JPH0587708A - X線顕微鏡用の試料カプセル - Google Patents

X線顕微鏡用の試料カプセル

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JPH0587708A
JPH0587708A JP3248872A JP24887291A JPH0587708A JP H0587708 A JPH0587708 A JP H0587708A JP 3248872 A JP3248872 A JP 3248872A JP 24887291 A JP24887291 A JP 24887291A JP H0587708 A JPH0587708 A JP H0587708A
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JP
Japan
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spacer
membrane
sample
spacers
thickness
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Pending
Application number
JP3248872A
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English (en)
Inventor
Katsuzo Mizunoe
克三 水ノ江
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2枚のメンブレンの間に形成される試料室の
厚さを常に所期値になるように試料カプセルを組み立て
ること。 【構成】 X線顕微鏡用の試料カプセルは、一対のメン
ブレン(1)とその間に挟まれたスペーサ(9)とから
なる。試料室(10)の厚さはスペーサ(9)の厚さで
決まるが、3〜10μと薄いので、スペーサとメンブレ
ンの間又はスペーサ間に異物が挟まったり隙間ができて
所期値より厚くなっても確認が困難。そこで、本発明は
スペーサ(9)を導電性材料で構成した。スペーサとメ
ンブレンの間又はスペーサ間に異物が挟まったり隙間が
できると、電気的に断線するので、電流を流してモニタ
することで、スペーサとメンブレンの間又はスペーサ間
が密に接触したことを検知できる。密に接触すれば、試
料室の厚さは所期値になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線顕微鏡の観察に使
用される試料カプセルに関する。
【0002】
【従来の技術】医学や生物工学の分野では、通常の可視
光(波長λ=約 400nm〜 800nm) を用いる顕微鏡よりも
解像度が高く、それでいて、生きた試料(以下、生物試
料又は単に試料と言う)例えば、細胞、バクテリア、精
子、染色体、ミトコンドリア、べん毛などが見られる高
解像度の顕微鏡を要求する声が日増しに高まっている。
その理由は、高解像度の電子顕微鏡では、生物試料が見
られないからである。そこで、可視光に代えて波長λ=
2〜5nmの軟X線を用いるX線顕微鏡が開発されつつあ
る。
【0003】軟X線は、物質内を透過したとき物質によ
って吸収され、物質内の透過光路長(単位長さ)当たり
の吸収率すなわち線吸収係数は、物質の密度に比例し、
一般には波長が長くなるほど高くなる。物質に応じて線
吸収係数が異なることを利用して生物試料を観察するこ
とができる。ところで、軟X線は、空気の大部分を占め
る窒素によって吸収されてしまうので、X線発生器Gか
ら生物試料まで、生物試料から撮像素子までを真空空間
(例えば、4.8 ×10-2Pa) にしなければならない。 他
方、生物試料は真空空間では死んでしまうので、適当な
液体の媒質(例えば水、培養液、体液、生理食塩水な
ど)に浮遊させ、これを適当な容器に入れて保護する必
要がある。このような容器を一般に試料カプセルと呼
ぶ。
【0004】試料カプセルは、図4(底面図)と図5
(断面図)に示すメンブレン(1)の一対のそれらの間
に挟まれるスペーサ(9)からなる。図6(斜視図)も
参照されたい。スペーサとこれを挟む一対のメンブレン
で囲まれた空間は、試料室と呼ばれ、ここに試料を入れ
る。スペーサ(9)の厚さは3〜10μmで、それにより
一対のメンブレンの間隔はスペーサの厚さと同じにな
る。メンブレンは、一般に厚さ1mm×縦1cm×横1cmの
正方形(図6では円)の形をしたシリコンウエハを基板
(15)としている。この基板(15)の表面と裏面の
両方に、真空蒸着、スパッタリング等の真空薄膜形成法
により厚さ0.1〜0.05μmの窒化シリコン薄膜
(16)を形成する。基板(1)はX線を透過させない
ので、試料を載せる支持体は、表面の窒化シリコン薄膜
(16)だけにする必要がある。窒化シリコン薄膜(1
6)はこの位の厚さであれば、X線を透過させる。薄膜
(16)は機械的に弱いので、余り大きな面積にするこ
とはできない。そこで、試料を載せる位置に相当する部
分の基板(1)だけを除去する。そのため、まず、裏面
の窒化シリコン薄膜(16)について、試料を載せる位
置に相当する部分を開窓する。開窓はフォトリソエッチ
ングで行なう。開窓した後、露出した基板の部分を湿式
エッチングすることにより、基板(15)にX線透過用の
孔(14)を開ける。エッチングは、窒化シリコン薄膜
(16)のところで止まるので、孔(14)の上部は薄
膜(16)で覆われて閉じている。孔(14)とこれを
覆う部分の薄膜(16)を総称してX線透過窓(8)と
言う。窓(8)の大きさは一般に0.2×0.2mmの正
