JPH058724A - 車内圧制御装置 - Google Patents

車内圧制御装置

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JPH058724A
JPH058724A JP15874291A JP15874291A JPH058724A JP H058724 A JPH058724 A JP H058724A JP 15874291 A JP15874291 A JP 15874291A JP 15874291 A JP15874291 A JP 15874291A JP H058724 A JPH058724 A JP H058724A
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tunnel
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Yokogawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人間の不快感を減少或は無くし且つ車体の耐
疲労寿命を高めるように車内気圧が最適制御可能な車内
制御装置を提供する。 【構成】 走行車体に設けられた車内気圧測定用圧力セ
ンサ―(4 )、該車内気圧測定用圧力センサ―に併設さ
れて前記車体の外気圧を測定する車外気圧用センサ(3
)又は車内外差圧を測定可能な車内外差圧センサ、こ
れ等センサの信号を入力する演算・制御部(2 ,20)、
及び該演算・制御部によって駆動・制御されて前記走行
車体内を必要な気圧に直接調整するための車内気圧調整
手段(S)を具備し、前記演算・制御部において評価関
数Jを最小にする演算処理を行い、この演算結果に基づ
く制御信号で前記車内気圧調整手段を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軌道車用の走行車体に
設けられる車内圧制御装置に係るものであり、詳しく
は、トンネル通過時の車内気圧の上昇及び下降による人
間の不快感(いわゆる“耳ツン”現象)を減少或は無く
し且つ車内外の気圧差による車体への繰返し荷重を減少
させて耐疲労寿命を高めるように車内気圧を制御する車
内制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高速車両ではトンネル通過時に車
内圧が上昇したり下降したりして耳に不快感を生じるこ
とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
にあっては、以下のような問題があった。
【0004】(イ)このための予防策として、 車両の密閉度を上げる できるだけ車内気圧を一定に保つように排気弁等を制
御する 等の対策が打たれているが、現状としては未だ十分でな
く前記した耳に不快感を生じることがある。
【0005】(ロ)前記,により車内外の圧力差が
生じ車体には圧縮及び引張りの繰返し荷重が掛かること
になるため、車体の疲労破壊が生じやすくなる恐れがあ
る。
【0006】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、人間の不快感を減少或は無くし且つ車体の耐疲
労寿命を高めるように車内気圧が最適制御可能な車内制
御装置を提供するものである。
【0007】又、本発明の目的は、車内外の気圧を信号
源として、車外気圧に対して車内気圧を制御し、車内の
気圧変化率を“人が不快を伴わないで絶えられる気圧変
化率”以下でできるだけ小さい変化率とし、且つ車内外
の気圧差(発生応力振幅)をできるだけ小さくするよう
な最適制御をすることができる車内制御装置を提供する
ものである。
【0008】更に又、本発明の目的は、最適制御をする
ことにより、急激な気圧変化に伴う人の耳の不快感を減
少させることができると共に車体の疲労寿命を向上させ
ることが実現可能な車内制御装置を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、走行車体に設けられた車内気圧測定用圧
力センサ―(4 )、該車内気圧測定用圧力センサ―に併
設されて前記車体の外気圧を測定する車外気圧用センサ
(3 )又は車内外差圧を測定可能な車内外差圧センサ、
これ等センサの信号を入力する演算・制御部(2 ,2
0)、及び該演算・制御部によって駆動・制御されて前
記走行車体内を必要な気圧に直接調整するための車内気
圧調整手段(S)を具備し、前記演算・制御部におい
て、“J=λ1{(d/dt) Pc }2 +λ2 (Pc −Pa
2 ”なる演算式で表わすこと[但し、Pc :車内気
圧、(d/dt) Pc :車内気圧変化率、Pa :車外気圧、
λ1 ,λ2:重み係数]ができる評価関数Jを最小にす
る演算処理を行い、この演算結果に基づく制御信号で前
記車内気圧調整手段を制御するようにしたことを特徴と
するものである。
【0010】
【作用】車内気圧用圧力センサ―を車体に設け、これに
加えて車外気圧用又は車内外差圧センサを車体又は車内
装置側に設ける。そして、これ等圧力センサの信号を入
力する車内気圧制御装置であって、演算・制御部を用い
て、 J=λ1 {(d/dt) Pc }2 +λ2 (Pc −Pa )2 …(1) [但し、Pc :車内気圧、(d/dt) Pc :車内気圧変化
率、Pa :車外気圧(略大気圧)、λ1 ,λ2 :夫々に
対する重み係数(手動又は自動で設定できることを条件
