JPH0588316B2 - - Google Patents
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- JPH0588316B2 JPH0588316B2 JP61040656A JP4065686A JPH0588316B2 JP H0588316 B2 JPH0588316 B2 JP H0588316B2 JP 61040656 A JP61040656 A JP 61040656A JP 4065686 A JP4065686 A JP 4065686A JP H0588316 B2 JPH0588316 B2 JP H0588316B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、鉄筋コンクリート構造物に電極体を
取り付けることによつてそのコンクリート構造物
中の鉄筋を防食する方法に関し、特にその電極体
の取付方法の改良に関するものである。
取り付けることによつてそのコンクリート構造物
中の鉄筋を防食する方法に関し、特にその電極体
の取付方法の改良に関するものである。
コンクリート構造物中の鉄筋は、コンクリート
の中性化及び塩分濃度の増加に伴つて腐食し、そ
のコンクリート構造物の機能を低下させることが
ある。例えば、臨海及び海洋環境において海水、
波浪及び気温の変化等に起因して、コンクリート
中の塩分濃度が上昇したり、あるいはコンクリー
トが中性化し、このような環境下におかれたコン
クリート構造物を防食する方法として電気防食が
ある。これは、電解質であるコンクリートを介し
て電極体からコンクリート中の鉄筋に直流電流を
流通させてその鉄筋を飽和硫酸銅電極基準(−
850mVCSE)よりも低い電位に維持することによ
つて達成されるものである。
の中性化及び塩分濃度の増加に伴つて腐食し、そ
のコンクリート構造物の機能を低下させることが
ある。例えば、臨海及び海洋環境において海水、
波浪及び気温の変化等に起因して、コンクリート
中の塩分濃度が上昇したり、あるいはコンクリー
トが中性化し、このような環境下におかれたコン
クリート構造物を防食する方法として電気防食が
ある。これは、電解質であるコンクリートを介し
て電極体からコンクリート中の鉄筋に直流電流を
流通させてその鉄筋を飽和硫酸銅電極基準(−
850mVCSE)よりも低い電位に維持することによ
つて達成されるものである。
硬化したコンクリート構造物中の鉄筋に電気防
食を適用するには、電極部材及び導電剤又はセメ
ントモルタル等のバツクフイル材から成る電極体
をコンクリートの全面又は表面の一部に取り付け
る。前記バツクフイル材は電極部材及びコンクリ
ート表面に接触して電極部材から鉄筋への防食電
流の供給を容易にする作用がある。従来このよう
な施工は、橋床版上面のような個所に数多く行な
われているが、構造物の垂直面又は下面(底面)
に対しては電極体の形成が物理的に困難なことか
ら実施されている例は少ない。
食を適用するには、電極部材及び導電剤又はセメ
ントモルタル等のバツクフイル材から成る電極体
をコンクリートの全面又は表面の一部に取り付け
る。前記バツクフイル材は電極部材及びコンクリ
ート表面に接触して電極部材から鉄筋への防食電
流の供給を容易にする作用がある。従来このよう
な施工は、橋床版上面のような個所に数多く行な
われているが、構造物の垂直面又は下面(底面)
に対しては電極体の形成が物理的に困難なことか
ら実施されている例は少ない。
この例として、コンクリート構造物の垂直面に
線状電極を網状に固定し、この全面にバツクフイ
ル材であるセメントモルタルを吹き付けて電極体
を形成する方法および溶融亜鉛をコンクリート表
面に吹き付けて硬化させ、これを電気防食用の犠
牲陽極とする方法が知られている。
線状電極を網状に固定し、この全面にバツクフイ
ル材であるセメントモルタルを吹き付けて電極体
を形成する方法および溶融亜鉛をコンクリート表
面に吹き付けて硬化させ、これを電気防食用の犠
