JPH0587584B2 - - Google Patents
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- JPH0587584B2 JPH0587584B2 JP30966688A JP30966688A JPH0587584B2 JP H0587584 B2 JPH0587584 B2 JP H0587584B2 JP 30966688 A JP30966688 A JP 30966688A JP 30966688 A JP30966688 A JP 30966688A JP H0587584 B2 JPH0587584 B2 JP H0587584B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/005—Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment of ferrous alloys
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- Metallurgy (AREA)
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、通信機器、音響製品、コンピユータ
ー関連機器、精密機器、自動車等の各種産業機械
の部品等および構造用材料等に好適な、引張強さ
が200Kgf/mm2を越える超高強度ステンレス鋼お
よびその製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 上述のような超高強度が要求される部品として
は、音声記憶装置(以下VTRと呼ぶ)に用いら
れるマイクロモーターシヤフト等のマイクロシヤ
フト、板ばねや線ばね等の各種ばねがある。ま
た、通信機器、音響製品、コンピユーター関連機
器、精密電子機器および自動車等に用いられる各
種ばねやプーリー、チエーン、シヤフト等も高強
度であることが要求される。さらに、構造用とし
てロープやボルト、ナツト等も高強度鋼の必要性
が高まつている。これらの部品は、耐銹性も要求
されており、この点からステンレス鋼が材料とし
て使用される場合が多い。一般的には、冷間加工
にて加工誘起マルテンサイトを生成し、高強度を
得るSUS301,SUS304等の準安定オーステナイ
ト系ステンレス鋼が使用されている。 しかし上述のステンレス鋼を高強度化するため
に冷間加工を施しても、引張強さは最高200Kg
f/mm2程度しか得られない。 〔発明が解決しようとする課題〕 ステンレス鋼を高強度化するには、C,Nを多
量に添加し固溶硬化を利用する方法があるが、こ
の方法では結晶粒界等に炭窒化物が生成し耐銹性
を劣化させる。冷間加工による加工誘起マルテン
サイトを生成させ高強度化する方法もあるが、こ
の方法では引張強さ200Kgf/mm2程度が上限であ
る。さらに、Al等を添加し析出硬化を利用する
方法も考えられるが、高合金化し熱間加工性が劣
化する場合がある。 ステンレス鋼を高強度化する方法として、特公
昭62−33288号公報が知られているが、熱間加工
性および耐銹性を考慮した検討はなされていな
い。 本発明は、従来のかかる熱間加工性および耐銹
性の問題を解決して、工業的にトラブルなく製造
し得る引張強さ200Kgf/mm2超の高強度ステンレ
ス鋼およびその製造方法を提供することを目的と
する。 〔課題を解決するための手段および作用〕 本発明者らは、この目的のためにMn−Ni−Cr
系のステンレス鋼の組成を種々検討し、これを達
成した。 本発明の要旨は、つぎのとおりである。 (1) 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Fe
および不可避的不純物からなり、かつ下記の式
で示されるMd30が−120以上およびPVが0以
下の範囲の組成からなる高強度ステンレス鋼。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=S(ppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30 …(2) (2) 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Fe
および不可避的不純物からなり、かつ下記の式
で示されるMd30が−120以上およびPVが0以
下の範囲の組成からなる鋼の熱間加工材もしく
は冷間加工材を、1000℃以上かつ1200℃以下の
温度で焼鈍し、5℃/sec.以上の冷却速度で冷
却し、ついで冷間加工することを特徴とする高
強度ステンレス鋼の製造方法。。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=Sppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30…(2) (3) 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Fe
および不可避的不純物からなり、かつ下記の式
で示されるMd30が−120以上およびPVが0以
