JPH059006A - セラミツクス粉末の製造方法 - Google Patents

セラミツクス粉末の製造方法

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JPH059006A
JPH059006A JP3183899A JP18389991A JPH059006A JP H059006 A JPH059006 A JP H059006A JP 3183899 A JP3183899 A JP 3183899A JP 18389991 A JP18389991 A JP 18389991A JP H059006 A JPH059006 A JP H059006A
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ceramic powder
salt
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Keiichi Sato
馨一 佐藤
Masakazu Nakamura
雅一 中村
Shinichi Yoyogi
新一 代々城
Yusuke Mitsuyoshi
裕介 光吉
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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  • Compounds Of Iron (AREA)
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  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、セラミックスの前駆体であるような
材料あるいはそれらの混合物から、焼結および粉砕とい
う煩雑な工程を経ず直接セラミックス粉末を製造する方
法を提供することにある。 【構成】セラミックスの前駆体であるような材料、例え
ば酸化マグネシウムあるいは酸化アルミニウムまたは酸
化マグネシウム鉄の前駆体材料の一つであるシュウ酸マ
グネシウムあるいは水酸化アルミニウムまたはシュウ酸
マグネシウム鉄から熱プラズマにより、酸化マグネシウ
ムあるいは酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウム鉄
の粉末を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス粉末の製
造方法に関する。さらに詳しくは、機能性材料用、構造
材料用等として、焼結性、結晶性、分散性、均一性、流
動性等に優れた特性を有するセラミックス粉末の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックス粉末は、固相法
あるいは共沈澱法等によって得られた前駆体であるよう
な材料からバインダー混合、焼結および粉砕工程を経由
して製造する方法が知られている。しかしながら何れの
製造方法も、前駆体であるような材料および原材料の焼
結に際して多大なエネルギーを必要とし、また焼結物の
粉砕時に不純物が混入する恐れや、物理的な力による構
造的結晶歪が生起する可能性等種々の問題点を有する。
そのため粉砕工程を伴わない方法、すなわち焼結による
粒成長を抑制するための抑制剤の添加、あるいは粒成長
が著しく進行する前の状態である仮焼程度に焼結を留め
ておく方法等も試みられている。前者の粒成長抑制剤を
添加する方法は、添加する抑制剤の種類によっては製品
の特性に悪影響を及ぼし、また予期せぬ不純物等が混入
する恐れもあるために、粒成長抑制剤の種類および添加
方法が限定され、さらには製造する製品の設計も制限さ
れる。さらに後者の仮焼程度に留める場合でも、その原
材料の焼結が不完全であるために、使用に際して再度高
温で焼結する必要があり、製品として成型を行なう場
合、焼結過程で原料の収縮等によりひび割れ等が発生し
やすく、特別の注意を必要とする。
【0003】他方、焼結および粉砕工程を伴わないでセ
ラミックス粉末を得る水熱合成法およびゾル−ゲル法も
考案されている。しかしながら前者の水熱合成法による
セラミックス粉末の製造には、およそ数十気圧、200
℃以上の反応条件を必要とする工程が含まれるため、実
験室レベルでの研究はかなり行なわれているが、工業化
する場合には製造装置が複雑になり、実用的ではない。
また後者のゾル−ゲル法によるセラミックス粉末の製造
方法は、近年電子材料の分野における微細加工技術の面
で注目され研究が行なわれてはいるが、生成される粒子
の大きさが極めて小さく、二次凝集を起こし易いために
取り扱いが複雑になる。さらに各構成元素をアルコキシ
ドとする必要があるので、その製法が容易ではなく、高
価となるため実用的ではない。
【0004】これらいずれの製造方法も、多工程でしか
も得られた粉末は、分散性、流動性等に劣るという欠点