牲陽極とする方法が知られている。
しかしながら、前記の線状電極をバツクフイル
材の吹付によつてコンクリート構造物に固定する
方法では、硬化後長時間経過したコンクリートの
表面には、モルタルが接着し難いためにコンクリ
ート表面を十分に前処理する必要があり、またそ
の表面処理を施してもモルタルの接着力は経時的
に低下してモルタルが剥離し、モルタルそのもの
の中性化による劣化を考慮して予めモルタルを厚
く吹き付けておかなければならないために多量の
モルタルを要し、しかも吹き付けた要する機材の
規模が大きいために施工場所が制限され、さら
に、モルタルを均一に吹き付けるためには施工者
の熟練が必要であることなど多くの欠点がある。
材の吹付によつてコンクリート構造物に固定する
方法では、硬化後長時間経過したコンクリートの
表面には、モルタルが接着し難いためにコンクリ
ート表面を十分に前処理する必要があり、またそ
の表面処理を施してもモルタルの接着力は経時的
に低下してモルタルが剥離し、モルタルそのもの
の中性化による劣化を考慮して予めモルタルを厚
く吹き付けておかなければならないために多量の
モルタルを要し、しかも吹き付けた要する機材の
規模が大きいために施工場所が制限され、さら
に、モルタルを均一に吹き付けるためには施工者
の熟練が必要であることなど多くの欠点がある。
また、溶融亜鉛をコンクリート表面に吹き付け
て硬化させ、これを電気防食用の犠牲陽極とする
前記方法では、金属亜鉛がコンクリート表面との
接触部から腐食するためにその接着力は次第に低
下し、亜鉛陽極がコンクリート表面から剥離する
という問題がある。
て硬化させ、これを電気防食用の犠牲陽極とする
前記方法では、金属亜鉛がコンクリート表面との
接触部から腐食するためにその接着力は次第に低
下し、亜鉛陽極がコンクリート表面から剥離する
という問題がある。
さらに、鉄筋コンクリート製の橋梁における下
部構造、すなわち、梁、桁および支柱等は強度の
点で極めて重要である上に腐食を受けやすいため
に防食が特に必要であるが、これらの下部構造は
比較的幅が狭く、かつ長さ当りの平面面積が小さ
いために、上述のようなバツクフイル材または陽
極材を前記下部構造物に吹き付ける方法は、広い
平面を有する構造物に施工する場合と異なつて作
業性が悪く、また経済的ではない等の欠点があ
る。
部構造、すなわち、梁、桁および支柱等は強度の
点で極めて重要である上に腐食を受けやすいため
に防食が特に必要であるが、これらの下部構造は
比較的幅が狭く、かつ長さ当りの平面面積が小さ
いために、上述のようなバツクフイル材または陽
極材を前記下部構造物に吹き付ける方法は、広い
平面を有する構造物に施工する場合と異なつて作
業性が悪く、また経済的ではない等の欠点があ
る。
本発明は、上記の問題点を解決するために発明
されたもので、耐久性に優れ、かつ構造物の垂直
面や下端面、あるいは狭い場所にも容易に取り付
けることができる電極体によつてコンクリート構
造物を防食することを目的とし、鉄筋コンクリー
ト構造物に電極体を取り付けることによつて、そ
のコンクリート構造物を防食する方法において、
前記コンクリート構造物に接合部材を固設してか
ら、この接合部材に電極部材を固定し、ついで開
口部を有する支持容器にバツクフイル材を充填し
た後、その開口部を前記コンクリート構造物の表
面に臨ませてこの支持容器を前記接合部材と結合
させるとともに、前記バツクフイル材を前記コン
クリート構造物の表面に圧接接合させることによ
つて、前記接合部材、電極部材、支持容器および
バツクフイル材からなる電極体を前記コンクリー
ト構造物に装着することを特徴とするものであ
る。
されたもので、耐久性に優れ、かつ構造物の垂直
面や下端面、あるいは狭い場所にも容易に取り付
けることができる電極体によつてコンクリート構
造物を防食することを目的とし、鉄筋コンクリー
ト構造物に電極体を取り付けることによつて、そ
のコンクリート構造物を防食する方法において、
前記コンクリート構造物に接合部材を固設してか
