JPH0587054A - 自動車用流体移送ポンプ及びそれを用いた空気調和機 - Google Patents

自動車用流体移送ポンプ及びそれを用いた空気調和機

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JPH0587054A
JPH0587054A JP4936292A JP4936292A JPH0587054A JP H0587054 A JPH0587054 A JP H0587054A JP 4936292 A JP4936292 A JP 4936292A JP 4936292 A JP4936292 A JP 4936292A JP H0587054 A JPH0587054 A JP H0587054A
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JP
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chamber
pressure
pump
fluid
condensed water
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JP4936292A
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English (en)
Inventor
Koumei Tanaka
攻明 田中
Shin Honda
伸 本田
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍サイクルの効率の向上を図る。 【構成】 空気調和機のエバポレータに発生するドレン
水をコンデンサ2に噴射して冷凍サイクルの効率を向上
させる際に、内燃機関の吸気負圧で作動されるポンプ9
でドレン水容器7からノズル8にドレン水を送る。ポン
プ9は中空管17によりハウジング10内に内燃機関の
吸気負圧が伝達されるベローズ16を備え、ベローズ1
6が高負圧で縮小すると管路26および第1の逆止弁2
1を介してドレン水をハウジング10内に吸入し、ベロ
ーズ16が低負圧で拡大すると第2の逆止弁31および
管路27を介してドレン水をノズル8に送る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の運転に使用され
る各種流体を移送する自動車用流体移送ポンプおよびそ
れを用いた空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種の自動車用流体移送ポン
プとして複数の電動ポンプが自動車の各機関や装備に組
み込まれている。例えばカーエアコンにおいては、渋滞
時の冷房能力の低下を防ぐため、エバポレータで発生し
た凝縮水を移送して空調コンデンサに噴霧するのにも電
動ポンプが使用される。
【0003】すなわち、コンプレツサ、コンデンサ、膨
脹弁およびエバポレータとこれらを連結する冷媒回路と
を備えた空気調和機において、エバポレータを冷房用空
気が通過する際に空気中の水蒸気が凝縮してエバポレー
タ表面に付着滴下することにより発生する凝縮水(いわ
ゆるドレン水)を、コンデンサまたはコンデンサの下流
側の冷媒回路に設けることがあるサブクーラに電動ポン
プによって吹きつけることにより、冷凍サイクルの効率
を向上させることが知られている。
【0004】例えば、エバポレータの直下に配設した貯
留タンクに貯留されるドレン水を電動ポンプで汲み上げ
て噴射ノズルよりコンデンサに噴射する方式のものは、
特開昭63−17365号公報、特開昭63−1870
79号公報に、コンデンサの下方位置に設けた回転板の
羽根でドレン水をかき上げてコンデンサに吹きつける方
式のものは特開昭62−213626号公報に、コンデ
ンサをエバポレータのドレン水容器より下方位置に配置
してドレン水を重力によりコンデンサに落下させる方式
のものは特開昭57−47174号公報に、それぞれ開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ドレン水を電動ポンプ
で汲み上げてコンデンサに噴射させる方式のものは、モ
ータを空気調和機内に配設する必要があり、かつドレン
水の量が少ないときは空気がポンプに吸入されることが
あり故障を生じ易いので、別途予備の水タンクを設ける
等の必要があり、回転板を用いる方式のものは、回転板
のコンデンサに対する位置関係が冷却効果に影響し、か
つ回転板を駆動するモータが必要となる。さらに重力で
ドレン水をコンデンサに落下させる方式のものは、モー
タ等の動力源は必要とされないが、エバポレータをコン
デンサの上方位置に配置することが必要であり、車輌に
載置する空気調和機のようにコンデンサとエバポレータ
を水平位置に配置する場合に採用できない。
【0006】また、使用する電動ポンプの数の増加が電
力量の増大を招き、バッテリの負担が大きくなるという
問題がある。一方、冷凍サイクルの冷房負荷条件につい
て考えると、コンデンサへの水噴射による冷凍サイクル
の効率向上の要求は、空気調和機の高負荷時に特に高
く、中負荷時または低負荷時には冷凍能力に余裕がある
ので、冷凍サイクルの効率向上の要求はさほど高くはな
い。この傾向は車輌に搭載される空気調和機において著
しい。
【0007】そこで本発明は、簡易な構成のポンプによ
りエバポレータにおいて凝縮した水をコンデンサまで運
び、冷凍サイクルの効率の向上を図ることのできる空気
調和機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車用流体移
