抗特
性を示したもので、(a)は保護膜の無い状態、(b)
は従来例のエポキシ樹脂を成膜したもの、(c)は従来
例のポリイミド樹脂を成膜したもの、(d)は本実施例
であるところの金属アルコキシドを主成分とする無機高
分子の保護膜14の上から高耐熱樹脂15を成膜したも
のの磁気抵抗特性を示したものである。ここで横軸は磁
場を示し、縦軸は抵抗値変化率を示している。これによ
ると、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂を直接磁気抵抗薄
膜に塗布したものは、磁気抵抗特性が劣化しているが、
本実施例であるところの金属アルコキシドを主成分とす
る無機高分子の保護膜14をアンダーコートした上に高
耐熱保護膜15を成膜したものは全く劣化していないこ
とが判る。
【0017】以上に説明したごとく、本実施例によれ
ば、 1.樹脂膜では得られなかった200℃以上の耐熱性を
確保できる。 2.樹脂膜や従来の無機薄膜では得られなかった密着強
度,表面硬度を確保できる。 3.樹脂膜では達成できなかったNa,Ka,Clを数
ppm以下に抑えることができる。 4.無機薄膜より大幅にコストダウンできる。 5.無機薄膜およびポリイミド膜では達成できなかっ
た、下地に成膜された強磁性抵抗薄膜への熱的,機械的
ストレスを大幅に軽減できる。 6.耐湿性を大幅に向上できる。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、耐熱性
が高く、表面硬度や機械的強度が大きい上に、不純物濃
度の低い保護膜を有した磁気抵抗素子を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気抵抗素子を示す断面図
【図2】従来の保護膜として無機膜とポリイミド膜を使
用した磁気抵抗素子を示す断面図
【図3】従来の保護膜としてフェノールまたはエポキシ
樹脂膜を使用した磁気抵抗素子を示す断面図
【図4】(a)〜(d)は本実施例と従来例の磁気抵抗
素子の磁気抵抗特性を示す特性図
【符号の説明】
11 基板 12 強磁性薄膜 13 電極 14 無機高分子の保護膜 15 高耐熱保護膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の表面に形成されたニッケル合金の強
    磁性薄膜と、前記強磁性薄膜を保護する保護膜とを備
    え、前記保護膜は金属アルコキシドを主原料とする無機
    高分子コーティング膜と、硬化収縮率の大きい高耐熱保
    護膜からなることを特徴とする磁気抵抗素子。
JP3247538A 1991-09-26 1991-09-26 磁気抵抗素子 Pending JPH0590660A (ja)

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JP3247538A JPH0590660A (ja) 1991-09-26 1991-09-26 磁気抵抗素子

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JP3247538A Pending JPH0590660A (ja) 1991-09-26 1991-09-26 磁気抵抗素子

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JP (1) JPH0590660A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07226547A (ja) * 1993-12-15 1995-08-22 Nec Corp 磁気抵抗素子とその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07226547A (ja) * 1993-12-15 1995-08-22 Nec Corp 磁気抵抗素子とその製造方法

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