ら、この接合部材に電極部材を固定し、ついで開
口部を有する支持容器にバツクフイル材を充填し
た後、その開口部を前記コンクリート構造物の表
面に臨ませてこの支持容器を前記接合部材と結合
させるとともに、前記バツクフイル材を前記コン
クリート構造物の表面に圧接接合させることによ
つて、前記接合部材、電極部材、支持容器および
バツクフイル材からなる電極体を前記コンクリー
ト構造物に装着することを特徴とするものであ
る。
コンクリート構造物の鉄筋を直流電源の陰極
に、また電極体の電極部材を陽極に接続してそれ
らの間に一定電流を流すと、電極部材からバツク
フイル材およびコンクリートを介して鉄筋に防食
電流が流れ、それによつて前記鉄筋の腐食は防止
される。
に、また電極体の電極部材を陽極に接続してそれ
らの間に一定電流を流すと、電極部材からバツク
フイル材およびコンクリートを介して鉄筋に防食
電流が流れ、それによつて前記鉄筋の腐食は防止
される。
以下、本発明の実施例を添附図面に基づいて詳
述する。
述する。
第1図の本発明方法において使用される電極体
の構造を示し、電極体1は、複数の接合部材2、
この接合部材2に係止される支持容器3、接合部
材2を対象物に固設するプラグ4、接合部材2に
固定される電極部材5および支持容器3内に充填
されるバツクフイル材6等から構成される。接合
部材2は第2図に示すように断面略コ字状を呈
し、上壁2aの内面略中央には所定の間隔で2つ
のガイド壁2b,2bが互いに平行に立設され、
かつ開口端の内面はそれぞれ僅かに膨出して開口
部2cが狭くなつており、両側壁2e,2eの各
先端にはそれぞれ外方に略直角に突出する爪状の
鉤2f,2fが形成され、さらに上壁2aには両
側壁2e,2eと、対向する各ガイド壁2b,2
bとの略中間位置に孔2g,2gが穿設されてい
る。この接合部材2は例えば合成樹脂で形成され
る。
の構造を示し、電極体1は、複数の接合部材2、
この接合部材2に係止される支持容器3、接合部
材2を対象物に固設するプラグ4、接合部材2に
固定される電極部材5および支持容器3内に充填
されるバツクフイル材6等から構成される。接合
部材2は第2図に示すように断面略コ字状を呈
し、上壁2aの内面略中央には所定の間隔で2つ
のガイド壁2b,2bが互いに平行に立設され、
かつ開口端の内面はそれぞれ僅かに膨出して開口
部2cが狭くなつており、両側壁2e,2eの各
先端にはそれぞれ外方に略直角に突出する爪状の
鉤2f,2fが形成され、さらに上壁2aには両
側壁2e,2eと、対向する各ガイド壁2b,2
bとの略中間位置に孔2g,2gが穿設されてい
る。この接合部材2は例えば合成樹脂で形成され
る。
支持容器3は、第2図に示すように断面略コ字
状をなし、前記接合部材2に外嵌する樋状に形成
され、両側壁3b,3bにはそれぞれ接合部材2
の両側壁2e,2eの各鉤2f,2fが嵌合する
スリツト3c,3cが長手方向に沿つて所定の間
隔で複数個所設けられ、さらに長手方向の一端面
3d(第1図)には、開口端側に開口する切欠3
eが形成されている。この支持容器3は、例えば
接合部材2と同様に合成樹脂でつくられ、その長
さは幅の2倍以上となつているのが好ましい。
状をなし、前記接合部材2に外嵌する樋状に形成
され、両側壁3b,3bにはそれぞれ接合部材2
の両側壁2e,2eの各鉤2f,2fが嵌合する
スリツト3c,3cが長手方向に沿つて所定の間
隔で複数個所設けられ、さらに長手方向の一端面
3d(第1図)には、開口端側に開口する切欠3
eが形成されている。この支持容器3は、例えば
接合部材2と同様に合成樹脂でつくられ、その長
さは幅の2倍以上となつているのが好ましい。
電極部材(陽極部材)5は、例えば、白金メツ
キチタン線(Pt−Ti線)で構成するのが好まし
いが、その他、導電性樹脂、グラフアイト等でつ
くることもできる。
キチタン線(Pt−Ti線)で構成するのが好まし
いが、その他、導電性樹脂、グラフアイト等でつ
くることもできる。
バツクフイル材としてはセメントモルタルが好
