JPH0588524U

JPH0588524U - 下腕筋力回復用補装具

Info

Publication number: JPH0588524U
Application number: JP5847591U
Authority: JP
Inventors: 浩道堀; 純生滝川
Original assignee: 株式会社飯倉総合研究所
Priority date: 1991-06-28
Filing date: 1991-06-28
Publication date: 1993-12-03

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、腕の筋力のリハビリ治療における
身体への装着型の補装具に関するものである。【構成】上腕部上方に固定されるサポ−タ−と、下腕
部の外側を覆うプレ−トと、当該プレ−トの両側にあっ
て、肘の内側にのびるフランジと、このフランジに固設
されるプ−リ−とよりなり、夫々の一端を並列して前記
サポ−タ−に固定された２本の空気圧アクチュエ−タ−
と、この２本のアクチュエ−タ−の他端を夫々プ−リ−
に直接又は間接に連結し、アクチュエ−タ−内への空気
の給排によりプ−リ−を回動させ、下腕部を覆うプレ−
トを上下に運動させることを特徴とする下腕筋力回復用
補装具。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、腕の筋力のリハビリ治療における身体への装着型の補装具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

交通事故を始めとして、各種事故に見舞われ、腕の筋力を失った者の筋力の機能を回復するための補助装置にあっては、未だ充分なものが存在せず、一般にはトレ−ニング施設において回復訓練をすることになるが、かかる施設にあっても訓練装置の数が足りず、短時間のトレ−ニングしかできないのが現状である。しかも、この訓練装置もトレ−ニング室内等に備えつけの装置であって、これを身体に装着したままで常時訓練を行うことは全く考慮に入れられていない。特に、この種の訓練装置はその駆動源が電動式や油圧式であるため、重量が大きくかつ容積もかさばるために、日常的に身体に装着して用いることは不可能であった。

【０００３】従って、筋力の回復訓練を受けようとする者は、トレ−ニング施設に出向き、しかも装置も充分に整っていないため、トレ−ニング時間は短時間しかできないという状態であり、身体に装着し或いは自宅での訓練トレ−ニング可能な装置が望まれていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、以上のような従来の技術によってなし得なかった、身体への装着型の補装具を提案するものである。そして、その補装具にあっては、駆動系に小型で軽量かつ人の筋力の動きと類似する動作をなす、空気圧で作動するゴム製のアクチュエ−タ−を使用するものであって、このことにより、これを日常的に身体に装着して使用することが可能となったものであり、勿論、着衣や医療用バンド等に組み込むことも可能であって、その利便性は大きく、失った筋力の機能回復訓練用として使用できる補装具であることは勿論、これを身体に装着して障害者の社会活動への参加、復帰をも図れるものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上の目的を達成するために開発を重ねた結果、以下の構成を採ることにより目的を達成したものである。即ち、本考案の要旨は、上腕部上方に固定されるサポ−タ−と、下腕部の外側を覆うプレ−トと、当該プレ−トの両側にあって肘の内側にのびるフランジと、このフランジに固設されるプ−リ−とよりなり、夫々の一端を並列して前記サポ −タ−に固定された２本の空気圧アクチュエ−タ−と、この２本のアクチュエ− タ−の他端を夫々プ−リ−に直接又は間接に連結し、アクチュエ−タ−内への空気の給排によりプ−リ−を回動させ、下腕部を覆うプレ−トを上下に運動させることを特徴とする下腕筋力回復用補装具にかかるものである。

【０００６】

【作用】

上記のように構成した補装具にあって、一方のアクチュエ−タ−に加圧空気を送りつつ、他方のアクチュエ−タ−から加圧空気を排出することによってプ−リ −が回動され、これによってプレ−トがプ−リ−の回動と共に上下することとなるのである。いまプ−リ−の半径をｒとし一方のアクチュエ−タ−がｒθだけ収縮したとすると、アクチュエ−タ−に連結されたプ−リ−はθだけ回動する。これに対し、他方のアクチュエ−タ−はｒθだけ伸長するので、プ−リ−はθ だけ同一方向に回転する。このため、各アクチュエ−タ−に直接又は間接に連結されたプ−リ−は２θ回転することになる。即ち、プ−リ−の回転角は大きく、かつスム−ズに回転することになり、これに伴ないプレ−トも大きな角度をもって上下に回動することになるのである。

【０００７】

【実施例】以下図面を参照して本考案の補装具を更に詳細に説明する。図１は本考案の補装具の斜視図である。図中、１は上腕部の上方に固定されるサポ−タ−であり、これはしっかりと固定される必要があるため、図示はしないが、例えばアメリカンフットボ−ルにて使用されるプロテクタ−タイプのショルダ−パッドに連結されているのが好ましく、このパッドは腰部のベルトに連結されてしっかりと固定されるのが良い。

