JPH0587658B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車その他の動力装置であるエンジ
ンの最高回転速度を一定値以下に保持するための
ガバナ装置に関するものである。

従来技術とその問題点 エンジン用ガバナ装置として遠心力などを利用
した機械式のものと吸入空気を利用した空気式の
ものとが一般に知られているが、応答速度が遅く
且つエンジン回転速度の正確な制御が困難であ
る。

また、直流電動機に類似構造のアクチユエータ
で吸気系の絞り弁を全閉から最大開度まで制御し
エンジン回転速度が規定以上となつたときエンジ
ンを停止することも考えられているが（特公昭56
−13178号公報）、この公報に開示されている技術
手段は例えば発電機駆動用エンジンを任意の設定
回転数に制御するものであるため、回転速度を広
範囲に亘つて自由に変更する自動車用エンジンな
どにそのまま適用することはできない。

一方、多様な負荷状態、広範囲な回転速度で運
転されるエンジンの過回転を防止するため、絞り
弁開方向へ働くガバナスプリングを作用させたガ
バナレバーを絞り弁軸に固着し、エンジン回転に
より発生させた起電力が入力されるソレノイドを
配置して起電力が過回転時の値になつたときソレ
ノイドのプランジヤが作動してガバナレバーを絞
り弁閉方向へ押し、エンジンの過回転を防止する
ことが考えられているが（特開昭58−172439号公
報）、同一回転速度であつてもエンジン負荷が異
なると絞り弁開度、従つてガバナスプリングの力
が異なる値となるため、ソレノイドが絞り弁開方
向の動きを阻止させるときのエンジンの回転速度
が一定値とならず、制御性が不正確で信頼性に乏
しい面がある。

発明の目的 本発明はこのような問題点を解決し、エンジン
の負荷に関係なく回転速度が一定値以上とならな
いように応答よく正確に制御でき、且つ所定の最
高回転速度以下では運転者による自由な運転が行
え、自動車用エンジンの制御に最適のガバナ装置
を提供することを目的としている。

発明の構成 前記の目的を達成するため本発明に係るエンジ
ンのガバナ装置は、エンジンの回転速度および吸
気系の絞り弁の開度に応じて電子式の制御ユニツ
トから送られる駆動信号によつて駆動され出力軸
が軸線方向へ往復動するステツプモータと、絞り
弁軸に固着されたアームとを具え、エンジンの所
定の最高回転速度以下では前記出力軸は前記アー
ムに追従して往復動し、所定の最高回転速度以上
となつたとき前記出力軸は追従動作を停止して前
記アームの開弁方向の動きを阻止するような構成
としたものである。

実施例 本発明の実施例を図面に基いて説明する。

エンジンの吸気系に設けられた絞り弁１を固着
した絞り弁軸２に絞り弁作動用のレバー３が回転
自由に支承されているとともにアーム４が固着さ
れ、またレバー戻しばね５とアーム作動ばね６と
が絞り弁軸２に緩く嵌められている。レバー３は
運転者が操作する例えばアクセルペダルにアクセ
ルワイヤ７によつて連結されているとともに突起
３ａを有し、またアーム４は板状の当り部４ａと
爪４ｂとを有している。

アクセルペダルを踏込んでアクセルワイヤ７を
引張り、レバー３を第１図反時計方向へ回動する
と、両端をレバー３およびアーム４に係合したア
ーム作動ばね６を介してアーム４がレバー３と一
緒に回動し、絞り弁１は開度増大方向に回動させ
られエンジンの回転速度は上昇する。アクセルペ
ダルを戻してアクセルワイヤ７を緩めるとレバー
３はレバー戻りばね５の作用で時計方向へ回動
し、突起３ａを爪４ｂを押してアーム４をレバー
３と一緒に回動し、絞り弁１は開度減少方向に回
動させられエンジンの回転速度は低下する。

絞り弁軸２の延長上に絞り弁１の開度検出器８
が設置され、その入力軸９に固着した腕１０がレ
バー３に突設した杆１１と係合してレバー３の動
き即ち絞り弁１の開度を前記検出器８に検知させ
る。この開度検出器８とエンジンの回転速度検出
器１２からの出力信号は電子式の制御ユニツト１
３に間断なく連続的に送られ、この制御ユニツト
１３から絞り弁１の開度に対応する駆動信号およ
びエンジンの回転速度を所定値以下とする駆動信
号がステツプモータ１４に出力される。