都合に使用され、導電性樹脂粉末やグラフアイト
を混入したセメントモルタルを使用することもで
きる。
都合に使用され、導電性樹脂粉末やグラフアイト
を混入したセメントモルタルを使用することもで
きる。
つぎに、電極体1をコンクリート構造物に取り
付ける方法について説明する。
付ける方法について説明する。
第3図に示すように、先ず、コンクリート構造
物10の例えば下面(底面)10aの適宜個所を
ワイヤブラシ等で清浄にした後、接合部材2の各
孔2g,2gと対応させて一対の孔10b,10
bを直線上に所定の間隔をあけて複数個所、例え
ば3個所、都合6個穿設する。ついで、各一対の
孔10b,10bに各接合部材2の各孔2g,2
gを合致させ、かつ上壁2aを下面10aに当接
させて耐食性のプラグ4を各接合部材2の各孔2
gを介してコンクリート構造物10aの対応する
各孔10bに圧入し、各接合部材2をコンクリー
ト構造物10の下面10aに強固に固設した後、
各接合部材2のガイド壁2b,2b(第2図)間
の各空間2d内にその開口端2cから電極部材5
を圧入嵌装する。このようにしてコンクリート構
造物10の下面10aに電極部材5を固定する。
物10の例えば下面(底面)10aの適宜個所を
ワイヤブラシ等で清浄にした後、接合部材2の各
孔2g,2gと対応させて一対の孔10b,10
bを直線上に所定の間隔をあけて複数個所、例え
ば3個所、都合6個穿設する。ついで、各一対の
孔10b,10bに各接合部材2の各孔2g,2
gを合致させ、かつ上壁2aを下面10aに当接
させて耐食性のプラグ4を各接合部材2の各孔2
gを介してコンクリート構造物10aの対応する
各孔10bに圧入し、各接合部材2をコンクリー
ト構造物10の下面10aに強固に固設した後、
各接合部材2のガイド壁2b,2b(第2図)間
の各空間2d内にその開口端2cから電極部材5
を圧入嵌装する。このようにしてコンクリート構
造物10の下面10aに電極部材5を固定する。
つぎに、支持容器3内にバツクフイル材、すな
わち、セメントモルタル6を少し過剰に充填して
から、支持容器3を各接合部材2に外嵌させつつ
構造物の10の下面10aに押しつけて各爪状鉤
2fを当該支持容器3の対応する各スリツト3c
内に嵌合させ、各接合部材2に支持容器3を係止
保持させる。この状態において、電極部材5の一
端は支持容器3の切欠3e(第1図)を介して支
持容器3の外方に突出し、支持容器3内のセメン
トモルタル6は、第4図に示すように接合部材2
の部分を除いて電極部材5を囲んで全周にわたつ
て当接するとともにコンクリート構造物10の下
面10aに圧着し、構造物10と電極部材5とを
電気的に接続する。このようにして、コンクリー
ト構造物10の下面10aに電極体1を形成かつ
取付けることができる。
わち、セメントモルタル6を少し過剰に充填して
から、支持容器3を各接合部材2に外嵌させつつ
構造物の10の下面10aに押しつけて各爪状鉤
2fを当該支持容器3の対応する各スリツト3c
内に嵌合させ、各接合部材2に支持容器3を係止
保持させる。この状態において、電極部材5の一
端は支持容器3の切欠3e(第1図)を介して支
持容器3の外方に突出し、支持容器3内のセメン
トモルタル6は、第4図に示すように接合部材2
の部分を除いて電極部材5を囲んで全周にわたつ
て当接するとともにコンクリート構造物10の下
面10aに圧着し、構造物10と電極部材5とを
電気的に接続する。このようにして、コンクリー
ト構造物10の下面10aに電極体1を形成かつ
取付けることができる。
この電極体1は、支持容器3及び接合部材2に
よつてコンクリート構造物10の下面10aに固
定されるためあに、バツクフイル材6の接着力が
経時的に低下してもこのバツクフイル材6とコン
クリート下面10aとの接触は維持され、防食機
能は低下しない。したがつて、コンクリート表面
における電極体1の取付個所をワイヤブラシで清
浄化するなどの前処理を簡単にすることができ
る。また、支持容器3は電極体1を保護する作用