とする)]なる演算式で表わすことができる評価関数J
を最小にする最適制御を行う。
【0011】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
1は本発明の車内気圧制御装置の具体的な実施例を示す
図である。図2は図1の演算・制御部の具体的な実施例
を示す図である。図3乃至図6は図1乃至図2の説明に
供する図である。図7乃至図12はその他の実施例の説
明に供する図である。
【0012】図1の実線で示す部分において、車両1 に
設けられる車内気圧制御装置は、演算・制御部2 、車外
気圧測定用圧力センサ(以下「車外気圧検出端」とい
う)3、車内気圧測定用圧力センサ(以下「車内気圧検
出端」という)4 (検出端 3,4のタイプは特に限定され
ず例えばゲ―ジ圧式或は絶対圧式でよい)である。Sは
演算・制御部2 によって駆動・制御されて車内を必要な
気圧に直接調整するための車内気圧調整手段であり、車
内気圧調整手段としてはここでは空調用の送付機5 及び
ファンや弁等から成る排気装置6 で構成することができ
る。尚、この図では車両の1両目のみに設置した場合を
示すが、これに限定されるものではなくて、実情に合わ
せて各車両毎或は2〜4両目毎に設けるようにしてもよ
い。
【0013】このときに、車外気圧検出端3 は車体に取
付けられてその検出信号(車外気圧信号)Pa は演算・
制御部2 に導かれる。車内気圧検出端4 は車内に設置さ
れてその検出信号(車内気圧信号)Pc は演算・制御部
2 に導かれる。
【0014】送付機5 は演算・制御部2 からの駆動(制
御)信号Eで駆動しフィ―ドバック信号fE が演算・制
御部2 に導かれる。排気装置6 は演算・制御部2 からの
駆動(制御)信号Fで駆動しフィ―ドバック信号fF が
演算・制御部2 に導かれる。尚、ここで車外気圧検出端
3 については、車外気圧を測定してこの信号を用いるよ
うにしている設置状況としているが、車内外の差圧を測
定可能な構造のものを代わりに用いたり、併用したりす
るように設計変更してもよいことはいうまでもない。
又、各検出端そのものについても図では演算部・制御部
2 と別置型としているが、これを一体型構造として、こ
の場合は車外等を含めて各部の気圧はチュ―ブ等の導入
管を用いて直接取入れるようにしても良い。
【0015】図2の実線で示す部分において、演算・制
御部2 は、主演算手段2aと、微分回路2bと、減算回路2c
と、出力増幅回路2d,2eとで構成することができる。
尚、ここで微分回路,減算回路は主演算手段と分けた形
で示してあるが(しかもアナログ回路としてあるが)こ
れ等は一体型として又デジタルタイプとしても良いこと
はいうまでもない。そして、演算・制御部2 の設置場所
であるが、車内,或はこの車内ではなく中央司令室に設
けることによる集中化を図り、送付機や寒気装置(これ
等は各車両ということになる)へ制御信号を伝送するよ
うな配慮がなされてもよい。
【0016】このときに、微分回路2bには車内気圧信号
Pc が導かれ車内気圧変化率が演算され、その演算結果
である車内気圧変化率(d/dt) Pc が主演算手段2aに導
かれる。減算回路2cには車内気圧Pc と車外気圧Pa が
導かれて気圧差が演算され、その演算結果である気圧差
信号(Pc −Pa )が主演算手段2aに導かれる。
【0017】主演算手段2aは、入力する手動又は自動で
任意に設定されて入力される夫々に対する重み係数λ1
,λ2 ,車内気圧変化率(d/dt) Pc ,車内気圧Pc
,車外気圧Pa ,気圧差信号(Pc −Pa ),フィ―
ドバック信号fE 及びフィ―ドバック信号fF に基づき
前記(1)式の評価関数J[=λ1 {(d/dt) Pc }2
+λ2 (Pc −Pa)2 ]を最小になるように演算する
制御機能を有する。
【0018】出力増幅回路2dは主演算手段2aで演算され
た結果に基づく制御出力信号f0 を送付機5 に駆動制御
信号Eとして出力することでこの送付機5 を駆動して空
調の風量や風圧を制御することとなる。出力増幅回路2e
は主演算手段2aで演算された結果に基づく制御出力信号
e0 を排気装置6 に駆動制御信号Fとして出力すること
でこの排気装置6 を駆動して風量及び風圧を制御するこ
ととなる(このときに出力増幅回路は図とは異なり、主
演算手段内部に設ける必要はなく別置きとしても良
い)。
【0019】これらの制御状態がフィ―ドバック信号f
E ,fF としてフィ―ドバックされるフィ―ドバックル
―プが形成される(尚、全体の制御性から、送付機或は
排気装置又は送付機と排気装置からのフィ―ドバック信
号はこれを必ずしも必要とするものではなくて設計的に
必要に応じて任意である)。
【0020】ところで、車内気圧を高くする(又は低く
する)には、送付機5の空調の風量や風圧を増す(又は
減らす)制御をし、排気装置6 の風両及び風圧を減らす
(又は増す)制御をすれば良い。この車内気圧の制御に
関し、人間の不快感防止を重視する場合は、係数λ2 に
対してλ1 の比率を高く設定すればよく、車体の疲労寿
命を高めることを重視する場合はλ1 に対してλ2 の比
率を高く設定すればよい。
【0021】尚、係数λ1 ,λ2 は一義的に決まるもの
ではなく、車体の構造や列車の編成/構成,列車の速
度,トンネルの形状や大きさ等、様々な要素により変る
ものであり、実際の運行に際し又は予め試験走行等して
設定すべきものである。
