JPH0587759A - 感湿素子およびその製造方法 - Google Patents

感湿素子およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0587759A
JPH0587759A JP3248867A JP24886791A JPH0587759A JP H0587759 A JPH0587759 A JP H0587759A JP 3248867 A JP3248867 A JP 3248867A JP 24886791 A JP24886791 A JP 24886791A JP H0587759 A JPH0587759 A JP H0587759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
humidity
sensitive element
compound
power supply
atmosphere
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3248867A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuya Yamada
修也 山田
Koji Kamito
幸次 上戸
Gentaro Kaji
源太郎 梶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP3248867A priority Critical patent/JPH0587759A/ja
Publication of JPH0587759A publication Critical patent/JPH0587759A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】組成式がSrFeO3-X (但し、0≦X≦0.
8)で表される複合酸化物からなる感湿素子である。そ
して、このような感湿素子は、組成式がSrFeO3-X
(但し、0≦X≦0.8)で表される組成範囲となるよ
うにSr化合物とFe化合物を調合した後成形し、70
0〜1200℃の酸化性雰囲気中で焼成した後、還元性
雰囲気中において700〜900℃の温度で熱処理す
る。 【効果】直流電源で作動することができるために、交流
電源やパルス電源回路を不要とすることができるととも
に、相対湿度変化に対して指数関数的に電気抵抗が変化
しないため、リニヤライザ回路を不要とすることがで
き、さらに、低湿度領域における測定を容易とすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感湿素子およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、大気,土壌,特殊雰囲気等における
湿度を検出する湿度センサとしては、湿度変化を電気抵
抗に変換する方式のものが使用されている。このような
湿度センサに使用される感湿素子としては、LiCl等
の電界質水溶液を多孔質母材に浸潤させたものや、親水
性有機高分子に炭素を分散させたもの等が知られてい
る。
【0003】このうち、電解質からなる感湿素子、特
に、LiClは優れた性能を有する感湿抵抗体であり、
Dunmore型素子として知られているが、結露や液
滴、吸湿性ガスの吸着により感湿特性が変化するため、
取扱いや保守が煩雑となる。また、有機高分子からなる
感湿素子は、有機材料自身の劣化や耐熱性に問題があ
り、その使用条件は限定されたものになる。
【0004】そこで、近年においては、これらの素子に
代わり上記のような問題点がない、セラミックスからな
る感湿素子が使用されるようになってきている。このよ
うなセラミックスからなる感湿素子としては、例えば、
特開昭52−42297号公報等に開示されているもの
が知られている。この種の感湿素子はMgCr2 4
TiO2 系の複合酸化物系セラミックスからなり、吸着
した水のイオン伝導を利用して、雰囲気中の湿度変化を
電気抵抗の変化として捉えるものである。
【0005】図3は、このようなMgCr2 4 −Ti
2 からなる感湿素子を用いた湿度センサの測定原理を
示すもので、図において、MgCr2 4 −TiO2
らなる感湿素子11の両端には電極13,15が設けら
れ、これらの電極13,15には、交流電源が接続され
ている。そして、このような湿度センサでは、感湿素子
11の表面に吸着したH2 Oの解離によって生成したプ
ロトン(H3 + )をキャリアとするイオン伝導を利用
して湿度を測定している。従って、感湿素子11の表面
に吸着したH2 Oは、解離吸着して表面に水酸基を生成
し、その水酸基上に水素結合によって物理吸着水層を形
成するが、雰囲気の湿度が高くなると、プロトン(H3
+ )が増加し、電極13,15間の抵抗値が小さくな
る。このように吸着水層等のプロトン(H3 + )が湿
度により増減するため、電極13,15間の抵抗を検出
することにより湿度を測定することができるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、Mg
Cr2 4 −TiO2 系のセラミックスからなる感湿素
子では、吸着した水のイオン伝導を利用しているため、
直流電流を印加すると分極現象が生じ、感湿素子の抵抗
が増加して湿度の検知が不可能になるため、直流電流で