もある。
よつてコンクリート構造物10の下面10aに固
定されるためあに、バツクフイル材6の接着力が
経時的に低下してもこのバツクフイル材6とコン
クリート下面10aとの接触は維持され、防食機
能は低下しない。したがつて、コンクリート表面
における電極体1の取付個所をワイヤブラシで清
浄化するなどの前処理を簡単にすることができ
る。また、支持容器3は電極体1を保護する作用
もある。
第5図及び第6図は本発明の方法と従来方法と
を比較して示すもので、供試体10,10′には
それぞれ鉄筋の腐蝕を促進させるために塩化ナト
リウムを添加したコンクリートに鉄筋11,1
1′をそれぞれ5本等間隔に埋め込み、架台20
の上にゴム製の絶縁板21を介して載置し、毎
月、海水をかけながら屋外に約1年間放置した後
に電極体を取付けた状態を示している。供試体1
0には上述の方法により本発明の電極体1を取付
け、他方供試体10′には従来方法によりその下
面全面にわたりセメントモルタルを吹き付けて電
極体15を取り付け、各電極体1,15の各電極
部材5,15′を図示しない直流電源の陽極に接
続する一方、各供試体10,10′の各鉄筋11,
11′を前記電源の陰極にそれぞれ接続して一定
電流を供給し、両供試体10,10′の鉄筋11,
11′の電位を約1年間測定した。電位の測定に
は高感度直流電圧計及び飽和硫酸銅電極(CSE)
を使用し、各供試体10,10′を海水で十分に
濡らした後に測定した。これらの各供試体10,
10′の鉄筋11,11′の電位はそれぞれ第7
図、第8図に示すように変化した。即ち、通電前
の各供試体10,10′の鉄筋11,11′の自然
電位は−380〜460mVCSEであり、それぞれ腐食状
態にあることが判明した。
を比較して示すもので、供試体10,10′には
それぞれ鉄筋の腐蝕を促進させるために塩化ナト
リウムを添加したコンクリートに鉄筋11,1
1′をそれぞれ5本等間隔に埋め込み、架台20
の上にゴム製の絶縁板21を介して載置し、毎
月、海水をかけながら屋外に約1年間放置した後
に電極体を取付けた状態を示している。供試体1
0には上述の方法により本発明の電極体1を取付
け、他方供試体10′には従来方法によりその下
面全面にわたりセメントモルタルを吹き付けて電
極体15を取り付け、各電極体1,15の各電極
部材5,15′を図示しない直流電源の陽極に接
続する一方、各供試体10,10′の各鉄筋11,
11′を前記電源の陰極にそれぞれ接続して一定
電流を供給し、両供試体10,10′の鉄筋11,
11′の電位を約1年間測定した。電位の測定に
は高感度直流電圧計及び飽和硫酸銅電極(CSE)
を使用し、各供試体10,10′を海水で十分に
濡らした後に測定した。これらの各供試体10,
10′の鉄筋11,11′の電位はそれぞれ第7
図、第8図に示すように変化した。即ち、通電前
の各供試体10,10′の鉄筋11,11′の自然
電位は−380〜460mVCSEであり、それぞれ腐食状
態にあることが判明した。
通電2ケ月経過後に両供試体10,10′の鉄
筋11,11′の各電位は防食基準電位の−
850mVCSEよりも低い値となり、以後この状態を
維持した。これによつて本発明による電極体の取
付方法は、少量のセメントモルタル(約1/10)を
使用して従来の取付方法と同等の防食効果が期待
できることが明らかとなつた。
筋11,11′の各電位は防食基準電位の−
850mVCSEよりも低い値となり、以後この状態を
維持した。これによつて本発明による電極体の取
付方法は、少量のセメントモルタル(約1/10)を
使用して従来の取付方法と同等の防食効果が期待
できることが明らかとなつた。
さらに、通電を開始してから1年経過後に、両
試供体10,10′の電極体1,15にハンマで
軽い攻撃を加えたところ、従来の取付方法による
電極体15を鈍い音を生じ、さらに打撃を加える
とセメントモルタル層が脱落して通電が不可能と
なつた。一方、本発明方法によつて取り付けた電
極体1には何ら異常が認められなかつた。