【0022】ところで、この係数λ1 ,λ2 等のパラメ
―タ設定についてであるが、トンネル毎の手動設定では
なく、運転区間に応じて予めプログラミングしておくこ
とによる自動設定制御とすることも可能である。或は
又、中央司令室のようなところからリモ―ト設定するよ
うにしてもよいことはいうまでもない。更には、前記パ
ラメ―タはトンネル毎に一定値ではなく、状態推移変数
{λ(t)}として扱って良く、予め試験走行等で時刻
毎の{λ(t)}を最適にするようプログラミングして
おき、自動設定してもよく、このようにすればより最適
な制御が可能となる。
【0023】以下、図3乃至図6を用いながら、図1乃
至図2の説明を行う。
【0024】(あ):まず現状の制御(車内気圧をなる
べく1気圧(大気圧)に保つ制御)を述べる。 この制御の例においては、列車がトンネル内に入った時
は、車内気圧が上昇したり下降したりすると想定される
ため、車内外気圧の時間変化は図3(A)の細破線(一
点鎖線は車内気圧制御しない場合の車内気圧、破線は車
外気圧)に示すようになるが、車内気圧の上昇率(d/d
t) Pc ・upは傾き角α0 °で知ることができる(α0
°が“大”である程上昇率も“大”)。
【0025】一般に人間が不快を伴わないで耐えられる
気圧上昇率は一般的には8mmHg/min とされており、も
し(d/dt) Pc ・upがこれ以上であれば不快に感じ、こ
れ以下であれば不快に感じなくて済む。同様に、下降率
Pc ・downは傾き角β0 で知ることができる(β0 が
“大”なほど下降率は“大”)。限度の下降率は一般的
には13mmHg/min とされており、もし(d/dt)Pc ・d
ownがこれ以上であれば不快に感じ、これ以下であれば
不快に感じなくて済む。
【0026】この現状の制御の場合において、気圧変化
率は制御対象ではないため、不快となる気圧は変化率限
度を越える可能性がある。又、車外気圧との差圧も制御
対象ではないために図3(B)の一点鎖線“A”の部分
のように差圧が大きくなることに起因する車体の発生応
力の増大を防止できず、耐疲労強度上好ましくないこと
にもなる。
【0027】(い):これに対して、図4は図1乃至図
2の本発明の車内気圧制御装置を用いて最適制御(λ1
,λ2 適性)を行った場合である。
【0028】本発明の最適制御は、車内気圧Pc の変化
率を限度変化率以下(即ち、(d/dt) Pc ・up)<8mm
Hg/min ,(d/dt) Pc ・down<13mmHg/min )と
し、且つ車内外の差圧をできるだけ小さく押えるように
(つまり評価関数Jを最小にするように)している。こ
こで、係数λ 1,λ2 は車体特性等の上述した各要素を
考慮した適性な値に定めている。
【0029】このような制御において、列車がトンネル
に入った時、当然車外気圧は上昇し、これにともない車
内気圧も上昇することとなる。しかしながら、本発明の
車内気圧制御装置により、車内圧変化率を限度昇圧率
(8mmHg/min )以下に留め、車内気圧下降時も限度降
下率(13mmHg/min )以下に留めるように制御し、図
4(A)の“B”で示す最初の時点で最低圧(ほぼ車外
気圧)となった後も差圧を最小にするため、この圧を同
図“B”の区間中保つことができる。その後の上昇時も
上記と同様に限度上昇率以下に留め、差圧を最小にしな
がらトンネルを出た時点でほぼ車外気圧(大気圧)とな
るように制御する。
【0030】この結果、その効果は図(B)に示す、σ
pcMAX とσpcMAX とを比較すれば明らかなよう
に、車体の発生応力は現状の制御に比べ大幅に減少して
おり、疲労寿命の向上(疲労破壊の防止)に役立ってい
ることがわかる。
【0031】(う)この図4の理解を助けるために、図
5及び図6を用いて別の面から更に説明をする。この図
5及び図6においてはλ1 ,λ2 の影響を極端にした場
合を想定して示してある。即ち、図5はλ1 が過大な場
合を示し、図6はλ2 が過大な場合を示す。
【0032】図5は、λ1 をλ2 に比べ過大にした場
合、つまり、不快感をほぼ完全に無くすために、車内気
圧変化率Pc を限度変化率に対して十分余裕をもって小
さくした場合であるが、この場合は次のようになる。
【0033】(a).図5(A)に示すように、トンネ
ルに入った際の車外気圧は上昇するからこれに伴い車内
気圧も上昇することとなる。しかしながら、λ1 を過大
にしているので、車内気圧上昇率は小さく快適である
が、これに対して車外気圧との差圧が増加する。
【0034】(b).一方、車外気圧が減少すれば、こ
れに伴い車内気圧も減少するが、この場合においても上
記同様に、車内気圧下降率は小さいので快適であるが、
車外気圧との差圧が増加する。
【0035】(c).この結果、差圧が大きいために、
車体に発生する応力σは大きくなるから、疲労寿命を低
下させることになる。即ち、図5(B)において示すよ
うに、σpc(-)MAXよりσpcλ1(-)MAX は小さくな
っているが、σpc(+)MAXよりσpcλ1(+)MAX が大
きくなっており、現状の制御に比べ応力振幅(|σ(+)M
AX|+|σ(-)MAX|)に余り差はなく、疲労寿命上の問
題を残したままとなる。
【0036】(え)これに対して、図6は、λ2 をλ1
に比べ過大にした場合、つまり、不快感の有無は無視し
て車体の発生応力を小さくして疲労寿命を向上させた場
合である。この場合は次のようになる。
【0037】図6(A)に示すように、トンネルに入っ
