JPH0587606U - 無人搬送車の交差点監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無人搬送車の搬送経路途中の交差点におい
て、多数のセンサを必要とせずに衝突を防止する。 【構成】 交差点の上方にはＩＲ通信装置１が配置さ
れ、中央制御装置２と接続されている。交信範囲Ｒに侵
入した無人搬送車Ｖ２は中央制御装置２とＩＲ通信装置
１を通じて交信し、もしも交差点内に他の無人搬送車Ｖ
１がいる時には減速停止し、無人搬送車Ｖ１と衝突しな
い位置Ｖ３において待機する。無人搬送車Ｖ１が交差点
を通過すると、中央制御装置２は無人搬送車Ｖ３に侵入
許可を送信し、無人搬送車Ｖ３は発進する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、床面上を走行する無人搬送車の走行経路途中の交差点におけるイン ターロック制御のための交差点監視装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

倉庫や工場内において、物品を搬送するために、床面上を走行する無人搬送車 が利用されている。一般に、無人搬送車は複数走行し、それぞれ中央制御装置か ら送られる搬送指令に従って、無人搬送車に搭載された制御装置に制御されて物 品受け渡し作業を行ない、また始点と終点との間を走行する自律制御が採用され ていることが多い。このような自律制御を採用した場合、中央制御装置は搬送要 求に基づいて搬送指令を作成し、各無人搬送車に割り付けるのみでよく、受け渡 し、走行は各無人搬送車が自律的に制御する。

【０００３】 但し、走行経路途中に交差点が設けられている場合、交差点での無人搬送車ど うしの衝突を防止するために、中央制御装置がインターロック制御を行なう必要 がある。すなわち交差点のすべての入口及び出口には無人搬送車を検知するため のセンサ（例えば反射式光電センサ等）を備え、少なくとも無人搬送車の待機位 置には通信装置を配置しておく。入口及び出口のセンサにより、中央制御装置は 交差点内に無人搬送車が存在するか否かを知ることができる。衝突の可能性があ る時には通信装置を通じて無人搬送車を待機位置に停止させておき、交差点から 無人搬送車が退出したら、待機していた無人搬送車に進行許可を出すようにして 衝突を防止していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような交差点監視装置によると、交差点の出入口すべてにセンサを配置す る必要があり、またそれぞれ配線を必要とするので、構造が複雑化し、走行経路 の新設・変更の工事に手間がかかっていた。

【０００５】 よって本考案の目的は、簡単な構成で交差点のインターロック制御を実現する ことのできる無人搬送車の交差点監視装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案は、床面上を走行する無人搬送車の交差点の 近傍に、交差点に侵入してくる無人搬送車が他の無人搬送車と衝突しないような 交差点の手前の位置で停止するために減速を開始する位置まで交信範囲に含まれ るように配置されて交信範囲内の無人搬送車と交信するＩＲ通信装置と、該ＩＲ 通信装置を通じて検知した無人搬送車の存在位置に基づいて無人搬送車に交差点 侵入許可を与える中央制御装置とを備えて無人搬送車の交差点監視装置を構成し た。

【０００７】

【作用効果】

本考案は上記の構成としたので、次のような作用効果を奏する。

【０００８】 本考案に係る無人搬送車の交差点監視装置においては、交差点の近傍にはＩＲ 通信装置が配置され、ＩＲ通信装置には中央制御装置が接続されている。ＩＲ通 信装置は通常無指向性で、広い交信範囲を有する。その交信範囲は、交差点に侵 入してくる無人搬送車が他の無人搬送車と衝突しないような交差点の手前の位置 で停止するために減速を開始する位置が含まれるようにＩＲ通信装置が配置され ているので、中央制御装置はＩＲ通信装置を通じて交差点内に無人搬送車が存在 するか否かを検知することができる。もしも交差点内に他の無人搬送車が存在し 、衝突の可能性があれば、中央制御装置はＩＲ通信装置を通じて進行してきた無 人搬送車を他の無人搬送車と衝突しないような交差点の手前の位置で停止させる 。少なくともこの停止位置に停止させるための減速開始位置は、ＩＲ通信装置の 交信範囲に含まれるようにＩＲ通信装置は配置されている。交差点内に存在して いた無人搬送車が退出すると、中央制御装置は待機していた無人搬送車に侵入許 可を出す。

