JPH05880B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH05880B2
JPH05880B2 JP63243976A JP24397688A JPH05880B2 JP H05880 B2 JPH05880 B2 JP H05880B2 JP 63243976 A JP63243976 A JP 63243976A JP 24397688 A JP24397688 A JP 24397688A JP H05880 B2 JPH05880 B2 JP H05880B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic shielding
heat treatment
metal
layer
high conductivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63243976A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0294498A (ja
Inventor
Ikuo Ito
Shoichi Matsuda
Teruo Iura
Shigeru Minamino
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP63243976A priority Critical patent/JPH0294498A/ja
Publication of JPH0294498A publication Critical patent/JPH0294498A/ja
Publication of JPH05880B2 publication Critical patent/JPH05880B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はNb−Ti系超電導磁気シールド材及び
その製造方法に関するものである。 (従来の技術) 従来、超電導を利用した磁気シールド材として
第1種超電導体及び第2種超電導体が用いられて
いた。両者は磁場の強さによつて使い分けられ、
第1種超電導体はマイスナー効果によりかなり低
い磁場までではあるが完全に磁気シールドするこ
とができる。第2種超電導体は下部臨界磁場
(Hc1)と上部臨界磁場(Hc2)を有し、Hc1まで
はかなり低い磁場ではあるがマイスナー効果によ
り完全磁気シールドすることができる。Hc1から
Hc2の間では超電導状態と常電導状態の混合状態
となり磁気シールドを行うことができるが、Hc2
がきわめて高く高磁場の磁気シールドも可能であ
る。 従来、第2種超電導体であるNb−Ti系超電導
材を用いた磁気シールド材は、単独では超電導特
性が不安定なため銅やアルミニウムの高導電金属
を被覆したり、交互に積層した構造を有し、一般
的にテープ状やシート状の形状をしていた。 (発明が解決しようとする課題) Nb−Ti系合金においては、磁気シールド特性
は超電導体内部に侵入してきた磁束を析出粒子や
転位網のようなピニングサイトで捉える力が強い
ほど高くなる。特に、適切な熱処理と冷間加工の
組合わせによつてα−Tiの微細粒の析出が最適
な大きさと分布で行われると、磁気シールド特性
は大巾に向上する。 一方、超電導材には超電導特性を安定化させる
ために銅やアルミニウム等の高導電金属を密着さ
せることが必要である。これは、超電導層内部へ
の磁束の急激な侵入によつて発熱が生じるが、高
電導金属層が超電導層の両側に密着していること
によつてすみやかに外部の液体ヘリウム中に放散
させることができることによる。高電導金属を密
着させたのちに上記のような磁気シールド特性向
上のための熱処理を行うと、両者間に金属元素の
拡散を生じて界面に脆い金属間化合物、たとえば
Cu/Nb−Ti超電導材においてはCu−Ti化合物
等を形成し、その後の加工が不可能になつたり、
わずかな歪みにも材料破壊を生じたりする。ま
た、超電導材の成分組成が変化して超電導特性が
劣化したり、高導電金属中に不純物元素が拡散し
て導電性が悪くなり、安定化特性が低下したりも
する。 したがつて、従来利用されてきた高導電金属と
超電導材の薄膜を交互に複合一体化させた構造の
磁気シールド材では、複合一体化後に熱処理を行
うことはほぼ不可能であり、さらなる磁気シール