た際の車外気圧は前記と同様に上昇するからこれに伴い
車内気圧も上昇することとなる。このときに、λ2 を過
大にしているため車内外の差圧を最小にするような制御
がされ、結果として、差圧は小さいが、車内気圧変化率
(d/dt)Pc は許容限度を越えることが十分有得るため、
この場合は不快を感じることになる。
【0038】一方、図6(B)において示すように、σ
pcMAX とσpcλ2MAXを比較するとわかるように、
車体に発生する応力は極めて小さく、疲労寿命上を向上
させる効果は十分であることがわかる。
【0039】尚、以上の説明においてはトンネルにおけ
る制御を中心として各説明をしたが、当然のごとくトン
ネル以外においても、大気圧Pa を基準に車内気圧Pc
を本制御則により制御したり、又、各停車駅等において
ドアを開く前に十分Pa とPc を略等しく制御する等が
行なわれることは当然であり、この点については説明を
省略している。
【0040】上述したトンネル侵入による昇圧→降圧の
順の説明において、列車或は各車両により圧力変化のパ
タ―ンが異なる場合もあろうかと想定されるが、このと
きにおいて減圧のみを用いればよい場合もあろうが、こ
の場合でも上記記述内容から容易に説明がつく。
【その他の実施例】本発明は以上のものに限定されるも
のではない。以下、このその他の実施例について上記と
同様に適宜具体的図を用いながら説明する。このときに
夫々重複する部分についてはその説明を省略し、その相
違点についてのみ述べるものとする。
【0041】
【その他の実施例1】
【0042】上述の実施例は車内気圧の変化率に着目し
てその説明をした(車内気圧そのもの或は差圧の最大/
最小値については特に言及していない)が、当然車体許
容強度から決定されるPcMAX及びPcMIN、或は|Pc −
Pa |MAX のリミッタ―を決める制御上のリミッタや補
助冗長の圧力スイッチによるリミッタ及び安全弁等の各
種の装備等は装置の構造上これを供えることは当然であ
るところから図示するのを省略してある。又、図3乃至
図6の(B)として示す応力の特性については、車内外
の差圧に比例するものとして簡略化してグラフ化してあ
る。又、グラフにおいて、制御後の圧力変化の時間経過
を分りやすくするために直線で表示しているが実際には
なだらかな曲線となる。
【0043】又、前記説明では限界気圧変化率を夫々一
般的な8mmHg/min ,13mmHg/min としているが、こ
れに限定されるものではなく、より快適なための余裕を
見て、例えば、これ以下の変化率としてもよいことはい
うまでもない。
【0044】上述の説明では車内外の圧力及びその差圧
の信号を制御用として使用して(1)式で表現される評
価関数Jを最小にする制御を行うようにしたので、係数
λ1,λ2 の値を適切に決めてやることで、不快感の無
い或は少ない車内圧変化率とすることができ且つ差圧が
小さくなって車体の疲労寿命を向上させることができ
る。
【0045】ところで、車体の疲労寿命の観点から見た
みた場合、応力は正←→負の方向に2回変化(繰返し応
力)していることがわかる。この繰返し応力は、材料力
学上“両振幅”であり、疲れ限度は、同じ応力振幅の場
合、片振幅のそれに比べ1/(1.6〜2.8)であっ
て最良とはいえない。
【0046】そこで、車内気圧を車外気圧に対して常に
大きく(又は小さく)制御する制御条件を主演算手段2a
に付加する。このことによって車体に加わる繰返し応力
を片振幅とすることで、疲れ限度を1.6〜2.8倍に
高めて疲労寿命を向上させることができる。具体的に
は、主演算手段2aに“Pa ≧Pc ”又は“Pa ≦Pc ”
のいずれかの条件或は双方の機能を持たせていずれかを
選択して使用できるようにすればよいこととなる。つま
り主演算手段2aを、(1)式についてPa ≧Pc又はPa
≦Pc の条件で最小にする演算機能(制御機能)を有
する構成とすればよい。
【0047】以下、図7及び図8を用いてこれについて
説明する。
【0048】図7は、Pa ≧Pc の条件の場合である
が、この方法では、車内気圧変化率を限度変化率以下
(即ち、(d/dt) Pc ・up)<8mmHg/min ,(d/dt)
Pc ・down<13mmHg/min )とし、且つ車内外の差圧
をできるだけ小さく押えるよう(評価関数Jを最小)に
するが、この制御にPa ≧Pc の条件を付加して演算・
制御することとなる。係数λ 1,λ2 は前記したように
車体特性等の各要素を考慮した適性な値に定める。しか
し、評価関数Jと前記条件Pa ≧Pc は双方同時に満足
しない場合も考えられ、その場合のみどちらかを優先的
に満足するように選択し制御すれば良い。
【0049】列車がトンネルに入った際は、図7(A)
に示すように、車外気圧は上昇し、これにともない車内
気圧も上昇する。しかしながら、車内気圧制御装置によ
り、車内圧変化率を限度昇圧率(8mmHg/min )以下に
留め、車内気圧下降時も限度降下率(13mmHg/min )
以下に留めるように制御(区間“C”で示す)する。
【0050】しかし、このままの下降率で進むと、区間
“D”で条件Pa ≧Pc が満足されなくなるので、主演
算手段2aでは降下率を大きくとり条件Pa ≧Pc を満足
させている。そして、区間“E”以降では十分に限度変
化率以下にできるため、図の傾きが緩か(変化率小)に
なっている。
【0051】このような制御によれば、発生応力は図7
