JPH0588153U - リチウム電池電源回路 - Google Patents

リチウム電池電源回路

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JPH0588153U
JPH0588153U JP2836892U JP2836892U JPH0588153U JP H0588153 U JPH0588153 U JP H0588153U JP 2836892 U JP2836892 U JP 2836892U JP 2836892 U JP2836892 U JP 2836892U JP H0588153 U JPH0588153 U JP H0588153U
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郁夫 熊崎
誠 出口
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サンクス株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塩化チオニルリチウム電池の不働態膜による
電圧低下を極力防止して、使用時の動作電圧を確保す
る。 【構成】 マイクロコンピュータ8は、常には待機状態
となっており、タイマ回路9から30秒毎に割込信号が
与えられると起動状態となってカウントし、そのカウン
ト数が「128」になると、塩化チオニルリチウム電池
6の端子電圧を検出する。電圧検出回路10は塩化チオ
ニルリチウム電池6の端子電圧が所定電圧以下であると
きに「L」レベルの信号をマイクロコンピュータ8に入
力する。これにより、マイクロコンピュータ8は、ダミ
ー負荷回路20により塩化チオニルリチウム電池6を3
0秒間放電させる。これにより、不働態膜が除去され
て、動作電源としての使用時に端子電圧の低下現象が極
力防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、塩化チオニルリチウム電池を動作電源としたリチウム電池電源回路 に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化チオニルリチウム電池は、大容量であることから各種の電池内蔵式の小形 電子機器には好適な電源として注目されている。このような小形電子機器として 例えば、電気錠がある。
【0003】 電気錠は、例えばドアのノブの部分に設けられ、外部から解錠信号が入力され ると、内部に設けられたマイクロコンピュータにより、入力された解錠信号が予 め設定されている値と一致するかどうかが判断され、正しい解錠信号が入力され ている場合に限り内蔵された解錠用の電磁ソレノイドを駆動して錠が解除される ようにしたものである。
【0004】 また、施錠する場合には、解錠時と同様に、正しい施錠信号が入力されたこと を条件に電磁ソレノイドを駆動して錠をかけたり、或は、ドアが閉められたこと を条件として施錠動作を自動的に実施するようにしたりしている。この場合、電 気錠への解錠信号或は施錠信号は、光信号,電波や磁気等の非接触媒体を利用し たり、キーボードへのキー入力信号により与えるようにしている。
【0005】 そして、このような電気錠においては、電源としてドア部分への配線を不要と する構成とするために、電池を動作電源として用いることが要望されており、こ の場合に、電池の交換頻度を極力少なくするために、例えば塩化チオニルリチウ ム電池のような大容量の電池を用いることが考えられている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】 ところで、上述した塩化チオニルリチウム電池は、不使用状態でその電極表面 に塩化リチウム(LiCl)からなる不働態膜が形成されるので、この不働態膜 が自然放電を抑制することにより長期信頼性がある反面、負荷が接続されたとき にはその不働態膜が抵抗となって作用するので、図7に示すように、通電電流が 大きいときには一時的に電圧が低下して(無負荷時電圧から過渡最低電圧まで低 下)しまう性質をもっている。
【0007】 この場合、塩化チオニルリチウム電池の通電電流値がマイクロアンペアオーダ ーであるときには問題となるような電圧低下がないが、数ミリアンペア以上にな ると上述した電圧低下が顕著になる特性をもっている。そして、このような電圧 低下を起こすような放電が行なわれると、そのとき電極表面に形成されていた不 働態膜は除去される。