送ポンプは、自動車の運転に使用される各種流体を移送
する移送ポンプにおいて、外部の圧力変動により容積を
変化するチャンバと、該チャンバに開口する流体の供給
路と、前記チャンバ内の流体の圧力が前記供給路内の流
体の圧力より小さい場合に前記供給路を前記チャンバに
開口し、かつ前記チャンバ内の流体の圧力が前記供給路
内の流体の圧力より大きい場合に前記チャンバに開口す
る前記供給路を閉鎖する吸入用逆止め弁と、前記チャン
バに開口する流体の吐出路と、前記チャンバ内の流体の
圧力が前記吐出路内の流体の圧力より大きい場合に前記
吐出路を開口し、かつ前記チャンバ内の流体の圧力が前
記吐出路内の流体の圧力より小さい場合に前記チャンバ
に開口する前記吐出路を閉鎖する吐出用逆止め弁とを備
えることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、内燃機関により駆動され
るコンプレツサと、コンデンサ、膨脹弁、エバポレータ
およびこれらを連結する冷媒回路を備え、必要に応じて
前記コンデンサと膨脹弁との間にサブクーラを設けると
ともに、前記エバポレータの外表面に付着する凝縮水を
受ける容器と、該容器内の凝縮水を汲み上げるポンプ
と、該ポンプにより汲み上げた凝縮水を前記コンデンサ
またはサブクーラに向けて散水する放水手段とを備えた
空気調和機において、前記ポンプは、内部容積が可変の
第1の室と、該第1の室の容積変化に伴つて容積変化を
生ずる第2の室と、前記第1の室の容積を拡大する方向
に前記第1の室を区画する壁体を付勢する付勢手段と、
前記第1の室に負圧を導入する空気通路と、前記第2の
室の容積が拡大されたときのみに開く第1の逆止弁を介
して前記第2の室を前記容器に連通せしめる第1の管路
と、前記第2の室の容積が縮小されたときのみに開く第
2の逆止弁を介して前記第2の室を前記放水手段に連通
せしめる第2の管路とよりなるものである。
【0010】
【作用】上記構成の自動車用流体移送ポンプにおいて
は、外部の圧力変動によりチャンバの容積が変化する。
例えば、外部の圧力が低下すると、外部の圧力とチャン
バ内の流体の圧力とのバランスが変わりチャンバの容積
が拡大してチャンバ内の流体の圧力が低下する。する
と、チャンバ内の流体の圧力が吐出路内の流体の圧力よ
り小さくなるから吐出用逆止め弁がチャンバに開口する
吐出路を閉鎖する。また、チャンバ内の流体の圧力が供
給路内の流体の圧力より小さくなるから吸入用逆止め弁
が供給路をチャンバに開口させる。つまり、外部の圧力
の低下により供給路内の流体がチャンバ内に吸引され
る。
【0011】これに対し、外部の圧力が上昇すると、外
部の圧力とチャンバ内の流体の圧力とのバランスが変わ
り今度はチャンバの容積が縮小してチャンバ内の流体の
圧力が上昇する。すると、チャンバ内の流体の圧力が供
給路内の流体の圧力より大きくなるから吸入用逆止め弁
がチャンバに開口する供給路を閉鎖する。また、チャン
バ内の流体の圧力が吐出路内の流体の圧力より大きくな
るから、吐出用逆止め弁が吐出路をチャンバに開口させ
る。つまり、外部の圧力の上昇によりチャンバ内の流体
が吐出路に吐出される。この結果、外部の圧力が低下し
たり上昇したりすることで流体が移送される。
【0012】内燃機関の吸気負圧は内燃機関の回転速度
によつて変動があり、この吸気負圧が導入されるポンプ
の第1の室内の圧力も変動する。この圧力変動により隔
壁体がポンプハウジングに対して相対移動する。
【0013】また、上記構成の空気調和機ではポンプで
汲み上げられた凝縮水が放水手段に送られ、この放水手
段よりコンデンサまたはサブクーラに散水され、コンデ
ンサまたはサブクーラを凝縮水により冷却する。
【0014】
【実施例】図1に本発明の空気調和機の一実施例の要部
を斜面図で、図2に前記実施例において用いるポンプを
断面概要図で、図3に空気調和機の各要素と冷媒回路を
回路図で、それぞれ示す。
【0015】空気調和機は、コンプレツサ1、コンデン
サ2、レシーバ3、サブクーラ4、膨脹弁5、エバポレ
ータ6を冷媒回路で連結し、コンプレツサ1で圧縮され
高熱となつた気体状冷媒はコンデンサ2において冷却さ
れて液化され、レシーバ3において冷凍サイクルの冷房
負荷に即応してエバポレータ6に供給できるように一時
的に貯えられ、サブクーラ4、膨脹弁5を経てエバポレ
ータ6に送られる。膨脹弁5は高温高圧の液状冷媒を小
さな孔から噴射させることにより急激に膨脹させ、低温
・低圧の霧状の液冷媒にする。エバポレータ6は前記低
温・低圧の霧状の液冷媒を多量に気化させ、エバポレー
タ6の冷媒用チユーブおよび放熱フインの間を通過する
空気を冷却する。
【0016】本発明においては前記コンプレツサ1は内
燃機関により駆動され、大型バス以外の車輌の車載用の
場合は、ラジエータの冷却フアンや発電機とともに、内
燃機関のクランクシヤフトに固定したプーリよりベルト
を介して駆動される。
【0017】車室等居住空間内の空気がエバポレータ6
の冷媒用チユーブおよび放熱フインの間を通過して冷却
されるとき、空気中の水分の凝縮により放熱フインに付
着する水滴を集めて貯留するために、エバポレータ6の
下方位置に容器7を設け、該容器7内に貯留する凝縮水
をポンプ10で汲み上げて放水手段であるノズル8より
コンデンサ2またはサブクーラ4に向けて噴射散水させ
る。
【0018】本発明において用いるポンプ9は、ハウジ
ング10を硬質材料よりなる円筒形基体11と蓋板12
および底板13とにより所定の容積を有するものに形成
され、前記ハウジング10の内腔部には、対向する硬質