(B)に示すように常に“正”であり、応力振幅(2σ
A2)であることがわかる。これは、条件Pa ≧Pc 無の
場合の制御(両振幅:2σA1)に比べ遥かに小さく、疲
労寿命を向上させることとなることがわかる。
【0052】図8はPa ≦Pc の条件の場合である。こ
の場合において、列車がトンネルに入った際は、図8
(A)に示すように、車外気圧は上昇するが、このとき
条件Pa ≦Pc を満足させようとすると車外気圧より車
内気圧を更に急加圧することになり、益々不快感を増す
ことになるので好ましくなく、気圧が下降してきたある
時刻t1 から(時刻t1 迄は従来の制御で良い)条件P
a ≦Pc での制御をするのが望ましい。
【0053】時刻t1 以降では条件Pa ≦Pc の元で評
価関数Jを最小とする最適制御を行うこととなる。
【0054】このような制御により図8(B)に示すよ
うにその発生応力句は常に“負”であり、応力振幅は片
振幅(2σA2)であることがわかる。これは条件Pa ≦
Pc無の場合の制御(両振幅:2σA1)に比べ遥かに小
さく、疲労寿命の向上(疲労破壊の防止)に役立ってい
ることがわかる。
【0055】このように、主演算手段2aに(1)式の評
価関数について条件Pa ≧Pc 又はPa ≦Pc を付ける
ことで車内外圧力差による車体に加わる繰返し応力を片
振幅にすることができるので、前記した両振幅の繰返し
応力に比べて車体の疲れ限度を1.6〜2.8倍に高め
ることができて疲労寿命を向上させることができる。
【0056】又、条件Pa ≧Pc 又はPa ≦Pc と条件
の選択ができることから、このシステムを何両か毎に設
置することにより、車体毎の特性に適した方法で制御が
できるので、一律にどちらか片方にするより最適の効果
を上げることができる。
【0057】更に又、評価関数を最小にする最適制御
(つまり係数λ1 を考慮した快適性重視)と条件との間
に優先順位をつけて選択することができるため、例えば
条件Pa ≧Pc を第1優先として快適性を若干落しても
片振幅繰返し応力を守ることにより車体の疲労寿命を最
大限とすることもできる。
【0058】
【その他の実施例2】
【0059】ところで、図1及び図2の実線で示すよう
な構成とすることによる最適制御により車内気圧の変化
率と車内外の気圧差を最小とする制御方法・手段におい
ては、トンネルに入った直後の急激な車内気圧の上昇に
対して必ずしも“十分に人間が不快を伴わないで絶えら
れる気圧変化率以下を満足できない場合も有える”と考
えられることも想定してみる必要がある。
【0060】そこで、このような場合、トンネル入口に
信号発信器等を設置し、この信号発信器から列車/トン
ネル間の相対位置等の分る信号を受けて、トンネル突入
以前から車内気圧を序々に昇圧(不快に感じない変化
率)していき、トンネル突入までには車外気圧Pa と車
内気圧Pc とを略等しくする(つまり、主演算部で列車
/トンネル間の距離情報,速度情報等によりトンネル突
入以前の適当な時刻或は距離から事前の車内気圧変化を
序々に与える事前与圧制御を行い、トンネル突入時には
車外気圧Pa と車内気圧Pc を略等しくする制御を行
う)ことにより、突入時の急激な車内気圧Pc の上昇
(不快感)を防止する。
【0061】そして、その他の区間(トンネル突入以前
からの事前昇圧を行っている区間以外)では継続して前
記最適制御(図1,2の実線で示した最適制御)を行
い、不快感を減少させることで車体の疲労寿命を向上さ
せる。
【0062】そこで、これに対応する技術としては、図
1及び図2の実線部分で示す構成に対して更に破線で示
すような各手段を追加設定するような構成とすればよ
い。
【0063】図1及び図2の破線部分において、7 は列
車の速度信号vを発信する例えば車両1 につけられる速
度発信器であり、その信号vは主演算手段2aに導かれる
(但し、速度信号vを必ずしも車体側から受ける必要は
なく、例えば中央司令室での演算制御機から行なわれる
構成としてもよくこの場合は速度発信器は必要としな
い)。
【0064】8 はトンネル位置発信器であり、例えば電
波信号ψ等(伝送信号としてはこれに限らず例えば中央
司令室からの直接の制御信号であってもよいし、他周知
技術、即ちトンネルからの必要十分な距離に設置された
発信器からの光信号,音波信号,レ―ル等を経由した電
気信号等を用いてよい)で車両1に設けられた距離位置
信号発信器9 と結ばれる。
【0065】距離位置信号発信器9 は、例えば車体に図
のように演算・制御部2 とは別個に設けられたり或は図
示しない中央司令室に設けられたり(この場合はリモコ
ン制御を発する構成となる)してトンネル位置発信器8
からの電波信号ψに基づくトンネルまでの距離信号Lを
主演算手段2aに出力する。又、トンネル位置発信器設置
位置も下記説明ではトンネル入口付近とした場合を示す
が、本発明の目的が達成可能な位置であればこれに限定
されない。
【0066】このとき主演算手段2aは各破線で示すよう
に、前記列車の速度信号v及びトンネルまでの距離信号
L以外に、任意に設定する係数“トンネル突入時t1 の
車内気圧Pc(t1)”{=HP 0(+MAX)+α,但し、HP
0(+MAX)は推定最大車外気圧“Hは推定記号”、αは加
算余裕気圧)及び車内気圧上昇率(d/dt) Pctの信号を
入力する構成となる。このときに、Pc(t1)や(d/dt)
Pctは車内で設定してもよいし中央司令室で設定してこ
の設定信号を用いるようにしてもよい。