【0008】 また、このような電圧低下現象は、実質的な不使用状態(マイクロアンペアオ ーダーの電流が流れている場合を含む)での保管温度が高く、保管期間が長いほ ど顕著になる性質を有することがわかっている。例えば、図8には、保管時間( 月単位)に対する塩化チオニルリチウム電池の端子電圧(V)の変化を、異なる 保管温度(20℃,30℃,40℃,60℃)で実施した場合の結果を示してい る。ただし、端子電圧の測定は、負荷抵抗240Ωで20℃の条件で行なってい る。そして、この結果からも保管温度が高いと顕著な電圧低下現象が現われてい ることがわかる。
【0009】 一方、電気錠においては、解錠信号が入力されるのを待っている待機状態にお いては、数マイクロアンペアオーダーの消費電流であるが、送信器からの信号を 受けて解錠用の電磁ソレノイドを駆動させるときには数10から100ミリアン ペア以上の電流が通電されるので、塩化チオニルリチウム電池を動作電源として いる場合には、上述のような電圧低下現象が発生する。このため、マイクロコン ピュータの動作電圧が確保できなくなって誤動作を起こす等の不具合が発生する 虞がある。
【0010】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、塩化チオニルリチ ウム電池を動作電源とするもので、大電流を通電する場合でも電圧低下が発生す ることを極力防止して安定な給電をすることができるリチウム電池電源回路を提 供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案は、塩化チオニルリチウム電池を動作電源としたリチウム電池電源回路 を対象とするものであり、所定のタイマ時間を計時するタイマ手段と、前記塩化 チオニルリチウム電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記塩化チオニル リチウム電池に接続される放電回路と、前記タイマ手段によるタイマ時間を計時 する毎に前記電圧検出手段による検出電圧が所定電圧以下であることを条件に前 記放電回路により一定時間放電動作を行なわせる制御手段とを設けて構成したと ころに特徴を有する。
【0012】
【作用】
本考案のリチウム電池電源回路によれば、制御手段は、タイマ手段によるタイ マ時間が計時される毎に電圧検出手段からの塩化チオニルリチウム電池の端子電 圧を検出し、その検出電圧が所定電圧以下であるときには、放電回路により塩化 チオニルリチウム電池に一定時間放電動作を行なわせる。
【0013】 塩化チオニルリチウム電池は、この放電動作により、電極表面に形成されてい た不働態膜が分解されるので、動作電源として使用する際に不働態膜が内部抵抗 として悪影響を与えることがなくなり、従って、大きな電圧低下現象が発生する ことがなくなり、通電動作時の誤動作の発生を極力防止できる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案を電気錠に適用した場合の一実施例について図1ないし図6を参 照して説明する。
【0015】 まず、この実施例で用いられる電気錠1の概要について図6を参照して説明す る。即ち、電気錠1は、例えば、施錠および解錠が必要なドア2等のノブ2a部 分に配設されるもので、ノブ2aの下部には受信部3が設けられている。また、 電気錠1には受信部3部分に位置して警告表示ランプ4が設けられている。
【0016】 送信器5は、例えば、光信号による解錠信号を出力する鍵としての機能を有す るもので、内部に予め解錠コードが記憶されており、使用者により操作されると 解錠信号を光信号として出力するようになっている。
【0017】 電気錠1は、送信器5から光信号による解錠信号を受信部3に受けると、これ を解読して正しい信号であれば電磁ソレノイド1aを駆動回路1b(図1参照) を介して駆動して図示しないロック機構を解錠し、解錠動作を終了した後にドア 2が閉められると、再び電磁ソレノイド1aを駆動してロック機構の施錠動作を 実施するようになっている。
【0018】 そして、電気錠1は、解錠信号が入射されない状態では、待機状態となるよう に設定され、送信器5から解錠信号を受けると起動状態となって解読および解錠 動作を行ない、動作が終了すると再び待機状態に戻るようになっている。