端板14,14の周縁部を弾性体材料で形成されたベロ
ーズ壁15で連結したベローズ16が前記一方の端板1
4に固定された中空管17を前記蓋板12に貫通固定せ
しめて内装され、前記ハウジング10内の容積を、前記
中空管17に連通するベローズ16内の容積を備える第
1の室18と、該ベローズ16の周囲でハウジング10
を構成する基体11、蓋板12および底板13とで囲ま
れる容積の第2の室19とに前記ベローズ16により区
画されている。該ベローズ16内には該ベローズ16の
製作時にコイルスプリング20が封入されており、該コ
イルスプリング20の弾力は常時前記ベローズ16を伸
長せしめる方向即ち前記第1の室18の容積を拡大する
方向に付勢している。前記中空管17は前記コンプレツ
サ1を駆動する内燃機関のインテークマニホールド(図
示せず)に連通され、前記ベローズ16内、即ちポンプ
ハウジング10内に形成された第1の室18に、前記内
燃機関の吸気負圧を導入している。
【0019】ポンプハウジング10の底板13には第1
の逆止弁21および第2の逆止弁31が設けられる。第
1の逆止弁21の弁体22は、前記底板14の内面に固
定される弁筒23内で底板14に形成される開口24を
前記弁筒23内に設けたスプリング25の弾力で閉塞
し、前記開口24に連通して前記容器7に連結された第
1の管路26と前記第2の室19との連通を遮断する。
第2の逆止弁31の弁体32は、前記底板13の外面に
固定される弁筒33内で底板13に形成される開口34
を前記弁筒33内に設けたスプリング35の弾力で閉塞
し、前記弁筒33に連通して前記ノズル8に連結される
第2の管路27と前記第2の室18との連通を遮断す
る。
【0020】従つて、ポンプハウジング10内のベロー
ズ16に高い吸気負圧が伝達されたときは、該ベローズ
16はコイルスプリング20の付勢力に抗して縮小し、
これにより前記第1の室18の容積が縮小したときは、
前記第2の室19の容積はその分だけ拡大されるから、
容器7に貯留されていた凝縮水は第1の管路26を通
り、第1の逆止弁21の弁体22をスプリング25の弾
力に抗して開口24から離脱させ、前記第1の逆止弁2
1を開いて前記第2の室19内に汲み上げられる。この
とき第2の逆止弁31は弁体32が開口34を閉じた状
態にある。
【0021】次にベローズ16内に導入された高い吸気
負圧が低下すると、該ベローズ16はコイルスプリング
20の付勢力で伸長し、前記第1の室18の容積を拡大
し、従つて第2の室19の容積は縮小される。このとき
は前記第1の逆止弁21の弁体22は開口24を閉塞し
ており、第2の逆止弁31の弁体32はスプリング35
の弾力に抗して開口34を開放するから、前記第2の室
19内に汲み上げられていた凝縮水28は、第2の管路
27を通つてノズル8に送られ、該ノズル8からコンデ
ンサ2またはサブクーラ4に向けて噴射散水せしめられ
る。
【0022】前記容器7内に凝縮水の貯留が少ないとき
または貯留されていないときは、空気がポンプハウジン
グ10の第2の室19に吸引される。しかし上記ポンプ
9においては、ポンプハウジング10内を第1の室18
と第2の室19の2室に区画するベローズ16のポンプ
ハウジング10に対する相対移動で水または空気を吸引
する方式のものであるため、空気を吸引することになつ
ても、通常の電動式のポンプのように破損するおそれは
ない。
【0023】図4に前記ノズル8の断面図を示す。該ノ
ズル8は頂壁81に噴射口82を形成した円筒状ノズル
本体83に、管路84を前記ノズル本体83の軸方向に
設けた底板85を固定し、管路84から導入した凝縮水
を噴射口82から噴出せしめるようにしたものである。
【0024】図5に示すノズル8の変形例は底板85に
は管路84をノズル本体83の切線方向に設け、流入口
86からノズル本体83内に導入した凝縮水をノズル本
体83内で渦流状に通過させ、噴射口82から噴射され
る水粒子の噴射角度を拡大せしめたものである。
【0025】図6に示すノズル8の変形例は、底板85
には管路84をノズル本体83の軸方向に設け、ノズル
本体83内部にはその軸方向の中央部に外周に螺旋溝8
7を刻設した案内子88を固定して、噴射口82から噴
射される水粒子に螺旋運動を与えるように構成したもの
である。
【0026】図7に示すポンプ29は、本発明において
用いるポンプの他の実施例であつて、ポンプハウジング
36は対向する硬質端板37,38の周縁部を弾性体材
料で形成されたベローズ壁39で連結して構成され、該
ベローズ壁39と同心的に第2のベローズ壁40が前記
硬質端板37,38間に連結されて、ポンプハウジング
36内の容積を、前記両ベローズ壁39,40間に環状
に形成される第1の室18と、前記第2のベローズ壁4
0に囲まれる第2の室19とに区画しており、前記第1
の室18内にはコイルスプリング20が前記端板37,
38にその両端部を当接せしめて、該コイルスプリング
20の弾力を両ベローズ壁39,40を伸長する方向即
ち第1の室18および第2の室19の容積を拡大する方
向に付勢せしめている。
【0027】一方の前記硬質端板38の両ベローズ壁3
9,40で囲まれる区域に形成した開口41は中空管1
7が連通固定せしめられて、内燃機関のインテークマニ
ホールドに連通され、前記第1の室18に内燃機関の吸
気負圧を導入する。また前記硬質端板38の第2のベロ
ーズ壁40で囲まれる区域には、図2に示したハウジン
グ10に第1の逆止弁21、第2の逆止弁31と同様に
これらの逆止弁21,31を配設し、前記第1の逆止弁
21と第1の管路26を介して前記第2の室19を前記