【0067】尚、このときにあって主演算手段2aは、時
刻t-2を受信地点し、時刻t-1を最適制御のスタ―ト時
刻とし、トンネル突入時t1 の前後(時刻の関係は図9
(A)参照)においては夫々、 (イ):t<t-1,t1 <tのときは、(1) 式の評価関
数J[=λ1 {(d/dt)Pc }2 +λ2(Pc −Pa
2 ]を最小にする制御を行い、 (ロ):t-1≦t≦t1 のときは、車内気圧Pc(t1),
車内気圧上昇率(d/dt)Pct信号,列車の速度信号v,
及び距離信号Lにより下記演算式を満足する制御を行
う。尚、この主演算手段2aで行なわれるべきt-1≦t≦
t1 における事前与圧制御は中央司令室の演算制御機で
行なわれるようにしてもよい。
【0068】 Pc (t)=(d/dt) Pct(t−t1 ) …(2) Pc (t1 ) =(d/dt) Pct(t1 −t-1) …(3) L=[I(t-1〜t1 )]vdt+β …(4) (但し、Iは積分記号、[I(t-1〜t1 )]は区間t
-1〜t1 の積分、βは余裕距離) Pc (t1 ) ≦〜≧Pa ≦〜≧1[atm ] …(5) (但し、≦〜≧は略等しいことを意味する記号として扱
う。以下同様)
【0069】最適制御について前記と同様に具体的な説
明を図9を用いてする。尚、“t<t-1”,“t1 <
t”のときは図4及びこれの説明に同じなので省略す
る。
【0070】t-1≦t≦t1 の場合の動作(事前与圧)
においては、トンネルに入る以前から車内気圧を序々に
上げていき、トンネルに入って最大の車外気圧になるま
でにこの車外気圧と同じか僅かに高い車内気圧とし、ト
ンネル突入時の急激な車内圧の上昇による不快感を防止
するような制御をする。
【0071】車両1 がトンネルに突入するとき、トンネ
ル入口付近に設置されたトンネル位置発信器8 から例え
ば前記電波信号ψを距離位置信号発信器9 が受けること
により、この距離位置信号発信器9 は電波信号ψに基づ
くトンネルまでの距離信号Lを主演算手段2aに出力す
る。又、速度発信器7 からトンネル突入迄の(平均的予
測)列車速度信号vが主演算手段2aに導かれる。又、車
内気圧上昇率(d/dt) Pct信号とトンネル突入時に到達
すべき車内気圧Pc(t1)が設定されて主演算手段2aに導
かれる。
【0072】このような信号を受けた主演算手段2aは
(3),(4)式から余裕距離βを予め見込んだ本制御
開始時刻t1 を決定し、又(2)から時刻t-1〜t1 ま
での各時刻に至る車内気圧を決定する。これに基づく車
内外気圧と車体の応力の関係を図9(A),(B)に示
す。尚、上述の説明はトンネル突入時刻をt0 とt1 と
を略同じ時刻と見なしたものである。
【0073】図9(A)において、時刻t-1からこの制
御が始まり、このような制御は車内気圧上昇率(d/dt)
Pctで時刻t1 まで続く。そして、時刻t1 付近ではP
c ≦〜≧Pa であるから急激な車内気圧変化は発生せず
快適性を保つことができることとなる。
【0074】尚、上述の説明において、演算・制御部に
受信機能を持たせることを前提として、トンネル位置発
信器からの距離信号のみを演算に用いるのではなくて、
λ1,λ2 ,Pc (t1 ),(d/dt)Pct等の角パラメ―
タを用いることでトンネル毎に適した制御を行うように
しても良い。又、信号の発信/受信は時刻t-2のみでは
なく、時刻t1 迄の任意の期間続けて最新情報で逐次ア
ップデ―トを続けてもよい。
【0075】又、上述の具体例では最初にP0 が正圧の
場合で説明したが、正の気圧が無視できる程小さかった
り負圧のみの場合は、本実施例と同様に、(d/dt)Pctを
負の係数として扱えばこの負圧の急激な変化に対しても
有効である。
【0076】以上述べたことによれば、トンネル突入以
前から車内気圧変化を序々に与える事前与圧制御を行う
ことができるので、トンネル突入時の車外気圧の急激な
変化に対しても車内気圧の急激な変化をなくすことがで
きるので、より快適な車内気圧環境とすることの確実性
を増すことができる。
【0077】
【その他の実施例3】
【0078】前記その他の実施例1にあっては、“Pa
≧Pc ”,又は“Pa ≦Pc ”の制御条件を付与するこ
とで車両1 に加わる繰返し応力を片振幅として疲れ限度
を高め、疲労寿命を向上させている。
【0079】ところで、Pa ≦Pc の制御条件について
更に技術的に分析をしてみる。前記したように、トンネ
ルに入った直後は車内気圧が急加圧されることになるか
ら、この時刻の制御を見るかぎりは、車両内にいる人間
にとって益々不快感は増すこととなる。そしてある時刻
経過後、即ち、図8の時刻t1 に至り、条件Pa ≦Pc
が適用される(つまりこの時刻t1 までは図4の制御で
対応している)ということで、完全なPa ≦Pc の最適
制御が一部について実現できていないこととなる。
【0080】そこで、前記その他の実施例1の中のPa
≦Pc の条件の制御において、演算・制御部2 が車両/
トンネル間の相対位置等の分る信号をトンネル位置発信
器8等から受けて、トンネル突入以前から車内気圧を序
々に昇圧(不快を感じない変化率)していき、トンネル
突入までには車外気圧Pa と車内気圧Pc とを略等しく
することにより突入時の急激的な車内気圧の上昇(不快
感)を防止し、しかも車体に加わる繰返し応力を全区間
片振幅として疲れ限度を高め、疲労寿命を向上させるよ
うにする。