は使用することができないという問題があった。
【0007】即ち、MgCr2 4 −TiO2 系のセラ
ミックスからなる感湿素子では、吸着水の解離によって
生成したプロトン(H3 + )をキャリアとしているた
め、直流電流を印加するとプロトンが負極側に偏り、正
極側のプロトンが減少し、この減少した部分における電
気抵抗が増大し、全体として電気抵抗が増大するという
分極現象を生じ、このため感湿素子の抵抗が増加し、湿
度測定に誤差が生じるという問題があった。この問題は
感湿機構に起因しているため、根本的な解決は不可能で
あり、回避策として直流電源を避けて交流電源やパルス
電源を用いることから、複雑で高価な付属回路が必要に
なるという問題点があった。
【0008】また、上記のような感湿素子では、吸着し
た水のイオン伝導を利用しているため、相対湿度の変化
に対して電気抵抗は、図4に示すように指数関数的に1
3 〜109 Ωまで大きく変化し、このため、電気抵抗
をデータとして取り込むためにはリニヤライザ回路が必
要となるという問題があった。
【0009】従って、MgCr2 4 −TiO2 系のセ
ラミックスからなる感湿素子を利用する際には、交流電
源もしくはパルス電源とリニヤライザ回路等が必要とな
り、湿度センサが複雑化および大型化するとともに、コ
スト高になるという問題があった。
【0010】さらに、上記のような感湿素子では、低湿
度領域においては電気抵抗が108 〜109 Ωと高くな
るため、検出電流が極めて小さくなり、この領域におい
ては測定が困難になるという問題もあった。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
問題点に対して種々の検討を重ねた結果、組成式がSr
FeO3-X で表される複合酸化物により感湿素子を形成
すると、直流電源で作動し、リニヤライザ回路や交流電
源等が不用でかつ低湿度領域における測定の容易化を図
ることができることを見出し、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の感湿素子は、組成式がSr
FeO3-X (但し、0≦X≦0.8)で表される複合酸
化物により形成されるものである。
【0013】本発明における上記複合酸化物は、結晶構
造としては、ペロブスカイト型構造あるいはこれに類似
する結晶構造からなるものである。
【0014】また、複合酸化物中の酸素量により、素子
自体の湿度に対する電気抵抗が変化するという性質を有
するが、本発明において酸素量を決定するX値を0≦X
≦0.8と限定したのは、この範囲内であれば、湿度の
変化に対して抵抗の変化を示し、且つ検出抵抗値を所望
のオーダーに制御することが可能となる。しかし酸素量
がこの範囲を逸脱すると複合酸化物自体の結晶構造が崩
れるとともに有用な感湿特性を示さなくなるからであ
る。
【0015】また、感湿素子として上記複合酸化物を使
用する場合、複合酸化物よりなる磁器の気孔率および結
晶粒径は感湿特性を左右する大きな要因であり、本発明
によれば、気孔率が30〜50%、平均結晶粒径が2μ
m以下であることが望ましい。
【0016】本発明の感湿素子は、組成式がSrFeO
3-X (但し、0≦X≦0.8)で表される組成範囲とな
るようにSr化合物とFe化合物を調合した後成形し、
700〜1200℃の酸化性雰囲気中で焼成した後、還
元性雰囲気中において700〜900℃の温度で熱処理
することにより形成される。
【0017】具体的には、例えば、原料粉末としてSr
CO3 ,Fe2 3 を用い、これらをSrFeO3-X
なるように秤量した後、この原料粉末にメタノール等を
溶媒としてボールミル等で充分に混合する。この混合粉
末に所定のバインダーを適宜添加混合して造粒した後、
プレス成形、押し出し成形、鋳込み成形、ドクターブレ
ード成形等により所定の素子形状に成形する。次にこの
成形体を大気中等の酸化性雰囲気において温度700〜
1200℃で、1〜10時間の焼成を行う。この後、N
2 ガスまたは水素ガスとN2 ガスの混合ガス等の還元性
雰囲気中において、温度700〜900℃で、0.5〜
10時間の還元熱処理を行うことにより、SrFeO
3-X からなる感湿素子が形成される。尚、原料粉末は、
SrとFeの化合物であればよく、例えば、SrとFe
の炭酸塩や硝酸塩でもよい。
【0018】また、上記製造方法において、成形前の混
合粉末を700〜1200℃の大気中で3〜10時間仮
焼して複合酸化物粉末を生成した後、上記の方法で成
形、焼成することにより、複合酸化物を安定に製造する
ことができる。
【0019】なお、磁器の気孔率および孔径を調整する
方法としては、仮焼後の粉砕条件による原料粉末を調整
するか、または焼成条件による粒子同士の焼結状態を調
整することにより容易に行うことができる。
【0020】このような感湿素子を用いた湿度センサ
は、先ず、例えば、厚み約0.1〜1.0mm程度に形成
された感湿素子の両面に電極ペーストを塗布することに
より製造される。この電極としては、例えば、白金や酸
化ルテニウム等の金属および金属化合物からなる粉末に
溶剤と樹脂を添加したものが好適である。さらに、電極
に引き出し線として白金からなる線材を取り付けた後、
例えば、大気中において温度500〜700℃で電極の
焼付け処理を行うことにより、湿度センサが製造され
る。