ド特性の向上は望めなかつた。 そこで、従来超電導材のみにあらかじめ適切な
熱処理または加工を施した後、半田付け、クラツ
ド、または蒸着、スパツタリング、メツキ等を行
うことも試みられたが、半田付けの場合その導電
率が銅やアルミニウムに比してあまり良好でない
ため安定化特性が劣つていた。さらにはその機械
的強度も低く、密着強度が劣つていた。また、ク
ラツドはある程度の熱間で加工を行わないとその
金属的密着性が良くならないが、不必要な熱が加
わるためせつかくNb−Ti中に析出した微細粒子
が粗大化してしまい、磁気シールド特性が低下し
てしまうという問題があつた。さらに、蒸着、ス
パツタリング、メツキ等の方法では比較的容易に
付着させることができ、密着性もまあまあである
が、薄膜に適し、厚く十分に量を付着させるには
時間がかかりすぎる、コストがかさむ、多層化が
容易でない等の問題があつた。 上記課題に鑑み、本発明は高導電金属を自由な
体積比率でNb−Ti系合金超電導材に複合一体化
させることができ、両者交互の多層化も容易で、
複合一体化させて良好な金属的密着性を得た後に
適当な熱処理または加工を行うことが可能であ
り、それによつてより一層高い磁気シールド特性
を有するNb−Ti系超電導磁気シールド材及びそ
の製造方法を提供するものである。 (課題を解決するための手段) 本発明の超電導磁気シールド材は、少なくとも
1層のNb−Ti系合金と導電率の高い金属とが交
互に積層され、かつ前記Nb−Ti系合金層と前記
導電率の高い金属層の間にはすべてNbまたはTa
のバリヤー層が存在することを特徴とするNb−
Ti系超電導磁気シールド材である。導電率の高
い金属が銅またはアルミニウムのうちいずれかで
あること、Nb−Ti系合金がNb−Ti、Nb−Ti−
Zr、Nb−Ti−Taのうちのいずれか1種である
ことは好ましい。また、本発明の磁気シールド材
の製造方法は、導電率の高い金属からなる筐体状
または円筒状中空体中に、NbまたはTaの箔で被
覆したNb−Ti系合金の板を少なくとも一層前記
導電率の高い金属と交互に積層するよう充填し、
充填率を60%以上としてから前記導電率の高い金
属で端部をふさぎ、内部を真空状態にして溶接密
封し一体化複合体とし、この一体化複合体に加工
率30〜98%、温度500〜1000℃の熱間加工を施し、
300〜450℃の温度で保持時間が1〜168時間の熱
処理と、加工率が30〜98%である冷間加工を施し
て板状または箔状とすることを特徴とするNb−
Ti系超電導磁気シールド材の製造方法である。
熱処理及び冷間加工を6回以下交互に繰り返すこ
とは好ましい。 (作用) 本発明の磁気シールド材は、第3図に示すよう
に少なくとも1層のNb−Ti系合金層と銅または
アルミニウムの層を交互に積層した層構造を有す
る板状または箔状の超電導磁気シールド材である
ため、単層の同一構造の超電導磁気シールド材に
比べて大巾にシールド特性が向上する。 そのことは次のような理由が挙げられる。シー
ルド特性が高いのはすなわちピン止め力が大きい
からであるが、一層の厚さが小さい方が何らかの
理由で有効なピンが多数導入されている。これは
本発明の場合、より冷間での加工率が大きくなつ
てピンとなる析出物の析出駆動力が増大したもの
と考えられる。また、多層の方がフラツクスジヤ
ンプによる局所的な発熱があつても冷却効率が高
く、安定性にもすぐれる。そのために最適なのが
本発明の製造方法である。その中ではCu−Ti化
合物が生成しうる温度でのかなり長時間の熱処理
が必要であるが、この化合物が生成するとすでに
述べたように加工性が悪くなり、その後の良好な
加工が不可能になる。ここで高導電金属層とNb
−Ti系合金層との間に存在するNbまたはTaのバ
リヤー層は、熱処理中における両者間の金属元素
の拡散を防止することができ、したがつて本発明
の磁気シールド材においては良好な加工性を保ち
つつ高い磁気シールド特性を得ることができる。
加工性が良いためシールド材の厚さを数10μオー
ダーまで薄くすることができ、シールド材の軽量
化が図れる上に、シールド材単位面積当りの材料
費も低減させることができる。 導電率の高い金属は超電導特性の安定性を高め
るために用いられるが、高い導電率、熱伝導率の
ほかに工業的用途に用いるためコストも考慮して
銅とアルミニウムが最適である。 また、Nb−Ti系合金としては、加工性が良く