【0081】具体的には、列車とトンネルとの距離情報
や速度情報等を適宜用いてトンネル突入以前の適当な時
刻或は距離から事前の車内気圧変化を徐々に与える事前
与圧制御を行い、突入時には車外気圧Pa と車内気圧P
c とを略等しくする制御を行うために、主演算手段にP
a ≦Pc (又はPa ≧Pc )でt<t-1,t1 <tのと
き(1)式の評価関数Jを最小にする制御機能を設け
る。
【0082】これにより図10(A)に示すように、ト
ンネル突入以前から車内気圧を序々に昇圧していき、ト
ンネルに入ってから最大の車外気圧になるまでにこの車
外気圧とほぼ同じか僅かに高い車内気圧とし、トンネル
突入時の急激な車内気圧Pcの上昇による不快感を防止
するような制御を行うことができる。図10(B)にこ
のような制御とした場合の車体の応力の特性を示す。
【0083】尚、このような実施例において、正の気圧
が無視できる程小さかったり負圧のみの場合は、(d/dt)
Pctを負の係数として扱えば、Pa ≧Pc の条件又は負
圧の急激な変化に対しても有効である。
【0084】この結果、トンネル突入時の車外気圧の急
激な変化に対しても車内気圧の急激な変化をなくすこと
ができるために、更にも増してより快適で且つ片振幅応
力による車体の疲労寿命の向上を実現することができ
る。
【0085】
【その他の実施例4】ところで、以上の制御(最適制
御,疲労寿命向上の制御,事前与圧制御)においては送
付機及び排気装置の容量が当該制御を行うのに十分であ
ることを前提としている。ここでもし仮に容量不足のと
きは、容量の大きいものに換えるか使用台数を増やすこ
とも一応の解決策となるが、この場合コストアップを招
いたり設置場所等の点で問題もある。
【0086】そこでこのための解決手段としては、アキ
ュ―ムレ―タと真空チャンバのどちらか片方或は両方を
車内に設置し、演算・制御部の制御で目標となる車内気
圧Pc となるように必要に応じて制御・作動させること
により送付機及び排気装置の短時間の能力を補い、当初
の計画どおりの車内圧に制御することを可能とする。
【0087】具体的な実施例は図11及び図12のよう
になる。
【0088】図11及び図12において、10は真空ポン
プを持った真空チャンバであり、真空度が低下すると自
動的に真空ポンプが作動する機能となっている。この真
空チャンバ10の吸入口は車内にあり、排出口は車外にあ
る。真空チャンバ10の本体の設置場所は車両のどの部分
でもよく、車内外を問わない。11は真空チャンバ10を開
閉する弁であり、演算・制御部20からの信号Vで制御・
駆動される。
【0089】12は加圧ポンプを持ったアキュ―ムレ―タ
であり、加圧が低下すると自動的に加圧ポンプが作動す
る機能がある。このアキュ―ムレ―タ12の吸入口は車外
にあり、出口は車内にある。尚、アキュ―ムレ―タ12の
本体の設置場所は車両のどの部分でもよく、車内外を問
わない。13はアキュ―ムレ―タ12を開閉する弁であり、
演算・制御部20からの信号Aで制御・駆動される。尚、
弁11,13は図はオン/オフ型電磁弁の場合を締が、これ
に限定されるものでなく、これ以外、例えば、比例制御
式の弁でもよいし空気圧駆動式の弁等でもよい。
【0090】尚、真空チャンバ10と弁11やアキュ―ムレ
―タ12と弁13は車両毎に各1台である必要はなく、設置
を必要とする車両のみに設ければよいし、勿論その場
合、必ずしも1台に限定されることはなく、必要な台数
を設けるようにしてもよいし、この場合にこれを分散し
た形で配置してもよいことはいうまでもない。
【0091】演算・制御部20において、2fは主演算手段
20aからの信号v0 を入力する出力増幅回路であり、こ
の出力増幅回路2fは主演算手段20aで演算された結果に
基づく制御駆動信号Vを弁11に出力する。2gは主演算手
段20aからの信号a0 を入力する出力増幅回路であり、
この出力増幅回路2gは主演算手段20aで演算された結果
に基づく制御駆動信号Aを弁13に出力する(このときに
出力増幅回路は図とは異なり、主演算手段内部に設ける
必要はなく別置きとしても良い)。
【0092】このような構成において、例えば、図4の
区間Mにおいて車内気圧Pc を上昇させる際に演算・制
御部20は送付機5 の風量・風圧を高め、排気装置6 を閉
じる制御を行うが、これのみでは容量(能力)不足で計
画した区間Mのカ―ブの車内気圧Pc の上昇ができない
場合が考えられるが、この場合に、演算・制御部20は車
内気圧を車内気圧検出端4 でモニタし、送付機5 及び排
気装置6 のフィ―ドバック信号fF ,fE を受けている
ので、この送付機及び排気装置の容量不足が判断でき
る。
【0093】この判断結果により、アキュ―ムレ―タ12
の弁13を信号Aで開いて蓄圧していた空気を車内に供給
し、所定の車内気圧Pc になった時点で弁13を閉じる。
【0094】同様に、図4の区間Nで示す車内気圧Pc
を下降させる際、送付機5 及び排気装置6 のみでは容量
不足で計画したとおりの車内気圧Pc の下降特性を得る
ことができない場合も考えられるが、この場合において
も、車内気圧Pc ,フィ―ドバック信号fF ,fE から
演算・制御部20は送付機5 及び排気装置6 の容量不足が
判断できる。
【0095】この判断結果により、真空チャンバ10の弁
11を信号Vで開いて車内の空気を吸込み、排出して所定
の車内気圧Pc になった時点で弁11を閉じる。
【0096】以上のようにして送付機5 及び排気装置6