【0019】 さて、このような電気錠1は、その動作電源として、塩化チオニルリチウム電 池6(図1参照)を用いており、以下、図1を参照してその電気的構成について 説明する。
【0020】 動作電源としての塩化チオニルリチウム電池6は、例えば、定格電圧が3.6 Vのものを2個直列接続して7.2Vの直流電源として使用している。この塩化 チオニルリチウム電池6の陽極端子は電源端子+VAとされ、定電圧回路7を介 して電源端子+VBに接続されている。
【0021】 尚、塩化チオニルリチウム電池6は、電極表面に形成される不働態膜が抵抗と して作用するため、通電電流に応じて端子電圧が変動することにより、電源端子 +VAへの供給電圧は変動する。一方、例えば、塩化チオニルリチウム電池6の 端子電圧が5.3V以上あるときには、定電圧回路7により電源端子+VBに5 Vの安定した直流電圧を供給するようになっている。
【0022】 制御手段たるマイクロコンピュータ8は、内部にROM,RAM等の記憶部を 有し、錠としての特定の解錠コード信号およびドア2の開閉動作の情報等が記憶 されると共に、解錠プログラム等が予め記憶されており、動作電源は電源端子+ Bから与えられるようになっている。
【0023】 タイマ回路9は、例えば時定数回路から構成されるもので、時定数30秒が経 過するとタイマ割込信号を出力するものである。このタイマ回路9は、電源端子 +VBから給電されるもので、その出力端子はマイクロコンピュータ8の割込入 力端子Aに接続されている。そして、後述するように、このタイマ回路9とマイ クロコンピュータ8とにより本考案でいうところのタイマ手段としての機能が行 なわれるようになっている。
【0024】 電圧検出手段たる電圧検出回路10は次のように構成される。即ち、検出回路 部11の入力端子aはpnp形のトランジスタ12を介して電源端子+VAに接 続され、出力端子bはマイクロコンピュータ8の入力端子Bに接続されると共に 抵抗13を介してアースされている。そして、この検出回路部11は、入力端子 aに対して所定電圧としての5.3V以上の電圧が入力されているときに出力端 子bをオープン状態とし、5.3V未満の電圧が入力されると出力端子bを0V にするようになっている。
【0025】 トランジスタ12のベースは抵抗14を介して電源端子+VAに接続されると 共に、抵抗15およびnpn形のトランジスタ16を介してアースされている。 トランジスタ16のベースは抵抗17を介してアースされると共に、抵抗18を 介してマイクロコンピュータ8の出力端子Cに接続されている。マイクロコンピ ュータ8の入力端子Bと出力端子Cとの間には抵抗19が接続されている。
【0026】 放電回路たるダミー負荷回路20において、npn形のトランジスタ21のコ レクタは電源端子+VAに接続され、エミッタは負荷抵抗22を介してアースさ れ、ベースは抵抗23を介してアースされると共に抵抗24を介してマイクロコ ンピュータ8の出力端子Dに接続されている。
【0027】 クロック回路25は、2つの入力端子がマイクロコンピュータ8の出力端子E ,Fにそれぞれ接続されており、マイクロコンピュータ8内部の回路とにより発 振回路を構成している。また、信号受付回路26は、送信器5から受けた起動信 号に基づいて解錠割込信号を出力するもので、その出力端子はマイクロコンピュ ータ8の解錠割込入力端子Pに接続されている。
【0028】 図示しないロック機構を開閉する電磁ソレノイド1aは駆動回路1bを介して マイクロコンピュータ8の出力端子Gに接続され、警告表示ランプ4は駆動回路 4aを介してマイクロコンピュータ8の出力端子Hに接続されている。
【0029】 次に、本実施例の作用について、図2ないし図5をも参照しながら説明する。 電気錠1に塩化チオニルリチウム電池6が装填され、定電圧回路7により電源端 子+VBに所定の動作電圧が出力されると、タイマ回路9は計時動作を開始し、 マイクロコンピュータ8は図3に示すフローチャートに従ってメインプログラム を実行するようになる。
【0030】 即ち、マイクロコンピュータ8は、初期化処理を実行し(ステップS1)、続 いてステップS2で、ダミー負荷回路20に3分間通電する。この場合、マイク ロコンピュータ8は、出力端子Dから「H」レベルの信号を出力して通電を行う 。ダミー負荷回路20においては、トランジスタ21がオンして負荷抵抗22を 塩化チオニルリチウム電池6に接続した状態となる。
