JPH0587518U

JPH0587518U - 傾斜センサ

Info

Publication number: JPH0587518U
Application number: JP026682U
Authority: JP
Inventors: 徳昭中島; 洋長谷川; 哲朗後藤
Original assignee: Nikon Corp
Current assignee: Nikon Corp
Priority date: 1992-04-23
Filing date: 1992-04-23
Publication date: 1993-11-26
Also published as: US5669147A

Abstract

(57)【要約】【目的】水銀を使用しない傾斜センサーを提供するこ
とを目的とする。【構成】２本の電極（９，１０）と、表面が導電性を
有し２本の電極間の距離（α）よりも直径の小さい複数
の微粒子（８）と、電極及び微粒子を封入する非導電性
のケース（７）とを有することを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

機器等の姿勢を検出する傾斜センサに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より機器の姿勢を検出するためにいわゆる傾斜センサが使用されている。かかる傾斜センサとして、一般に水銀スイッチ１０４が多く用いられている。これは、図５の如くガラスケース１０２内に水銀１０３が封入されており、さらに２本の電極１００，１０１がガラスケース１０２内外に突出するように設けられている。

【０００３】水銀１０３は、水銀スイッチ１０４の姿勢に応じてガラスケース１０２内を自重により移動するが、その移動した位置に応じて、水銀３が電極１００，１０１を短絡したり、あるいは電極１００，１０１を開放している。この二状態を電極１００，１０１を介して外部の回路にて検出すれば機器の姿勢を判断する事が可能となる。

【０００４】水銀１０３は、液状であるため電極１００，１０１のオン，オフにチャタリングを生じさせない，ある程度の重さがあるため確実に重力に作用される，導電性を有するので電気的に処理できる等の利点があり、傾斜センサとして有用であった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述の水銀スイッチ１０４は、下記のような問題点を有していた。その一つとして、ケース１０２が割れた場合には内部の水銀１０３が外部に飛散することになる。この飛散した水銀１０３は人体などに危険な物質であるため、誤って吸収した場合には人体に害を及ぼす等の問題が生じることがある。

【０００６】さらに、水銀１０３は、近年、公害危険物質としての指定により使用に制限が加えられているため簡便な傾斜センサとして使用できない場合もある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

以上の問題点を解決するために、請求項１の傾斜センサは、２本の電極（９，１０）と、表面が導電性を有し２本の電極間の距離（α）よりも直径の小さい複数の微粒子（８）と、電極及び微粒子を封入する非導電性のケース（７）とを有することを特徴とする。

【０００８】請求項３の傾斜センサは、弾性変形する２本の電極（１７，１８）と、表面が導電性を有し２本の電極間の距離（α）よりも直径の大きい１つの球体（１６）と、電極及び球体を封入する非導電性のケース（１５）とを有することを特徴とする。

【０００９】

【作用】

複数の導電性を有する微粒子を用いることで、電極間のオン，オフにチャタリングをもたらさない傾斜センサを得ることができる。導電性を有する球体と弾性を有する電極とを用いることで電極間のオン，オフにチャタリングをもたらさない傾斜センサを得ることができる。

【００１０】

【実施例】

図１は、傾斜センサの第１実施例である。傾斜センサ６は、ガラスまたはプラスチック等の非導電体でできている密封ケース７に２本の電極９，１０が挿入されている。そして、密封ケース７には、導電性を有する複数の微粒子８が封入されている。

【００１１】電極９，１０は、ケース７に突出しており端部９ａ，１０ａが導電性を有する微粒子８と接触するようになっている。一方の端部９ｂ，１０ｂは、不図示の処理回路に導かれることで電気的に検出可能なようになっている。導電性を有する微粒子８は、図１（ｃ）に示すように、非磁性体の微粒子１２の表面に金，銅等の導電性の高いメッキ１３が施されている。微粒子１２自体はある程度の重量があれば金属でもプラスチックでも良い。

【００１２】微粒子１６が非磁性体である理由は、外部磁界による誤動作を防止するためであり、また微粒子１２の表面にメッキ１３が施されている理由は、１つ１つの微粒子８が相互に接触して電極９，１０間に電流が流れるようにするためである。なお、この本願において微粒子とは、電極９，１０との間の距離よりも小さな直径を有している粒子をいう。かかる微粒子が、電極間の距離に比べて小さくなればなるほど、微粒子の移動が液体に近い挙動を示し、電極９，１０間にチャタリングが生じなくなる。

【００１３】またケース７の内部１１を真空もしくはＮ₂ ガス等を満たして、メッキ１３の酸化，腐食を防止する。図１（ａ）は、傾斜センサ１４が正立の状態で２個以上の微粒子８が電極９，１０間に入ってオン状態の場合を示し、図１（ｂ）は、傾斜センサ６が倒立の状態で微粒子８が電極９，１０と接していないオフ状態の場合を示している。

【００１４】なお、ケース７の輪切り断面は、円形断面である必要はなく、多角形であってもよい。図２に傾斜センサの第２実施例を示す。傾斜センサ１４は、ガラスまたはプラスチック等の非導電体でできている密封ケース１５に２本の電極１７，１８が挿入されている。そして、密封ケース７には、導電性を有する１つの球体１６が封入されている。