下の範囲の組成からなる鋼の熱間加工材もしは
冷間加工材を、1000℃以上かつ1200℃以下の温
度で焼鈍し、5℃/sec.以上の冷却速度で冷却
し、ついで冷間加工し、さらに300℃以上かつ
700℃以下の温度で時効処理を施すことを特徴
とする高強度ステンレス鋼の製造方法。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=S(ppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30 …(2) 本発明の対象材は、熱間加工を行つた材料ある
いはさらに冷間加工を行つた材料で形状は板(ス
トリツプおよびシート)、線、管等いずれでもよ
い。 以下、本発明の構成要件の限定理由について説
明する。本発明鋼の成分限定理由はつぎのとおり
である。 Cは、鋼に固溶して高強度化に寄与する元素で
ある。これらの効果は0.10%未満では充分でな
く、また0.30%を越えるとオーステナイト粒界に
炭化物が析出し、耐銹性を劣化させる。従つて、
Cを0.10〜0.30%とした。 Siは、加工硬化性および時効硬化性を向上させ
る元素であるが、0.1%未満では充分でなく、ま
た、2%を越えるとδ−Fe相が増大し熱間加工
性を低下させる。従つて、Siを0.1〜2%とした。 Mnは、加工硬化性を増大させる作用があり、
この効果は5%未満では充分でなく、また12%を
越えるとオーステナイトが安定化し加工によるマ
ルテンサイトの生成が充分でなく、強度を確保で
きない。従つて、Mnを5〜12%とした。 Sは0.006%を越えると熱間加工性を阻害する。
従つて、Sを0.006%以下とした。 Niは、熱間加工性および冷間加工性を向上さ
せる元素であるが、4%を越えるとマルテンサイ
トの生成が充分でなく強度の低下を招く。従つ
て、Niを4%以下とした。 Crは、耐銹性の点から15%未満で充分でなく、
また22%を越えるとδ−Fe相が増大し熱間加工
性を低下させる。従つて、Crを15〜22%とした。 Moは、炭窒化物の析出の抑制を図り耐銹性を
向上させ、さらに時効硬化性を向上させる元素で
あるが、その効果は0.10%未満では充分でなく、
3%を越えるとδ−Fe相が増大し熱間加工性を
低下させる。従つて、Moを0.10〜3%とした。 Oは、0.01%を越えると熱間加工性を阻害す
る。従つて、Oを0.01%以下とした。 Nは、Cと同様に固溶硬化に寄与する元素であ
る。この効果は0.1%未満では充分でなく、0.4%
を越えると、オーステナイトが安定化しマルテン
サイトが充分に生成せず高強度が得られない。従
つて、Nを0.1〜0.4%とした。 Caは、熱間加工性を向上させる元素であり、
その効果は0.0001%未満では充分でなく、また
0.01%を越えて添加してもその効果が飽和すると
共にコスト上昇を招き好ましくない。従つて、
Caを0.0001〜0.01%とした。 Md30は、オーステナイト安定度を示す指標で
あり−120未満では冷間加工により充分マルテン
サイトが生成せず、高強度を得られない。従つ
て、Md30を−120以上とした。 PVは熱間加工性を示す指標であり、0を越え
ると熱間加工時に延性が低下し、熱間加工割れ等
の問題が生じる。従つて、PVを0以下とした。 請求項2の製造条件の限定理由はつぎのとおり
である。 焼鈍温度は1000℃未満では充分再結晶せず、ま
た炭窒化物の固溶が不充分で固溶硬化が小さくな
る。さらに、炭窒化物生成により、耐銹性が劣化
する場合がある。また、1200℃を越えると結晶粒
が粗大化し強度が低下する場合がある。従つて、
焼鈍温度を1000℃以上かつ1200℃以下とした。 さらに、本発明に係わる如き高C,Nステンレ
ス鋼は、冷却速度が遅いと炭窒化物を生成し耐銹
性を劣化させるおそれがある。本発明において
は、上記成分の材料を上記条件で焼鈍した後の冷
却速度を5℃/sec.未満で行うと、良好な耐銹性
が得られない場合がある。従つて、焼鈍後の冷却
速度を5℃/sec.以上とした。 冷間加工は、高強度を得るために行い、加工度
を50%以上とするのが好ましい。 請求項3は、冷間加工後さらに時効処理を施し
て、より高強度とする。時効処理条件の限定理由
はつぎのとおりである。 Moを添加することにより時効硬化特性は向上
するが、時効処理温度は300℃未満では充分強度
が得られず、700℃を越えると過時効を招き強度
が低下する。従つて、時効処理温度を300℃以上
かつ700℃以下とした。 〔実施例〕 第1表に示す成分のステンレス鋼を熱間加工し
たときの熱間加工性を第2表に示す。〇は熱間加
工時の割れが認められなかつたもの、×は割れが
認められたものである。本発明鋼のA〜F鋼は、
いずれも熱間加工性が優れている。 つぎに、第1表のステンレス鋼を熱間加工し、
さらに冷間加工した後、各種条件で焼鈍し冷却し
冷間加工した状態での強度および耐銹性と、さら
に時効処理した状態での強度および耐銹性を第2
表に示す。耐銹性の〇は15%および5%食塩水に
100時間浸漬して発銹しなかつたもの、△は15%
は発銹したが5%では発銹しなかつたもの、×は
15%でも5%でも発銹したものである。 第2表中のNo.1〜No.11が本発明例、No.12〜No.15