【0031】 すると、負荷抵抗22は塩化チオニルリチウム電池6から通電され、例えば負 荷抵抗22に12ミリアンペア程度の電流が流れるようになる。これにより、塩 化チオニルリチウム電池6においては、保存状態で電極表面に形成されていた不 働態膜がこの放電動作により分解されるので、その端子電圧は正常レベルに復帰 されるようになる。
【0032】 この後、マイクロコンピュータ8は、例えばストップ命令を実行してクロック 回路25との共振状態を停止させて待機状態に移行する(ステップS3)。この 待機状態では、マイクロコンピュータ8はRAM等に記憶したデータを保存する ためのバックアップ動作のみを実施している状態であり、そのときの通電電流は 数マイクロアンペア程度となっている。また、この状態で、マイクロコンピュー タ8は、割込入力端子A或はPから割込信号が入力されて起動するまで待機状態 を保持している。
【0033】 さて、タイマ回路9は、塩化チオニルリチウム電池6の装填時から開始された 計時動作により30秒のタイマ時間が経過すると、マイクロコンピュータ8の割 込入力端子Aにタイマ割込信号を与える。これにより、マイクロコンピュータ8 は、図2に示すフローチャートに従ってタイマ割込プログラムを実行するように なる。
【0034】 待機状態にあったマイクロコンピュータ8は、タイマ割込信号が与えられると クロック回路25に発振出力を与えて起動状態となってプログラムを開始し、ス テップP1で、カウンタCの値に「1」を加算する(C←C+1)。尚、カウン タCの値は、メインプログラムのステップS1において初期化処理を実行する際 に予めクリア(C←0)されている。
【0035】 次に、マイクロコンピュータ8は、ステップP2で、カウンタCの値が「12 8」であるか否かを判断する。ここでは、まだカウンタCの値が「1」であるの で、「NO」と判断してプログラムを終了し、メインプログラムにリターンして 再びステップS3を実行するようになる。
【0036】 マイクロコンピュータ8は、メインプログラムに戻ると、再び待機状態となる 。そして、マイクロコンピュータ8は、タイマ回路9からタイマ割込信号が入力 される毎に、上述と同様にしてタイマ割込ルーチンを実行してカウンタCの値を カウントアップしていく。
【0037】 この後、カウンタCの値が「128」に達すると(C=128)、マイクロコ ンピュータ8は、タイマ割込ルーチンのステップP2で「YES」と判断してス テップP3に移行する。尚、このとき、カウンタCの値が「128」に達すると いうことは、「1」カウントが30秒であるから、塩化チオニルリチウム電池6 の装填後略1時間が経過していることになる。
【0038】 マイクロコンピュータ8は、ステップP3でカウンタCの値をクリア(C←0 )し、続いてステップP4で、前述したようにしてダミー負荷回路20に例えば 50ミリ秒間通電し、この後、ステップP5に移行して塩化チオニルリチウム電 池6の端子電圧を検出する。
【0039】 この場合、マイクロコンピュータ8は、まず、出力端子Cから「H」レベルの 信号を出力する。すると、トランジスタ16がオンされ、これに応じてトランジ スタ12がオンするので、検出回路部11の入力端子aに電源端子+VAが接続 されたことになる。つまり、塩化チオニルリチウム電池6の端子電圧が検出回路 部11の入力端子aに入力されることになるのである。
【0040】 検出回路部11は、塩化チオニルリチウム電池6の端子電圧に応じて出力端子 bの状態を設定する。いま、まだ塩化チオニルリチウム電池6の端子電圧が5. 3V以上あるときには、検出回路部11は出力端子bをオープン状態とするので 、出力端子bの電位は抵抗13および19の分担電圧で決まることになる。
【0041】 つまり、マイクロコンピュータ8の出力端子Cからの「H」レベルの信号電圧 が抵抗19および13により分圧され、その抵抗13の端子電圧がマイクロコン ピュータ8の入力端子Bに「H」レベルの信号として入力される。これにより、 マイクロコンピュータ8は、塩化チオニルリチウム電池6の端子電圧が正常であ るとしてステップP6で「YES」と判断し、メインプログラムにリターンする ようになる。