適当な条件さえ選べば磁気シールド特性も高い
Nb−Ti、Nb−Ti−Zr、Nb−Ti−Taの各合金
のいずれかが最適である。 本発明の製造方法は、第1図bに示すように導
電率の高い金属の筐体状の中空状3の中にNb−
Ti系合金の板1と導電率の高い金属の板4を交
互に積層する方法であるので、両者の体積比率を
自由に選ぶことができ、多層化も容易でその層数
も自由に増やすことができる。Nb−Ti系合金の
板を1層のみ挿入する場合を第1図aに示す。こ
こで中空体3内部の充填率を60%以上とするの
は、60%未満では加工初期に各部材にゆがみが生
じ、密着性が悪くなつたり材料破壊が生じたりす
るからである。中空体3の形状としては、第1図
にあるような筐体状のほかに第6図に示すような
円筒状のものも可能である。 また、第1図a及びbに示すように、Nb−Ti
系合金の板1は全表面にNbまたはTaの箔2を巻
回被覆しており、これが熱間加工や熱処理の際
Nb−Ti系合金と導電率の高い金属間の拡散バリ
ヤーとなり、Cu−Tiのような有害な化合物の形
成を防止するため良好な加工性を有し、かつ十分
な熱処理を行つて高い磁気シールド特性を得るこ
とができる。 また、第2図a及びbに示すように筐体状の中
空体3の端部に蓋5をし、内部を真空にして電子
ビーム溶接等で密封するので、その後の熱間加工
や熱処理の際に内部酸化することがなく、各部材
間の良好な金属的密着性が得られて加工性の良い
一体化複合体が得られる。 第2図aに示すNb−Tiの単層複合体を加工し
て薄板状にした後、第2図cに示すように積層密
封し、加工して第3図のような多層磁気シールド
材7とすることも可能である。 前記一体化複合体に熱処理及び加工を施す前に
熱間加工を施すのは、ある程度加熱して各部材を
軟らかくしたうえで圧延、鍛造、押出等の方法で
圧着させ、良好な金属的密着性を得るためであ
る。その温度を500〜1000℃とするのは、500℃未
満では各部材、特に軟化温度の高いNb−Ti系合
金がまだ固く十分な密着性が得られず、1000℃を
越えると導電率の高い金属のうちの銅が融点に近
付いて軟らかくなりすぎ、Nb−Ti系合金の硬さ
との不整合が大きくなつて密着性が低下すること
による。ただし、融点が660℃と低いアルミニウ
ムを用いる場合、それ以下の温度で熱間加工する
のはもちろんである。また、その加工率を30〜98
%とするのは、30%未満では温度が高くても十分
な密着性が得られにくく、98%を越えると磁気シ
ールド特性の向上に必要な冷間加工率が得られな
くなるためである。 熱処理温度を300〜450℃とするのは、300℃未
満では重要なピニングサイトとなるα−Ti微細
粒子の析出速度が小さ過ぎ、時間がかかりすぎる
からであり、450℃を越えた場合には析出粒子が
粗大化してしまい、かえつて磁気シールド特性の
低下をまねくためである。熱処理1回当りの保持
時間を1〜168時間とするのは、1時間未満では
析出の絶対量が足らず、168時間を越えた場合に
はほとんど飽和してしまい、それ以上時間を延ば
しても顕著な効果が得られないからである。 また、析出の駆動力となるのは冷間加工によつ
て導入された転位、空孔等の格子欠陥であり、熱
処理の前にある程度の冷間加工を施しておくと一
層の効果があり、なおかつ冷間加工と熱処理を交
互に繰り返すことはより一層の効果がある。この
繰り返し回数を6回以下としたのは、6回を越え
ると各熱処理間の冷間加工率を十分大きくとれな
くなり、その効果もやはり頭打ちとなるからであ
る。 さらに、熱処理と冷間加工を交互に複数回施す
場合、各熱処理間または最終形状に至るまでの1
回当りの冷間加工率を30〜98%とするのは、30%
未満では導入される格子欠陥の量が不十分で熱処
理の効果を生かすことができず、98%を越えると
材料の一部または全体が破壊されて加工不良が生
じたり、加工スタート時の厚さが大きくなりすぎ
て現実的には製造不可能になつたりするからであ
る。 (実施例) 実施例 1 第1図bに示すように厚さ0.1mmのNbの箔2を
表面に巻回被覆した厚さ5mm、巾100mm、長さ150
mmのNb−46wt%Ti合金の板1を3枚と同じサイ
ズの無酸素銅の板4を2枚、外サイズが厚さ37
mm、巾112mm、長さ172mm、内サイズが厚さ27mm、
巾102mm、長さ172mmの無酸素銅でできた筐体状の