【0021】このようにして製造された湿度センサは、
例えば、大気中の湿度を測定する場合には、大気中に湿
度センサを配置するとともに、電極に直流電圧約1〜5
Vを印加することにより行う。この電圧の印加により、
大気中の湿度、即ち、感湿素子中の湿度に応じて電極間
の電流値が変化するため、この電流値を計測し、感湿素
子中の抵抗値を測定し、得られた抵抗値から予め作成さ
れた検量線に基づき大気中の湿度を測定することができ
る。
【0022】
【作用】このようなSrFeO3-X で表される複合酸化
物は、ホール係数の測定により、P型半導体であること
が判明しており、水分の吸着により素子の電気抵抗が変
化して湿度を電気抵抗に変換する。即ち、水分は物質に
正電荷吸着することが知られているため、図1に示すよ
うに、水分が素子に吸着すると素子は電子を受け取り、
素子中の正孔(h. )が電荷的に中性となり、素子自体
の電気抵抗が増大し、湿度の上昇を検知することができ
ると考えられる。即ち、本発明の感湿素子は、電子電導
性の材料、SrFeO3-Xで表される複合酸化物からな
る感湿素子中の正孔(h. )を利用して湿度を測定して
いるので、従来のように分極現象が生じることがなく、
このため、直流電流を使用することができ、例えば、乾
電池により作動させることが可能となり、簡単な設備で
使用することができる。また、本発明は、上記のように
正孔(h. )を利用して湿度を測定しているので、湿度
が高くなれば、素子中の抵抗が直線的に高くなるという
性質を有している。
【0023】
【実施例】SrFeO3 となるように、SrCO3 ,F
2 3 の原料粉末をモル比で計算し、秤量した後、こ
の原料粉末に溶媒としてメタノールを添加し、直径3m
mのジルコニアボールにより湿式混合した。この後、得
られた混合スラリーを120℃で乾燥し、1100℃の
大気中で6時間仮焼した。得られた仮焼物をアルミナ製
乳鉢により粉砕し、この粉砕したもので40メッシュを
通過したものを40時間ボールミル粉砕する。粉砕スラ
リーを乾燥の後、バインダーとしてPVA(ポリビニル
アルコール)を適宜添加混合して造粒し、篩いにより粒
径を均一化する。粒径が均一化された原料を、直径12
mmの金型を用いて1ton/cm2で成形する。これ
らの成形体を900℃の大気中、3時間焼成し、SrF
eO3- X (X=0)を得る。また、焼成したものをN2
ガス或いはFoガスとN2 ガスの混合ガス中、800
℃、5時間還元熱処理を行い感湿素子SrFeO
3-X (X=0.5)を形成した。
【0024】そして、このような感湿素子の特性を調べ
るため、先ず、感湿素子の底面と上面に金電極をスパッ
タリングにより形成した。一方、デシケータの中に、P
2 5 粉末またはLiCl,CaCl2 ,Na2 CO3
の飽和水溶液を入れることにより、相対湿度約0%R
H,15%RH,34%RH,88%RHの各相対湿度
雰囲気を得た。これらの雰囲気中にSrFeO3-X (X
=0.5)からなる感湿素子を配置し、両電極に直流定
電圧5Vを印加した時の電流値を測定して電気抵抗を求
めた。
【0025】図2は上記感湿素子を使用した場合の相対
湿度と抵抗の関係を示すグラフである。この図2は、横
軸に相対湿度(%RH)を示し、縦軸に抵抗値(Ω)を
示したもので25℃の条件のもとで測定した結果を示す
ものである。この図によると、湿度と抵抗値との関係は
直線的であり、相対湿度の増加に伴い抵抗値は増加して
いることが判る。
【0026】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明では、交流電
源やパルス電源を不用として直流電源で簡単に作動する
ことができるとともに、相対湿度変化に対して電気抵抗
変化が指数関数的に大きく変化しないため、リニヤライ
ザ回路を不要とすることができ、これにより、湿度セン
サの簡素化を促進することができる。また、低湿度領域
における測定を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感湿素子を使用した湿度センサの測定
原理を示す説明図である。
【図2】本発明の感湿素子を使用した場合の相対湿度と
抵抗の関係を示すグラフである。
【図3】従来のMgCr2 4 −TiO2 系のセラミッ
クスからなる感湿素子を使用した湿度センサの測定原理
を示す説明図である。
【図4】従来のMgCr2 4 −TiO2 系の感湿素子
を使用した湿度センサにより湿度を測定した際の相対湿
度と抵抗との関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式がSrFeO3-X (但し、0≦X≦
    0.8)で表される複合酸化物からなる感湿素子。
  2. 【請求項2】組成式がSrFeO3-X (但し、0≦X≦
    0.8)で表される組成範囲となるようにSr化合物と
    Fe化合物を調合した後成形し、700〜1200℃の
    酸化性雰囲気中で焼成した後、還元性雰囲気中において
    700〜900℃の温度で熱処理することを特徴とする
    感湿素子の製造方法。
