JPH0589145U - 直流情報入力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】不正な回り込みを防止するとともに入力検知用
フォトカプラの故障を確実に検知する。 【構成】複数の入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎの発
光ダイオ−ドに制御信号入力端子から順次制御信号を入
力して入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎを順次オンに
する。このオンになった入力検知用フォトカプラ４ａ〜
４ｎのフォトトランジスタに直流情報が入力したとき
に、その直流情報を情報送出用フォトカプラ２０の発光
ダイオ−ドに送り、情報送出用フォトカプラ２０のフォ
トトランジスタをオンにして出力端子から直流情報が入
力されていることを知らせる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、鉄道の信号保安設備に例えばＡＴＣ等の直流情報を入力する直流 情報入力装置、特に入力する直流情報の不正な回り込みの防止に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

鉄道信号用としてマイクロプロセッサ等のデジタル回路で構成された装置に直 流情報を入力するために、図３の回路図に示すように、例えば軌道回路条件によ り動作するスイッチ１ａ〜１ｎがオン，オフすることにより入力される直流情報 を判別して、スイッチ１ａ〜１ｎの状態をＡＴＣ装置等に知らせる直流情報入力 装置２が使用されている。

【０００３】 この直流情報入力装置２はスイッチ１ａ〜１ｎにそれぞれ接続された複数の入 力端子３ａ〜３ｎと、入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎと、制御信号入力用フ ォトカプラ５と、複数の出力端子６ａ〜６ｎと、制御信号入力端子７とを有する 。

【０００４】 入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎの発光ダイオ−ド８ａ〜８ｎはそれぞれ保 護用のダイオ−ド１２ａ〜１２ｎが取り付けられ、抵抗１０ａ〜１０ｎとダイオ −ド１１ａ〜１１ｎを介して各入力端子３ａ〜３ｎと制御信号入力用フォトカプ ラ５のフォトトランジスタ１４のコレクタに接続されている。フォトトランジス タ９ａ〜９ｎの抵抗を介して直流電源に接続された出力端はそれぞれインバ−タ １３ａ〜１３ｎを介しては各出力端子６ａ〜６ｎに接続されている。また、制御 信号入力用フォトカプラ５のフォトトランジスタ１４のエミッタは０Ｖの入力端 子１６に接続され、発光ダイオ−ド１５はインバ−タ１７を介して制御信号入力 端子７に接続されている。

【０００５】 上記のように構成された直流情報入力装置２の制御信号入力端子７に高レベル の制御信号を入力すると制御信号入力用フォトカプラ５の発光ダイオ−ド１５に 電流が流れフォトトランジスタ１４をオンにする。この状態で軌道回路条件によ り動作するスイッチ１ａ〜１ｎの１つ、例えばスイッチ１ｂがオンになると、入 力検知用フォトカプラ４ｂの発光ダイオ−ド８ｂに電流が流れ、フォトトランジ スタ９ｂをオンにして出力を低レベルにする。このため出力端子６ｂの出力が高 レベルになり、スイッチ１ｂがオンになっていることをＡＴＣ装置等に知らせる 。このようにして各出力端子６ａ〜６ｎから出力される直流情報により軌道回路 の条件を知らせることができる。

【０００６】 また、制御信号入力端子７に入力している制御信号を低レベルにすると、制御 信号入力用フォトカプラ５の発光ダイオ−ド１５に電流が流れなくなり、フォト トランジスタ１４をオフにする。このとき入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎに 異常がなければスイッチ１ａ〜１ｎのオン，オフにかかわらず各出力端子６ａ〜 ６ｎの出力は低レベルになる。そこでこのときの各出力端子６ａ〜６ｎの出力レ ベルを照査することにより、入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎに故障が生じて いるか否かを確認することができる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、制御信号入力端子７に高レベルの制御信号が入力され、スイッ チ１ｂがオンになっているときに、例えば入力検知用フォトカプラ４ａと入力端 子３ａ間に接続されたダイオ−ド１１ａが故障して短絡していると、スイッチ１ ｂから入力検知用フォトカプラ４ｂの発光ダイオ−ド８ｂに流れた電流は入力検 知用フォトカプラ４ａの保護用のダイオ−ド１２ａを通って入力端子３ａに流れ 、この電流が他の装置に回り込んでしまう。このためスイッチ１ａはオフである のに、スイッチ１ａがオンであるという誤った情報を他の装置に送る危険性があ る。このため複数の装置に軌道回路の条件等を入力する場合には、スイッチ１ａ 〜１ｎやリレ−を装置毎に設ける必要があり、構成部品が多くなってしまう。