方形である。
【0005】メンブレンは、市販の直径8cmの円板状シ
リコンウエハを共通の基板として同時に複数枚作る。孔
(14)を作るエッチングの際に異方性を利用して、1
つのメンブレンと外のメンブレンとの間にスクラブライ
ンを同じエッチング工程で孔(14)と同時に作り、そ
の後、スクラブラインの所で共通基板を割ることによ
り、複数枚のメンブレンを得る。そのため、メンブレン
の周辺は、一見直線に見えるものの、微細には不規則に
蛇行している。従って、メンブレンの周辺から窓(8)
までの距離は個々に異なっている。
【0006】そのため、試料カプセルを組み立てるとき
には、下のメンブレンの窓(8)と上のメンブレンを窓
(8)が一致するように、顕微鏡で窓(8)を観察しな
がら組み立てなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】強力なX線源が入手し
難いことと、媒質がX線を吸収することから、試料室の
厚さは重要であり、所定の厚さに設定しなければならな
い。しかしながら、試料室の厚さは3〜10μmと極めて
狭いので、これを確認する手段がない。スペーサとメン
ブレンが密に接触すれば、試料室の厚さはスペーサの厚
さと等しくなる。
【0008】しかし、3〜10μmと微小な長さの問題で
あるので、スペーサとメンブレンとの間に隙間が開いた
り、間に異物が挟まったりすることがしばしば発生す
る。そのため、従来、試料室の厚さを所期の値に設定す
ることが困難であると言う問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、一対
のメンブレンとその間に挟まれるスペーサとからなるX
線顕微鏡用の試料カプセルにおいて、前記スペーサを導
電性材料で構成した。
【0010】
【作用】スペーサとスペーサ又はスペーサとメンブレン
が密に接触すれば、スペーサから配線を引くことによ
り、一方のメンブレンからスペーサを経て他方のメンブ
レンへと一本の電流路を形成することができる。そこ
で、電流路の一端から他端へと電流を流し、その電流、
抵抗又は電圧のいずれかを測定する。電流の場合、それ
が最大のとき、スペーサとスペーサとの接触又はスペー
サとメンブレンとの接触は最も密であると推定される。
これが本発明の基本原理である。
【0011】本発明では、スペーサは、分割型でも1個
の共通型(例えばリング状・・・このリングの内部が試
料室になる)のいずれでもよいが、本発明の効果が顕著
にでるのは、3点に分割された分割型スペーサのときで
ある。一般に試料カプセルは機械的強度が弱いことと、
このままでは試料室の気密が保てないので、金属製の試
料ホルダ内に入れて保護する(図7)。図7ではスペー
サは小さいので見えない。試料ホルダは、主ホルダ
(3)と押さえホルダ(2)の2つからなり、主ホルダ
(3)の上で試料カプセルを組み立てた(試料カプセル
の中には当然に試料を入れる)後に押さえホルダ(2)
を載せ、ネジ(6)で両ホルダを接合する。このときO
リング(4)、(5)を使って、上下2枚のメンブレン
(1)を互いに押し合わせることにより試料室(10)
を試料ホルダ外の真空空間から隔離する。これにより初
めて開放型の試料室(10)は気密状態になる。
【0012】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0013】
【実施例1】図1は、メンブレン(1a)を上から見た
概念図(一部をデホルメしてある)である。メンブレン
(1a)自身は、従来のもの(図5参照)と同じであ
り、中央に点線で示すX線透過窓(8)がある。窓を囲
むように3つのスペーサ(91a)、(92a)、(9
3a)が配置されている。スペーサはメンブレンの表面
に固定されている。3つのスペーサを結ぶと正三角形が
得られ、その中心に窓(8)が位置する。ここのスペー
サは所定のスペーサの厚さの半分である。と言うのは、
スペーサ付きで考えた場合にメンブレン(1a)と全く
同一のメンブレンである(1b)を対面させて接合する
からである。これらのスペーサは、導電性材料例えば
金、ニッケル、アルミニウム、銅、銀などで作られる。
このことが本発明の特徴である。メンブレン(1a)の
右上角には外部への端子(7a)が設けられている。ス
ペーサ(91a)は、この端子(7a)と配線(11
a)で導通が取られている。スペーサ (92a)と
(93a)は配線(12a)で導通が取られている。配
線は真空薄膜形成法により金属薄膜をX線透過膜(例え
ば窒化シリコン薄膜)の上に形成した後フォトリソエッ
チングにより形成する。その上に更に前述のスペーサを
同様に形成する。
【0014】メンブレンの左上角は三角形に切り落とさ
れている。これは、端子(7a)に外部配線を接触でき
るようにするため空間を確保する目的で作られている。
図2は、図1と全く同じ構造、寸法のメンブレン(1
b)である。即ち、スペーサ(91b)、(92b)、
(93b)も付いている。図1のメンブレン(1a)の
上に図2のメンブレン(1b)を反転させて重ねる。つ
まり、スペーサが対面する。この状態が図3である。も
ちろん、このとき、メンブレンの間(試料室)に試料を
入れる。試料室は開放型であるが、試料室の厚さが極め
て薄いので媒質の表面張力により、試料が試料カプセル
から外に流れ出すことはない。
【0015】その結果、向い合うスペーサが接触すれ
ば、端子(7a)−配線(11a)−スペーサ(91
a)−スペーサ(93b)−配線(12b)−スペーサ
(92b)−スペーサ(92a)−配線(12a)−ス
ペーサ(93a)−スペーサ(91b)−端子(7b)