中空体3の中に交互に挿入し、第2図bに示すよ
うに中空部に適合したサイズで、かつ真空引きの
通路となる小溝を付けた無酸素銅の蓋5で中空体
3の両端部をふせぎ、真空引きしながらその合わ
せ目を電子ビーム溶接して密封した一体化複合体
とした。 しかる後温度750℃まで加熱し、熱間圧延にて
厚さ17mmまで加工し、その後冷間圧延と熱処理を
第1表に示すように施して厚さ50μ、直径50mmの
円板状サンプルとして磁気シールド特性を測定し
た。その測定の方法は、第4図に示すように磁気
シールドサンプル8を外部磁場B1(サンプルが無
い時の磁場)中に垂直にセツトし、サンプルをセ
ツトした時の残留磁場B2をホール素子にて測定
し、以下の式で得られる△Bの大きさで磁気シー
ルド特性を評価した。その結果を第1表に示す。 △B=B1−B2 また、△BはB1がある値までは超電導体がホ
ール素子のある空間の完全磁気シールドをするの
でほぼ△B=B1の関係で△Bは増加するが、あ
るところでピークをうち、以後磁束がホール素子
のある空間にも侵入するため漸減する。そこで、
この△Bのピーク値を△Bmとして磁気シールド
特性を評価する指標とした。B1と△Bの関係を
第5図に示す。 尚、第1表における中間加工率とはある熱処理
と次の熱処理の間に行う冷間加工率のことであ
り、最終加工率とは最後の熱処理から最終サイズ
に至るまでの冷間加工率のことである。
【表】
【表】 * 保持時間、中間加工率は繰返し数1回
当りの値。
No.1〜3において熱処理温度が比較的低い場合
は保持時間をかなり長くし(No.1)、高い場合に
は保持時間を短か目にして繰り返し回数を増やす
方が(No.3)磁気シールド特性は向上する。両者
の中間であるNo.2にて特性的には非常に高い値が
得られた。比較例であるNo.4〜8では、熱処理条
件のうちNo.4のように温度をさらに低くすると特
性は大幅に低下し、No.5のように温度をさらに高
くしてもやはり低下する。No.6,7のように保持
時間を1時間未満にすると、繰り返し回数を増や
しても(No.6,7)、温度を高くしても(No.7)
特性はきわめて低い。No.8のように保持時間を
168時間(7日間)を越えて熱処理しても、No.1
により特性は若干低下している。 そこで、No.9〜11では保持時間を短くして繰り
返し回数を増やし、きわめて良好な特性を得た。
そのNo.11と他は同じ条件で繰り返し回数だけを1
回増やした比較例No.12では、最終加工の途中で加
工不能となつた。さらに、No.12と他は同じ条件で
保持時間だけを若干短くした比較例No.13では、加
工は最後まで行なうことができたが、特性的には
低下傾向にある。 No.2と他は同じ条件で各熱処理間の加工率を小
さくしたNo.14では、No.2に比べると若干低いが△
Bm=0.4とかなり高い特性が得られた。また、中
間加工率を96%としたNo.15では元サイズが限られ
ているため繰り返し回数は2回にせざるをえなか
つたが、それでも△Bmで0.3を越えることができ
た。中間加工率を99%にした比較例No.16では最終
加工の加工不能となつた。 No.2と他は同じ条件で最終加工率を小さくした
No.17では、No.2に比べると低いが、それでも△
Bmで0.3を越えることができた。また、最終加工
率を96%としたNo.18ではきわめて良好な特性が得
られているが、No.2の最終加工率70%を96%まで
上げるのに要した労力の割には特性はほとんど横
ばいといつてよく、コスト的にはひきあわないこ
とがわかる。さらに、最終加工率を30%に下げた
比較例No.19では特性的にはNo.17よりもさらに低下
傾向にあり、最終加工率を99%まで上げるべく加
工した比較例No.20では、途中の98%のところで材
料破壊が生じ加工不能となつた。 実施例 2 実施例1と同じ要領で一体化複合体(第1図
b)を作成し、その後の加工を他は同じ条件で熱
間加工(この場合は熱間圧延)の条件のみを第2
表のように変えて加工性及び磁気シールド特性を
調べた。加工性は第1表No.2と同じ熱処理及び冷
間圧延を施し、厚さ50μの最終サイズまで良好に
加工できたものを◎、途中でコバ割れ、ピンホー
ル、破断等の欠陥の生じたものを、その発生サイ
ズ及び欠陥の大きさ、頻度等で順次○、△、×の
記号をしるした。その結果を第2表に示す。
【表】 No.21〜24は熱間加工率を実施例1と同じ54%に