容器7に連通させ、また前記第2の逆止弁31と第2の
管路27を介して前記第2の室19をノズル8に連通せ
しめる。第1の逆止弁21および第2の逆止弁31に付
した符号で図2と同一符号は同一部分を示す。
【0028】図7に示すポンプ29は、両ベローズ壁3
9,40により囲まれる第1の室18に導入される内燃
機関の吸気負圧が高いときは、コイルスプリング20の
付勢力に抗して両ベローズ壁39,40を軸方向に縮小
せしめるように変形し、第1の室18の容積を縮小せし
めるとともに、第2の室19の容積も縮小せしめ、この
とき第2の室19内に汲み上げられていた凝縮水28を
第2の管路27を介してノズル8に送り出す。内燃機関
の吸気負圧が低下すれば、コイルスプリング20の付勢
力により両ベローズ壁39,40は伸長し、第1の室1
8および第2の室19の容積はそれぞれ増大され、第2
の室19には第1の逆止弁21および第1の管路26を
介して容器7から凝縮水が汲み上げられる。
【0029】図8に示すポンプ42は、図2に示すポン
プ9の変形例であつて、ベローズ16によりポンプハウ
ジング10内を2室に区画するに代えて、該ポンプハウ
ジング10の円筒形基体11の内周面にシリンダ壁43
を形成して、該シリンダ壁43の中心軸方向にプランジ
ヤ44を滑動自在に支持させ、該プランジヤ44の周壁
に周方向に形成した周溝45内に装着したシールリング
46によつて前記プランジヤ44とシリンダ壁43との
間の気密を保持し、ポンプハウジング10内を、前記プ
ランジヤ44によつて第1の室18および第2の室19
の2室に区画したものである。本実施例の場合コイルス
プリング20の両端は、それぞれポンプハウジング10
の蓋板12の内面とプランジヤ44の一端面とにそれぞ
れ固定的に保持され、その弾力を前記第1の室18の容
積が拡大される方向にプランジヤ44を付勢する。図8
において、図2と同一の符号は同一部分を示すものと
し、その説明は省略する。ただし中空管17はポンプハ
ウジング10の蓋板12に固定され蓋板12に形成した
開口47と連通される。
【0030】本実施例において、ポンプハウジング10
内の第1の室18に導入される内燃機関の吸気負圧が高
いときは、プランジヤ44はコイルスプリング20の付
勢力に抗して第1の室18の容積を縮小させ、これによ
り第2の室19の容積を拡大させる。内燃機関の吸気負
圧が低下すれば、スプリング20の付勢力により第1の
室18の容積は拡大され、これにより第2の室19の容
積は減少する。従つて本実施例のポンプは、図2に示す
ポンプ9と同一の作動をする。
【0031】図9に示すポンプ49は、円筒形本体1
1、蓋板12および底板13とからなるポンプハウジン
グ10の蓋板12の内面と端板14の周縁との間に円筒
形本体11と同軸的にベローズ壁50を配設して第1の
ベローズ51を形成するとともに、前記端板14と底板
13との間に前記ベローズ壁50より小径のベローズ壁
52を円筒形本体11と同軸的に配設して第2のベロー
ズ53を形成し、中空管17を蓋板12に固定して第1
のベローズ51に開口させ、ベローズ壁50と蓋板12
とで囲まれる第1のベローズ51内の容積を有する第1
の室18を形成するとともに、前記ベローズ壁50と円
筒形本体11および底板13とにより囲まれる空間を、
ベローズ壁52で2個の室に区画し、2個のベローズ壁
50,52の外周面と円筒形本体11とにより囲まれる
第2の室19と、小径のベローズ壁52で囲まれる第2
のベローズ53内の容積を有する第3の室54とする。
底板13の小径のベローズ壁52の外周部分の区域に、
第2の室19の容積が拡大されるときのみに開く前記第
1の逆止弁21と、第2の室19の容積が縮小されると
きのみに開く前記第2の逆止弁31とを設け、前記第2
の室19を前記第1の逆止弁21と第1の管路26を介
して前記容器7に連通させ、また前記第2の逆止弁31
と第2の管路27を介して前記ノズル8に連通させる。
前記第1および第2の逆止弁21,31の構成は図2に
記載の逆止弁21,31とそれぞれ同一であるから、説
明を省略する。
【0032】ポンプハウジング10の底板13の前記小
径のベローズ壁52で囲まれる区域には、前記第1の逆
止弁21と同一構成の第3の逆止弁55と該逆止弁55
を介して前記第3の室54に連通する第3の管路56が
設けられ、また前記第2の逆止弁31と同一構成の第4
の逆止弁57と該逆止弁57を介して前記第3の室54
に連通する第4の管路58が設けられる。前記第3の逆
止弁55および第4の逆止弁57の構成は前記逆止弁2
1,31とそれぞれ同一であるから、あらためてその説
明は行わない。
【0033】本実施例のポンプ49は、第1の室18に
導入された内燃機関の吸気負圧が高いときは第1のベロ
ーズ51がその軸方向長さを縮小して第1の室18の容
積を縮小し、これにより前記第2の室19および第3の
室54の容積はそれぞれ拡大され、また内燃機関の吸気
負圧が低下すると第1のベローズ51はコイルスプリン
グ20の付勢力により伸長して第1の室18の容積を拡
大し、これにより前記第2の室19および第3の室54
の容積をそれぞれ縮小する。第2の室19は第1の逆止
弁21および第2の逆止弁31によりポンプ作用をし、
前述したように容器7内の凝縮水を汲み上げてノズル8
に送り、ノズル8からコンデンサ2またはサブクーラ4
に向けて噴射せしめる。
【0034】第3の室54も第3の逆止弁55および第
4の逆止弁57によりポンプ作用を発生する。第3の管
路56はこれを設けないか、先端を適所に開口させてお
き、第4の管路58をノズル8に導くときは、第2の管