を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、従来の
セラミックス粉末製造における欠点、すなわち焼結およ
び粉砕に多大のエネルギーを必要とし、しかも多工程で
あり、かつ得られた粉末は分散性、流動性に劣るという
欠点を克服するために鋭意検討した結果、公知の手法で
ある熱プラズマ法を使用し、前駆体であるような材料あ
るいはそれらの混合物からバインダー混合、焼結および
粉砕、さらには再度、焼結および粉砕という煩雑な工程
を経由することなく直接セラミックス粉末を製造できる
ことを見出した。さらに特定の熱プラズマ条件および原
材料の特定の粒度条件の時に、球状のセラミックス粉末
を製造できることを見出した。加えて原材料の粒度をさ
らに適切に選ぶことにより、セラミックスの超微粒子が
得られることも知った。
【0006】本発明者等は、かかる知見に基づきさらに
重ねて検討した結果、本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、A元
素として、元素周期律表の第IA 族、第IIA 族、第IIB
族、第IIIA族、第IIIB族、第IVA 族、第IVB 族、第VA
族、第VB 族、第VIA族、第VIIA族、第VIII族の中から
選ばれる少なくとも1種類以上の元素を有する金属化合
物あるいは構成元素のそれぞれの元素の金属化合物の混
合物を熱プラズマ中にて、下記一般式(1)で表される
ペロブスカイト型複合酸化物を除く、セラミックス粉末
の製造方法を提供するものである。 一般式(1) AOx (ただしXは0.5以上の実
数である。)
【0008】本発明において上記A元素としては、例え
ばB、Mg、Al、Si、Fe、Sn、Zn、Zr、N
i、Li、Ba、Mn、Co、Sc、Y、La、Ce、
Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu等を挙げることができ、さらに好
ましくは、Mg、Al、Fe、Ba、Sc、Y、La、
Ce、Nd、Sm、Euを挙げることができるが、これ
のみに限定されるものではない。また本発明において製
造されるセラミックス粉末は単純酸化物であるセラミッ
クス粉末、例えば酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ム、酸化鉄、酸化バリウム、酸化スカンジウム、酸化イ
ットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ネオジ
ウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム等に限定され
るものではなく、上述した元素によって構成された複合
酸化物、例えば酸化アルミニウムバリウム、酸化アルミ
ニウムマグネシウム等さらには酸化マグネシウム鉄、酸
化ケイ素アルミニウム等のセラミックス粉末も含まれ
る。ただし本発明における金属元素としては、元素周期
律表の第IA 族、第IIA 族、第IIB 族、第IIIA族、第II
IB族、第IVA 族、第IVB 族、第VA 族、第VB 族、第VI
A 族、第VIIA族、第VIII族であるとし、希土類元素は元
素周期律表の第IIIA族のうちSc、Yを除いた元素であ
る。
【0009】A元素の中から選ばれる少なくとも1種類
以上の元素を有する金属化合物あるいは構成元素のそれ
ぞれの元素の金属化合物としては、セラミックスの前駆
体であるような水和物、無機酸塩、アンモニウム塩また
は有機酸塩等、さらには構成元素のそれぞれの元素の金
属化合物の混合物等何れでも良いが、好ましくは水和物
としては水酸化物、オキシ水酸化物、無機酸塩としては
硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、有機酸塩としては
蟻酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク
酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アジピン酸
塩、ムチン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フタル酸
塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、トリメリット酸
塩、セバシン酸塩、ピロメリット酸塩、ステアリン酸塩
等を挙げることができ、さらに好ましくは、水酸化物、
アンモニウム塩、シュウ酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエ
ン酸塩を挙げることができるる。
【0010】セラミックスの前駆体であるような1種類
の金属元素を含有する金属化合物としては、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化バリ
ウム、水酸化スカンジウム、水酸化イットリウム、水酸
化ランタン、水酸化セリウム、水酸化ネオジウム、水酸