し、加熱温度だけを変えた。その結果No.22が最も
良好で、欠陥はほとんど発生せず、磁気シールド
特性も良好であつた。No.23は加熱温度をかなり高
くしたが、加工性はNo.22とほぼ同等であり、特性
はやや低下した。No.21は加熱温度をかなり低くし
たので、特性は非常に良好であるが、やはり密着
性が低下し、種々の欠陥が発生した。比較例No.24
はNo.21よりさらに加熱温度を低くしたため密着性
が非常に悪く、最終サイズまで至らなかつた。比
較例No.25では加熱温度が高過ぎて、熱間圧延中に
加工発熱で銅が解ける現象が発生した。 また、No.26〜29の加熱温度はNo.21〜23のうち加
工性および特性の両面からみて最も良好だつた
750℃に固定し、熱間加工率だけを変えた。その
結果、No.26は特性は良好であるが、密着性不足に
よると思われる欠陥が若干発生した。No.27は熱間
加工率をきわめて高くしたためにその分冷間加工
率が低下したが、それでも△Bmは0.3を越えるこ
とができた。比較例No.28は、No.26よりさらに熱間
加工率を小さくしたために、密着性不足で材料破
断が相次ぎ、最終サイズまで加工できなかつた。
比較例No.29は熱間加工率をおおきくしすぎたため
に、その分最終熱処理後の冷間加工率が46%にと
どまり、加工性はまあまあ良好ではあつたが特性
は著しく低かつた。 実施例 3 実施例1と同じ要領で一体化複合体(第1図
b)を作成した際にその充填率を第3表のように
変え、No.2と同じ条件で熱処理、加工を施してそ
の加工性を調査した。その評価は実施例2と同様
に行なつた。その結果を第3表に示す。尚実施例
1の各一体化複合体の充填率はいずれも95%であ
る。
【表】 No.30は最終サイズ近くで若干の欠陥を生じたが
まあまあの良好な加工性を有していた。しかし、
比較例No.31では内部の密着不良に起因すると思わ
れる材料の破断等が頻発し、加工性は非常に悪か
つた。 実施例 4 実施例1と同じ要領で一体化複合体(第1図
b)を作成した際にNbの箔2を全く用いなかつ
たところ、冷間加工の途中で材料破断が頻発し、
またその破断部をSEMおよびEPMAで調査した
ところCu−Ti化合物が多数検出された。 実施例 5 実施例1と同じ要領で一体化複合体(第1図
b)を作成した際に真空中での電子ビーム溶接に
よる密封をいつさい行わなかつたところ、冷間加
工の途中で密着不良によると思われる材料破断が
頻発した。これは複合体内部の接触面が熱間加工
時等に酸化され、金属的密着性が不十分なためと
推定された。 実施例 6 実施例1と同じ要領で一体化複合体(第1図
b)を作成した際に無酸素銅の板4及び筐体状の
中空体3をすべて純アルミニウム材に変え、かつ
熱間圧延での加熱温度を580℃にした以外はいず
れも第1表と同様の熱処理及び冷間加工を施した
ところ、それぞれバラツキの範囲内で同程度の磁
気シールド特性が得られたので詳細は省略する。 実施例 7 実施例1と同じ要領で一体化複合体(第1図
b)を作成した際に、Nb−Tiの板1をNb−
40wt%Ti−10wt%Zr合金の板に変えて他は第1
表と同様の熱処理及び冷間加工を施したところ
Nb−46wt%Ti合金の特性に比べて約2〜3割低
かつたものの、それぞれバラツキの範囲内で安定
した磁気シールド特性が得られた。詳細は省略す
る。 また、同様にNb−40wt%Ti−15wt%Ta合金
の板に変えて他は第1表と同様の熱処理及び冷間
加工を施したところ、Nb−46wt%Ti合金の特性
に比べて約3〜4割低かつたものの、それぞれバ
ラツキの範囲内で安定した磁気シールド特性が得
られた。詳細は省略する。 (発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば比較例の
2倍以上、場合によつては6〜7倍程度の安定し
た磁気シールド特性を得ることができ、かつ安定
化金属とNb−Ti系超電導材との一体化複合体が
容易に組み立てられる上に、磁気シールド特性の
大巾向上のために必要な熱処理や冷間加工を施す
ことができ、良好な加工性をも有している。した
がつて磁気シールド材を箔状まで薄くすることが
でき、かつ特性も非常に良好であるので、最近の
磁気浮上列車、電磁推進船といつた軽量化の要請
に答えつつ高性能をもたらすことができ、その工