路27からノズル8に送られる凝縮水とともに空気をノ
ズル8から噴出せしめて、ノズル8の散水効率を向上さ
せることができる。
【0035】図10および図11に、水とともに空気を
噴出させるノズル8を示す。図10は頂壁81に噴射口
82を形成した円筒状ノズル本体83に第1の管体84
を前記ノズル本体83の軸線方向に垂直に設けた底板8
5を固定するとともに、該底板85より円筒状ノズル本
体83の中心軸に沿つて第2の管体89を固定し、第2
の管体89より水を、第1の管体84より空気を供給す
ることによつて、噴射口82より水滴と空気の混合流を
コンデンサ2またはサブクーラ4に噴射散布しようとす
るものである。また図11は噴射口82を先細のベンチ
ユリ状断面とし、空気流を整流するとともに空気流の速
度を高め、水滴を遠くに飛散させるようにしたものであ
る。
【0036】図12に示すノズル8は球形のタンク91
と空気吹出管92とよりなり、前記タンク91はポンプ
49から凝縮水を送出する第2の管路27の先端に連結
され、小径のノズル93より水を噴出し、空気吹出管9
2は前記ポンプ49から空気を送出する第4の管路58
の先端に連結され、その先端の小径噴射口94から前記
ノズル93より噴出される水流に直角に衝突するように
空気を噴出し、これにより水を霧化せしめるようにした
ものである。
【0037】前記ポンプ49においては、第1の室18
に導入される内燃機関の吸気負圧が高いときは、大径の
第1のベローズ壁50がその軸方向に収縮し、小径の第
2のベローズ壁52がその軸方向に伸長することによ
り、第2の室19および第3の室54の容積が同時に拡
大し、第1の室18に導入された吸気負圧が低下すると
きは第2の室19および第3の室54の容積が当時に縮
小する。第2の室19および第3の室54には、それぞ
れ該室19,54が拡張するときのみに開く第1の逆止
弁21または第3の逆止弁55が付設されるとともに、
前記室19,54が縮小するときのみに開く第2の逆止
弁31または第4の逆止弁57が付設されている。
【0038】従つて前記ポンプ49の説明にあたつて、
第2の室19に連通する第1の管路26を凝縮水を貯留
する容器7に連通させ、第2の管路27をノズル8に連
通させる構成を説明したが、前記第3の室54に連通す
る第3の管路56を前記容器7に、かつ第4の管路58
をノズル8に連通せしめても、水をノズル8から噴射せ
しめることができる。この場合前記第2の室19に連通
する第1の管路26はこれを省略するかまたは先端を任
意の位置に開口させ、第2の管路27を前記ノズル8の
第1の管体84または空気吹出管92に連結する。
【0039】前記ポンプ49において、底板13上にお
ける第2のベローズ壁52で囲まれる面積が残余の面積
と等しいかまたはこれより小である場合は、第3の室5
4を凝縮水を汲み上げるポンプ室とした方が、第2の室
19を凝縮水を汲み上げるポンプ室とする場合よりノズ
ル8において噴出する水の圧力を大とすることができ、
冷凍サイクルの効率の向上に有利である。
【0040】図13に本発明の他の実施例の要部を斜面
図で示す。本実施例においては、ノズルに代えて超音波
振動子を用いて、ポンプ9より送り出された凝縮水を霧
化させコンデンサ2またはサブクーラ4に散水せしめ
る。即ちポンプ9の第2の室19に連通する第2の管路
27の先端は、コンデンサ2の直前部において下方に向
けて開口71せしめられ、該開口71の直下に受皿72
が設けられ、該受皿72には図14に示すように超音波
振動子73が配設されて、電源74と接続される。
【0041】本実施例によれば、ポンプ9より第2の管
路27を介して送出された凝縮水は受皿72内に落下
し、該受皿72内に配設された超音波振動子73の振動
により霧化されてコンデンサ2またはサブクーラ4に吹
きつけられる。コンデンサ2またはサブクーラ4に向け
て送風するフアン75を設置すれば霧化した凝縮水の吹
き付けが確実に行われる。
【0042】図15は本発明のさらに他の実施例の要部
の斜面図を示す。本実施例においては、ポンプ9から送
り出された凝縮水をフイルム状にしてコンデンサ2また
はサブクーラ4に散水せしめる。即ちポンプ9の第2の
室19に連通する第2の管路27に、先端を閉じた散水
管76を連結する。該散水管76にはコンデンサ2また
はサブクーラ4に対向する部位にその長手方向に沿つて
直線状のスリツト77が図16の断面図に示すように形
成され、散水管76に送られた凝縮水は前記スリツト7
7からフイルム状となつてコンデンサ2またはサブクー
ラ4に向け吐出される。
【0043】図18に冷凍サイクル連動式ポンプの他の
例を示す。ポンプ101はケーシング103内に構成さ
れており、上からベローズ105、バネ107、チャン
バ109、吸入弁113、吐出弁117、供給路11
9、吐出路121を備える。
【0044】ケーシング103は配管Kの開口部K1に
臨むように配管Kに固定される。配管Kはカーエアコン
の冷媒を移送するものである。ベローズ105は配管K
の開口部K1に開口しており開口部K1の周縁を封じる
ように固定されている。したがって、配管K内を移送さ
れる冷媒はベローズ105内部に導入される。バネ10
7はベローズ105の下面を配管Kの側(図では上側)
に付勢する。チャンバ109はケーシング103内部を
ベローズ105で仕切った容積可変の室である。
【0045】チャンバ109の底面には供給路119と
チャンバ109とを連通する連通口111と、吐出路1
21とチャンバ109とを連通する連通口115とが形
成される。
【0046】連通口111には吸入弁113が構成され