JP3248867A 1991-09-27 1991-09-27 感湿素子およびその製造方法 Pending JPH0587759A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3248867A JPH0587759A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 感湿素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3248867A JPH0587759A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 感湿素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0587759A true JPH0587759A (ja) 1993-04-06

Family

ID=17184604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3248867A Pending JPH0587759A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 感湿素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0587759A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115159974A (zh) * 2022-06-24 2022-10-11 东莞理工学院 一种SrFeO3-x陶瓷的反应闪烧制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115159974A (zh) * 2022-06-24 2022-10-11 东莞理工学院 一种SrFeO3-x陶瓷的反应闪烧制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101440648B1 (ko) 수소 민감성 복합 재료, 수소 및 기타 기체 검출용 튜브형 센서
Chen et al. CO2 sensing properties and mechanism of PrFeO3 and NdFeO3 thick film sensor
US4314996A (en) Oxygen sensor
Qu et al. Development of multi-functional sensors in thick-film and thin-film technology
Qu et al. Thick-film humidity sensor based on porous material
Bayhan et al. Sintering and humidity-sensitive behaviour of the ZnCr2O4–K22CrO4 ceramic system
Raj et al. Zinc (II) oxide-zinc (II) molybdate composite humidity sensor
US3952567A (en) Gas sensor
US20150061706A1 (en) Resistive type humidity sensor based on porous magnesium ferrite pellet
US4677415A (en) Ceramic humidity sensor
US5122487A (en) Solid electrolyte of partially stabilized zirconia and method of producing same
US20160161443A1 (en) Gas sensor, method for manufacturing gas sensor, and method for detecting gas concentration
KR101260048B1 (ko) 전도성 입자가 분산된 부온도계수(ntc) 필름 및 이의 제조방법
JP3845741B2 (ja) 窒素酸化物の検出方法及び窒素酸化物検出用センサー素子
EP3696827B1 (en) Thermistor sintered body and temperature sensor element
KR101686879B1 (ko) 산화물 반도체 가스센서 및 그 제조방법
JPH0587759A (ja) 感湿素子およびその製造方法
US7578974B2 (en) Resistive type oxygen sensor and air/fuel ratio control system using it
CN103328961A (zh) 湿敏陶瓷材料及湿敏陶瓷元件
US4509035A (en) Humidity-sensitive element and process for producing the same
Qu Effect of electrode materials on the sensitive properties of the thick-film ceramic humidity sensor
JPH05332980A (ja) 感湿素子の製造方法
Wagiran et al. Characterization of screen printed BaTiO3 thick film humidity sensor
JPH022534B2 (ja)
JPH09264863A (ja) 炭酸ガスセンサ及びその製造方法