の容量不足を真空チャンバ10,アキュ―ムレ―タ12で補
う制御が可能となる。
【0097】尚、このような技術は車内気圧をなるべく
大気圧に保つ制御にも車内気圧の補助調整装置として有
効に用いることができる。
【0098】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次に記載するような効果を奏する。 (イ)車内外の圧力及びその差圧の信号を制御用として
使用して(1)式で表現される評価関数Jを最小にする
制御を行うようにしたので、係数λ1 ,λ2 の値を適切
に決めてやることで、不快感の無い或は少ない車内圧変
化率とすることができ且つ差圧が小さくなって車体の疲
労寿命を向上させることができる。 (ロ)その他の実施例1によれば、主演算手段に(1)
式の評価関数について条件Pa ≧Pc 又はPa ≦Pc を
付けることで車内外圧力差による車体に加わる繰返し応
力を片振幅にすることができるので、両振幅の繰返し応
力に比べて車体の疲れ限度を1.6〜2.8倍に高める
ことができて疲労寿命を向上させることができる。 (ハ)又、条件Pa ≧Pc 又はPa ≦Pc と条件の選択
ができることから、このシステムを何両か毎に設置する
ことにより、車体毎の特性に適した方法で制御ができる
ので、一律にどちらか片方にするより最適の効果を上げ
ることができる。 (ニ)更に又、評価関数を最小にする最適制御と条件と
の間に優先順位をつけて選択することができるため、例
えば条件Pa ≧Pc を第1優先として快適性を若干落し
ても片振幅繰返し応力を守ることにより車体の疲労寿命
を最大限とすることもできる。 (ホ)その他の実施例2によれば、より快適な車内気圧
環境とすることの確実性を増すことができる。 (ヘ)その他の実施例3によれば、前記その他の実施例
1にも増してより快適で且つ片振幅応力による車体の疲
労寿命の向上を実現することができる。 (ト)その他の実施例4によれば、送付機及び排気装置
の容量不足をアキュ―ムレ―タ,真空チャンバの補助的
用法により補うことができるので、比較的安価に計画す
る車内圧に制御しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車内気圧制御装置の具体的な実施例を
示す図である。
【図2】図1の演算・制御部の具体的な実施例を示す図
である。
【図3】図1乃至図2の説明に供する図である。
【図4】図1乃至図2の説明に供する図である。
【図5】図1乃至図2の説明に供する図である。
【図6】図1乃至図2の説明に供する図である。
【図7】その他の実施例の説明に供する図である。
【図8】その他の実施例の説明に供する図である。
【図9】その他の実施例の説明に供する図である。
【図10】その他の実施例の説明に供する図である。
【図11】その他の実施例の説明に供する図である。
【図12】その他の実施例の説明に供する図である。
【符号の説明】
1 車両 2 ,20 演算・制御部 3 車外気圧測定用圧力センサ(車外気圧検出端) 4 車内気圧測定用圧力センサ(車内気圧検出端) 5 送付機 6 排気装置

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 走行車体に設けられた車内気圧測定用圧
    力センサ―(4 )、該車内気圧測定用圧力センサ―に併
    設されて前記車体の外気圧を測定する車外気圧用センサ
    (3 )又は車内外差圧を測定可能な車内外差圧センサ、
    これ等センサの信号を入力する演算・制御部(2 ,2
    0)、及び該演算・制御部によって駆動・制御されて前
    記走行車体内を必要な気圧に直接調整するための車内気
    圧調整手段(S)を具備し、前記演算・制御部におい
    て、“J=λ1 {(d/dt) Pc }2 +λ2 (Pc −Pa
    2 ”なる演算式で表わすこと[但し、Pc :車内気
    圧、(d/dt) Pc :車内気圧変化率、Pa :車外気圧、
    λ1 ,λ2 :重み係数]ができる評価関数Jを最小にす
    る演算処理を行い、この演算結果に基づく制御信号で前
    記車内気圧調整手段を制御するようにしたことを特徴と
    する車内圧制御装置。
JP15874291A 1991-06-28 1991-06-28 車内圧制御装置 Expired - Lifetime JPH0764256B2 (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6391814B1 (en) 1999-07-02 2002-05-21 Tdk Corporation Piezoelectric ceramic and piezoelectric device using same
JP2012116404A (ja) * 2010-12-02 2012-06-21 Bsm:Kk 車両用気圧制御空調装置
JP2014226956A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 日産自動車株式会社 自動車ドアの検査装置
KR101484973B1 (ko) * 2013-10-23 2015-01-21 한국철도기술연구원 여압 장비를 이용한 고속 열차 객실 압력 유지 방법 및 장치

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