業的な利用価値は非常に高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図aは無酸素銅の筐体状の中空体の中に
Nb箔を巻回被覆したNb−Ti系合金の板1層を
挿入したところを示す図、第1図bはNb−Ti系
合金の板と無酸素銅の板とを交互に多層化して挿
入したところを示す図、第2図aは第1図aの一
体化複合体の両端に無酸素銅の蓋をとりつけたも
のの長手方向の断面を示す図、第2図bは第1図
bの一体化複合体の両端に無酸素銅の蓋をとりつ
けたものの長手方向の断面を示す図、第2図cは
第1図aの単層複合材を加工して薄くした後、複
数枚重ねて挿入し、両端に無酸素銅の蓋をとりつ
けた一体化複合体の長手方向の断面を示す図、第
3図は本発明法により得られた磁気シールド材を
示す図、第4図は磁気シールド材の円板状サンプ
ルを垂直磁場中に置いて磁気シールド特性を測定
する状況を示す図、第5図は外部磁場を大きくし
ていつたときの磁気シールド特性△Bmの変化を
プロツトした図、第6図は同筒状の中空体中に
Nb−Ti系合金と導電率の高い金属とを積層した
状況を示す図である。 1……Nb−Ti系合金の板、2……箔、3……
中空体、3′……導電率の高い金属の層、4……
導電率の高い金属の板、5……蓋、6……導電率
の高い金属の層、7……多層磁気シールド材、8
……磁気シールドサンプル。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも1層のNb−Ti系合金と導電率の
    高い金属とが交互に積層され、かつ前記Nb−Ti
    系合金層と前記導電率の高い金属層の間にはすべ
    てNbまたはTaのバリヤー層が存在することを特
    徴とするNb−Ti系超電導磁気シールド材。 2 導電率の高い金属が銅またはアルミニウムの
    うちいずれかであることを特徴とする請求項1記
    載のNb−Ti系超電導磁気シールド材。 3 Nb−Ti系合金がNb−Ti、Nb−Ti−Zr、
    Nb−Ti−Taのうちのいずれか1種であることを
    特徴とする請求項1記載のNb−Ti系超電導磁気
    シールド材。 4 導電率の高い金属からなる筐体状または円筒
    状中空体中に、NbまたはTaの箔で被覆したNb
    −Ti系合金の板を少なくとも一層前記導電率の
    高い金属と交互に積層するよう充填し、充填率を
    60%以上としてから前記導電率の高い金属で端部
    をふさぎ、内部を真空状態にして溶接密封し一体
    化複合体とし、この一体化複合体に加工率30〜98
    %、温度500〜1000℃の熱間加工を施し、300〜
    450℃の温度で保持時間が1〜168時間の熱処理
    と、加工率が30〜98%である冷間加工を施して板
    状または箔状とすることを特徴とするNb−Ti系
    超電導磁気シールド材の製造方法。 5 熱処理及び冷間加工を6回以下交互に繰り返
    すことを特徴とする請求項4記載のNb−Ti系超
    電導磁気シールド材の製造方法。
JP63243976A 1988-09-30 1988-09-30 Nb−Ti系超電導磁気シールド材及びその製造方法 Granted JPH0294498A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63243976A JPH0294498A (ja) 1988-09-30 1988-09-30 Nb−Ti系超電導磁気シールド材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63243976A JPH0294498A (ja) 1988-09-30 1988-09-30 Nb−Ti系超電導磁気シールド材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0294498A JPH0294498A (ja) 1990-04-05
JPH05880B2 true JPH05880B2 (ja) 1993-01-06

Family