試供体10,10′の電極体1,15にハンマで
軽い攻撃を加えたところ、従来の取付方法による
電極体15を鈍い音を生じ、さらに打撃を加える
とセメントモルタル層が脱落して通電が不可能と
なつた。一方、本発明方法によつて取り付けた電
極体1には何ら異常が認められなかつた。
第9図乃至第11図は電極体を構成する支持容
器の他の実施例を示しており、第9図に示す支持
容器30はその断面形状を略半円形に形成した樋
状のものであり、第10図は支持容器31の形状
を上面角形に、第11図は支持容器32の形状を
上面環状に形成したものである。従つて、このよ
うな種々の形状の支持容器を適宜選択して使用す
ることにより対象コンクリート構造物の形状ある
いは取付位置等に応じた電極体を装着することが
できる。
器の他の実施例を示しており、第9図に示す支持
容器30はその断面形状を略半円形に形成した樋
状のものであり、第10図は支持容器31の形状
を上面角形に、第11図は支持容器32の形状を
上面環状に形成したものである。従つて、このよ
うな種々の形状の支持容器を適宜選択して使用す
ることにより対象コンクリート構造物の形状ある
いは取付位置等に応じた電極体を装着することが
できる。
以上述べた説明から明らかなように、本発明に
よると、コンクリート構造物の垂直面や下端面、
あるいは狭い場所にも電極体を容易に取り付ける
ことができるので、作業性が大幅に向上するとと
もに、その適用個所が拡大されて、種々の形状、
寸法を有するコンクリート構造物を能率よく防食
できるとともに、電極体を取り付けるべきコンク
リート表面の前処理が簡単となり、また、バツク
フイル材の使用量が節減できる上に、耐久性にも
優れた電極体を提供できるので、長期にわたつて
信頼性の高い防食効果が得られる。
よると、コンクリート構造物の垂直面や下端面、
あるいは狭い場所にも電極体を容易に取り付ける
ことができるので、作業性が大幅に向上するとと
もに、その適用個所が拡大されて、種々の形状、
寸法を有するコンクリート構造物を能率よく防食
できるとともに、電極体を取り付けるべきコンク
リート表面の前処理が簡単となり、また、バツク
フイル材の使用量が節減できる上に、耐久性にも
優れた電極体を提供できるので、長期にわたつて
信頼性の高い防食効果が得られる。
第1図は本発明において使用される電極体の一
例を示す一部切欠組立図、第2図は第1図の接合
部材および支持容器の断面図、第3図および第4
図は第1図の電極体の対象物への取付状態を示す
断面図、第5図は本発明に係る電極体と従来方法
による電極体とを取付けた供試体の載置図、第6
図は第5図の矢線−断面図、第7図及び第8
図はそれぞれ第5図に示す各供試体における鉄筋
の電位と経過時間との関係を示す特性図、第9図
ないし第11図は第1図に示す支持容器の他の実
施例を示す一部切欠斜視図である。図において、 1……電極体、2……接合部材、3,30〜3
2……支持容器、4……プラグ、5……電極部
材、6……バツクフイル材、10,10′……供
試体、11,11′……鉄筋、20……架台。
例を示す一部切欠組立図、第2図は第1図の接合
部材および支持容器の断面図、第3図および第4
図は第1図の電極体の対象物への取付状態を示す
断面図、第5図は本発明に係る電極体と従来方法
による電極体とを取付けた供試体の載置図、第6
図は第5図の矢線−断面図、第7図及び第8
図はそれぞれ第5図に示す各供試体における鉄筋
の電位と経過時間との関係を示す特性図、第9図
ないし第11図は第1図に示す支持容器の他の実
施例を示す一部切欠斜視図である。図において、 1……電極体、2……接合部材、3,30〜3
2……支持容器、4……プラグ、5……電極部
材、6……バツクフイル材、10,10′……供
試体、11,11′……鉄筋、20……架台。
Claims (1)
- 1 鉄筋コンクリート構造物に電極体を取り付け
ることによつて、そのコンクリート構造物を防食
する方法において、前記コンクリート構造物に接