【0042】 そして、この後、マイクロコンピュータ8は、上述のステップを繰り返し、略 1時間毎に塩化チオニルリチウム電池6の端子電圧を検出する動作を行なう。そ して、電気錠1の受信部3に送信器5から解錠信号が与えられると、マイクロコ ンピュータ8は、解錠割込入力端子Pに信号受付回路26から起動信号が入力さ れ、これにより、起動状態となって図4のフローチャートに示す解錠プログラム を実行する。
【0043】 即ち、マイクロコンピュータ8は、まずステップT1で、前述のタイマ割込の ような他からの割込み動作を禁止する。このとき、ステップT1で割込み禁止を 実行するのは、電気錠1の本来の機能である解錠動作の実行を最優先しているか らである。マイクロコンピュータ8は、続いてステップT2で解錠入力信号が正 しい解錠コード信号であるかどうかを判断し、正しい場合には「YES」と判断 してステップT3に移行して解錠動作を実施する。
【0044】 この場合、マイクロコンピュータ8は、出力端子Gから駆動回路1bを介して 電磁ソレノイド1aに駆動信号を与え、施錠状態にあったロック機構を駆動して 解錠状態にする。ドア2はノブ2aの操作に応じて開閉動作が可能となる。この とき、塩化チオニルリチウム電池6は、電磁ソレノイド1aに例えば数10ない し100mAの電流を通電することにより、電極表面に形成されていた不働態膜 が除去されている。
【0045】 マイクロコンピュータ8は、続いてステップT4でカウンタCをクリア(C← 0)し、続くステップT5で割込禁止状態を解除してプログラムを終了し、メイ ンプログラムにリターンする。この状態で、マイクロコンピュータ8は、カウン タCの値がクリアされているので、この後タイマ割込信号が入力されてタイマ割 込プログラムを実施するときにはカウンタCが「0」の状態から開始される。
【0046】 尚、マイクロコンピュータ8は、ステップT2において「NO」と判断したと きには、ステップT5にジャンプして割込禁止状態を解除した後にメインプログ ラムにリターンする。つまり、解錠動作を実施していないことにより、塩化チオ ニルリチウム電池6の不働態膜が除去されていないので、カウンタCの値をその まま保持しておくのである。
【0047】 尚、タイマ割込ルーチンを実施しているときに、解錠割込が発生したときには 、マイクロコンピュータ8は、タイマ割込ルーチンを放棄して解錠割込プログラ ムを実施する。そして、このとき、解錠割込プログラムが終了しても、マイクロ コンピュータ8は、タイマ割込ルーチンに戻らずメインプログラムに戻るように なっている。
【0048】 しかして、解錠割込プログラムが実行されず、マイクロコンピュータ8が待機 状態を保持し続けているときには、その消費電流は数マイクロアンペア程度で殆 ど消費されていないので、塩化チオニルリチウム電池6の電極表面には不働態膜 が生成された状態となっている。
【0049】 このような状態で、タイマ割込プログラムのみが実行されていると、タイマ割 込プログラムのステップP5で検出した電圧が低く、従って、検出回路部11の 出力端子bが0Vになることから、マイクロコンピュータ8の入力端子Bには「 L」レベルの信号が入力されることになる。これにより、マイクロコンピュータ 8は、ステップP6において「NO」と判断してステップP7に移行する。
【0050】 マイクロコンピュータ8は、ステップP7でダミー負荷回路20に30秒間通 電し、これにより、塩化チオニルリチウム電池6の電極表面に形成された不働態 膜を除去する。この後、マイクロコンピュータ8は、ステップP8で再びダミー 負荷回路20に50ミリ秒だけ通電し、続いて、ステップP9で電圧検出回路1 0に「H」レベルの信号を出力して塩化チオニルリチウム電池6の端子電圧を検 出する。
【0051】 マイクロコンピュータ8は、ステップP10に移行すると、検出電圧が所定以 上となって検出回路部11から「H」レベルの信号が入力端子Cに与えられてい れば、「YES」と判断してプログラムを終了し、メインプログラムにリターン する。
【0052】 この場合、塩化チオニルリチウム電池6の容量がまだ残っている状態であれば 、通常上述のステップP7における放電動作で端子電圧は回復するが、なんらか の原因により端子電圧が回復しない場合には、検出回路部11の入力端子aに5 .3V以上の電圧が入力されなくなることにより、マイクロコンピュータ8の入 力端子Bには0V即ち「L」レベルの信号が入力されることになる。