る。吸入弁113は、供給路119からチャンバ109
への流体(ここではエバポレータで発生した凝縮水)の
流れを許し逆方向の流れを阻止する逆止め弁である。こ
の吸入弁113は、チャンバ109内の凝縮水の圧力が
供給路119内の凝縮水の圧力より小さい場合に連通口
111を開口し、かつチャンバ109内の凝縮水の圧力
が供給路119内の凝縮水の圧力より大きい場合に連通
口111を閉鎖する。
【0047】連通口115には吐出弁117が構成され
る。吐出弁117は、チャンバ109から吐出路121
への凝縮水の流れを許し逆方向の流れを阻止する逆止め
弁である。この吐出弁117は、チャンバ109内の凝
縮水の圧力が吐出路121内の凝縮水の圧力より大きい
場合に連通口115を開口し、かつチャンバ109内の
凝縮水の圧力が吐出路121内の凝縮水の圧力より小さ
い場合に連通口115を閉鎖する。
【0048】上記構成のポンプ101の取付場所の一例
を図19に示す。図19はカーエアコンの系を模式的に
示したものである。系はコンプレッサ123、コンデン
サ125、膨張弁127、エバポレータ129等により
構成される。実施例では、冷媒の圧力変動幅が最も大き
いコンプレッサ123とコンデンサ125との間にポン
プ101を設置する。この系では、エバポレータ129
を冷房用空気が通過する際に発生した凝縮水はドレン1
31に貯められた後ポンプ101により移送され、ノズ
ル135からコンデンサ125の表面に噴霧される。冷
たい凝縮水の噴霧によりコンデンサ125の冷媒を冷却
すれば、コンデンサ125における冷媒の圧力が低下し
て冷房能力が向上する。
【0049】上記構成を備えたポンプ101の作用を以
下に説明する。図20に示すように、エンジン回転数N
eの変動に同期して、コンプレッサ123から出た冷媒
の圧力Pは変動する。ポンプ101の設置箇所にも図2
0に示すような冷媒の圧力Pの変動が発生している。こ
うした冷媒の圧力変動は、ポンプ101に次の挙動を発
生させる。
【0050】例えば冷媒の圧力Pが低下すると、冷媒が
ベローズ105を拡大しようとする力よりも、バネ10
7がベローズ105を縮小しようとする付勢力が勝るか
ら、ベローズ105の下面は配管K側(図面では上側)
に移動しようとする。このため、チャンバ109内の凝
縮水の圧力が低下する。すると、チャンバ109内の凝
縮水の圧力が吐出路121内の凝縮水の圧力より小さく
なり、チャンバ109の吐出路121との連通口115
を吐出弁117が閉鎖する。また、チャンバ109内の
凝縮水の圧力が供給路119内の凝縮水の圧力より小さ
くなり、チャンバ109の供給路121との連通口11
1を吸入弁113が開口する。したがって、冷媒の圧力
の低下により、供給路119からチャンバ109内に凝
縮水が吸引される。
【0051】次に、冷媒の圧力が上昇すると、冷媒がベ
ローズ105の下面を押し下げようとする力がバネ10
7の付勢力より勝るから、ベローズ105の下面が下方
に移動しようとする。このため、チャンバ109内の凝
縮水の圧力が上昇する。すると、チャンバ109内の凝
縮水の圧力が供給路119内の凝縮水の圧力より大きく
なり、チャンバ109と供給路119との連通口111
を吸入弁113が閉鎖する。また、チャンバ109内の
凝縮水の圧力が吐出路121内の凝縮水の圧力より高く
なり、チャンバ109と吐出路121との連通口115
を吐出弁117が開口する。したがって、冷媒の圧力の
上昇によりチャンバ109内の凝縮水が吐出路121内
に吐出される。
【0052】以上のようにして、冷媒の圧力の上下動に
よりポンプ101は凝縮水を移送する。したがって、図
17に示したように、エバポレータ129で発生した凝
縮水は、ドレン131に貯めれた後ポンプ101で移送
され、ポンプの吐出路121に連通するノズル135か
らコンデンサ125の表面に噴霧される。
【0053】図21はポンプ101を使用した場合の冷
凍サイクルを示すp−i線図である。この線図中には、
3種の冷凍サイクルA,B,Cを示す。圧力Pが低くか
つエンタルピiの変化量が大きい冷凍サイクルほど冷房
能力が高いことを示す。
【0054】サイクルAは凝縮水の噴霧を実行しない場
合のものである。圧力Pが高くエンタルピiの変化量も
小さい状態、つまり渋滞によりエンジン出力が平均して
低めとなり冷房能力が低下している時にこうしたサイク
ルAが発生する。
【0055】サイクルBはポンプ101を付加したこと
に付随して発生する現象を示すための説明上のサイクル
である。ポンプ101の内部では冷たい凝縮水と冷媒と
がベローズ105で隔てられるだけであるから、冷たい
凝縮水と高温の冷媒との間で熱交換が行なわれる。した
がって、ポンプ101を通過すると冷媒の圧力が若干低
下する。この結果、ポンプ101が存在することだけ
で、サイクルAよりも圧力Pが低く冷房能力の高い冷凍
サイクルBが実現される。
【0056】サイクルCは、ポンプ101の使用により
得られるものである。上記熱交換による付随効果と凝縮
水の噴霧による効果とが相俟って、サイクルAよりも格
段に冷媒の圧力Pが低くしかもエンタルピiの変化量が
大きい。このことが、ポンプ101による冷房能力の向
上の効果を示している。
【0057】以上説明したようにこのポンプ101によ
れば、カーエアコン冷凍サイクル内の冷媒の圧力変動を
駆動源として利用して、凝縮水をコンデンサ125に噴
霧できるから、電力を使用することなく、即ちバッテリ
に負荷をかけずに、カーエアコンの冷房能力の向上を図
ることができるという優れた効果を奏する。また、構造