ID=17111851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63243976A Granted JPH0294498A (ja) 1988-09-30 1988-09-30 Nb−Ti系超電導磁気シールド材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0294498A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5373275A (en) * 1989-10-23 1994-12-13 Nippon Steel Corporation Superconducting magnetic shield and process for preparing the same
JP4571918B2 (ja) * 1996-03-19 2010-10-27 新日本製鐵株式会社 NbTi超電導多層板の製造方法及びNbTi超電導多層板
CN101765399B (zh) * 2007-08-01 2013-08-21 金溶进 强磁场性能得到提高的超导体、其制造方法、以及包含该超导体的mri仪器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0294498A (ja) 1990-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4533254B2 (ja) 金属面の接合方法
US9105795B2 (en) Composite superconductor
US3570118A (en) Method of producing copper clad superconductors
US4435228A (en) Process for producing NB3 SN superconducting wires
US3296684A (en) Method of forming intermetallic superconductors
US5174831A (en) Superconductor and process of manufacture
EP0613192B1 (en) Wire for NB3X superconducting wire
JPS6048887B2 (ja) 積層磁性材料
US5373275A (en) Superconducting magnetic shield and process for preparing the same
JPH05880B2 (ja)
EP0424835B1 (en) Superconducting magnetic shield and process for preparing the same
JP3433937B2 (ja) 超伝導性合金を製造する方法
JPH03136400A (ja) Nb―Ti系超電導磁気シールド材の製造方法
RU2436199C1 (ru) СПОСОБ ИЗГОТОВЛЕНИЯ КОМПОЗИТНОЙ СВЕРХПРОВОДЯЩЕЙ ЛЕНТЫ НА ОСНОВЕ СОЕДИНЕНИЯ Nb3Sn
JP3544781B2 (ja) Nb−Ti系超電導多層板の製造方法
JP3948291B2 (ja) Nb3Al系化合物超電導線およびその製造方法
JP2893039B2 (ja) 超電導三層箔材の製造方法
JP4142770B2 (ja) NbTi超電導多層圧延板及びその製造方法
JPH03273700A (ja) 超電導磁気シールド体およびその製造方法
RU2441300C1 (ru) СПОСОБ ИЗГОТОВЛЕНИЯ КОМПОЗИТНОЙ СВЕРХПРОВОДЯЩЕЙ ЛЕНТЫ НА ОСНОВЕ СОЕДИНЕНИЯ Nb3Sn
JP4113031B2 (ja) NbTi超電導多層板及びその製造方法
RU2436198C1 (ru) КОМПОЗИТНАЯ СВЕРХПРОВОДЯЩАЯ ЛЕНТА НА ОСНОВЕ СОЕДИНЕНИЯ Nb3Sn
JPS62252012A (ja) 化合物超電導線材の製造方法
JPH0259572B2 (ja)
JP2002192354A (ja) 積層圧延によるNbAl系合金の製造方法およびNbAl系合金

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090106

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090106

Year of fee payment: 16