【０００８】２は下腕の外側を覆うプレ−トであって、プラスチック板等の軽量体によって断面が湾曲をなしている。このプレ−ト２には下腕を固定するために、柔軟なベルト３が備えられている。又、プレ−ト２の肘部にあっては、肘の内側に向けられてフランジ４が形成され、このフランジ４にはプ−リ−５が固設されている。この例にあっては、肘の内側にあって、フランジ４、４間がピン６にて連結されている。

【０００９】さて、前記したサポ−タ−１には一対の空気圧アクチェ−タ−７、８の一端が固定され、このアクチュエ−タ−７、８の他端はプ−リ−５に巻回されている。

【００１０】しかるに、図にあって、下腕を上げる（Ｘ方向）には、アクチュエ−タ−７内に圧縮空気を送りこんでアクチュエ−タ−７を縮めることとし、一方、同時にアクチュエ−タ−８内の圧縮空気を排出してアクチュエ−タ−８を伸ばすものである。このため、プ−リ−５は矢印Ａの方向に回転し、下腕がＸ方向に上がることとなる。即ち、これを交互に繰り返すことにより下腕が上下に動くことになったのである。

【００１１】本考案にあって、予めアクチュエ−タ−７、８に圧縮空気を送り込んでおき、プ−リ−５を所定の位置となるよう張力を調整しておくものである。尚、図示なしないが、このアクチュエ−タ−７、８の表面には軽量のプラスチックカバ−で覆うことにより更に安全性が確保される。

【００１２】又、プ−リ−にあっては、これをギヤにて置き換えることができ、この場合、アクチュエ−タ−７、８との連結はチェ−ンを用いるものである。

【００１３】図２及び図３は空気圧アクチュエ−タ−７、８の作動の概念を示したものであり、図２は排気時の、図３は給気時のアクチュエ−タ−の様子を示している。このアクチュエ−タ−７、８は、ゴムホ−ス９が主体であって、これはゴムホ −ス９の表面を織布１０をもって覆っている。そして、この織布１０を形成する縦糸１１と横糸１２は、ゴムホ−ス９の長手方向に対して５４度以内の角度φに配置されている。

【００１４】この傾斜角５４度は、ゴムホ−ス等において内圧をかけた場合、かかる角度をもってホ−スがこれ以上径を大きくしない、いわゆる静止角度というものであって、これはよく知られた事実である。即ち、予めこの静止角度よりも小さい角度φをもって織布１０がゴム表面を覆った場合、ゴムホ−スの内圧を高めると、かかる静止角度（５４度）にまで径を大きくすることができ得るものであって、逆に言えばゴムホ−スの長さは縮むこととなる。

【００１５】図３はこのゴムホ−スの内圧が高められ、ホ−スの長さが縮んだ状態を示し、この織布９を形成する糸１１、１２の角度φは、５４度の静止角度に近い角度となったものである。尚、ゴム層内に前記織布を埋入したホ−スをもってアクチュエ−タ−とすることも可能である。

【００１６】本考案は、このような伸縮作用をなすアクチュエ−タ−７、８を２本連結したものであり、アクチュエ−タ−の一方（７）を給気した時は、他方（８）を排気として、プ−リ−５にスム−ズな回転力と回転角の大きな動きを与え、下腕を支えるプレ−ト２の上下動をスム−ズにさせるものである。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上のようにプレ−ト上に下腕を載せることで患者の状況にあわせてリハビリ治療が可能となったものである。そして、特に、身体へ装着されるために、リハビリテ−ション施設にわざわざ出かけて行く必要はなく、自由にどこででも訓練することが可能となったものであり、場合によっては、患者が寝たままでも腕の機能回復の訓練ができる等その利用価値は高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の補装具の斜視図である。

【図２】図２は空気圧アクチュエ−タ−の排気時の一部
切り欠き側面図である。

【図３】図３は空気圧アクチュエ−タ−の給気時の一部
切り欠き側面図である。

【符号の説明】

１‥‥サポ−タ− ２‥‥プレ−ト３‥‥ベルト４‥‥フランジ５‥‥プ−リ− ７、８‥‥空気圧アクチェ−タ− ９‥‥ゴムホ−ス１０‥‥織布１１‥‥縦糸１２‥‥横糸

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】上腕部上方に固定されるサポ−タ−と、
下腕部の外側を覆うプレ−トと、当該プレ−トの両側に
あって、肘の内側にのびるフランジと、このフランジに
固設されるプ−リ−とよりなり、夫々の一端を並列して
前記サポ−タ−に固定された２本の空気圧アクチュエ−
タ−と、この２本のアクチュエ−タ−の他端を夫々プ−
リ−に直接又は間接に連結し、アクチュエ−タ−内への
空気の給排によりプ−リ−を回動させ、下腕部を覆うプ
レ−トを上下に運動させることを特徴とする下腕筋力回
復用補装具。