が簡単であるから、信頼性が高く、寿命が長いという利
点がある。
【0058】さらに、渋滞時こそ冷房能力が低下するか
ら凝縮水の噴霧が必要となるが、渋滞時には車の加減速
が繰り返され冷凍サイクルの冷媒の圧力の上下動が大き
な幅で繰り返されるため、ポンプ101が自動的に起動
して、凝縮水の噴霧による冷房能力の回復が図られると
いう効果がある。ポンプを制御する装置は必要としな
い。
【0059】加えて、既述したようにポンプ101の存
在により冷たい凝縮水と高温の冷媒との間で熱交換が行
なわれ、冷媒の温度が低下するから、冷房能力の一層の
向上が図られるという効果を奏する。
【0060】以上実施例を説明したが、本発明は実施例
に何等限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲において種々なる態様で実施しえることは勿論
である。例えば、本発明のポンプが移送する流体には気
体も含まれる。実施例においても、発生した凝縮水を移
送する前に空気の移送を行なえば、凝縮水のノズル13
5の噴出口に付着したゴミが除去されるから、噴霧口の
目づまり防止が図られるという効果が得られる。また、
ポンプ101の他の設置場所としては、図22に示すよ
うに、圧力変動幅は小さくなるがコンデンサ125と膨
張弁127との間D1、膨張弁127とエバポレータ1
29との間D2、エバポレータ129とコンプレッサ1
23との間D3がある。
【0061】また、実施例のポンプは圧力制御装置とし
て実施することができる。図23のタイミングチャート
に実施例のポンプが凝縮水を吸引して吐出する動作と冷
媒圧力との関係を示す。図示のように、実施例のポンプ
においては、冷媒圧力が低下してバネ107の付勢力が
冷媒圧力に勝れば凝縮水がチャンバ109に吸引され、
冷媒の圧力が上昇してバネ107の付勢力が冷媒圧力に
劣れば凝縮水がチャンバ109から吐出される。つまり
吐出(噴霧)と吸引との作動の境界線は、バネ107の
付勢力と冷媒圧力とのバランスにより決定される。した
がって、バネ107のばね定数、あるいは冷媒圧力に相
当する外部の圧力の平均値を任意に変更することにより
吸引・吐出する流体の圧力を制御することができ、圧力
制御装置として実施できるのである。
【0062】本実施例の空気調和機は、エバポレータに
より冷却する空気を循環せしめる室内の制御装置によ
り、外気温度等の外部事情や室内温度や温度切替等の内
部事情により、コンプレツサの駆動状況は変化せしめら
れるが、通常は空気調和機の設置目的に応じ、コンプレ
ツサの定常運転速度を定め、コンデンサやサブクーラの
冷却用風速や風量等の冷却条件が定められている。とこ
ろで、前記外部事情や内部事情の変化が頻繁でコンプレ
ツサの運転速度が頻繁に変化せしめられるような高負荷
時には、前述した凝縮水をコンデンサやサブクーラに噴
射せしめる手段により、冷凍サイクルの効率の低下を防
ぐことが高く要求されるが、コンプレツサの定常運転状
態またはその前後の中負荷時または低負荷時には冷凍サ
イクルとして余裕があり、凝縮水の噴射の要求度は低
く、かつ前記公知技術のように電動ポンプや回転体を用
いて凝縮水を常時コンデンサやサブクーラに散水せしめ
ておくと、動力の消費が大となる。
【0063】特に車輌走行のための内燃機関によりコン
プレツサを駆動する車載用の空気調和機においては、車
輌の定速走行状態においては車輌速度に応じた冷却風量
がコンデンサまたはサブクーラに与えられており、凝縮
水のコンデンサまたはサブクーラへの散布はさほど必要
とされてないが、渋滞した道路を走行する状態において
は、前記冷却風量が十分でなく、凝縮水の散布が望まれ
る。
【0064】本実施例においては、コンプレツサが内燃
機関で駆動されており、コンプレツサが高速でかつ一定
の回転速度で駆動されているときは、ポンプの第1の室
内に導入されている内燃機関の吸気負圧には変化がな
く、ポンプの第2の室にはポンプ作用は生じないが、コ
ンプレツサが一定の回転速度であることは冷凍サイクル
の効率に殆ど変化がなく、空気調和機は凝縮水の散水が
行われない状態で運転される。
【0065】コンプレツサの駆動回転速度が内部条件や
外部条件により低速でかつ頻繁に変化する際には、コン
プレツサを駆動する内燃機関の回転速度変化により吸気
負圧の変化が頻繁に生じ、前記ポンプの第2の室にポン
プ作用を生じさせ、凝縮水を貯留する容器から水を汲み
上げ、放水手段からコンデンサまたはサブクーラに散水
し、これにより冷凍サイクルの効率を向上せしめる。
【0066】特に前述した車載用の空気調和機について
考える。図17に車輌の渋滞走行時と定速走行時との内
燃機関回転速度の時間に対する変化を線図で示すよう
に、定速走行時には、線61で示すような先行車に近接
したときまたは線62で示す先行車に近接した後これを
追越すとき等に内燃機関の回転速度変化が僅かに見られ
るが、このようなときはコンデンサまたはサブクーラの
冷却風量は十分であり、凝縮水の散布の要求は少ない。
しかし渋滞走行時においては、線63で示すような停止
状態でアイドリング回転速度(破線で示す)からの変速
操作のための回転速度変化、線64で示すように先行車
との距離を保つための急加速のくり返しから停車に至る
回転速度変化、線65で示すように停止状態から変速操
作後停止に至る回転速度変化等が頻繁に発生し、このよ
うな回転速度変化が生ずる都度、ポンプの第2の室でポ
ンプ作用を生じ、コンデンサまたはサブクーラに凝縮水
を放水手段から散布するので、車輌の走行条件に適合し
た状態でコンデンサまたはサブクーラに凝縮水を供給す
ることができる。また上実施例におけるポンプは、内燃