ステツプモータ１４はケーシング１５に円周方
向等間隔で内蔵配置した複数個の電磁石からなる
固定子１６とその中心に置いた円筒形の永久磁石
からなる回転子１７とを具え、回転子１７はケー
シング１５に回転自由に支承した芯材１８に固着
されているとともに、この芯材１８の中心のねじ
孔にケーシング１５へキイ結合した出力軸１９の
ねじ部２０が螺装され、この出力軸１９の先端が
アーム４の当り部４ａに接するようになつてい
る。

固定子１６を構成する電磁石のコイルにパルス
からなる駆動信号を順次供給して磁束の発生個所
を円周方向へ移動させ回転子１７との間に反発力
を生じさせることによつて回転子１７と芯材１８
とを一体に回転させると、パルスの一個の波を一
個のコイルに送ることによつて回転子１７は隣り
合つた電磁石の間隔に相当する角度だけ回転し、
従つて出力軸１９はパルスの波数に応じた回転子
１７の回転角度だけ回転しねじ部２０のねじピツ
チによつて定まる距離だけ軸線方向へ往復動する
もので、その移動方向はコイルの通電順序によつ
て決定される。

レバー３が絞り弁１の開度増大方向に回動する
とき、これに追従するアーム４がその当り部４ａ
が出力軸１９の先端に衝ることによつて停止する
とレバー３のみが回動する。このレバー３の動き
は開度検出器８が検知して制御ユニツト１３に出
力信号を送つているので、レバー３に対応する位
置に絞り弁１を開かせるように駆動信号がステツ
プモータ１４に送られ出力軸１９は第１図左方へ
移動させられ、従つてアーム４はレバー３と実質
的に一緒に回動して絞り弁１を開かせるのであ
る。

レバー３が絞り弁１の開度減少方向に回動する
ときステツプモータ１４は前記と反対方向に駆動
され、出力軸１９は第１図右方へ移動してアーム
４に追従する。

絞り弁１の開度が増大してエンジンの回転速度
が予め設定した所定値以上となつたとき、回転速
度検出器１２から制御ユニツト１３に送られる出
力信号によつて絞り弁１の開度に関係なくステツ
プモータ１４を反対方向に駆動する駆動信号をス
テツプモータ１４に送り、出力軸１９が当り部４
ａを押すことによつてアーム４を逆に絞り弁１の
開度減少方向へ少し回動させ、エンジンの回転速
度を一定値よりも低い或る回転速度に保持するの
である。この場合、回転速度検出器１２からの出
力信号によつてはステツプモータ１４を停止して
アーム４の開弁方向の動きを阻止し絞り弁１の開
度を一定とし回転速度を一定値に保持させること
もある。

また、出力軸１９は絞り弁１の全開度域に亘つ
てアーム４に追従させることなく、絞り弁１の或
る開度域以上で追従させるようにしてもよい。

発明の効果 本発明によると、エンジンの回転速度と絞り弁
の開度とに応じて電子式の制御ユニツトから送ら
れる駆動信号によつて駆動され出力軸が軸線方向
へ往復動するステツプモータを具え、絞り弁軸に
固着したアームに出力軸を追従させて往復動させ
るがエンジンの回転速度が所定値以上となつたと
き追従動作を停止するようにしたので、出力軸は
絞り弁の開閉動作に鋭敏に追従して往復動し、従
つてエンジンの負荷に関係なく、換言すれば絞り
弁の開度に関係なくエンジンの回転速度が所定値
以上となつたとき直ちにアームの開弁方向の動き
が阻止されるのである。即ち、本発明によると、
所定の最高回転速度以下では運転者による自由な
運転が行えるが、最高回転速度以上となつたとき
は応答よく正確に回転速度を一定値以下に制御で
きるものであつて、最高回転速度を負荷に関係な
く一定にすることにより運転域の最高馬力を高め
ることが可能となり且つ燃料消費率の向上を計れ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す一部切截した正
面図、第２図は側面図である。 １……絞り弁、２……絞り弁軸、３……レバ
ー、４……アーム、８……開度検出器、１２……
回転速度検出器、１３……制御ユニツト、１４…
…ステツプモータ、１９……出力軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ エンジンの回転速度および吸気系の絞り弁の
   開度に応じて電子式の制御ユニツトから送られる
   駆動信号によつて駆動され出力軸が軸線方向へ往
   復動するステツプモータと、絞り弁軸に固着され
   たアームとを具え、エンジンの所定の最高回転速
   度以下では前記出力軸は前記アームに追従して往
   復動し、所定の最高回転速度以上となつたとき前
   記出力軸は追従動作を停止して前記アームの開弁
   方向の動きを阻止するように構成したことを特徴
   とするエンジンのガバナ装置。