【０００９】 よって本考案に係る無人搬送車の交差点監視装置によると、交差点における無 人搬送車のインターロック制御は中央制御装置と接続したＩＲ通信装置を配置す るのみで達成できるので、従来に比較して配線や据付工事が簡略である。

【００１０】

【実施例】

以下図示の実施例について説明する。

【００１１】 図１は、本考案に係る無人搬送車の交差点監視装置の一実施例を示す概略平面 図である。

【００１２】 同図において、搬送経路Ｐ１とＰ２との交差点の上方にはＩＲ通信装置１が配 置されている。ＩＲ通信装置１は中央制御装置２と接続されている。ＩＲ通信装 置１は無指向性であって、円形の交信範囲Ｒを有し、交信範囲Ｒ内の無人搬送車 Ｖと交信を行なうことができる。

【００１３】 搬送経路Ｐ１から交信範囲Ｒ内に侵入した無人搬送車Ｖ１は、ＩＲ通信装置１ との間で交信を行ない、号機ナンバーと位置情報を送信する。これにより中央制 御装置２は何号機がいずれの位置にあるかを知ることができる。無人搬送車Ｖ１ が交差点から退出する前に搬送経路Ｐ１から無人搬送車Ｖ２が侵入してくると、 無人搬送車Ｖ１と同様号機ナンバーと位置情報を送信する。中央制御装置２は直 ちに号機ナンバーを指定して停止するよう命令すると、無人搬送車Ｖ２はＶ３の 位置に停止する。この位置は、無人搬送車Ｖ１が交差点を通過する際に相互に衝 突を起こさない位置である。無人搬送車Ｖ１はＩＲ通信装置１を通じて中央制御 装置２と交信を続けており、その位置情報により無人搬送車Ｖ１が交差点を退出 したことが中央制御装置２に伝達されると、中央制御装置２は無人搬送車Ｖ３に 侵入許可を発し、これを受けて無人搬送車Ｖ３は発進する。

【００１４】 図２は本考案に係る無人搬送車の交差点監視装置の他の実施例を示す概略平面 図である。

【００１５】 図２に示した例においてはＩＲ通信装置１はその交信範囲Ｒ内に２つの交差点 を含む。すなわちＩＲ通信装置１の近傍には走行経路Ｐ３とＰ４との交差点、Ｐ ３とＰ５との交差点が存在する。この例においても図１に示した例と同様、ＩＲ 通信装置１は交信範囲Ｒ内の無人搬送車Ｖと交信を行なって各交差点におけるイ ンターロック制御を行なう。

【００１６】 以上示した実施例によると、交差点に近接して１つのＩＲ通信装置１を設置す れば交差点におけるインターロック制御を達成できる。

【００１７】 以上本考案の実施例について説明したが、本考案は上記実施例に限定されるも のではなく、本考案の要旨の範囲内において適宜変形実施可能であることは言う までもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案に係る無人搬送車の交差点監視装
置の一実施例を示す概略平面図である。

【図２】図２は本考案に係る無人搬送車の交差点監視装
置の他の実施例を示す概略平面図である。

【符号の説明】

１ ＩＲ通信装置 ２ 中央制御装置 Ｒ 交信範囲 Ｖ 無人搬送車

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面上を走行する無人搬送車の交差点の
   近傍に、交差点に侵入してくる無人搬送車が他の無人搬
   送車と衝突しないような交差点の手前の位置で停止する
   ために減速を開始する位置まで交信範囲に含まれるよう
   に配置されて交信範囲内の無人搬送車と交信するＩＲ通
   信装置と、該ＩＲ通信装置を通じて検知した無人搬送車
   の存在位置に基づいて無人搬送車に交差点侵入許可を与
   える中央制御装置とを備えたことを特徴とする無人搬送
   車の交差点監視装置。