化サマリウム、水酸化ユウロピウム、アンモニウムミョ
ウバン、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸アルミニウ
ム、シュウ酸鉄、シュウ酸バリウム、シュウ酸スカンジ
ウム、シュウ酸イットリウム、シュウ酸ランタン、シュ
ウ酸セリウム、シュウ酸ネオジウム、シュウ酸サマリウ
ム、シュウ酸ユウロピウム、酢酸マグネシウム、酢酸ア
ルミニウム、酢酸鉄、酢酸バリウム、酢酸スカンジウ
ム、酢酸イットリウム、酢酸ランタン、酢酸セリウム、
酢酸ネオジウム、酢酸サマリウム、酢酸ユウロピウム、
酒石酸マグネシウム、酒石酸アルミニウム、酒石酸鉄、
酒石酸バリウム、酒石酸スカンジウム、酒石酸イットリ
ウム、酒石酸ランタン、酒石酸セリウム、酒石酸ネオジ
ウム、酒石酸サマリウム、酒石酸ユウロピウム、クエン
酸マグネシウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸鉄、
クエン酸バリウム、クエン酸スカンジウム、クエン酸イ
ットリウム、クエン酸ランタン、クエン酸セリウム、ク
エン酸ネオジウム、クエン酸サマリウム、クエン酸ユウ
ロピウム等を挙げることができる。
【0011】さらにセラミックスの前駆体であるような
2種類の金属元素を含有する金属化合物の例としては、
シュウ酸アルミニウムバリウム、シュウ酸アルミニウム
マグネシウム、シュウ酸マグネシウム鉄、シュウ酸アル
ミニウムケイ素、酢酸アルミニウムバリウム、酢酸アル
ミニウムマグネシウム、酢酸マグネシウム鉄、酢酸アル
ミニウムケイ素、酒石酸アルミニウムバリウム、酒石酸
アルミニウムマグネシウム、酒石酸マグネシウム鉄、酒
石酸アルミニウムケイ素、クエン酸アルミニウムバリウ
ム、クエン酸アルミニウムマグネシウム、クエン酸マグ
ネシウム鉄、クエン酸アルミニウムケイ素等を挙げるこ
とができるる。
【0012】上述した金属化合物、すなわちセラミック
スの前駆体であるような材料は、金属化合物調製時にA
元素と置換可能な元素からなる化合物、例えば酸化物等
を添加し、金属化合物中のA元素の一部が置換された金
属化合物でも良く、金属化合物は混合した酸、例えば予
めシュウ酸とクエン酸を混合して調製したものでも良
い。また金属化合物に、さらに各種金属酸化物あるいは
ガラスを添加配合しても良い。この添加配合する場合、
上述した金属化合物調製時に、各種金属酸化物あるいは
ガラスを添加して、その金属化合物中に混在させても良
い。
【0013】A元素の中から選ばれる少なくとも1種類
以上の元素を有する金属化合物あるいは構成元素のそれ
ぞれの元素の金属化合物の混合物を、熱プラズマ炎中に
導入することにより、下記一般式(1) 一般式(1) AOx (ただしXは0.5以上の
実数である。) で表されるペロブスカイト型複合酸化物を除く、セラミ
ックス粉末を得ることができ、さらに特定の熱プラズマ
条件および原材料の特定の粒度条件の時に、球状のセラ
ミックス粉末も製造でき、加えて原材料の粒度をさらに
適切に選ぶことにより、セラミックスの超微粒子も得ら
れる。
【0014】用いる熱プラズマ源としては、好ましく
は、高周波誘導プラズマ、マイクロ波誘導プラズマある
いは直流アークプラズマのいずれでも良いが、これに限
定されるものではない。
【0015】
【作用】上記一般式(1)に示したセラミックス材料あ
るいは従来の製造方法により仮焼程度に留めておいたセ
ラミックス材料を熱プラズマ炎中に供給した場合には、
熱プラズマ条件、原材料の粒度条件によっては球状ない
しは球状に近い粉末も製造することができるが、結晶性
の低い粉末しか得られず、しかも粉末の組成を要求され
る値にするためには、厳密に熱プラズマ条件をコントロ
ールする必要があり、技術的な困難さを伴う。この原因
としては、供給した材料が供給されると同時に熱プラズ
マ炎中で昇温し、超高温で溶融されるため、上記一般式
(1)に示したセラミックス粉末が酸素を放出して分解
するか、あるいは還元を受ける等の構造変化等が進行し
やすいためであると考えられる。
【0016】一方本発明の如く、熱プラズマ炎中への供
給原料として、セラミックスの前駆体であるような水和
物、無機酸塩、アンモニウム塩、有機酸塩等の金属化合
物、例えば水酸化物、オキシ水酸化物、硝酸塩、炭酸
塩、リン酸塩、硫酸塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、
プロピオン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、
クエン酸塩、アジピン酸塩、ムチン酸塩、安息香酸塩、
サリチル酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタ
ル酸塩、トリメリット酸塩、セバシン酸塩、ピロメリッ
ト酸塩、ステアリン酸塩等あるいはこれらの混合物を使
用した場合には、熱プラズマ炎中で超高温が加わると、
金属化合物の熱分解反応と、熱分解により生成されるセ