が比較例である。No.8およびNo.9は請求項1のみ
に対応し成分は本発明条件を満足しているが、焼
鈍後の冷却速度が請求項2および3の条件をはず
れるので、耐銹性がやゝ劣るが、用途によつては
充分使用に耐え得る。またNo.1〜No.7およびNo.10
〜No.11において、時効処理を行つた請求項3に対
応するものは、冷間加工状態の請求項2に対応す
るものよりも強度が向上している。しかし、両者
共に引張強ささ200Kgf/mm2を越える高強度が得
られている。
ー関連機器、精密機器、自動車等の各種産業機械
の部品等および構造用材料等に好適な、引張強さ
が200Kgf/mm2を越える超高強度ステンレス鋼お
よびその製造方法に関するものである。 〔従来の技術〕 上述のような超高強度が要求される部品として
は、音声記憶装置(以下VTRと呼ぶ)に用いら
れるマイクロモーターシヤフト等のマイクロシヤ
フト、板ばねや線ばね等の各種ばねがある。ま
た、通信機器、音響製品、コンピユーター関連機
器、精密電子機器および自動車等に用いられる各
種ばねやプーリー、チエーン、シヤフト等も高強
度であることが要求される。さらに、構造用とし
てロープやボルト、ナツト等も高強度鋼の必要性
が高まつている。これらの部品は、耐銹性も要求
されており、この点からステンレス鋼が材料とし
て使用される場合が多い。一般的には、冷間加工
にて加工誘起マルテンサイトを生成し、高強度を
得るSUS301,SUS304等の準安定オーステナイ
ト系ステンレス鋼が使用されている。 しかし上述のステンレス鋼を高強度化するため
に冷間加工を施しても、引張強さは最高200Kg
f/mm2程度しか得られない。 〔発明が解決しようとする課題〕 ステンレス鋼を高強度化するには、C,Nを多
量に添加し固溶硬化を利用する方法があるが、こ
の方法では結晶粒界等に炭窒化物が生成し耐銹性
を劣化させる。冷間加工による加工誘起マルテン
サイトを生成させ高強度化する方法もあるが、こ
の方法では引張強さ200Kgf/mm2程度が上限であ
る。さらに、Al等を添加し析出硬化を利用する
方法も考えられるが、高合金化し熱間加工性が劣
化する場合がある。 ステンレス鋼を高強度化する方法として、特公
昭62−33288号公報が知られているが、熱間加工
性および耐銹性を考慮した検討はなされていな
い。 本発明は、従来のかかる熱間加工性および耐銹
性の問題を解決して、工業的にトラブルなく製造
し得る引張強さ200Kgf/mm2超の高強度ステンレ
ス鋼およびその製造方法を提供することを目的と
する。 〔課題を解決するための手段および作用〕 本発明者らは、この目的のためにMn−Ni−Cr
系のステンレス鋼の組成を種々検討し、これを達
成した。 本発明の要旨は、つぎのとおりである。 (1) 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Fe
および不可避的不純物からなり、かつ下記の式
で示されるMd30が−120以上およびPVが0以
下の範囲の組成からなる高強度ステンレス鋼。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=S(ppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30 …(2) (2) 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Fe
および不可避的不純物からなり、かつ下記の式
で示されるMd30が−120以上およびPVが0以
下の範囲の組成からなる鋼の熱間加工材もしく
は冷間加工材を、1000℃以上かつ1200℃以下の
温度で焼鈍し、5℃/sec.以上の冷却速度で冷
却し、ついで冷間加工することを特徴とする高
強度ステンレス鋼の製造方法。。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=Sppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30…(2) (3) 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Fe
および不可避的不純物からなり、かつ下記の式
で示されるMd30が−120以上およびPVが0以
下の範囲の組成からなる鋼の熱間加工材もしは
冷間加工材を、1000℃以上かつ1200℃以下の温
度で焼鈍し、5℃/sec.以上の冷却速度で冷却
し、ついで冷間加工し、さらに300℃以上かつ
700℃以下の温度で時効処理を施すことを特徴
とする高強度ステンレス鋼の製造方法。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=S(ppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30 …(2) 本発明の対象材は、熱間加工を行つた材料ある
いはさらに冷間加工を行つた材料で形状は板(ス
トリツプおよびシート)、線、管等いずれでもよ
い。 以下、本発明の構成要件の限定理由について説
明する。本発明鋼の成分限定理由はつぎのとおり