と言う電流路が形成される。その結果、端子(7a)と
端子(7b)に外部配線を連結して外部電源から電流を
流すと、流れるはずである。
【0016】試料カプセルは試料ホルダ内に収納するの
で、外部配線は試料ホルダを貫通させて外部に引き出
す。このとき、試料ホルダは金属製であるので、外部配
線と試料ホルダとの間は絶縁材料で密封する。
【0017】
【実施例2】図8は、本実施例にかかる試料カプセルの
垂直断面を示す概念図である。スペーサ(9)は実施例
1と同様に両方のメンブレン(1)上に固着されている
が、一方にだけあってもよい。スペーサ(9)は配線
(11)で1つの電流路が形成されており、両端に外部
配線(17)を連結し、電流計(18)を介して電源
(13)をつなぐと1つの閉回路が仕上がる。メンブレ
ン(1)を上下方向から押したとき、一方のメンブレン
に固定されたスペーサ(9)と他方のメンブレンに固定
されたスペーサ(9)との間の接触が密になったとき、
電流計(18)の値が最大になるはずである。そこで、
電流計(18)をモニタしながら試料カプセルを組み立
てれば、試料室の厚さが所期の通りになることが確認さ
れる。
【0018】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、スペーサ
を導電性にしたことにより、スペーサ間又はスペーサと
メンブレンとの間に異物が挟まっていたり、隙間があっ
たときに、電気的に確認できることから、試料室の厚さ
をいつも所期の厚さに設定することができる。そのた
め、X線顕微鏡による観察像の画質を最良にすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の実施例1にかかる一方のメンブレ
ンを上から見た様子を示す概念図である。
【図2】は、本発明の実施例1にかかる他方のメンブレ
ンを上から見た様子を示す概念図である。
【図3】は、図1のメンブレンの上に図2のメンブレン
を反転させて重ねた様子を示す概念図である。
【図4】は、従来のメンブレンの底面図である。
【図5】は、図4のA−A’矢視断面図である。
【図6】は、従来の試料カプセルの概略斜視図である。
【図7】は、試料カプセルを入れた試料ホルダの概略断
面図である。
【図8】は、実施例2にかかる試料カプセルの概略断面
を示す概念図である。
【主要部分の符号の説明】
1 メンブレン 2 押さえホルダ 3 主ホルダ 4 Oリング 5 Oリング 6 ネジ 7a 端子 7b 端子 8 窓 9 スペーサ 10 試料室 11 配線 11a 配線 11b 配線 12a 配線 12b 配線 13 電源 14 X線透過のための孔 15 基板 16 窒化シリコン(X線透過膜) 17 外部配線 18 電流計 91a スペーサ 91b スペーサ 92a スペーサ 92b スペーサ 93a スペーサ 93b スペーサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のメンブレンとその間に挟まれるス
    ペーサとからなるX線顕微鏡用の試料カプセルにおい
    て、前記スペーサを導電性材料で構成したことを特徴と
    する試料カプセル。
JP3248872A 1991-09-27 1991-09-27 X線顕微鏡用の試料カプセル Pending JPH0587708A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3248872A JPH0587708A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 X線顕微鏡用の試料カプセル

Applications Claiming Priority (1)

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JP3248872A JPH0587708A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 X線顕微鏡用の試料カプセル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0587708A true JPH0587708A (ja) 1993-04-06

Family

ID=17184683

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3248872A Pending JPH0587708A (ja) 1991-09-27 1991-09-27 X線顕微鏡用の試料カプセル

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JP (1) JPH0587708A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8342726B2 (en) 2005-09-01 2013-01-01 Docter Optics Gmbh Vehicle headlight having plural light sources and lenses

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8342726B2 (en) 2005-09-01 2013-01-01 Docter Optics Gmbh Vehicle headlight having plural light sources and lenses

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