【００１５】電極１７，１８は、ケース１５に突出しており端部１７ａ，１８ａが導電性を有する球体１６と接触するようになっている。一方の端部１７ｂ，１８ｂは、不図示の処理回路に導かれることで電気的に検出可能なようになっている。球体１６は、図２（ｃ）に示すように，非磁性体の球体２０の表面に金，銅等の導電性の高いメッキ２１が施されているものとする。また球体１６自体はある程度の重量を有すれば、金属でもプラスチックなどでも良い。

【００１６】少なくともケース１５内に存在する電極１７ａ，１８ａについては弾性を有する必要がある。これは、電極でチャタリングをもたらさないためである。即ち、電極が弾性変形をすることから、球体１６が電極から離れるように移動してもその外周に各電極が追随し、また逆に球体１６が電極に接触する際も球体１６を跳ね返さず、チャタリングが防止できるのである。

【００１７】球体２０が非磁性体であるのは外部磁界による誤動作を防止するためであり、またメッキ２１が施されているのは、電極１７ａ，１８ａと球体１６とが相互に接触して電流が流れるようにするためである。またケース１５内部１９を真空もしくはＮ₂ ガス等を満たす事で，メッキ２１の酸化，腐食を防止する。

【００１８】かかる傾斜センサ１４の動作について説明する。図２（ａ）は、傾斜センサ１４が正立の状態で球体１６が電極１７ａ，１８ａ間に入ってオン状態の場合を示し、図２（ｂ）は、傾斜センサ１４が倒立の状態で球体１６が電極１７ａ，１８ａと接していないオフ状態の場合を示す。図３（ａ），（ｃ）は電極１７ａ，１８ａ間の距離αと球体１６の直径φとケース１５の内径ｄの寸法関係を示したものである。

【００１９】図２（ａ）のように傾斜センサ１４がオン状態の時には、球体１６が図３（ａ）又は，図３（ｃ）の位置にある。図３（ａ）は球体１６は電極１７ａ，１８ａとケース１５の内壁の３点で常に接触している状態である。ここで、球体１６の直径φと電極間αについて説明する。

【００２０】ケースの断面が円形であって２つの電極を結ぶ線が中心を通っている場合には、数式１及び数式２の関係を保つように各寸法が定めなくてはならない。但し、電極の直径は０と仮定する。

【００２１】

【数１】

【００２２】

【数２】の関係を保たなくてはならない。なお、数式１の理由について説明すると、球体の直径φは、ケース内壁に接し、かつ２つの電極に接しなければならないので、ｄ／２より大きくなくてはならない。また、球体１６の直径φは、ケース内壁の直径ｄより小さくなくては収まらないからである。

【００２３】数式２の理由について図３（ｂ）を用いて説明すると、ケース１５中央から電極１７ａまでの距離が（α／２）であり、ケース１５中央から球体１６の中央までの距離Ｌ１は、（ｄ／２−φ／２）であるからである。図３（ｃ）は、球体１６が電極１７ａ，１８ａ間に挟まっている状態である。電極１７ａ，１８ａ間の距離αは弾性を有するため、球体１６で押し広げられ、 βとなる。

【００２４】傾斜センサ６、又は傾斜センサ１４をカメラに設けた例を示す。これは図４の如くカメラ２０内に２個の傾斜センサ６（１４）がそれぞれ傾きを変えて配設されているものである。カメラ２５を正位置に構えた場合、縦位置に構えた場合等の姿勢に応じてそれぞれの電極からの信号状態が変化し、それに応じてカメラのフレーミングを横位置から縦位置になった等が判断できる。

【００２５】

【考案の効果】

以上のように本考案の傾斜センサは、複数の導電性を有する微粒子を用いることで、電極間のオン，オフにチャタリングをもたらさず、さらにケースが割れた場合にも人体に有害な水銀が飛散することがない効果を有する。また、導電性を有する１つの球体と弾性を有する電極とを用いることで電極間のオン，オフにチャタリングをもたらさない効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の傾斜センサの図である。

【図２】本発明の第２実施例の傾斜センサの図である。

【図３】第２実施例の傾斜センサの輪切りにした断面図
である。

【図４】実施例の傾斜センサをカメラに取りつけた概略
図である。

【図５】従来例の傾斜センサの図である。

【符号の説明】

６傾斜センサ７ケース８微粒子９電極１０電極１３メッキ層１４傾斜センサ１５ケース１６球体１７電極１８電極２１メッキ層

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】２本の電極と、表面が導電性を有し、且
つ隣合う前記２本の電極間の距離よりも直径の小さい複
数の微粒子と、前記電極及び前記微粒子を封入する非導電性のケース
と、を有することを特徴とする傾斜センサ。
【請求項２】前記微粒子は、磁性体でないことを特徴
とする請求項１に記載の傾斜センサ。
【請求項３】弾性変形する２本の電極と、表面が導電性を有し、且つ隣合う前記２本の電極間の距
離よりも直径の大きい１つの球体と、前記電極及び前記球体を封入する非導電性のケースと、を有することを特徴とする傾斜センサ。
【請求項４】前記球体は、磁性体でないことを特徴と
する請求項３に記載の傾斜センサ。