である。 Cは、鋼に固溶して高強度化に寄与する元素で
ある。これらの効果は0.10%未満では充分でな
く、また0.30%を越えるとオーステナイト粒界に
炭化物が析出し、耐銹性を劣化させる。従つて、
Cを0.10〜0.30%とした。 Siは、加工硬化性および時効硬化性を向上させ
る元素であるが、0.1%未満では充分でなく、ま
た、2%を越えるとδ−Fe相が増大し熱間加工
性を低下させる。従つて、Siを0.1〜2%とした。 Mnは、加工硬化性を増大させる作用があり、
この効果は5%未満では充分でなく、また12%を
越えるとオーステナイトが安定化し加工によるマ
ルテンサイトの生成が充分でなく、強度を確保で
きない。従つて、Mnを5〜12%とした。 Sは0.006%を越えると熱間加工性を阻害する。
従つて、Sを0.006%以下とした。 Niは、熱間加工性および冷間加工性を向上さ
せる元素であるが、4%を越えるとマルテンサイ
トの生成が充分でなく強度の低下を招く。従つ
て、Niを4%以下とした。 Crは、耐銹性の点から15%未満で充分でなく、
また22%を越えるとδ−Fe相が増大し熱間加工
性を低下させる。従つて、Crを15〜22%とした。 Moは、炭窒化物の析出の抑制を図り耐銹性を
向上させ、さらに時効硬化性を向上させる元素で
あるが、その効果は0.10%未満では充分でなく、
3%を越えるとδ−Fe相が増大し熱間加工性を
低下させる。従つて、Moを0.10〜3%とした。 Oは、0.01%を越えると熱間加工性を阻害す
る。従つて、Oを0.01%以下とした。 Nは、Cと同様に固溶硬化に寄与する元素であ
る。この効果は0.1%未満では充分でなく、0.4%
を越えると、オーステナイトが安定化しマルテン
サイトが充分に生成せず高強度が得られない。従
つて、Nを0.1〜0.4%とした。 Caは、熱間加工性を向上させる元素であり、
その効果は0.0001%未満では充分でなく、また
0.01%を越えて添加してもその効果が飽和すると
共にコスト上昇を招き好ましくない。従つて、
Caを0.0001〜0.01%とした。 Md30は、オーステナイト安定度を示す指標で
あり−120未満では冷間加工により充分マルテン
サイトが生成せず、高強度を得られない。従つ
て、Md30を−120以上とした。 PVは熱間加工性を示す指標であり、0を越え
ると熱間加工時に延性が低下し、熱間加工割れ等
の問題が生じる。従つて、PVを0以下とした。 請求項2の製造条件の限定理由はつぎのとおり
である。 焼鈍温度は1000℃未満では充分再結晶せず、ま
た炭窒化物の固溶が不充分で固溶硬化が小さくな
る。さらに、炭窒化物生成により、耐銹性が劣化
する場合がある。また、1200℃を越えると結晶粒
が粗大化し強度が低下する場合がある。従つて、
焼鈍温度を1000℃以上かつ1200℃以下とした。 さらに、本発明に係わる如き高C,Nステンレ
ス鋼は、冷却速度が遅いと炭窒化物を生成し耐銹
性を劣化させるおそれがある。本発明において
は、上記成分の材料を上記条件で焼鈍した後の冷
却速度を5℃/sec.未満で行うと、良好な耐銹性
が得られない場合がある。従つて、焼鈍後の冷却
速度を5℃/sec.以上とした。 冷間加工は、高強度を得るために行い、加工度
を50%以上とするのが好ましい。 請求項3は、冷間加工後さらに時効処理を施し
て、より高強度とする。時効処理条件の限定理由
はつぎのとおりである。 Moを添加することにより時効硬化特性は向上
するが、時効処理温度は300℃未満では充分強度
が得られず、700℃を越えると過時効を招き強度
が低下する。従つて、時効処理温度を300℃以上
かつ700℃以下とした。 〔実施例〕 第1表に示す成分のステンレス鋼を熱間加工し
たときの熱間加工性を第2表に示す。〇は熱間加
工時の割れが認められなかつたもの、×は割れが
認められたものである。本発明鋼のA〜F鋼は、
いずれも熱間加工性が優れている。 つぎに、第1表のステンレス鋼を熱間加工し、
さらに冷間加工した後、各種条件で焼鈍し冷却し
冷間加工した状態での強度および耐銹性と、さら
に時効処理した状態での強度および耐銹性を第2
表に示す。耐銹性の〇は15%および5%食塩水に
100時間浸漬して発銹しなかつたもの、△は15%
は発銹したが5%では発銹しなかつたもの、×は
15%でも5%でも発銹したものである。 第2表中のNo.1〜No.11が本発明例、No.12〜No.15
が比較例である。No.8およびNo.9は請求項1のみ
に対応し成分は本発明条件を満足しているが、焼
鈍後の冷却速度が請求項2および3の条件をはず
れるので、耐銹性がやゝ劣るが、用途によつては
充分使用に耐え得る。またNo.1〜No.7およびNo.10
〜No.11において、時効処理を行つた請求項3に対
応するものは、冷間加工状態の請求項2に対応す
るものよりも強度が向上している。しかし、両者
共に引張強ささ200Kgf/mm2を越える高強度が得
られている。
【表】
【表】
本発明により、耐銹性に優れた高強度ステンレ
ス鋼が、熱間加工性の問題なく製造でき、ばね
材、ロープ材等の高強度および耐銹性を必要とす
る材料として優れた効果を発揮する。
ス鋼が、熱間加工性の問題なく製造でき、ばね
材、ロープ材等の高強度および耐銹性を必要とす