【0053】 これにより、マイクロコンピュータ8は、ステップP10で「NO」と判断し 、ステップP11に移行してタイマ割込を禁止すると共に、ステップP12で警 告表示動作を実施し、この後、メインプログラムにリターンする。この警告表示 動作においては、マイクロコンピュータ8は、出力端子Hから表示信号を出力し て警告表示ランプ4を点灯させる。
【0054】 マイクロコンピュータ8は、メインプログラムにリターンすると、ステップS 3に戻って再び待機状態となる。尚、この状態で、警告表示ランプ4は点灯状態 が継続されており、塩化チオニルリチウム電池6が異常状態であることが警告表 示されている。これにより、使用者は塩化チオニルリチウム電池6の交換あるい は点検等が必要な状態であることが認識できる。
【0055】 また、この状態では、マイクロコンピュータ8は、タイマ回路9からタイマ割 込信号が入力されてもこれを受け付けず、解錠割込信号のみを受け付ける状態と なる。尚、塩化チオニルリチウム電池6は、その端子電圧が基準電圧よりも低下 しているが、解錠プログラムを実行するにはまだ十分な電圧と電源容量が確保さ れている。換言すれば、基準電圧が解錠プログラムの実行が確保できるように基 準電圧が設定されているのである(図5参照)。
【0056】 このような本実施例によれば、タイマ回路9とマイクロコンピュータ8により 所定時間を計時したときに電圧検出回路10により塩化チオニルリチウム電池6 の端子電圧を検出し、所定電圧以下であるときにダミー負荷回路20により放電 動作を行なわせるようにしたので、塩化チオニルリチウム電池6があまり使用さ れていない状態から急に電流を流すことをなくして電圧低下現象を極力防止でき 、マイクロコンピュータ8の安定な動作電圧を確保できて、誤動作の発生を確実 に防止できる。
【0057】
【考案の効果】
本考案のリチウム電池電源回路は、タイマ手段によるタイマ時間が計時される 毎に、制御手段により電圧検出手段からの塩化チオニルリチウム電池の端子電圧 が所定電圧以下であることを条件として放電回路で塩化チオニルリチウム電池を 一定時間放電動作を行なわせるようにした。これにより、塩化チオニルリチウム 電池は、電極表面に形成されていた不働態膜が分解されるので、動作電源として 通電する際に不働態膜が内部抵抗として悪影響を与えることがなくなり、誤動作 の発生を防止できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す電気的構成の概略図
【図2】タイマ割込プログラムのフローチャート
【図3】メインプログラムのフローチャート
【図4】解錠割込プログラムのフローチャート
【図5】検出電圧および基準電圧の設定状態を説明する
【図6】電気錠の使用状態を示す外観図
【図7】従来例を示す塩化チオニルリチウム電池の電圧
低下の特性図
【図8】塩化チオニルリチウム電池の放置による電圧低
下特性図
【符号の説明】
1は電気錠、1aは電磁ソレノイド、2はドア、3は受
信部、4は警告表示部、5は送信器、6は塩化チオニル
リチウム電池、7は定電圧回路、8はマイクロコンピュ
ータ(制御回路)、9はタイマ回路(タイマ手段)、1
0は電圧検出回路、11は検出回路部、20はダミー負
荷回路(放電回路)、22は負荷抵抗、25はクロック
回路、26は信号受付回路である。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化チオニルリチウム電池を動作電源と
    したものにおいて、所定のタイマ時間を計時するタイマ
    手段と、前記塩化チオニルリチウム電池の端子電圧を検
    出する電圧検出手段と、前記塩化チオニルリチウム電池
    に接続される放電回路と、前記タイマ手段によるタイマ
    時間を計時する毎に前記電圧検出手段による検出電圧が
    所定電圧以下であることを条件に前記放電回路により一
    定時間放電動作を行なわせる制御手段とを具備してなる
    リチウム電池電源回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021005537A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 横河電機株式会社 制御モジュール、測定装置、及び制御方法
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