機関の吸気負圧の変化により第1の室の容積が変化し、
これに伴つて第2の室の容積を変化せしめて、第2の室
の容積の拡大時と縮小時にそれぞれ開く第1および第2
の逆止弁を別個に作動せしめてポンプ作用を行うもので
あるため、凝縮水が前記容器にないとき、または凝縮水
が少ないときに、空気が前記ポンプに吸引されることが
あつても損傷を生ずるおそれが極めて小であり、ポンプ
の駆動力を別に要求されないから、廉価で安定性と耐久
性のあるポンプを提供することができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動車用
流体移送ポンプは、外部の圧力変動を利用して流体を移
送でき、電力を使用しないから、バッテリの負担を低減
できるという効果を奏する。
【0068】また、本発明の空気調和機によれば、簡易
な構成のポンプによりエバポレータにおいて凝縮した水
をコンデンサまで運び、冷凍サイクルの効率の向上を図
ることのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部の斜面図。
【図2】上記実施例中のポンプの断面図。
【図3】空気調和機の構成要素と冷媒回路を示す説明
図。
【図4】上記実施例中のノズルの断面図。
【図5】前記ノズルの変形例の断面図。
【図6】前記ノズルの他の変形例の断面図。
【図7】前記ポンプの他の実施例の断面図。
【図8】前記ポンプのさらに他の実施例の断面図。
【図9】前記ポンプのさらに他の実施例の断面図。
【図10】前記ノズルの変形例の断面図。
【図11】前記ノズルの変形例の断面図。
【図12】前記ノズルの変形例の断面図。
【図13】本発明の他の実施例の要部の斜面図。
【図14】前記実施例の受皿の断面図。
【図15】本発明のさらに他の実施例の要部の断面図。
【図16】前記実施例の散水管の断面図。
【図17】車輌用内燃機関の回転速度の走行時間に対す
る変化を示す線図。
【図18】本発明の一実施例としてのポンプの断面図で
ある。
【図19】実施例のポンプの設置例を示す説明図であ
る。
【図20】冷媒の圧力とエンジン回転数との関係を示す
説明図である。
【図21】実施例のポンプの効果を示す説明図である。
【図22】実施例のポンプの他の設置箇所を示す説明図
である。
【図23】実施例のポンプの動作と冷媒圧力との関係を
示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 コンプレツサ 2 コンデンサ 3 レシーバ 4 サブクーラ 5 膨脹弁 6 エバポレータ 7 容器 8 ノズル 9,29,42,49 ポンプ 10 ハウジング 16,51,53 ベローズ 18 第1の室 19 第2の室 20 コイルスプリング 21 第1の逆止弁 26 第1の管路 27 第2の管路 31 第2の逆止弁 101 ポンプ 105 ベローズ 107 バネ 109 チャンバ 113 吸入弁 117 吐出弁 119 供給路 121 吐出路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の運転に使用される各種流体を移
    送する移送ポンプにおいて、 外部の圧力変動により容積を変化するチャンバと、 該チャンバに開口する流体の供給路と、 前記チャンバ内の流体の圧力が前記供給路内の流体の圧
    力より小さい場合に前記供給路を前記チャンバに開口
    し、かつ前記チャンバ内の流体の圧力が前記供給路内の
    流体の圧力より大きい場合に前記チャンバに開口する前
    記供給路を閉鎖する吸入用逆止め弁と、 前記チャンバに開口する流体の吐出路と、 前記チャンバ内の流体の圧力が前記吐出路内の流体の圧
    力より大きい場合に前記吐出路を開口し、かつ前記チャ
    ンバ内の流体の圧力が前記吐出路内の流体の圧力より小
    さい場合に前記チャンバに開口する前記吐出路を閉鎖す
    る吐出用逆止め弁とを備えることを特徴とする自動車用
    流体移送ポンプ。
  2. 【請求項2】 コンデンサ、膨脹弁、エバポレータおよ
    び内燃機関により駆動されるコンプレツサと、これらを
    連結する冷媒回路とを備え、必要に応じて前記コンデン
    サと膨脹弁との間にサブクーラを設けるとともに、 前記エバポレータの外表面に付着する凝縮水を受ける容
    器と、該容器内の凝縮水を汲み上げるポンプと、該ポン
    プにより汲み上げた凝縮水を前記コンデンサまたはサブ
    クーラに向けて散水する放水手段とを備えた空気調和機
    において、 前記ポンプは、内部容積が可変の第1の室と、該第1の
    室の容積変化に伴つて容積変化を生ずる第2の室と、前
    記第1の室の容積を拡大する方向に前記第1の室を区画
    する壁体を付勢する付勢手段と、前記第1の室に負圧を
    導入する空気通路と、前記第2の室の容積が拡大される
    ときのみに開く逆止弁を介して前記第2の室を前記容器
    に連通せしめる第1の管路と、前記第2の室の容積が縮
    小されるときのみに開く第2の逆止弁を介して前記第2
    の室を前記放水手段に連通せしめる第2の管路とよりな
    ることを特徴とする空気調和機。
  3. 【請求項3】 前記第1の室には前記内燃機関の吸気負
    圧が導入される請求項2記載の空気調和機。
  4. 【請求項4】 前記第1の室には前記冷媒回路を流れる
    冷媒の圧力が導入される請求項3記載の空気調和機。
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