【０００８】 また、制御信号入力用フォトカプラ５が故障して短絡すると入力検知用フォト カプラ４ａ〜４ｎの故障を検知することができなくなってしまう。

【０００９】 この考案はかかる短所を解決するためになされたものであり、不正な回り込み を防止するとともに入力検知用フォトカプラの故障を確実に検知することができ る直流情報入力装置を得ることを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この考案に係る直流情報入力装置は、複数の情報入力端子と、複数の入力検知 用フォトカプラと、情報送出用フォトカプラと、複数の制御信号入力端子とを有 し、情報入力端子はそれぞれ異なる直流情報を入力し、入力検知用フォトカプラ は各情報入力端子に直流情報が入力されていることを判別して情報送出用フォト カプラに送り出すものであり、フォトトランジスタはそれぞれ各情報入力端子と 情報送出用フォトカプラの発光ダイオ−ドとの間に接続され、発光ダイオ−ドは それぞれ各制御信号入力端子に接続され、情報送出用フォトカプラは入力検知用 フォトカプラで判別した結果を送り出すものであり、フォトトランジスタが出力 端子に接続され、制御信号入力端子には制御信号を順次入力することを特徴とす る。

【００１１】

【作用】

この考案においては、複数の入力検知用フォトカプラの発光ダイオ−ドに制御 信号入力端子から順次制御信号を入力して入力検知用フォトカプラを順次オンに する。このオンになった入力検知用フォトカプラのフォトトランジスタに直流情 報が入力したときに、その直流情報を情報送出用フォトカプラの発光ダイオ−ド に送り、情報送出用フォトカプラのフォトトランジスタをオンにして出力端子か ら直流情報が入力されていることを知らせる。

【００１２】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例を示す回路図である。図に示すように、直流情報入 力装置２は、軌道回路条件により動作するスイッチ１ａ〜１ｎが接続された複数 の入力端子３ａ〜３ｎと照査条件により動作するスイッチ１ｓが接続された入力 端子３ｓと、入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎと照査用フォトカプラ４ｓと、 情報送出用フォトカプラ２０と、複数の制御信号入力端子７ａ〜７ｎ，７ｓと出 力端子６とを有する。

【００１３】 入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎと照査用フォトカプラ４ｓのフォトトラン ジスタ９ａ〜９ｎ，９ｓはそれぞれ保護用のダイオ−ド１２ａ〜１２ｎ，１２ｓ が取り付けられ、抵抗１０ａ〜１０ｎ，１０ｓとダイオ−ド１１ａ〜１１ｎ，１ １ｓを介して各入力端子３ａ〜３ｎ，３ｓと情報送出用フォトカプラ２０の発光 ダイオ−ド２１との間に接続されている。また、各発光ダイオ−ド８ａ〜８ｎ， ８ｓは抵抗２３ａ〜２３ｎ，２３ｓとインバ−タ２４ａ〜２４ｎ，２４ｓを介し て直流電源と各制御信号入力端子７ａ〜７ｎ，７ｓとの間に接続されている。情 報送出用フォトカプラ２０の発光ダイオ−ド２１のカソ−ドは０Ｖの入力端子１ ６に接続され、抵抗２５を介して直流電源に接続されたフォトトランジスタ２２ の出力端はインバ−タ２６を介しては出力端子６に接続されている。

【００１４】 上記のように構成された直流情報入力装置２の動作を図２の波形図を参照して 説明する。

【００１５】 制御信号入力端子７ａ〜７ｎに例えば後段のＡＴＣ装置等から一定周期で制御 信号ａ，ｂ〜ｎを順次入力して、入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎの発光ダイ オ−ド８ａ〜８ｎを順番に導通させ、入力検知用フォトカプラ４ａ〜４ｎのフォ トトランジスタ９ａ〜９ｎのオン，オフを順番に繰り返す。この状態で軌道回路 条件により動作するスイッチ１ａ〜１ｎの１つ、例えばスイッチ１ｂがオンにな ると、入力検知用フォトカプラ４ｂのフォトトランジスタ９ｂがオンになってい るときに、フォトトランジスタ９ｂを介して情報送出用フォトカプラ２０の発光 ダイオ−ド２１に電流が流れ、フォトトランジスタ２２をオンにして出力を低レ ベルにする。したがって入力端子７ｂに制御信号ｂが入力しているときだけ出力 端子６から高レベルの出力信号をＡＴＣ装置等に送り出す。ＡＴＣ装置等はこの 高レベルの出力信号が送られたときに送り出している制御信号の順番を確認する ことにより軌道回路の条件を知ることができる。