ラミックス粉末の分解あるいはガラス化反応とが前後し
て起きるが、金属化合物の熱分解反応が遅いためか、あ
るいは金属化合物自体の分解により熱プラズマによる超
高温から生成されつつあるセラミックス粉末が保護され
るために、構造変化を起こすような分解等が抑制され、
セラミックス粉末の生成反応が主反応として進行し、結
晶性の高い材料や、要求される組成の非晶質の材料が、
比較的容易に製造されると考えられる。さらに特定の熱
プラズマ条件および原材料の特定の粒度条件の時に、球
状粉末が得られ、加えてさらに原材料の粒度を適切に選
ぶことにより、セラミックスの超微粒子が得られる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、従来行なわれてきた、
焼結および粉砕工程を経由する方法と同程度の結晶性を
有するセラミックス粉末あるいは要求される組成のセラ
ミックス粉末を単一工程で製造することができ、省力化
および省エネルギー化を図ることができる。
【0018】以下の実施例に示した表1から明らかな如
く、セラミックスの前駆体である水和物、無機酸塩、有
機酸塩等の金属化合物、例えば水酸化物、硝酸塩、炭酸
塩、リン酸塩、硫酸塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、
プロピオン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、
クエン酸塩、アジピン酸塩、ムチン酸塩、安息香酸塩、
サリチル酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタ
ル酸塩、トリメリット酸塩、セバシン酸塩、ピロメリッ
ト酸塩、ステアリン酸塩等あるいはこれらの混合物を熱
プラズマ炎中に供給すれば、焼結法に匹敵するほどの結
晶性良好な粉末が得られる。
【0019】したがって、本発明により、熱プラズマ装
置を使用して、直接的にしかも連続的にセラミックス粉
末を製造することが出来るようになったことは安価なセ
ラミックス原料を提供するものであり、その産業的意義
は極めて多大である。
【0020】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明の範囲は、下記実施例により何等
限定されるものではない。
【0021】実施例1〜7 各セラミックスの前駆体である市販のシュウ酸マグネシ
ウム、シュウ酸バリウム、シュウ酸アルミニウム、シュ
ウ酸イットリウム、シュウ酸ランタン、アンモニウムミ
ョウバン、水酸化アルミニウムの篩分けを行ない、粒径
45〜63μmの粉末を得た。
【0022】次に高周波誘導熱プラズマを発生させ、こ
の熱プラズマ炎中に先に篩分けした粉末を1〜10g/
分にて供給し、セラミックス粉末を得た。得られたセラ
ミックス粉末は、X線回折実験を行ない、最強ピーク強
度比を求めた結果を表1に示した。
【0023】実施例8 撹拌機および滴下器を備えた1リットルフラスコに、鉄
粉4.47gと酢酸マグネシウム5.70gを仕込み、
1:1酢酸水溶液400mlを加え、フラスコ内を窒素
ガスで置換しながら攪拌し、徐々に沸点まで昇温させ、
鉄を溶解させる。予めシュウ酸15.6gを純水100
gに溶解させた水溶液を、沸騰しているフラスコ内に滴
下後、30分間攪拌を継続させた。冷却後、濾別洗浄
し、真空乾燥し、酸化マグネシウム鉄の前駆体であるシ
ュウ酸マグネシウム鉄の粉末を得た。さらに篩分けを行
ない、粒径45〜63μmの粉末を得た。
【0024】次に直流アーク熱プラズマを発生させ、こ
の熱プラズマ炎中に先に篩分けした粉末を1〜10g/
分にて供給し、酸化マグネシウム鉄の粉末を得た。得ら
れた酸化マグネシウム鉄の粉末は、X線回折実験を行な
い、最強ピーク強度比を求めた結果を表1に示した。
【0025】実施例9 市販のシュウ酸マグネシウムとシュウ酸鉄を等モル量ず
つ混合器にて混合後、篩分けを行ない、粒径45〜63
μmの粉末を得た。
【0026】次にマイクロ波誘導熱プラズマを発生さ
せ、この熱プラズマ炎中に先に篩分けした粉末を1〜1
0g/分にて供給し、酸化マグネシウム鉄の粉末を得
た。得られた酸化マグネシウム鉄の粉末は、X線回折実
験を行ない、最強ピーク強度比を求めた結果を表1に示
した。
【0027】
【表1】
【0028】比較例 各セラミックスの前駆体である市販のシュウ酸マグネシ
ウム、シュウ酸バリウム、シュウ酸アルミニウム、シュ
ウ酸イットリウム、シュウ酸ランタン、アンモニウムミ
ョウバン、水酸化アルミニウムの篩分けを行ない、粒径
45〜63μmの粉末を得た。この粉末を800℃1時
間電気炉により仮焼後、X線回折実験を行なった結果、
最強ピーク強度比は実施例1〜8で得られたものとほぼ
同程度であった。
【0029】実施例、および比較例におけるセラミック
ス粉末の特性は、下記方法によって測定した。日本電子
社製X線回折実験装置JDX−8030を使用し、2θ
=10〜100度の間でその回折パターンを求め、式