合部材を固設してから、この接合部材に電極部材
を固定し、ついで開口部を有する支持容器にバツ
クフイル材を充填した後、その開口部を前記コン
クリート構造物の表面に臨ませてこの支持容器を
前記接合部材と結合させるとともに、前記バツク
フイル材を前記コンクリート構造物の表面に圧接
接合させることによつて、前記接合部材、電極部
材、支持容器およびバツクフイル材からなる電極
体を前記コンクリート構造物に装着することを特
徴とする、前記防食方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61040656A JPS62199784A (ja) | 1986-02-25 | 1986-02-25 | コンクリ−ト構造物の防食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61040656A JPS62199784A (ja) | 1986-02-25 | 1986-02-25 | コンクリ−ト構造物の防食方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62199784A JPS62199784A (ja) | 1987-09-03 |
JPH0588316B2 true JPH0588316B2 (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=12586587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61040656A Granted JPS62199784A (ja) | 1986-02-25 | 1986-02-25 | コンクリ−ト構造物の防食方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62199784A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1987006521A1 (en) * | 1986-05-02 | 1987-11-05 | Noteby Norsk Teknisk Byggekontroll A/S | Electrochemical re-alkalization of concrete |
JP4993970B2 (ja) * | 2006-09-01 | 2012-08-08 | 株式会社ナカボーテック | 鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造 |
JP4654260B2 (ja) * | 2008-03-27 | 2011-03-16 | 住友大阪セメント株式会社 | 電気防食の陽極設置間隔の決定方法及びそれに用いる電極装置 |
JP5094921B2 (ja) * | 2010-07-06 | 2012-12-12 | 日本防蝕工業株式会社 | 電気防食工法 |
JP5121910B2 (ja) * | 2010-10-12 | 2013-01-16 | 日本防蝕工業株式会社 | チタントレイ方式電気防食構造体 |
JP5161288B2 (ja) * | 2010-10-27 | 2013-03-13 | 日本防蝕工業株式会社 | 陽極材固定テープ |
JP5942349B2 (ja) | 2011-07-07 | 2016-06-29 | セイコーエプソン株式会社 | センサー装置 |
-
1986
- 1986-02-25 JP JP61040656A patent/JPS62199784A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62199784A (ja) | 1987-09-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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