【００１６】 このように、例えばスイッチ１ｂがオンになり、入力検知用フォトカプラ４ｂ のフォトトランジスタ９ｂから情報送出用フォトカプラ２０の発光ダイオ−ド２ １に電流が流れているときに、例えば入力検知用フォトカプラ４ａと入力端子３ ａ間に接続されたダイオ−ド１１ａが故障して短絡しても、入力端子３ａには電 流が回り込まないから、誤った情報を他の装置に送る危険性を防ぐことができる 。したがって１組のスイッチ１ａ〜１ｎを利用して多くの装置に軌道回路の条件 を振り分けることができる。

【００１７】 また、制御信号入力端子７ａ〜７ｎに入力している制御信号ａ，ｂ〜ｎを全て 低レベルにし、制御信号入力端子７ｓに高レベルの照査制御信号を入力して、照 査用フォトカプラ４ｓのフォトトランジスタ９ｓをオンにした状態で照査用のス イッチ１ｓをオンにすると、フォトトランジスタ９ｓを介して情報送出用フォト カプラ２０の発光ダイオ−ド２１に電流が流れる。この発光ダイオ−ド２１に電 流が流れたときに、情報送出用フォトカプラ２０が正常に動作しているとフォト トランジスタ２２がオンになり、出力端子６から高レベルの出力信号を送り出す 。そこで制御信号入力端子７ｓに高レベルの照査制御信号を入力し、照査用のス イッチ１ｓをオンにしたときに出力端子６から高レベルの出力信号が送り出され ら、情報送出用フォトカプラ２０が正常に動作していると判断できる。また、こ のときに出力端子６から高レベルの出力信号が送り出されなかった場合は、発光 ダイオ−ド２１の故障と判断できる。さらに、出力端子６から常時高レベルの出 力信号が送り出されるときは、フォトトランジスタ２２が短絡していると判断で きる。このようにして、定期的に照査制御信号を入力し照査用のスイッチ１ｓを オンにすることにより、情報送出用フォトカプラ２０の異常の有無を確実に確認 することができる。

【００１８】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように、複数の入力検知用フォトカプラの発光ダイオ −ドに制御信号入力端子から順次制御信号を入力して入力検知用フォトカプラを 順次オンにし、このオンになった入力検知用フォトカプラのフォトトランジスタ に直流情報が入力したときに、その直流情報を情報送出用フォトカプラの発光ダ イオ−ドに送り、情報送出用フォトカプラのフォトトランジスタをオンにして出 力端子から直流情報が入力されていることを知らせるから、高レベルの出力信号 が送られたときに送り出している制御信号の順番を確認することにより軌道回路 の条件等の情報を正確に知ることができる。

【００１９】 また、入力検知用フォトカプラのフォトトランジスタと情報送出用フォトカプ ラの発光ダイオ−ドを直接接続することにより、構成素子に短絡が生じても入力 端子に回り込みが発生することを防止することができる。したがって複数の装置 に軌道回路の条件等の情報を伝えるときに、１組の情報入力手段で情報を入力す ることができ、情報入力手段の構成を単純化することができる。

【００２０】 さらに、直流情報を利用して情報送出用フォトカプラの故障発生を検知するこ とができるから、装置の安定性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す回路図である。

【図２】上記実施例の動作を示す波形図である。

【図３】従来例を示す回路図である。

【符号の説明】

１ａ〜１ｎ，１ｓ スイッチ ２ 直流情報入力装置 ３ａ〜３ｎ，３ｓ 入力端子 ４ａ〜４ｎ 入力検知用フォトカプラ ４ｓ 照査用フォトカプラ ６ 出力端子 ７ａ〜７ｎ，７ｓ 制御信号入力端子 ２０ 情報送出用フォトカプラ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の情報入力端子と、複数の入力検知
   用フォトカプラと、情報送出用フォトカプラと、複数の
   制御信号入力端子とを有する直流情報入力装置であっ
   て、情報入力端子はそれぞれ異なる直流情報を入力し、
   入力検知用フォトカプラは各情報入力端子に直流情報が
   入力されていることを判別して情報送出用フォトカプラ
   に送り出すものであり、フォトトランジスタはそれぞれ
   各情報入力端子と情報送出用フォトカプラの発光ダイオ
   −ドとの間に接続され、発光ダイオ−ドはそれぞれ各制
   御信号入力端子に接続され、情報送出用フォトカプラは
   入力検知用フォトカプラで判別した結果を送り出すもの
   であり、フォトトランジスタが出力端子に接続され、制
   御信号入力端子には制御信号を順次入力することを特徴
   とする直流情報入力装置。