(2)に示すように、熱プラズマによって製造したセラ
ミックス粉末と焼結によって製造したセラミックス粉末
との最強ピーク強度比を比較した。 式(2) 最強ピーク強度比=(I/I0 ) I ;製造したセラミックス粉末のX線回折パターンの
最強ピーク強度。 I0 ;Iに対応する原料を焼結後、粉砕したセラミック
ス粉末のX線回折パターンの最強ピーク強度
【0030】なお各試料のピーク強度は、測定毎にケイ
素の(111)面のピークである2θ=28.44のピ
ーク強度によって補正を行なった。また製造したセラミ
ックス粉末は、JCPDSデータベース中の標準回折ピ
ーク位置と比較し、同定を行なった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01F 17/00 A 9040−4G C01G 49/00 A 9151−4G C04B 35/00 A 8924−4G (72)発明者 光吉 裕介 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)2種類以上の金属元素を有する金
    属化合物、 (II)1種類の金属元素を有する金属化合物あるいは
    2種類以上の混合物、 (I)および/または(II)を用いた熱プラズマによ
    るセラミックス粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるセラミックス粉
    末において、Aの金属元素が元素周期律表の第IA 族、
    第IIA 族、第IIB 族、第IIIA族、第IIIB族、第IVA 族、
    第IVB 族、第VA族、第VB族、第VIA 族、第VIIA族、第VI
    II族から選ばれる少なくとも一種類以上を用いてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のセラミックス粉末の製造
    方法。 一般式(1) AOx (ただしx は0.5以上の実
    数。)
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、Aの金属元素が
    元素周期律表の第IA族、第IIA 族、第IIIA族、第IIIB
    族、第VIIA族、第VIII族から選ばれる少なくとも一種類
    以上を用いてなることを特徴とする請求項1記載のセラ
    ミックス粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、Aの金属元素が
    B、Mg、Al、Si、Fe、Sn、Zn、Zr、N
    i、Li、Ba、Mn、Co、Sc、Y、希土類から選
    ばれる少なくとも一種類以上を用いてなることを特徴と
    する請求項1記載のセラミックス粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(1)において、Aの金属元素が
    Mg、Al、Fe、Ba、Sc、Y、希土類から選ばれ
    る少なくとも一種類以上を用いてなることを特徴とする
    請求項1記載のセラミックス粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属化合物が、水和物、無機酸塩、アン
    モニウム塩、有機酸塩であることを特徴とする請求項1
    ないし5いずれか記載のセラミックス粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属化合物が、水酸化物、オキシ水酸化
    物、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、アンモニウム
    塩、蟻酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コ
    ハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アジピ
    ン酸塩、ムチン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フタ
    ル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、トリメリッ
    ト酸塩、セバシン酸塩、ピロメリット酸塩あるいはステ
    アリン酸塩であることを特徴とする請求項1ないし5い
    ずれか記載のセラミックス粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱プラズマ源として高周波誘導プラズ
    マ、マイクロ波誘導プラズマまたは直流アークプラズマ
    を用いることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記
    載のセラミックス粉末の製造方法。
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