る材料として優れた効果を発揮する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ下記の式で示
されるMd30が−120以上およびPVが0以下の範
囲の組成からなる高強度ステンレス鋼。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=S(ppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30 …(2) 2 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ下記の式で示
されるMd30が−120以上およびPVが0以下の範
囲の組成からなる鋼の熱間加工材もしくは冷間加
工材を、1000℃以上かつ1200℃以下の温度で焼鈍
し、5℃/sec.以上の冷却速度で冷却し、ついで
冷間加工することを特徴とする高強度ステンレス
鋼の製造方法。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=S(ppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30 …(2) 3 重量%にて、C:0.10〜0.30%、Si:0.1〜2
%、Mn:5〜12%、S≦0.006%、Ni≦4%、
Cr:15〜22%、Mo:0.10〜3%、O≦0.01%、
N:0.1〜0.4%、Ca:0.0001〜0.01%、残部Feお
よび不可避的不純物からなり、かつ下記の式で示
されるMd30が−120以上およびPVが0以下の範
囲の組成からなる鋼の熱間加工材もしくは冷間加
工材を、1000℃以上かつ1200℃以下の温度で焼鈍
し、5℃/sec.以上の冷却速度で冷却し、ついで
冷間加工し、さらに300℃以上かつ700℃以下の温
度で時効処理を施すことを特徴とする高強度ステ
ンレス鋼の製造方法。 Md30=413−462(C%+N%)−9.2Si%−8.1Mn
%−9.5Ni%−13.7Cr%−18.5Mo% …(1) PV=S(ppm)+0(ppm)−0.8Ca(ppm)−30 …(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30966688A JPH02156046A (ja) | 1988-12-07 | 1988-12-07 | 高強度ステンレス鋼およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30966688A JPH02156046A (ja) | 1988-12-07 | 1988-12-07 | 高強度ステンレス鋼およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02156046A JPH02156046A (ja) | 1990-06-15 |
JPH0587584B2 true JPH0587584B2 (ja) | 1993-12-17 |
Family
ID=17995804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30966688A Granted JPH02156046A (ja) | 1988-12-07 | 1988-12-07 | 高強度ステンレス鋼およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02156046A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CH694401A5 (de) * | 1999-05-26 | 2004-12-31 | Basf Ag | Nickelarmer, molybdänarmer, biokompatibler, nicht Allergie auslösender, korrosionsbeständiger austenitischer Stahl. |
AU5072400A (en) * | 1999-06-24 | 2001-01-31 | Basf Aktiengesellschaft | Nickel-poor austenitic steel |
JP4538966B2 (ja) * | 2001-02-05 | 2010-09-08 | 大同特殊鋼株式会社 | 高強度高耐食非磁性ステンレス鋼 |
KR100821088B1 (ko) * | 2006-12-28 | 2008-04-08 | 주식회사 포스코 | 고망간 스테인레스강의 제조방법 |
CN106048464A (zh) * | 2016-05-30 | 2016-10-26 | 苏州双金实业有限公司 | 一种具有高强度性能的钢 |
-
1988
- 1988-12-07 JP JP30966688A patent/JPH02156046A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02156046A (ja) | 1990-06-15 |
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